高校生と
フィールドワーク
9月16日の休日、協会役員の飯田、小林、大久保鉄平の3氏は厳しい残暑の中、鶴橋に向かった。私立暁光高校3年生が文化祭展示のため、コリアタウンへのフィールドワークをしたいと…。協会の役員メンバーに案内役のオファーだ。
高校生5人と担任の先生方、そして役員メンバーの10人の集団が開店間もない鶴橋の韓国料理屋やキムチ屋が並ぶ路地を進む。これまで課題図書、深沢潮著の小説「緑と赤」を読み在日コリアンの主人公の想いなどを考えてきたという。
迷宮のような鶴橋の商店街を抜け、何時しか生野コリタウンへ。相変わらずの賑わいをかいくぐり一行は生野パーク(旧御幸森小学校)へ。ここで小林さんはコリアンの父を持つ、自分の生い立ちや差別の実状を切々と語る。ガザやウクライナ惨状を示しながら「私という存在はこれまでに話した誰が欠けてもここにいなかった。戦争は個人の生き方を歪めていく。平和を大事にしていきたい」と締めくくった。
小林さん自前のチマチョゴリも文化祭で着てもらう手はずに…。高校生たちはコリアタウン歴史資料館でもうひと勉強。一方、協会役員メンバーは、マッコリで日韓の交流を促進した。
暁光高校文化祭を訪問
9月28日の文化祭当日、招待を受けて大久保八郎さんを加え4人で展示を見学に行くことに…。3年6組の教室の壁3面にはびっしりと課題図書や映画パッチギの感想が書かれ、我々が案内したコリアタウンフィールドワークも写真入りで展示されていた。40ページにも及ぶパンフ、キンパムとホットクのサービス、至れり尽くせりだ。リーダ格の男子生徒は感謝の言葉を語り、女子生徒は口々にチマチョゴリを着た感想を話す。飯田は自らの高校生時代の朝鮮問題の文化祭展示を想起し入場者用感想文に思いをしたためた。
歴史知らない人をなくそう
パンフの文末、高校生はこう書いている。「過去のことだからもういいやって思ったらダメやと思う。文化祭の学習で在日コリアン関係の本を読んだことや、映画、VTRを見たりして、私の力だけじゃヘイトが溢れる日本は変わらないと感じてしまうけど、でも、自分と同じように、若い人がこうした日本による支配や抑圧、差別の歴史を学んでいくことで、何年後かには少しでも日本が『在日』の方への敬意を表す時がくるかもしれない。数か月前の自分はこういう大切な歴史を何も知らなかったな。自分と同じ年齢の人にもこの歴史を知らない人がいるってことをなくさなあかんと思う。これは在日コリアンの問題じゃなく、日本人の問題だ」と。 (Ⅰ)
18年にわたり 大阪のアジア映画常設館であった「シネマート心斎橋」が、10月24日をもち閉館します。最後に、人気のあった名作を日替わりで上映。思い出の映画を、是非もう一度スクリーンでご覧ください。
『DEADMAN 消された男』
制作2024年/監督:ハ・ジュンウォン/出演:チョ・ジヌン、キム・ヒエ
名義貸しの取引犯罪を描いた 新作サスペンス ※10月18日~24日の上映
『タクシー運転手 約束は海を越えて』
制作2817年/監督:チャン・フン/出演:ソン・ガンホ、トーマス・フレッチマン
1980年5月の広州事件をもとに描いた 心震える名作ドラマ ※10月19日(土)1回上映
『工作 黒金星と呼ばれた男』
制作2018年/監督:ユン・ジョンビン/出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン
1990年代、北朝鮮潜入を命じられた 韓国スパイの実録をもとに描く、緊迫の話題作 ※10月20日(日)1回上映
『1987 ある闘いの真実』
制作2017年/監督:チャン・ジュナン/出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ
1987年1月の民主化闘争の実話をもとに描いた社会派ドラマ ※10月21日(月)1回上映
他の作品、上記映画の上映時間は、ホームページでお調べください。
「シネマート心斎橋」
☎06-6282-0815
総裁選不出馬、政権投げ出しの挙に出た岸田首相が、9月1週目に韓国を訪問し、ユン大統領と会談する。岸田首相にとっては韓日関係改善という自身の「外交功績」を日本の有権者に誇示する狙いが透けて見える。
佐渡鉱山の世界文化遺産登録での「惨事」、不適格人物の独立記念館長任命など、ユン政権の度重なる失政により、韓国国民の間では日本に対する苛立ちが蓄積されている。岸田首相の訪問で、歴史問題を見据えた「最小限の誠意」を示さず、記念撮影に終わるなら、韓国国民の傷に塩を塗る行為となることとなる。
韓国、植民地正当化論者の台頭
今、韓国では、「韓国政府が日本の佐渡金山の世界文化遺産の登録に賛成したのは『予告編』」とささやかれている。7月末には植民地近代化論者である東国大学のキム・ナクニョン名誉教授が韓国学中央研究院(韓国の公共教育機関)院長に任命。8月に入ると、日本の植民地支配を正当化して親日行為者をかばってきた「大韓民国歴史と未来」のキム・ヒョンソク理事長を、国立独立記念館館長に…。これでユン政権は「一線」を越えたといわれ、安倍元首相らが進めてきた「歴史否定論」等、日本の右傾化論理を受任したとみられている。韓国の専門家は「日本との安保協力のために、植民地支配は不法だとした韓国最高裁の判決を否定」「中国脅威の前に日本が朝鮮半島の安全保障の責任を負わなければならないという危険な主張まで生まれてきている」と指摘する。
この状況下、光復会は独自に光福節式典を開催。政府式典の大統領演説には、歴史問題などを巡る対日批判は皆無だった。マスコミは、「ニューライト関係者を重用したことで、リ光復会長のような正統保守関係者まで背を向けるようにさせた」と報じた。
日本、皇国史観教科書合格に
日本では作家の竹田恒泰が社長を務める令和書籍の中学歴史教科書が初検定合格した。実はこれまでにも4回申請して4回検定落ち。その時と内容は変わったわけではなく、今回も検定意見がなんと106箇所と異常に多い。だが、文科省は合格に…。スタートは神話、歴代天皇の系図、「戦艦大和」の大写真、ジェンダー視点の欠落、そして日本軍「慰安婦」を否定…。教科書ネットの平井美津子先生は「本文に書かれているのは竹田さんの妄想としか思えない『物語』のみ…まったく話にならない教科書だ」と批判。歴史修正主義に基づく「危険な教科書」が自由社、育鵬社、そして令和書籍の三教科書となった。採択させない取り組みを!
