WEEKLY INTERVIEW 再録
(毎週土曜or日曜更新)時々臨時休業
第15回 1982年 「FMステーション」82年9月27日号
”WHO'S WHO”コーナー
当時の新作「ライトゥンアップ」についても話してます。
Q 「ニューアルバム全体を通して聴くと、以前に比べてトーンが明るい感じがする
ですが… 」
吉田(以下M)「以前のアルバムより、1音か1音半くらい高い声で歌っているの。
だから、明るく聞こえるんだと思う」
Q 「吉田さんの声の音域って相当に広いと思うんだけど、それをある程度セーブし
て、本来の80%ぐらいにとどめているという印象があって、リスナーは無理
なく聴けるから、明るく感じるんじゃないかと」
M 「それは、バランスの問題だと思う。割と低音を隠し目にバランスしてるから。
従来より、広く出してることは出してるのね。それに、今回は楽器の編成なん
かは変わらないんだけど、他人の手に委ねている部分が多かったんです。アレ
ンジひとつにしても。(アルバム制作上)アーティスト自身の関わる部分が多
くあればあるほど、本人のパーソナリティーがアルバムに出てくるはずなのね
。”モノクローム”がそうだった。アーティスト自身のパーソナリティーに興
味のあるリスナーにとっては、アーティストが本当に考えていることしかアル
バムに出てこない、合ってると思うんだけど。自分では、できるだけタッチし
た方が(そのアルバムを)選んでくれた人に親切だ、とは思ってるの。でも新
作のつくり方はそうじゃなかったから、それが聴き易さにつながっているんじ
ゃないかな?」
Q 「吉田さんの音楽って、とにかく一生懸命聴かなきゃダメというリスナーに対す
る迫力みたいなものがあると思うんです。それが、今回はリラックスして聴け
るというか… 」
M 「ボク自身は、アメリカでのブラックミュージックのポピュラーな作り方をして
いると思う。ごく、当たり前に作っているのね。たとえば、この曲がアルバム
のA面1曲目です、って(アメリカの)アレンジャーに渡すと、そのパターン
にのっとったテクニックがちゃーんとあるわけね。アルバムの聴かせ方という
か… 。ハデに音圧をかけてガーンと、もっていくやり方もあれば、逆に静か
にバラードでもっていくというやり方もある。今回は、A面1曲目から、パッ
と耳に魅かれる方がいいということで、タイトル曲を持ってきたんです」
〜おしまい〜