15 酸化と還元

太字
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アウトライン
1 二酸化炭素の中で物が燃えるか・・・【実験】マグネシウムとCOの反応(MgはCと結合しているOを奪って燃えることを実験) 
2 酸化還元の新しい定義・・・MgとCOの反応で電子の移動が起こっていることを説明。
3 テルミット反応・・・【実験】テルミット反応(AlはFeの酸素の奪い、鉄を作ることを実験)。他の金属も酸化物や硫化物を還元して作ることを説明。
4  酸化数・・・酸化数の付け方を説明。
5 酸化剤と還元剤・・・主な酸化剤、還元剤を紹介。
6 酸化剤、還元剤の反
・・・半反応式と酸化還元反応、【実験】過マンガン酸カリウムの性質
7 水を汚すものは何だ?・・・【実験】水を汚すものは何だ(CODの意味を考え、CODを上げる原因をさがす実験)
8 イオン化傾向と金属の性質・・・【実験】+イオンになりやすい金属(イオン化傾向の違いによる金属の析出)
9 イオン化傾向と金属の性質(2)・・・金属と水や酸との反応、【実験】マグネシウムと水蒸気の反応
10 ボルタの電池・・・【実験】ボルタの電池
11 ダニエル電池・・・【実験】ダニエル電池
12 乾電池
13 鉛蓄電池・・・【実験】鉛蓄電池
14 水溶液の電気分解・・・【実験】水溶液の電気分解
15 水溶液の電気分解について・・・白金を電極にした場合の電気分解反応
16 アルミニウムは電気の缶詰・・・溶融電気分解
17 電気分解における量的な関係・・・ファラデーの法則


授業の内容

1 二酸化炭素の中で物が燃えるか 
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二酸化炭素の中では、本当に、どんな物でも燃えないのだろうか。


【実験】
(1)薬さじ1杯の炭酸カルシウムを集気びんに入れる。そこに塩酸約10mlを入れてすぐにふたをする。すると、次の反応で二酸化炭素が発生する。
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
(2)燃焼さじのローソクに点火する。集気びんのふたを少しずらし、すきまからローソクを集気びんの中に入れてみよ。火は消えるか。
(3)マグネシウムリボンをピンセットでつまみ、ガスバーナーで点火する。そして空気中で燃焼し、燃えかすを観察しなさい。
(4)もう1本のマグネシウムリボンをピンセットでつまみ、点火する。そして、集気びんのふたを少しずらして二酸化炭素中に入れてみよ。火は消えるか。反応が終わったら燃えかすを観察し、記録しなさい。

【結果】
(1)マグネシウムは二酸化炭素中で燃えたか。

(2)マグネシウムの燃えかすのようすを記録しなしさい。
  ・空気中で燃焼したマグネシウムの燃えかす

  ・二酸化炭素中で燃焼したマグネシウムの燃えかす

【考察】
(1)マグネシウムの空気中での燃焼を反応式であらわしなさい。

(2)マグネシウムの二酸化炭素中での燃焼を反応式であらわしなさい。

(3)二酸化炭素の中でマグネシウムはなぜ燃えたのか。ローソクはなぜ燃えないのか。

 (MgとOの結合力がCとOの結合力より大きいため、MgはCOのOを奪える。)

 (ロウソクはCとHの化合。HとOの結合力はCとOの結合力より弱いため、ロウはCOのOを奪えない。)

(4)マグネシウムが燃焼するとき、なぜ熱や光などのエネルギーが出るのか。

 (Mgは金属だから高エネルギー物質。それが、低エネルギー物質のMgOに変わるため。)

2 酸化還元の新しい定義         もどる

問1 マグネシウムが空気中で燃焼する反応の反応物、生成物を分類せよ。

Mg MgO
分類 (金属) (分子性物質) (イオン性物質)
構成粒子 (Mg原子) (O原子) (Mg2+、O2−イオン)

 *ヒント 金属・・・・(金属)原子で構成
      イオン性物質・・・・(
金属)原子と(非金属)原子で構成
      分子性物質・・・・(
非金属)原子で構成

問2
@ Mg原子およびMg2+イオンは、陽子と電子を何個ずつ持っているか。

  (Mg原子・・・陽子12個、電子12個)

  (Mg2+イオン・・・陽子12個、電子10個)

A O原子およびO2−イオンは、陽子と電子を何個ずつ持っているか。

  (O原子・・・陽子8個、電子8個)

  (O2−イオン・・・陽子8個、電子10個)

問3 Mg原子は電子をどうしたか。O原子ではどうか。

  (Mg原子・・・電子を放出)

  (O原子・・・電子を獲得)

酸化還元の定義
 酸化される・・・(電子を放出すること)
 還元される・・・(電子を獲得すること)


