個人的に招かれたグラハムはバルコニーのある部屋の中から、こっそりと、高みの
見物をさせてもらったのだが、盛り上りがたは異様にさえ思うくらいで、目を見張って
いた。
 ドルフィシェの栄華の象徴というべき光景だろう。
 グラハムは、内心自分も紛れ込みたい衝動をかろうじて押さえ込む。
 招待の際、金貨一枚では到底仕立てられない服を新調してくれたのだから。
 そして、特別手当と渡された、美酒と肉や魚介の燻製を詰め合わせたかごを土産に、
グラハムが帰宅すると、手の平にのる程度の大きさの酒樽が入っていた。
 せいぜいグラス一杯分しかなさそうだが、コルク栓を抜くと、流れ出したのは
酒ではなく、金の粒である。
「相変わらず陛下は面白いことを…。」
 どうやら胸の内を見透かされていたようである。
 グラハムは笑いながら、もう一つ棚からグラスを取り出すと、本物の酒を注ぎ、
叫んだ。
「ドルフィシェの景気と国王陛下ご夫妻に乾杯!」


                          <完>




 年明け番外編は、ドルフィシェから。

 ぱあっーと金貨を撒いたら、派手で景気良さそうじゃありませんか。

 クラウドは手で撒くのが面倒で、かごを思い切り振ってそうな気がするけど…。

 ある意味、お年玉でもありますが、政治経済効果の演出も兼ねてるので、ティアラには

 させないですね。

 多分、片棒担がせるのは本意じゃないんでしょう。

 クラウドの中ではティアラはいつまでも純真無垢なお姫様なので♪

 もう結婚10年以上経ってるはずなんですけどねー。

 エンリックが金貨は使いにくいと心配してますが、特にドルフィフェは商業の発達してる

 国なので、多分宿屋でも両替可能。

 通貨に限らず物品なども色々な場所で交換できます♪

 H.17.1.3
   

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