製作 2023年
監督 カン・ジェギュ
出演 ハ・ジョンウ
イム・シワン
ペ・ソンウ
ヒトラーが開会宣言をした1936年 ベルリンオリンピックのマラソン競技で、日本代表は世界新記録を出し金と銅のメダルを獲得した。国民は歓喜に湧いたのだが、メダルを貰った孫基禎と南昇竜は複雑な思いだった。孫は勝利後「独立した朝鮮ではなく、占領国日本のために闘ったのが恥ずかしい」と吐露した。
日本の敗戦による開放後、荒れた生活を送っていたソン・ギジョンのもとにナム・スンニョンが現れました。「第2のソン・ギジョン」と期待されている若いソ・ユンボクを育て、ボストンマラソンに出場させようというのです。祖国の記録を取り戻すため、2人は再びマラソンチームを組みます。祖国への思いを胸に命がけのレースに挑んだ、マラソン選手の実話をもとに描いたヒューマンドラマです。
上映 8月30日(金)より
「テアトル梅田(旧シネ・リーブル)」他、全国各地で公開
岸田首相、韓国のユン大統領と中国の李首相は、5月に、第9回3か国首脳会議開催。その「共同宣言」で、「われわれは域内の平和と安定、朝鮮半島の非核化、拉致問題に対する立場をそれぞれ再強調した」と述べた。「それぞれ再強調」という表現は、「朝鮮半島の非核化」が共同の目標であることに合意できなかったことを示す。19年の中国成都で開かれた第8回3か国首脳会議の文書に「朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力」を明示したことに比べると、明らかな後退だ。
核抑止力で
新たな脅威増大
この間、日米韓は米国の核戦略資産(B52 などの戦略爆撃機や原子力潜水艦など)をコリア半島周辺に呼び込み、連続する軍事演習を展開。北朝鮮も対抗し「絶対に核を放棄できない」との姿勢を強め、先日、「戦術核」発射台250台を最前線へ配備したと宣伝した。このような核抑止力ありきの状況が、日中韓三か国の首脳会談でのトーンダウンに影響を与えている。
7月に入っても日中韓の外務高官の対話が継続されており、北東アジアにとって前進である。また中国の習国家主席とロシアのプーチン大統領との共同声明では、「朝鮮半島の緊張を高める米国の動きに反対」とともに「北朝鮮と関連国の交渉再開」を求める記述もあり、6か国協議再開に道を開くか注目が集まる。
兎に角、ユン大統領がアメリカ一辺倒主義から脱却し、『北朝鮮』ではなく『朝鮮半島の非核化』を含む北東アジア冷戦構造の解体という包括的解決策を示す、これまでの国際合意に立ち戻ることが、非核化、平和への一番の近道だ。
核の脅威なくす道は
完全廃絶のみ
8月6日、被爆地広島の平和記念式典で、松井広島市長は「希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができる」とし、日本が核兵器禁止条約の締約国となることを訴えた。また湯崎広島県知事は、「私たちは、真の現実主義者にならなければなりません。核廃絶は遠くに掲げる理想ではないのです。今、必死に取り組まなければならない、人類存続に関わる差し迫った現実の問題です。人類が核兵器の存在を漫然と黙認したまま、この(引用者注:広島での被爆の)痛みや苦しみを私たちに伝えようとしてきた被爆者を一人、また一人と失っていくことに、私は耐えられません」と訴えた。
核兵器とその使用の威嚇がコリア半島をはじめ、現実世界の脅威となっている。この脅威をなくす唯一の道は、核兵器の完全な廃絶しかないのだ。
制作 2023年
監督:キム・ソンス
出演:ファン・ジョンミン、チョン・ウソン
1979年10月26日、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の独裁政治に義憤を感じていた側近の金載圭(キム・ジュギュ)KCIA部長は、女性献上の酒宴の席で大統領を暗殺した。政敵であった金大中氏の軟禁が解かれたのを聞いた国民は、チェコスロバキアの「プラハの春」になぞり「ソウルの春」だと喜びあった。
しかしソウルに銃声が響いたあの夜、本当は何が起こっていたのか 知る人は少なかった。
大統領暗殺事件直後、合同捜査本部長についたチョン・ドゥグァンだったが、陸軍内の秘密組織「ハナ会」の将校らを集めて自らが独裁の座につく画策を進めていた。軍部の不穏な動きに気付いた首都警備司令官のイ・テジンは、軍内の暴走を止めるため独り立ち向かった。独裁者になろうとした男と、国を守ろうとした男との、国の命運をかけた9時間のスリリングな攻防が始まった。
朴正熙への女性献上をリアルに描いた映画は、イム・サンス監督の「ユゴ 大統領有故」2005、また 暗殺実行犯の金載圭の心情を描いた映画では、ウ・ミンホ監督の「 KCIA南山の部長たち」2020 があり、あわせて見るのも興味深いです。