3 テルミット反応
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 鉄の原料である(
鉄鉱石)や(砂鉄 )の主成分は鉄の酸化物(例えば Fe)である。この物質から酸素を奪えば鉄を作ることができる。酸素を奪うには鉄よりも酸素との結合力が()い元素と反応させればよい。アルミニウムはそういう元素の一つなので、これを使って鉄を作ることができる。この反応をテルミット反応という。

【演示実験】テルミット反応
 酸化鉄(V)10gの粉末とアルミニウム4gの粉末を混ぜ、マグネシウムリボンを導火線にして、点火する。

※※コメント※※
 ろ紙を4つに折ってろ過するときのように開き、スタンドのOリングにセットします。ろ紙全体を水で濡らします。その中に鉄粉とアルミ粉の混合物を入れ、マグネシウムリボンを立てます。ろ紙の真下に500mlビーカーをおき、底にろ紙を敷きます。そして、ビーカーに水を満たして準備完了です。
 マグネシウムリボンに点火し、少し離れて観察します。ドラゴン花火のように反応し、真っ赤に溶けた鉄がろ紙から落ちてビーカーの水に落ちる様は圧巻です。
※※※※※※※


【考察】
問1 この反応の反応式を書きなさい。

問2 反応物、生成物を金属、イオン性物質、分子性物質に分類しなさい。そして、それぞれの物質が原子で構成されているのか、イオンで構成されているのかを判断しなさい。

Fe Al Fe Al
分類 (イオン性物質) (金属) (金属) (イオン性物質)
構成粒子 (Fe3+、O2−イオン) (Al原子) (Fe原子) (Al3+、O2−イオン)


問3 酸化された元素、還元された元素の変化をe−を用いた式で表しなさい。

  酸化された元素の変化

  還元された元素の変化

問4 (  )内に適語を入れよ。
 実際に製鉄所で鉄を作るときは、溶鉱炉の中に鉄鉱石と(
コークス)、(石灰石)を入れ、高温に加熱する。すると、コークスから次のように一酸化炭素が発生し、それが鉄鉱石の酸素を奪うので、鉄が得られる。
C + O → CO
C + CO → (
2CO
Fe + (
3CO) → (2Fe)+(3CO

問5 他の金属はどのように作っているのか。

 金、白金・・・


 銅・・・・・


 鉛、亜鉛・・・

 鉄、スズ・・・

 アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム・・・

問6 人間が最初に手に入れた金属は銅(または青銅)で、次は鉄であった。
青銅器時代や鉄器時代には、どうやってこれらの金属を作っていたのか。

 (鉱石を木炭で還元して作っていた。)

※※コメント※※
生徒たちの多くは、金属がそのまま岩石の中に入っていると思っています。ここでは硫化物や酸化物を還元して金属を作っていることを強調しました。
※※※※※※※

4 酸化数                     もどる

酸化還元反応の新しい定義を使うとき、反応に関係する各元素に酸化数という数字を考えて、酸化された元素と還元された元素の変化を表わすこともできる。酸化数は次のように決める。

酸化数

@ 単体を構成する原子の酸化数は0とする。
  酸素O 水素H 炭素C 鉄Fe などの単体を構成する原子O、H、C、Feの酸化数は(
)である。
A化合物中の元素の酸化数は次のように決める。
 ・Hは「必ず」(+1)、Oはたいてい(−2)とする。
 ・イオンの酸化数はイオンの価数とする。
   Ca2+は+2 Naは+1 Clは(−1) O2ーは(−2
・原子団を構成する各原子の酸化数の総和は原子団のイオン価数と同じにする。
   SO2ー中のOの酸化数は−2で、4個あるから計−8、総計が−2になるので、Sの酸化数は(+6
・化合物を構成する原子の酸化数を合計すると0になる。 CO中のOは−2、合計0になるのでCの酸化数は(+4)になる。
 このように各元素の酸化数を決めると、酸化された元素は酸化数が(増加)し、還元された元素は酸化数が(減少)している。

問1 次の各反応において、それぞれの元素の酸化数を考え、酸化された元素と  還元された元素の酸化数の変化を求めよ。
       Fe2O3 + 2Al → 2Fe + Al2O3
   酸化数 

酸化された元素・・・   酸化数の変化・・・

還元された元素・・・   酸化数の変化・・・

       酸化数減少 →
       (
還元)される  電子を(獲得
酸化数 ・・・+3 +2 +1 0 −1 −2 −3・・・
     ← 酸化数増加
      (酸化)される  電子を(放出


問2 次の化合物の下線部の原子の酸化数を求めよ。
  H  H   Mn  KMn  Kr

問3 次の各反応において、酸化された元素と還元された元素の名前と、酸化数の 変化を答えよ。
(1)2Mg + CO2 → 2MgO + C
   酸化された元素・・・    酸化数の変化・・・
   還元された元素・・・    酸化数の変化・・・

(2)Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2
   酸化された元素・・・    酸化数の変化・・・
  還元された元素・・・    酸化数の変化・・・

(3)MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
   酸化された元素・・・    酸化数の変化・・・
   還元された元素・・・    酸化数の変化・・・

(参考) 分子性物質もイオンでできている?

