パーフェクトなジオングを考える

 


ジオングと言うと、足がついていない。80%の完成度。と言うことで、私が子供の頃は、ドムの足を付けたのをパーフェクトジオングと雑誌がとりあげ、さらに、公式にも、足がついた状態のジオングをパーフェクトジオング。と称するようになっています。

が、しかし、足がつけばパーフェクトなのか。と言う観点から、真にパーフェクトなジオングを妄想する…もとい、考察する。

◆ジオングの足は本当に間に合わなかったのか。
ジオングは、足がない代わりに、大型のスラスターが二つついています。足が間に合わなくて、突貫でスラスターを付けたという事は考えにくい。と言うのも、特攻兵器ならば、燃料の再注入など考えなくても良いため、それも可能ですが、敗戦濃厚でやけくそに。と言う雰囲気はあの時期にはなく、ある程度の整備性は持っていたと考えるべきでしょう。 と、なれば、設計段階から、足の代わりにメインスラスターを付ける事になっていたといえます。

また機動プログラム的にも、足があるなしで大きく変わるし、そもそも、足の制御システム(歩行や着地の制御)あるなしで、根底から変わるハズです。さらには、大型スラスターと脚部スカート内のスラスターでは、メイン推力に雲泥の差がでるため、そうした機動制御プログラムの事を考えれば、ジオングは 、遅くとも開発中期(設計図が完了し、実機組み立てに移行するまで)には、すでに足を付けない方向で決定したと考えるのが妥当でしょう。

さらには、ジオングはかなりの大型で、足がない状態でもガンダムと同等、もしくは頭一つ 小さいサイズであり、ここに足を付けると、ガンダムのほぼ二倍(注:一部資料によると、足を付けると全長は、ザクの二倍との事)。それなのに、大型スラスターでなく、脚部スカート内スラスターでは、推力不足が考えられます。ジオングには、バックパック、ランドセルが無いため、脚部、腰部スカート内のスラスターだけでは、明らかに推力不足と言えるでしょう。このため、 サイコミュ搭載モビルスーツというより、モビルアーマーに寄せる方向に変更したと見て良いでしょう。

仮に、脚部スカート内スラスターと、大型スラスターの推力が同一としても、足という重量物が増えている分、推力は確実に下がるはずです。まぁ、この時代のモビルスーツは、足の裏にもスラスターがついている事が多く、補えている可能性も否定できないのですが。

さらには、サイコミュは、電波が使えないミノフスキー粒子下で、遠距離戦を行うのが基本コンセプトです。AMBACによる高機動よりも、大型スラスターによる高速移動の方が運用に合致しているはずです。つまりは、高機動というのは、戦闘機で言うところのドッグファイト能力であり、遠距離戦を行うタイプには、あまり必要が無いとも言えます。それよりは、高推力で高速移動し、一撃離脱ないし、敵兵器のアウトレンジをキープする方が、合致していると考えます。

足を付ける事は、パーフェクトと言うよりも、蛇足になりうる可能性が高いと判断できるでしょう。根幹問題として、キシリアは「完成度は80%」とは言っていますが 「足が間に合わず80%」とは言っておらず、「足がない」と言ったのはシャアで、モビルスーツと聞いていたけど足無いね。ぐらいの感じでしょう。足のある状態が100%とは誰もいっていません。モビルアーマーとモビルスーツの中間兵器とすれば、上記で述べたとおり、計画段階から足がない設計だったとしてもおかしくありません。ビグロやグラブロに足がないと言うようなモノ。設計やコンセプトに自信があるからこそ、工廠兵士は「あんなモノは飾りです」と言い切った。とも考えられます。

現代でも、デルタ翼を初めて見たテストパイロットは、水平尾翼がない。と呟いていたかも知れませんし。震電とか見たパイロットは、何これ、飛ぶの?とか思っただろうナァ。

◆装備面からの考察
分類的には、強襲機に入るであろうジオングですが、それにしては装備が脆弱と言えます。マニュピレーター兼用のビーム砲も、実用に向いているとは言えず、わざわざ、砲門に関節を付ける必要もなく、ブロウブロ的なビーム砲門を取り付けた方が、格段に実用的。また、 遠隔操作中に腕部を損傷すると、格段に攻撃性能が低下し、尚かつ機体制御のバランスも大きく崩れてしまいます。