上映8月23日(金)より
「Tジョイ梅田」
「シネマート心斎橋」
全国各地で上映
北朝鮮は5月下旬~6月上旬にごみ風船1000個以上を韓国に向け飛ばした。韓国側の脱北者団体が北朝鮮へ向け、風船によるキムジョンウン総書記を批判するビラ、K―POPの画像の入ったUSB、1ドル紙幣などを散布したことへの対抗措置としている。
対して、韓国軍は6月に入り、軍事境界線付近に設置した拡声機による軍事宣伝放送を約6年ぶりに再開するなど緊張が高まっている。サムスン電子の携帯電話の好調など韓国の発展ぶりを伝えるニュースや、アイドルグループ「BTS」の歌を流したという。
更には、北朝鮮軍が軍事境界線付近に拡声器を設置する動きがみられるという。
偶発的衝突のリスク高める
パククネ政権時代の15年、韓国軍が11年ぶりに拡声器放送を再開した際には、北朝鮮は砲撃を加え、「準戦時体制」を宣言、一触即発の状態となった。当時は南北高官の会談が実現して沈静化したが、現在は南北の対話が途絶し、南北軍事合意が事実上破棄されており、緊張緩和の道筋は見えない。
さらに北朝鮮が韓国との軍事境界線の北側で、コンクリート製の壁を設置する作業を進めている。非武装地帯(DMZ)の北端付近。壁は対戦車用の防壁とみられ、計約4カ所で確認された。高さは4~5メートル、長さは最も長いもので数百メートルある。
異常なまでの核戦争演習
これらの動きの根底には、日米韓の軍事的挑発がある。資料によると、昨年(23年)、米国はコリア半島地域に80個の核弾頭を搭載した戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」を投入し、「スプリングフィールド」、「ミシガン」、「アナポリス」、「サンタフェ」など4隻の原子力潜水艦を次々と送り込み、B1B、B52H核戦略爆撃機を22回にわたって展開した。
「ニミッツ」と「ロナルド・レーガン」をはじめ、一つの全面戦争を行っても余る膨大な兵力が乗船している米原子力空母打撃集団が、コリア半島水域に3回も出没した。
米国がコリア半島と周辺地域で韓国、日本と多角的に行った大規模の合同軍事演習だけでも60余回に及ぶ。地球上のどこを見ても、米核戦略資産がコリア半島地域のように10日に1回展開される所はない。1国を照準した核戦争演習が5日に1回強行される所も探すことは困難だ。
今年に入っても韓·米軍当局発表をみると、4月以後、米国戦略資産級武器体系が韓半島に展開したのは計6回。残る半年も演習などに核作戦シナリオを含めることにしており、下半期に長距離戦略爆撃機と戦略核潜水艦(SSBN)など核兵器を運用する米国の戦略資産がコリア半島一帯にさらに頻繁に姿を現す可能性が高いという。
日朝外交の継続が戦争抑制に
核抑止力一辺倒の日米韓の大軍備拡張と軍事演習を抑制することなしに、戦争のリスクを下げることはできない。
この間の報道によると、5月、日本と北朝鮮の外交折衝がモンゴルで行われたという。継続的対話の積み重ねで、挑発が挑発を生む負のスパイラルを脱し、平和・友好につなげてほしいものだ。
制作 2023年
監督・脚本 ユ・ジェソン
出演 イ・ソンギュン
チョン・ユミ
出産をひかえて幸せいっぱいの結婚生活を送っていた、夫ヒョンスと妻のスジン。そんなある夜、眠っていた夫が突然 起きあがり「誰か入ってきた」とつぶやく。その夜を境に、平凡で幸せだった生活は一変した。妻の訴えで睡眠クリニックを受診するも、ヒョンスの奇行は収まらない。悪霊がついたと、巫女のお祓いを受けさせようとする義母。
かつてないユニークで恐ろしいストーリー。平凡な日常の空間で、予測不能な物語りがくり広げられる。幸せな日常生活を蝕む その正体は?恐怖に怯える妻役に、「82年生まれ、キム・ジヨン」で主人公を演じたチョン・ユミ。眠れない夫役に、アカデミー受賞作「パラサイト 半地下の家族」で社長役を演じたイ・ソンギュン。昨年12月 警察の執拗な取り調べに、惜しくも他界してしまったイ・ソンギュンの遺作になった映画です。
日 時 6月28日(金)
梅田スカイビル
テアトル梅田」
アメリカ村
「シネマート心斎橋」
「大阪」万博開催まで1年を切った。先日東京の友達にマジ顔で「できないでしょ!万博」といわれた。全国にご心配をかけている「大阪」万博の現状と問題点を小話20連発で‼
日に2トンのメタンガス噴出
❶会場の夢洲って、大阪湾にある大阪のごみ処理の重要拠点、活用途上❷ダイオキシン含有焼却灰やPCB等の有害物質の大処理場だ❸下水や浚渫の汚泥も含む「豆腐状n地盤」から1日2トンのメタンガスを生産。会期中も74本で継続噴出か❹3月のメタンガス爆発で100平米のコンクリート床と天井も破懐。消防への報告4時間後。隠ぺい⁈❺夢洲には自然湿地帯が存在、シギなど渡り鳥の宝庫。国際機関も危惧。鳥の生命は関係ナシ。