 酸化数をつけたり、酸化された元素や還元された元素を考えてきた。ここで、おやっと思った人も多いだろう。例えば次の反応。
  2Mg + CO → 2MgO + C
 酸化された元素はMg、その酸化数の変化は 0→+2。これは良いのだが、問題は還元された元素のC。酸化数が+4→0と減少しているので、還元されたと判断した。でも、COは分子性物質なので、C原子とO原子が共有結合してできているはず。そうであれば、CはC原子からC原子になった。では、酸化も還元もされてないのだろうか?

 この疑問を解説しよう。電気陰性度って覚えているだろか。原子が電子を引きつける強さを表す数値だ。これによると、CよりもOの方が電子を強く引きつけていて、対等な共有結合ではないことが分かる。もし、完全にOがCの電子を引きつけてしまうと、図のようにC4+とO2−のイオンになる。実際のCとOの結合は、ここまで極端にイオンになっているわけではない。でも、酸化還元反応を考える場合は、COのような分子性物質も、電気陰性度の小さい方に+、大きい方に−の酸化数を割り当てて、電子の移動を考えているのである。物質の分類と、酸化数の割り当て方をまとめると、次のようになる。

・金属  ・・・・Fe、Zn、Cuなど・・・・・・・
(酸化数0)

・分子性物質・・ H、O、Sなど・・・・・・
(酸化数0)
          HO、CO、HNOなど・・・・
(イオン性物質と見なしてイオン価数をつける)

・イオン性物質・・NaCl、KMnOなど・・・
(イオン価数に+−をつける)

5 酸化剤と還元剤
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 Mgが燃える反応をもう一度検討しよう。
   2Mg + O → 2MgO

  Mgの酸化数の変化・・・
 (0 → +2)
  Oの酸化数の変化・・・
  (0 → −2)

 Mgは(
酸化)され、Oは(還元)された。
 Mgが相手(O)を(
還元)し、Oは相手(Mg)を(酸化)したとも言える。

酸化剤・・・相手を(酸化)する物質、自分自身は(還元)される
還元剤・・・相手を(
還元)する物質、自分自身は(酸化)される


問1 還元剤としてはたらく物質には、どんなものがあるか。
(1)

(2)

問2 酸化剤としてはたらく物質にはどんなものがあるか。
(1)

(2)

問3 水道水の殺菌にはCl、オゾン(O)などが使われ、傷口の消毒にはオキシドール(H)やヨードチンキ(Iの水・アルコール溶液)が使われている。なぜか。

   (細菌を酸化する作用があるため。)

6 酸化剤、還元剤の反応
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 酸化剤、還元剤には問1,2で考えたもの以外、次のようなものがある。そして、それらのはたらきを表したものが半反応式である。

半反応式

   (省略)

問 過酸化水素水と硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液の反応式を作れ。
(1)半反応式どおしを組み合わせて、イオン反応式を作りなさい。

(2)必要なイオンを補って、化学反応式にしなさい。

【実験】過マンガン酸カリウムのはたらき
 過マンガン酸カリウムに硫酸を加えたもの(硫酸酸性過マンガン酸カリウム)はよく使われる酸化剤である。このはたらきを実験しよう。

(1)500mlビーカーに半分ほど、ガス湯沸かし器から熱いお湯を入れておく。
(2)100mlビーカーに、0.01mol/l 過マンガン酸カリウム水溶液を約20ml取る。
(3)(2)のビーカーに1mol/l硫酸を2mlほど入れ、よくかきまわす。これを4本の試験管に分ける。
(4)それぞれの試験管に、@スチールウール(少量)、A5%H(3ml)、B0.1mol/lKI(3ml)、CFeSO(薬さじ小に1杯)を入れ、攪拌してようすを見る。変化が見られない試験管は、ビーカーのお湯で加熱する。
(5)D別の試験管に5%H(3ml)と0.1mol/lKI(3ml)を加えて変化を見なさい。

【結果】それぞれの試験管のようすを記録しなさい。
 
【考察】
(1)半反応式を組み合わせて、それぞれの変化をイオン反応式で示しなさい。

(2)それぞれの反応の酸化剤、還元剤を答えなさい。

(チャレンジ問題)イオン反応式に必要なイオンを補い、化学反応式にしなさい。


7 水を汚すものは何だ?
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ドブの水と水道水の違い
【実験1】 ドブの水をビーカーで加熱し、硫酸を少し加えて酸性にし、そこに0.1mol/l 過マンガン酸カリウム水溶液を1滴ずつ入れてみよ。どうなるか。ドブの水にはどんな物質が含まれていると言えるか。また、水道水で実験するとどうか。

