その後も長く、ジェフドの吟遊詩人の真似は続く。
 彼にとって、こんなに、実益と趣味を兼ねた楽しいものはない。
 さすがに都から離れることはなかったが、城を空ける日が多くなった。
 不思議に、人が詩人と信じて疑わないことが、拍車をかけたらしい。
 さすがに、ルドモットが、
(これは、いけない)
と、思ったときは、すでに遅かった。
いや、無理にやめさせておかないばかりに、とんでもないことになった。
 少しくらい遊ぶ時間があっても、という親心で甘やかした結果に途方にくれた。
 さらに、ジェフドが成長した時、真似では済まなくなっていたのである。


         王子様は吟遊詩人!?<完>        
 


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