教員の本音、遠足では無理
❻アクセスは陸路2本。阪神高速淀川左岸線の先の夢舞大橋と夢咲トンネル(地下鉄)❼辿りつくのも一苦労、自家用車✖、地下鉄2分30秒に1本、シャトルバス45秒に1本の運転。国際事務局局長もアクセスを心配。シャトルバス運転手集まらん❽駐車場からパビリオンまで1㌔の徒歩、子どもの足で30分超え❾当然、退避するルートも2本。避難計画つくれない❿話題の巨大木製リング、盛んに「清水の舞台」の様な伝統工法と喧伝?しっかり釘もボルトも使用。リング邪魔で、パビリオン建設さらに遅延⓫アルゼンチン等撤退相次ぐ。独自設計・建設は56館から「40前後」に⓬府・市出展のヘルスケア館の中心メンバーは「紅麴」企業。維新の規制緩和実験場⓭子どもの無料招待事業、府教委の「実質強制下でも」3割が希望せず。危険、下見なし、バス手配困難。交野市長、学校ぐるみ参加、必要なしと。
海外館では韓国館が最大
⓮海外パビリオンで最大敷地に建設されるのは韓国館⓯韓国のAIなど先端技術や韓流イベントを体験、建物北面の巨大スクリーンでK―POPの映像を⓰今、韓国は「2030釜山万博」で日本の支持表明ナシにいら立つ。「大阪」推しを返して!⓱2010年、上海万博会場に北朝鮮「朝鮮館」初出展。15年ミラノ万博では合同パビリオンに…。今回は出展ナシ⓲「国のイベントなので、国を挙げて…」(馬場維新共同代表)、今更何を⁉誘致決定時、パリで騒いだのは松井・吉村・裏金の世耕。維新の目玉政策はどこへ⓳テーマは「いのち輝く…」。建設労働者の労働時間の規制緩和要請、ガス爆発に、機能性表示食品…。輝くって得意の「身(命)切る」こと?⓴レガシーは、しっかり、カジノ建設。
万博行きますか?の問にNOが81%(朝日)。やっぱり中止しかない‼
制作 2022年
監督 チョン・ジヨン
出演 ソル・ギョング、
ユ・ジュンサン、
チン・ギョン
今から25年前、韓国南西部にあるサムレという村のスーパーで強盗殺人事件が起こりました。この映画は、その実際の事件をもとに描かれています。
1999年 サムレにあるウリスーパーで強盗殺人が発生。間もなく警察は、近所に住む3人の少年を逮捕しました。事件はそれで集結したものと思われていましたが、翌年 警察に真犯人の通報が入ります。「狂犬」の異名を持つ敏腕刑事ファン・ジュンチョルは、密かに再捜査を始めます。調べていく内に当時の捜査内容には不可解な点が多く、警察と検察の隠された暗部に気付いて行きます。
少年たちの無罪を証明するため奮闘する刑事を「キングメーカー」のソル・ギョングが、メガホンは「権力に告ぐ」の社会派チョン・ジヨン監督という見応えのある話題作です。
上映 6月7日(金)~
「シネマート心斎橋」
「テアトル梅田」
など各地で公開
政権与党・自民党が全敗した日本の衆議院補選。その2週間余り前に、韓国の総選挙(定数300/4月10日投開票)が行われていた。任期を約3年残すユン政権の与党「国民の力」に厳しい審判が下される結果となった。野党「共に民主党」が過半数を超える175議席(小選挙区161、比例14/前回180)で大勝した。現政権を痛烈に批判してきた新党「祖国革新党」の12議席など野党は合わせて192議席を獲得。ユン与党、「国民の力」は108議席(小選挙区90、比例18/前回103)に止まった。
進歩党議席獲得、
正義党6から0に
共に民主党はソウルをはじめ首都圏や光州、大田の都市部、強い支持基盤を持つ全羅道で圧勝。仁川市で当選した同党のイ・ジェミョン代表は11日、記者会見を開き、「今回の結果は、民主党の勝利ではなく、国民の勝利だった」と強調した。
野党はチョ・グク(文政権時代の法相)率いる祖国革新党ほか、改革新党(イ・ジュンソク/元国民の力代表)が3議席、統合進歩党の流れを引く進歩党(「不平等な韓米関係を解消し、民族の自主権を確立する」というスローガンを綱領に…)、新しい未来(共に民主党を離党した非イ・ジェミョン系の人々が創設。イ・ナクヨンが共同代表)がそれぞれ1議席を獲得。また、共に民主などとの野党共闘を拒んだ、正義党と緑の党の連合政党「緑の正義党」は、5選を目指したシム・サンジョン氏をはじめ6議席すべてを失った。
改憲の議決や大統領の拒否権が発動された法案の再議決ができる3分の2には届かないが、野党の192議席はユン政権への大きな圧力となることは当然だ。
敗れた国民の力のトップ、ハン・ドンフン非常対策委員長は、「国民の意思を厳格に受け止め深く反省する。国民の意思に沿った政治をお願いする」と語っている。
曖昧な徴用工解決策
すすめた元外相落選