  ドブの水・・・
  水道水 ・・・

※※コメント※※
ドブの水は過マンガン酸カリウムの紫色を消します。汚水の中に含まれる汚れは、酸化される物質であることを説明しました。
※※※※※※※


水を汚しているものは何か
  手賀沼は、日本で一番汚れている沼だが、汚れを出しているのはほとんどが生活系(つまり一般家庭)だといわれている。

【実験2】次のようなものが過マンガン酸カリウムと反応するかどうかを調べてみよう。
 試料
  砂糖、みそ、キャベツ、牛乳、合成洗剤、セッケン、シャンプー・・・

(1)500mlビーカーにお湯を300mlほど入れ、バーナーで加熱、沸騰させておく。
(2)0.001mol/l過マンガン酸カリウム水溶液を、ビーカーに50mlほど入れてくる。
(3)ビーカーの過マンガン酸カリウム水溶液に1mol/l硫酸を5mlほど入れ、酸性にする。
(4)(3)の硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液を試験管に3mlほど入れ、その中に試料をひとつ入れて、沸騰水で加熱してみなさい。過マンガン酸カリウムの色が消えるものは何か。
【結果】

※※コメント※※
台所やお風呂、洗面所などから水に流してしまうようなものはすべて過マンガン酸カリウムと反応します。これらが、水を汚す原因です。
※※※※※※※

【考察】
(1)水を汚しているものは、物質の分類上どんなものか。それらは、なぜ過マンガン酸カリウムと反応するのか。

  (有機物・有機物は酸化されるため、過マンガン酸カリウムと反応する。)

(2)それらはなぜ水を汚すのか。

  (多量の有機物が排出されると
 @ 水を濁らせて水草の光合成を阻害する。
 A 微生物が有機物を分解するときに酸素を使うため、水を酸欠状態にする。
 B 微生物が分解しきれない有機物が底にたまり、ヘドロになる。)

(3)水がどれくらい汚れているのかを調べるには、どんな実験をすればよいか。

 (どれくらいの過マンガン酸カリウムと反応するかを調べればよい。)

(4)CODとは何か

 COD・・・(化学的酸素要求量)
 水の中の(
有機物)を分解するのに必要な(酸素)の量。
│ CODを測定するときは(
酸素)の代わりに(過マンガン酸カリウム)を使う。
※※コメント※※
CODは有機物を分解するのに必要中マンガン酸カリウムの量と言うよりは、一定の条件で有機物と反応する過マンガン酸カリウムの量と言うべきでしょう。外国では、過マンガン酸カリウムではなくニクロム酸カリウムを酸化剤に使っているところもあります。この方がCODの値は高くでるようです。
※※※※※※※

【実験3】 ドブの水とみそ汁を別々の500mlビーカーで沸騰させ、ピペットで、それぞれに0.1mol/l硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液を入れてみよう。どれくらいの過マンガン酸カリウム水溶液と反応するか。
* みそ汁のCODは3万数千ppm。お椀1杯のみそ汁を薄めて、魚が住めるようにするには風呂おけ5杯分の水が必要だと言われている。

※※コメント※※
ドブの水は2,3適の過マンガン酸カリウムと反応し、それ以上加えると紫色が消えにくくなります。ところが、みそ汁は5滴、6滴と加えても紫色を消します。10滴加えたところで「ええい、面倒だ」と言って、ジャーとピペットいっぱいの過マンガン酸カリウム溶液を入れてしまいます。ところが、それをあっという間に消してしまいます。「これでもか」と叫んで、またジャーと入れます。それも消してしまい、生徒はびっくり。

最後に、こんなことを言ってまとめにしました。
「作ったみそ汁は作りすぎないこと。作った分は全部飲もう。牛乳も、ジュースも同じだ。」
「トイレから出すモノを同じように実験すると、やはり多量の過マンガン酸カリウムと反応する。でも、これは出さずに生活することはできない。だから、水をきれいにするには下水処理施設の設置も欠かせないんだ。」
※※※※※※※

【感想】

              年   組   番 氏名

8 イオン化傾向と金属の性質
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問 硫酸銅水溶液に亜鉛板を入れておくと、亜鉛がイオンになって溶け、代わりに金属の銅が得られる。
(1)この反応をイオン反応式で表しなさい。

  (Zn + Cu2+ → Zn + Cu2+

(2)酸化された元素、還元された元素の酸化数の変化を答えなさい。

酸化された元素:
 (Zn、0→+2)

還元された元素:
 (Cu、+2→0)

