ドルフィシェ見聞録・後日談

 国王クラウドへ文月から連絡が来た。
「住むならドルフィシェだって感想が来たよ。良かったねー。」
 ダンラークよりドルフィシェの方に住んでみたいと言われ、大喜びしたクラウドは早速本人を王宮へ招くことにした。
 何しろダンラークより影が薄く、中々目を向けてもらえないとクラウドは思っているので。
「ティアラ。お客様がお見えになるから、おもてなしの準備をよろしく。」
「はい。」
 王宮では紅茶のマフィンに季節の果物というお茶菓子を用意して、カイルが迎えに行く。
 招待されたのは美矢原十夢嬢。
 作者文月と同じ世界の住人であるが、
「ドルフィシェって面白そうだよね。やっぱり賑わってる国は活気があっていいな。」
 といたくお気に入り。
 ありがたい申し出のため、クラウドは直々に許可証を発行した。
「都の案内図も付けときますね。あと日が落ちてからの女性の一人歩きは危ないです。どこか出かける時は騎士を連れて行ってください。騎士隊には声かけておきますから。」
 港の近くは、治安が良いとは言い難い。
 特に夜は。
「是非ドルフィシェでの生活を楽しんでいただきたいですわ。」
 絵と読書を嗜まれると聞き、ティアラが地図に画材店と書店と図書館に印をつけておいた。
 美矢原嬢にはゆっくりとドルフィシェの良さを知っていただきたいと願うのである。





 「番外編に出たかった」とまでおっしゃるドルフィシェ贔屓の美矢原様。
 この許可証一枚で海路も陸路も通行自由です♪
 行動の自由には営業権も含まれますので、商売も出来ます。(笑)
 存分にドルフィシェを満喫してくださいませ。