韓国の有識者は政府の経済政策が失敗しているというメッセージを伝えたと指摘。さらに今回の結果は「与党の歴史的な大敗」との見方も…。大統領の5年の任期中、少数与党であり続けるのは、1987年の民主化以降初めという。
また、去年3月、徴用工問題のユン政権の解決策を発表したパク・チン前外相や、日本の国会議員と交流する韓日議員連盟のチョン・ジンソク会長など、いずれも今回の選挙で落選。ユン大統領が進める日韓関係に対する有権者の厳しい判断がうかがえる。
投票率は67%。1992年(71・9%)以来の高さだった。
アメ村「シネマート心斎橋」上映中
『成功したオタク』
制作 2021
監督 オ・セヨン
K-POP界を揺るがした性加害事件を取り上げ、韓国社会の実態を描かき出した話題のドキュメンタリー
『貴公子』
制作 2023
監督 パク・フンジョン
出演 キム・ソンホ
巨額の遺産を巡ってくり広げられるノワールアクション
九条「シネ・ヌーヴォ」上映中
『ビニールハウス』
制作 2022
監督 イ・ソルヒ
出演 キム・ソヒョン
ビニールハウスで暮らすヘルパーの一瞬の選択から起きる負のスパイラル
『梟 フクロウ』
制作 2022
監督 アン・テジン
出演 リュ・ジュンヨル
宮廷内で王子の暗殺の場に居た事から、追われる身になった盲目の鍼師
韓国南部の済州島で1948年に起きた「済州島四・三事件」から76年を迎えた4月3日、「済州4・3平和公園」で犠牲者追悼式が開催され遺族ら約1000人が出席した。「吹け4・3の春風、飛べ平和の種」をテーマに開かれた式典にユン大統領の姿はなく、代わりにハン首相が短い追悼文を代読した。昨年に続く式典不参列。ユン大統領は当選者として一昨年出席したのみで大統領に就任後、一度も出席していない。総選挙を1週間後に控え、最大野党「共に民主党」のイ代表らが出席したが、国民の力の事実上のトップ、ハン非常対策委員長は出席しなかった。
沖縄、済州と連帯
4・3平和公園に沖縄県の池田副知事の姿があった。沖縄県は4月から「平和・地域外交推進課」を設置して地域外交の強化に取り組んでおり、県が派遣した池田副知事は追悼式で、「チェジュの皆さんの平和への思いを実感するとともに、改めて平和を思う心の大切さを認識した」と述べた。また、済州島・オ知事と会食し、互いの交流推進へ意見交換。オ知事からは「沖縄とチェジュが協力し、東アジアの平和と安定に寄与したい」という発言があった。
米、4・3事件を
「残酷な悲劇」と…
事件当時、朝鮮半島の南部を軍政統治していた米国は、事件の勃発と拡散に直接・間接的責任があると指摘されてきたが、これまで何の反応も示さなかった。一方、研究者と済州の地域社会は、問題の解決の課題の一つとして「米国政府の責任ある姿勢」が残されていると指摘してきた。
米国務省は今年に入って、「米国は済州4・3に対していかなる立場を取るのか」というハンギョレ紙のメールでの問いかけに、「済州事件は残酷な悲劇(terrible tragedy)だった。我々は途方もない人命の損失を決して忘れてはならない」という返信を3月27日に送ってきた。さらに米国務省は「米国は、今後世界中どこであろうと、このような悲劇を防ぐために共に努力する韓国の決意を共有する」と述べた。米国政府が済州4・3について文書で立場を明らかにしたのは、事件後、76年間で初めてだ。
戦前・戦後をつなぐ4・3事件の検証が進みつつあることは重要だ。
大阪では、4月21日14時から追悼集会が、天王寺の統国寺で開催される。
4・3事件とは
4・3事件は米軍政の支配下、48年4月3日、朝鮮半島の南部単独総選挙の実施は南北分断を固定化するとして民衆が蜂起、済州島の島民らが、軍や警察により鎮圧名目で多数が虐殺された事件。韓国では2000年、事件の真相究明を図る特別法が制定され、政府は国内の体験者らの証言をまとめた報告書を作成。21年には同法が改正され、国外での聞き取り調査も進められることとなった。
制作 2023年
ドキュメンタリー
監督・語り金聖雄
川崎といえば、2020年 多目的交流施設「ふれあい館」へのヘイト年賀状事件を思い出します。京浜工業地帯を抱えた川崎には、戦前から多くの在日コリアンが暮らしています。
映画の主人公は、川崎で生きて来たハルモニたち。戦争に翻弄され、生きる場を求めてたどり着いた川崎で、ささやかながらも力強く生きてきました。ハルモニたちは戦争を語れる最後の世代。在日2世の金聖雄監督は、今しかないとハルモニたちに密着しました。今、語っておきたいことは?
大阪鶴橋生まれの金聖雄監督は袴田巌さんと桜井昌司さんを密着した「獄友」(2018)を撮られたことでも有名なドキュメンタリー監督です。東京につぎ、3/30から大阪でも公開。想像を絶する苦労を笑顔で語るハルモニたちに、映画館で会ってください。
十三「第七藝術劇場」「シアターセブン」にて、好評上映中!