このように、金属には+イオンになりやすいものと、なりにくいものがある。他の金属の組み合わせではどうなるかを実験しよう。

【実験】+イオンになりやすい元素
@ スチールウールを少し取り、細長く丸めて、これを試験管に入れる。このとき、スチールウールが大きすぎると後で試験管から出せなくなるので注意すること。その試験管に、硫酸銅水溶液を3ml入れておきなさい。
A 硫酸鉄(U)水溶液3mlを試験管に取り、銅板を入れておきなさい。
B きれいに洗って 蒸留水でゆすいだ 試験管に硝酸銀水溶液を3ml取り、銅片を入れて置きなさい。しばらくすると銅片のまわりにふわふわしたものが付着するであろう。それを指で取って、実験台にこすりつけてみなさい。
C 試験管に1mol/l硫酸を約3ml取り、その中に亜鉛板を入れなさい。
D 試験管に1mol/l硫酸を約3ml取り、その中に銅板を入れなさい。
【結果】
 それぞれの試験管内のようすを書きなさい。

@硫酸銅水溶液と鉄 (鉄のまわりに銅が付着。溶液の青色がうすくなった。)
A硫酸鉄(U)水溶液と銅 (変化なし。)
B硝酸銀水溶液と銅 (銅のまわりに銀が付着。溶液がうすい青色に変化。)
C希硫酸と亜鉛 (泡を出して、亜鉛が溶ける。)
D希硫酸と銅 (変化なし。)


【考察】
(1)それぞれの反応をイオン反応式で表しなさい。
 @

 A

 B

 C

 D

(2)それぞれの反応で、酸化された元素と還元された元素の酸化数の変化を答えなさい。また、イオンになりやすいのはどちらかを書きなさい。

酸化された元素の酸化数 還元された元素の酸化数 イオンになりやすさ
@  > 
A  > 
B  > 
C  > 
D  > 
※※コメント※※
銅などのが酸(酸化力のない)に溶けないことも実験し、理由をイオン価傾向から考えさせました。
※※※※※※※


【感想】


            年   組  番 氏名

9 イオン化傾向と金属の性質(2)
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 金属と言っても、水と反応してしまうナトリウムのようなものから、長い間、土の中に埋もれていてもサビない金のようなものまで、性質はさまざまである。金属がどれくらい反応しやすいかは、イオン化傾向と関連づけて考えることができる。

 イオン化傾向の大きな金属・・・
(反応しやすい(さびやすい))

 イオン化傾向の小さな金属・・・・
(反応しにくい(さびにくい))

イオン化傾向と金属の反応
  

←イオン化傾向()     イオン化傾向()→
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Ag Pt Au
冷水と反応
高温の水蒸気と反応
塩酸や希硫酸と反応
硝酸や熱濃硫酸と反応
王水と反応

・マグネシウムと水蒸気との反応

※※コメント※※
 試験管に水を2mlほど入れます。約10cmのマグネシウムリボンを折りたたんで、その試験管の中ほどに入れます。試験管の口に短いガラスL字管を入れたゴム栓をはめます。この試験管を横向きにして、スタンドに固定します。試験管の底が水平よりやや下になるように固定するとうまくいきます。
 バーナーを強火にして、まずマグネシウムを強熱します。マグネシウムが軟らかくなってきたら、すかさずバーナーを移動して水を強熱します。すぐ水が沸騰して水蒸気を作り、熱くなったマグネシウムと反応して、まばゆい光を発します。L字管からは水素がでますので、それに火をつけると勢いよく燃えます。
※※※※※※※

・銅と濃硝酸との反応

※※コメント※※
銅が硝酸に溶けるようすを試験管でやって見せます。
※※※※※※※

10 ボルタの電池                     もどる

問1 シャーレに希硫酸を入れ、銅板と亜鉛板を図のように入れる。
 @ 銅板と亜鉛板を離した場合、水素の泡はどちらから出るか。

 A 銅板と亜鉛板を接触した場合、水素の泡はどちらから出るか。

  (希硫酸と銅は反応しない。銅と亜鉛板が接していると、銅からも泡が出る。)

 B なぜ上のようなことが起こるか。

  (亜鉛が希硫酸に溶解するとき気放出した電子が、銅板に回ってきて、銅の表面からHに入り込んだため。)

 C 銅板と亜鉛板を図のようにモーターにつないでみなさい。

※※コメント※※
銅と亜鉛を極板にして太陽電池モーターにつなぎます。銅と亜鉛を希硫酸に入れると、モーターがまわり、本当に電子が流れていることを確認できます。
※※※※※※※