腕を飛ばしているときの本体武装も脆弱であり、胴体部分にメガ粒子砲二門を備えているモノの、完全な固定式で、照準を合わせるには胴体ごと動かす必要があり、ジオングの巨躯を考えれば、高機動のMSを捕らえるには不向きです。加えて言うならば、推進時には、全く使えない兵器であり、足の有無にかかわらず、推力方向は、真下のみで、移動時、砲門は常に下を向いており、撃つためには、一度胴体を起こす必要があるというコンセプトミス。頭部、と言うか口の部分のビーム砲も、固定式で、頭ごと振らなくてはならず、仰角にも限界があり、射角はかなり狭いと言えるでしょう。

◆真のパーフェクトとは
端的に言ってしまえば、モビルアーマー的な完璧さをジオングに求めれば、その完成型は、αアジールになります。

その為、当時の技術及び、モビルスーツよりなジオングと言う事で、考察していきます。

まずは懸案の足。やはり、無いよりはあった方が良い。と言うのも、やはりAMBACによる推進剤の節約は 、稼働時間と直結し運用面に大きく関わってくるでしょう。推力不足を補うために、膝から下は全て推進装置ぐらいの大型スラスターを付ける事で、解決できるでしょう。

ついで腕部。やはり、マニュピレーターとしての手と、サイコミュ砲門としての腕は、別個に取るべきです。マニュピレーターとしての手がある事で、携行火器や近接武器を持つ事が出来、死角が減ります。肩ユニットに、さらに腕部ユニットを取り付ける事で、攻防に使えるユニットとなるでしょう。このデザインは、ムーンクライシスのグランジオングで、まつうらまさふみ氏がデザインされています。って、今度のGジェネでも、ムーンクライシス入ってないんだよねぇ。クロスボーンとか、ティターンズ小説の奴とか入れる暇があったら、ムーンクライシスを入れてよ。プルトニウスとかZプロンプトとか。

話を戻して、本体固定武装。胴部の二門は撤去。その代わり、ガンキャノン的に、肩に装着。ココなら角度も取れるので、巡航時でも問題なく運用できます。

頭部。大型であるため、被弾しやすい事を考えると、脱出ユニットとして機能するのはスバラシイ。コクピット近くにビーム兵器があるのは、パイロットとしては若干、不安もあるだろうが、脱出時に、丸腰になるよりはマシと考えるパイロットの方が多そうだ。

バックユニット。これはやはり、メインスラスターとして装着すべき。さらに、サイコミュ砲門も積む事で、火力アップも狙える。

と言うコンセプトで、鉛筆書きでデザインしたモノが、下記。頭部は、ジオングらしい、たれ目を残そうとしたモノの、デザイン力不足 。
巡航モードは、膝立ちする状態になります。サイコミュ砲は、別にカバーをクローにする必要はないのですが、まぁ、絵的に。弾切れになったら、直接殴るとか突くとか。





原型は、胸の四角いスラスターぐらいしか残ってないなぁ。

本気度20%増しのラフスケッチ。上の旧デザインよりは、ジオングっぽくなるように気をつけました。



肩部クローアーム撤廃して、可動式優先ビーム腕っぽく使えなくもないよユニットに置換……大型アームのが格好いいか?
顔をまんまジオングだけど、鉄仮面風に。
バックスカートブースターユニットは譲れない。
肩のビームキャノン撤廃。バックパックの有線ビームで兼用できるし、近中距離はビームライフルの出番やろと。推進方向も変わっているので意味が無くなった
ビームライフルの大型化。旧案では自営用の近距離重視っぽくカービン気味のサイズに対して、もろバトルライフル的に。
脚部スラスターはまだ小さいし、デザイン的、システム的にもおかしい。
腰部スカートのまんま流用はなんとかしたい。このサイズで、逆噴射用のスラスターがないと制御は困難であろう

こうしてみると、回避も含めた防御に難がありそう。Iフィールドか、ビーム偏向バリアが必要な感じがする。
…ビーム偏向バリアを展開した上で、バリア上にビーム粒子を垂れ流し、ビームバリアの原型とするのはいかがか?
バリアと言うよりも、ストナーサンシャイン的に体当たり兵器としてw



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