日本コリア協会・大阪は2月17日、国労大阪会館1階ホールで第66回定期総会を開催。かつてない南北間の緊張と北東アジアの戦争準備の進行という厳しい情勢を反映し多くの会員が結集し、積極的な意見交換が展開された。
冒頭、開会のあいさつと議案の報告に立った協会理事長の飯田光徳さんは、年頭よりの能登大地震、羽田の航空機事故、そしてコリア半島では朝鮮民主主義共和国の「韓国は第1の敵」「統一を完全に消し去る」という大方針転換など、気の休まるところがない状況が続いているとし、その中で開催される総会では、会員の皆さんの忌憚のない意見交換を期待すると呼びかけた。
その後、総会資料に基づき、①今日の国際情勢の報道で米国寄りの情報ばかりが流され、冷静な判断がしづらい状況にあること②群馬の森の追悼碑撤去など、行政が歴史修正主義者の圧力を受け入れる形がみられること③杉田水脈衆議院議員をはじめとした政治家や財界人のヘイトスピーチも一向に止まらず、政府や自民党が毅然とした態度を示さないことで一層悪質化していること④台湾海峡情勢利用した大軍備拡張、自衛隊の強靭化計画が進行していること⑤AOIPに代表されるASEANの取り組みの重要性と平和構築への市民社会の果たす役割、さらには韓国の平和団体との継続的交流の促進等々が強調された。
一方、討論では▼組織拡大のために積極的に出向いて拡大する姿勢が必要▼北朝鮮との国交正常化を進める取り組みを▼こんな情勢の時こそ朝鮮通信使の果たした役割を学ぶ機会がいる▼大国の思惑で動く時代ではない今、北朝鮮の変化にショックを受けている。同じ民族であることは大きな要素、ユン政権の対応に問題ありでは…などの積極的な意見が出された。
討論のまとめでは国交正常化へ向け北朝鮮のことを知ってもらう資料の作成や6月に開かれる全国交流会への参加促進などが補足報告された。総会は今年度方針、決算・予算、役員体制を確認し、特別決議「歴史の歪曲、ヘイトスピーチを許さない日本社会をみんなの手で」を採択し閉会した。
総会記念講演では日中友好協会の山本恒人先生が「中国経済から見た北東アジア」というテーマで、「台湾有事はあるのか?」「韓国・北朝鮮と中国の関係は?」などの日ごろの疑問に経済面から緻密な資料でこたえていただいた。さらに今後の東アジアの平和構築の展望を語ってもらった。 (詳細は2面)
制作 2022年
監督 イ・ソルヒ
出演 キム・ソヒョン、
ヤン・ジェソン、
シン・ヨンスク
韓国の住宅事情は深刻です。一昔前までは屋根部屋が貧困の象徴でした。やがて半地下部屋へと、今ではビニールハウス暮らしも表れて来ました。
ムンジョン(キム・ソヒョン)は、少年院にいる息子と暮らせる費用を貯めるため、重い認知症を持つ妻と盲目の歳いった夫の家で介護ヘルパーを続けていました。そんなある日、入浴介助のさなか突然暴れ出した妻が、床に頭を打ちつけそのまま息絶えてしまいました。息子との未来を守りたいムンジョンの一瞬の選択は、認知症の実母を身代わりにすり替える事でした…。
貧困・孤独・介護、現在の社会問題を鋭く見つめたサスペンスドラマ。釜山国際映画祭を始め、多くの賞を獲得した話題作。若きイ・ソルヒ監督の長編デビュー映画です。
上映 3月15日(金)〜
「シネ・リーブル梅田」「シネマート心斎橋」「MOVIX堺」他、全国各地にて公開
協会員の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。協会第66回定期総会が2月17日に開催されます。この総会は、コリア半島南北間の極めて高い緊張のなかで開催され、協会の運動の発展にとって歴史的意義を持つ総会となります。
総会決議案は、限られた紙面ですが、コリア半島情勢はもちろん、米国、日本、大阪の今日的な現状や課題を会員の皆さんと考える材料となればと努めました。
年明けの能登大地震をはじめ、裏金問題、北朝鮮の統一方針変更等々課題はまさに山積。そんな時だからこそ一人でも多くの方のご参加をいただき、建設的な意見交換ができればと考えています。(リモートも可)
また総会記念講演は、日中友好協会府連副会長の山本恒人さんにお願いしました。台湾有事はあるのか?韓国・北朝鮮と中国の関係は?などの日ごろの皆さんの疑問に経済面から緻密な資料でこたえてもらう予定です。ご期待ください。
制作 2022年
監督 アン・テジン
出演 リュ・ジュンヨ
ユ・へジュン
盲目の天才鍼師のギョンス(リュ・ジュンヨル)は、その技術を見込まれて宮殿で働くようになった。同じ頃、丙子の乱の敗北により清に人質にされていた、仁祖の息子ソヒョン世子(リュ・ジュンヨル)が人質を解かれ宮殿に戻って来た。第16代国王 仁祖(ユ・ヘジン)は、8年ぶりの再会を喜びながらも、世子が西洋学問を取り入れないかとの不安を感じていた。自国に戻ってわずか数か月 世子が突然死するや、仁祖は父としての悲しみを爆発させた。遺体は黒く変色し、目や耳、鼻や口7つの穴からの出血。それは明らかに薬物中毒死を表していた。激しい怒りで犯人捜しを命じた仁祖だが…。
一方、病の弟を救うため宮殿入りしていたギョンスには明かせない秘密があった。あの夜、世子の死を"目撃"した。彼の目は昼盲症、実は闇の中ではうっすらと見えるのだった。恐ろしく悍ましい目撃で追われる身になったギョンス。朝になるまでの命がけの謎明かし。彼が見たのは何だったのか?
仁祖実録」に残された怪奇の死。その"謎"に迫る歴史サスペンス。韓国内の映画賞を総なめにした話題作。ついに日本公開です!