問2
@ ボルタの電池は希硫酸を使っているが、それ以外の溶液で電池になるだろうか。実験してみよう。
  希塩酸・・・            砂糖水・・・

  食塩水・・・            水道水・・・

  アルコール水溶液・・・

※※コメント※※
この実験で、イオンを含んでいる水溶液なら電池になることを示します。
※※※※※※※


 A 亜鉛板と銅板以外の金属で電池になるだろうか。もし電池になったら、どちらの金属が正極になるだろう。

   亜鉛と鉄     Mgと銅     Mgと鉛

※※コメント※※
2種の金属があれば電池になること。それに、イオン価傾向の大きな金属が負極になることを示します。
※※※※※※※

問3 @ トタンは鉄板に亜鉛をメッキしたものである。これがむき出しの鉄板よりさびにくいのはなぜか。


A アルミナベで料理を作るとき、ステンレスのお玉を入れたまま煮込むと味が落ちるといわれている。なぜか。

※※コメント※※
アルミナベに食塩水とステンレスのお玉を入れ、電圧計につなぐと針が振れます。この、電池ではアルミが溶けでているわけです。白黒はっきりしないものの、アルミはアルツハイマーの原因ではないかと疑われていることを補足しました。
※※※※※※※

問3 ボルタの電池の欠点は何か。
(1)亜鉛を希硫酸に入れておくと、
(どんどん反応して溶けてしまう。)

(2)密閉できないため、
(横にしたり、持ち運んだりできない。)

(3)充電できない。

(4)すぐに起電力が落ちてしまう。

 ボルタ電池の起電力はおよそ1.1Vであるが、すぐ0.4Vくらいに下がってしまう。この原因は複雑であるが、おもに銅板の表面で(
水素)が発生するとき起電力の一部を使ってしまうためである(反応@)。この現象を(分極)という。
 希硫酸の中にHなどを入れておくと、反応AのようにH が電子を受け取る代わりに、H が電子を受け取るようになって水素の発生を防げる。H のような物質を(
分極剤)と呼ぶ。
  2H + 2e− → H ・・・反応@
  + 2H + 2e− → 2HO ・・・反応A


11 ダニエル電池
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 英国の科学者ダニエルは1836年、水素ガスが発生しないような電池(ダニエル電池)を発明した。これは実際に使われた電池である。

問1 正極、負極で起こっている変化をe−を用いた式で表せ。

正極・・・

負極・・・

問2 ダニエルはなぜ希硫酸を使わなかったのか。

  (亜鉛と反応し、水素ガスを発生して分極が起こるため。)

問3 しきりはなぜ必要なのか。もし、しきりがなかったらどうなるか。

  (亜鉛板と硫酸銅水溶液が接触するので、反応してしまう。亜鉛がイオンになるときの放出した電子が、その場で銅イオンに入り込み、回路を回らなくなる。)

問4 もし両溶液を分けてしまったらどうなるか。

 亜鉛がイオンになると、硫酸亜鉛水溶液では(
Zn2+)イオンの方が(SO2−)イオンより多くなる。一方、硫酸銅水溶液から銅が析出すると、この溶液では(SO2−)イオンの方が(Cu2+)イオンより多くなる。つまり、硫酸亜鉛水溶液は+に帯電し、硫酸銅水溶液は−に帯電してしまうのである。そうなると、亜鉛がさらにイオンになることも、銅イオンがさらに銅に変化することもできなくなる。溶液は常に、電気的に中性でなければならないのである。

問5 ダニエル電池のしきりはどんなはたらきをしているのか?

SO2−)イオンを(硫酸銅水溶液)から(硫酸亜鉛水溶液)の方にとおして、両溶液をいつも電気的に中性に保つ。実際には(Zn2+)や(Cu2+)も通るので、亜鉛板の周りに銅が付着する。ダニエルの最大の発明は素焼きのしきりであった。

問5 ダニエル電池の欠点は何か。
(1)亜鉛板の周りにCu2+ が拡散してきて、(
Cu)が付着する。同時に、(Zn)が溶け出してしまうので、3日に1回くらいは溶液を交換しなければならなかった。
(2)起電力が約(
1.2)Vしかない。
(3)充電できない。

12 乾電池
                          もどる
ダニエル電池から乾電池への道
 1812年 イタリアのザンボーニは、固体で強力な酸化剤である(
MnO)を使うことを提案。
 1844年 ヤコビとプリンスは硫酸亜鉛水溶液を(
塩化アンモニウム)に替え、砂やノコギリくずと混ぜて、のり状にした。
 1868年 フランスのルクランシェは上の二つのアイディアを組み合わせ、使える電池としてまとめ上げた。正極は酸化マンガン(W)と反応しない炭素棒を用いた。(ルクランシェ電池)
 1886年 ドイツのガスナーは、電解液に酸化亜鉛と塩化アンモニウム水溶液を使い、これをセッコウで固めてこぼれないようにした。ルクランシェ電池の完成である。