2月9日(金)から
「シネマート心斎橋」にて上映
会員、民主団体、全国の仲間の皆さん。
本年も日本コリア協会・大阪並びに、日本とコリアの友好運動へのお力添えをいただきます様お願いします。さて新年早々、能登では大地震、羽田では航空機事故と心休まるところがない、幕開けとなりました。
協会・石川支部の川本事務局長とも連絡が取れ、会員のみなさんも元気との報告。「能登のことを考えると、ニュースを見ていても胸が締め付けられる」と苦しい想いも語っておられました。集中した復旧の取り組みが求められます。
一方、コリア半島周辺へ目を転じますと、新年より北朝鮮の砲撃など、昨年の高い緊張がよりヒートアップの兆し。南北の冷静な対応がいっそう求められます。南北関係を好転させ、北東アジアの平和外交推進のために、いま協会や日本の平和友好団体が、何ができるのか、知恵を出し合い乗り越えたいものです。
日米韓一体となった戦争準備、大軍備拡張の路線を進めてきた自民党政権は「裏金問題」で政党として資格が問われるところまで追いつめられています。長年の自公政権の腐敗と傲慢が一気に露呈した形となっています。安倍強権政治に見られた官僚の人事権を掌握、官邸が警察官僚を重用し、安全保障をはじめとした政策決定を歪めてきたことと金権政治の傲慢な態度は表裏一体です。有権者の厳しい審判が今こそ必要です。
北東アジアの国々の市民社会と私たちが手を携え運動を展開すれば、金権、アメリカべったり、大軍拡の流れを大きく転換できるチャンスです。さあ一歩前進へ。
制作:2023年
監督:オム・テファ
出演:イ・ビョンホン
パク・ソジュン
パク・ボヨン
世界的な地盤変動により、一瞬にして廃墟となった首都ソウル。近隣のタワーマンションは全て崩壊したのに、皮肉にも残ったのは古いマンション「ファングンアパート」だけでした。普段は付き合いのない近隣住民たちで、溢れかえるエントランス。一向に来ない救援に危機感を抱いたアパート住人たちは、急遽 全戸選挙で代表を決め、自治による生き残りに動き出します。代表に選ばれたのは、アパート火災を身を持って防いだ 902号室の男ヨンタク。居住者以外の住民を追い出す事に成功した代表に、アパート住人は残った食材を全て出し管理を求めます。強権の代表にいぶかしく思っていた公務員のミンソンも、次第にヨンタクと共に行動する事に。権力が代表一人に集中していく内に、知られざるヨンタクの狂気が目覚めて行き
ます。
代表ヨンタクを演技派イ・ビョンホン、「梨泰院クラス」のパク・ソジュンがミンソンを演じます。ソウルの住宅事情を皮肉るように、古いマンションが最後の砦のパニックドラマ。生死の淵に立った時… 試されているのは自分自身と気付かされるラスト。お正月は映画館に
「シネマート心斎橋」にて 新春 1月5日(金)公開です!
議員などのヘイトスピーチの報道が後を絶たない。
DHC元会長、新会社でもヘイト
大手化粧品会社「DHC」の元会長で、現在は通信販売会社「大和心(やまとごころ)」(東京都)の代表を務める吉田嘉明氏が、自社のホームページで、競合他社の経営者の実名を挙げつつ、「顔の特徴から、しばしば在日の疑いがかけられている」「100%の朝鮮系」などと記していることが明らかになった。吉田氏は2020~21年、DHC社ウェブサイトに会長名で在日コリアンを差別する文章を掲載。その後、SNSで「ヘイトスピーチだ」と批判され、自治体がDHCと結んでいた連携協定を解消する動きや、不買運動も続出し、文章が削除された経緯があった。
人権侵犯の認定後もヘイト続ける杉田氏
法務局から人権侵犯の事実認定のあった自民党の杉田水脈衆議院議員は根拠のない「在日特権」論をSNSで発信。更に12月入っては、杉田氏の言動を巡り、法務当局に人権救済を求めたアイヌの申立人を名指しで「ごろつき」と侮辱する動画の拡散をSNSで訴えるなど止まるところがない。
観音寺市議は韓国、「乞食集団」と…
また、香川県観音寺市の岸上政憲市議(自民党)は、韓国を「乞食集団」、旧日本軍慰安婦を「売春婦」と表現したコメントをSNSに載せ、議長から口頭で厳重注意を受けたという。日韓歴史問題に関する第三者に対する反論をX(旧ツイッター)に載せた際、韓国について「歴史を見ようともしない、乞食しか出来ることの無い集団」と表現。また日本軍「慰安婦」について「売春婦という職業で、もの凄い稼いだ」と虚偽の主張までした。「ヘイトに当たる言葉なので、使用したことについては申し訳ない。ただ、歴史認識を変えるつもりはないし、これからも議員としての意見は発信していく」と述べた。いずれも確信犯か?
各方面から、差別的言動を繰り返す杉田氏などに対し、さらなるレイシズム(人種差別主義)助長が懸念されるとの声が上がっている。この状況は日本の保守勢力の政治的品性の劣化であり、彼らに議員としての資質があるのかと言えば、答えはノーだ。政党としての自民執行部の対応が問われる。
また政府・自治体が罰則規定のあるヘイト関連法制の整備を早急に行う必要があるのではないか。
制作 2023年
監督 マ・デユン
出演 クォン・サンウ、オ・ジョンセ、イ・ミンジョン
トップスターのパク・ガンは、自他共に認めるスキャンダル俳優。セレブなシングルライフを謳歌している彼だが、クリスマスイブの予定は年末の受賞式だけ。唯一の友でもあるマネージャーのチョ・ユンをお酒に誘う。酔いながらも、タクシーで自宅に帰ったはずなのに…。翌朝、目が覚めると見慣れぬ家。成功のため別れた、元恋人のスヒョンが家事をしている。何故だか小さな双子がまとわり付いてくる。さらに驚く事には、マネージャーのチョ・ユンが人気俳優になっていた。
クリスマスイブに起った人生最高の入替わり(スイッチ)。もしも違う人生を生きられるのなら、あなたはどちらを選びますか?
アクションからコメディまで幅広いジャンルで人気のクォン・サンウが、トップスターから180度入替わるパク・ガンを演じます。
12月1日(金)〜
「シネマート心斎橋」
にて上映
映画館で
ハッピークリスマス!