問1 乾電池内で起こっている変化は複雑であるが、次のような反応であると考えられている。
4Zn + 8MnO + ZnCl + 8H
     → ZnCl ・4Zn(OH) + 8MnO(OH)

(1)酸化された元素を答え、その元素の酸化数の変化をいいなさい。


(2)還元された元素を答え、その元素の酸化数の変化をいいなさい。


問2 乾電池の欠点は何か。

 (・ 充電できないこと。
 ・ そのため、乾電池を作るために使ったエネルギーのうちの%しか取り出せない。)

13 鉛蓄電池
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 一度使っても、充電すればまた使える電池(二次電池)として鉛蓄電池(バッテリー)は広く使われている。
 鉛蓄電池は鉛と酸化鉛(W)を希硫酸に浸したものである。
(1)放電する反応

負極での反応
 Pb + SO2− → PbSO + 2e 

問1 電子を放出した元素は何か。

正極での反応
 PbO + SO2− + 4H+ + 2e → PbSO + 2H

問2 電子を吸収した元素は何か。



(2)充電する反応
 充電するとは正極、負極で電子をどうすることか。

 正極・・・
(電子を奪う)

 負極・・・
(電子を注入する)

 鉛蓄電池を充電するときは放電するときとまったく逆の反応が起こっている。

問1 正極ではどんな反応が起こっているのか。変化をeを用いた式で表わせ。


問2 負極ではどんな反応が起こっているのか。変化をeを用いた式で表わせ。


【実験】鉛蓄電池を作る
【方法】
(1)図のように2枚の鉛板の間にろ紙をはさんで、鉛どうしが接触しないようにしておく。
(2)このシャーレに希硫酸を入れる。
(3)ゼネコン(直流発電器)のクリップを鉛板につけて、ゼネコンを回して充電してみよ。ゼネコンは同じ方向に回すこと。

  この時の反応
   正極: Pb + 2HO → PbO + 4H + 4e
   負極: 4H + 4e → 2H
  正極の鉛板がこの反応でいったんPbOに変化した後の放電、充電の反応は前のプリントの反応になる。

(4)クリップをはずすと、ゼネコンを回す力が少なくてすむ。クリップをつけると回すには力がいる。これを全員で試しなさい。
(5)ゼネコンを100回まわしてから、手を離してみよ。どうなるか。
(6)(5)を4回繰り返せ。

【結果】
1、充電してからゼネコンのハンドルを離すとどうなるか。

  (ハンドルが回り続ける。)

※※コメント※※
@ ゼネコンにはハンドルを回すと発電し、電気を流すとハンドルが回ることを説明しておきました。ゼネコンにはモーターが入っています。モーターは電気を通すとまわりだし、強制的に軸を回すと電気が起こると、説明しました。
A ゼネコンで充電することによって、充電にはエネルギーが要ることが分かります。充電しているときは、ゼネコンのハンドルが重いのです。
※※※※※※※

2、充電すると正極、負極の鉛板の色はどう変化したか。

14 水溶液の電気分解
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 硫酸銅水溶液に電極を差し込み、直流電流を流すと陰極に銅が析出する。このようにして、水溶液から金属の銅を得ることができる。
陰極での反応

  (Cu2+ + 2e → Cu)

 金属イオンを含む色々な水溶液を電気分解してみよう。どんな場合でも金属は得られるであろうか。また、陽極での反応について考えてみよう。

【実験】水溶液の電気分解
【方法】
(1)炭素電極2本を用意する。汚れていれば、雑巾でふいて、きれいにする。
(2)100mlビーカーに硫酸銅水溶液100mlをとる。
(3)(2)の水溶液に(1)の炭素電極を浸し、図のようにゼネコンからのリード線につなぐ。
(4)炭素電極を接触させないようにして、ゼネコンを5分ほど回しなさい。陽極、陰極の炭素電極でどんなことが起こるか、記録しなさい。
(5)ゼネコンのリード線が炭素電極に接触しているときと、接触していないときでは、ハンドルの重さはどう変わるか。一人一人実験して記録しなさい。
(6)炭素棒に付着した物質を指にとり、実験台にこすりつけてみなさい。何ができたのだろうか。
(7)硫酸銅水溶液を前に戻し、電極をきれいにしなさい。そして、蒸留水でゆすいだビーカーに硝酸銀水溶液を取って、(3)〜(6)の実験(除く(5))をしなさい。
(8)食塩水を取って、(3)〜(6)の実験(除く(5))をしなさい。

【結果】
(1)それぞれの水溶液に電気を通したとき、陽極および陰極の炭素棒にどんな変化 が起こったか。

   陽極       陰極   
硫酸銅水溶液
硝酸銀水溶液
食塩水


(2)ゼネコンのリード線が炭素棒と接触しているとき(電気分解しているとき)と、 リード線が炭素棒からはずれているときで、ハンドルの重さはどう変わったか。

  (電気分解しているときは、ハンドルが重い。)

※※コメント※※
ここでも、ゼネコンのハンドルさによって、電気分解にはエネルギーが要ることが分かります。が重いのです。
※※※※※※※

【考察】
(1)硝酸銀水溶液を電気分解したときの、陰極での変化をeを使った式で表わせ。



(2)食塩水を電気分解したときの、陰極での変化をeを使った式で表わせ。(教科書を参考にしなさい。)


15 水溶液の電気分解について        もどる 
         
 水溶液を電気分解するとき陽極や陰極ではどんな反応が起こるのだろう。

(1)電気分解を考えるときのポイント

1 陰極での反応
   陰極の役割・・・電子を
注入する
    注意@(K〜Zn)などイオン化傾向の大きな金属イオンは 還元されにくく、代わりに()が還元されて次のように反応する
   2HO + 2e  H + 2OH
    注意A 酸性の溶液では()の代わりに()が還元される。

2 陽極での反応
   陽極の役割・・・電子を
奪う
     注意@(
SO2−、NO)イオンは変化を受けにくく、それらの代わりに ()が酸化されて、次のように反応する。
  2HO → O + 4H+ + 4e
     注意A 塩基性の溶液では()の代わりに(OH)が酸化される。
   4OH → O + 2HO + 4e


問1 次の各水溶液を電気分解したとき、陰極、陽極で起こる変化をe−を用いた式で表しなさい。
@硫酸銅水溶液を電気分解したとき
  陰極

  陽極

A硝酸銀水溶液を電気分解したとき
  陰極

  陽極

 B食塩水を電気分解したとき
  陰極

  陽極

 Cヨウ化カリウム水溶液を電気分解したとき
  陰極

  陽極

問2 アルミニウムは電気分解で作るのだが、水溶液からは作れない。どうすればよいか。


16 アルミニウムは電気の缶詰
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問 ボーキサイト(Al)を溶融電気分解したとき、陽極と陰極で起こる変化をeを用いた式で表わせ。



アルミニウムは電気の缶詰
 アルミニウム1トンを作るには21100kw/hの電力が必要である。ところが、回収したアルミ缶を溶かして再生する場合は、アルミニウムは融点が低いので、1トンあたりわずか590kw/hのエネルギーですむ。つまり、新しくアルミニウムを作るエネルギーに比べ、回収して再生する場合は3%のエネルギーですむというわけである。ジュースの空き缶1個を回収することによって、40Wの電球を11時間半だけつけていられるエネルギーが節約できると言われている。アルミニウムはまさに、電気の缶詰である。

17 電気分解における量的な関係
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 イオンを含む水溶液に直流電流を流すと、電気分解が起こり、さまざまな物質が得られる。例えば、硫酸銅水溶液からは銅が得られ、硝酸銀水溶液からは銀が得られる。こういう反応において、流した電気の量と得られる物質の量にはどんな関係があるだろうか。

問1 電気量の単位はクーロン(C)である。そして、1Cは1Aの電流が1秒間 流れたときの電気量と定められている。
  つまり、電気量(C)=電流(A)×時間(秒)である。
0.1Aで1分間電流が流れたときの電気量を求めよ。

問2 電子1個の持つ電気量はおよそ1.6×10ー19Cである。電子1モルの持つ  電気量はいくらになるか。

詳しく調べてみると、電子1モルの持つ電気量は96500Cになる。この電気量を1ファラデー(F)という。


問3 1Fの電気量を流すには、10Aの電流をどれくらいの時間流す必要があるか。何時間何分何秒と答えよ。


問4 硫酸銅水溶液を電気分解したとき、陰極に銅が38.4g生成された。この時流れた電気量はいくらか。CとFで答えよ。また、この時流れていた電流は5Aであった。このことから、電気分解していた時間を求めよ。
(この問題を順に考えて解こう。)
@陰極で起こる変化をeーを使った反応式で書きなさい。


A銅38.4gは何モルか。
 また、それだけの銅が生成された時、電子は何モル供給されたか。


BAのモル数の電子が持つ電気量を求めよ。これが、この電気分解の時流された電 気量である。


C上の電気量は5Aの電流をどれくらいの時間流した時のものかを計算しなさい。


問5 問4の硫酸銅水溶液の電気分解において、陽極で発生した気体の質量を求め  よ。
@陽極で起こる変化をeーを用いた式で表しなさい。


A問4のAで計算したモル数の電子が流れたとき、陽極に発生する気体のモル数を 求め、そこからその気体の質量を求めなさい。


問6 硝酸銀水溶液より、銀を54mg析出させるには、何Cの電気量が必要か。


問7 食塩水に2.0Aの電流を2時間41分通じたとき、陽極及び陰極で生成される物質の質量を求めよ。

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