ユン大統領がトップセールス
ウクライナ侵攻等で需要が高まる武器の国際市場で「K武器」、韓国の防衛産業が勢いづいている。
10月17日、「ソウルADEX」と命名された韓国最大級の武器展示会で、ユン大統領は「援助と輸入に依存していた国が最先端の戦闘機をつくり、輸出するレベルに達した」とアピール。「世界4位の武器輸出国」を目指すと目標を掲げた。韓国の武器輸出額は世界8位といわれている。「低価格、納期の短さ」を武器に、中国・英国・ドイツ等を一気に抜こうというのが、ユン氏の目論みだ。
実際、東南アジアでは近年、ロシア製の武器を押さえ、トップのシェアを誇るまでになっている。
韓国、ポーランドと
2兆円越えの契約
ウクライナと接するポーランドでは、昨年から今年4月までに韓国から輸入した兵器類の額は7億5200万ドルに…。今後、 戦車980両、自走砲648門、戦闘機48機等、2兆円越えの大口契約を締結した。
先月、ユン氏自らがサウジアラビヤを訪問。韓国メディアは、サウジとの大規模な防衛産業協力の話し合いが最終段階に達したと報じた。対空防衛システム、火力兵器等様々な分野で、長期的体系的な協力プログラの提供を約束した模様だ。
このように韓国は、外国との武器契約を活用し、巨大軍産複合体の基礎を築こうとしている。またNATO諸国との外交強化を図っているという。しかし、これらの武器売却の動きは、ロシアや北朝鮮を刺激し、北東アジアの軍事バランスを崩す危険な動きでもある。
日本、次期戦闘機の
第三国への輸出を画策
一方日本は、次世代戦闘機の共同開発で、現行の防衛装備移転三原則とその運用指針を巡り新たな領域に足を踏み入れようとしている。防衛装備移転三原則は14年に安倍政権が決定。それまで武器輸出を原則禁止にした武器輸出三原則に代えて、原則解禁へと、百八十度転換するものだった。
この間、自公は次世代戦闘機が武力紛争に利用されるおそれがある第三国にも輸出できる様、議論を進行中。これは憲法の平和主義を蹂躙し日本を「死の商人」国家にする重大な動きである。次世代戦闘機は日本のF2戦闘機、英国・イタリアの現主力戦闘機「ユーロファイター」の後継機で、3か国で共同開発し、2035年の配備を狙う。日本の開発主体は三菱重工業だ。
また、今月初め、岸田首相はフィリピンへの軍事レーダー供与を約束。「非軍事」目的の支援のなし崩し的な変質も目立っている。
北東アジアの平和構築へ日韓両民衆の連帯は重要な局面を迎えているといえる。
制作 2018 24話
監督 イ・ウンボク
脚本 キム・ウンスク
出演 イ・ビョンホン
キム・テリ、
ユ・ヨンソク…
李氏朝鮮末期に貴族両班の家で、最下層の奴婢の子として生まれたユジン。1871年に勃発したアメリカ海軍艦隊の江華島の侵攻「辛末洋擾」の混乱に乗じ、奴婢の身分から逃れられるかもと、1人米軍艦に忍び込む。辿り着いたのはアメリカの地。苦労の上、長じて米軍海兵隊大尉となったユジン(イ・ビョンホン)は、大統領の命により、皮肉にも逃げ出した祖国に戻る事に。
朝鮮に駐在し始めたある夜、ユジンは名門両班の令嬢コ・エシン(キム・テリ)を見かける。朝鮮最高の両班の血を引くエシンは、親族にも内密に祖国独立のための闘いを手伝っていた。高い志の秘密を持つエシンとの出会いによって、ユジンの運命は大きく変わっていく…。
韓国のアカデミー「百想芸術大賞」を受賞した話題の歴史ドラマ。イ・ビョンホンの代表作と云われています。日本の地上波では放送されませんでしたが、配信での視聴が始まりました。
コロナ禍明け、北朝鮮の経済は回復傾向か
韓国の報道では北朝鮮の経済状況をこう伝える。
北朝鮮国境地域では1990年代、「苦難の行軍」と呼ばれた時に、食糧難克服のために耕作されていた「個人畑」(山の斜面に違法に作られた隠し畑)が減少傾向にあるという。ある韓国の北朝鮮経済研究者は「コロナ禍前の2019年より、個人畑が5~10%は減ったようだ」とし、「個人畑より良い経済活動ができるためとみられる」と語っている。
韓国政府の意識的な反北朝鮮キャンペーンの根拠のなさを指摘する声も…。韓国政府のチョ国家安保室長が「北朝鮮経済が3年間マイナス成長して食糧難が激しくなり、餓死者まで出てくる状況だ。現政権が終わる前に北朝鮮がこれ以上持ちこたえるのが困難な時期も来るかもしれない」と豪語してきたが、朝中国境で生活する人々は、「実状を知らないがための的外れな話」だと報じられた。
朝ロ首脳会談で
軍事協力強化、露は北の
労働力に期待?
中国の国際政治学者は、「キム氏は、軍事協力はロシアと、経済協力は中国と進めるという新たな並進路線を選んだようだ」と評す。
9月13日に、4年半ぶりに開催された、北朝鮮のキム委員長・ロシアのプーチン大統領の首脳会談は、ロシアが誇る宇宙基地で行われた。プーチン氏は北朝鮮のロケット開発を支援する意向を表明。また北朝鮮からの労働力の提供を要請したという。キム氏はウクライナ侵攻を支持し、首脳会談後もキム氏は次々と軍事施設を視察した。
韓国ユン氏は
三〇年間の北外交を清算へ
一方韓国のユン大統領の反共、反北朝鮮攻撃が止まらない。ユン氏は、9月20日、第78回国連総会の一般演説で「ロ朝の軍事取引は大韓民国の安全保障と平和を直接狙った挑発」だと非難した。「外国」のロシアより「同族」北朝鮮を後に呼び、敵対意識を強調した。
中国と対立し、ロシアは敵視、北朝鮮は「主敵」と見なすことで、この30年間の北方政策の成果を自ら破壊した。ユン政権に、朝鮮半島の平和と南北共同繁栄の方策を期待するのは、意味のないことなのか。
内政でもユン氏の反共・極右体質がこの間、目立つ。自らが公的発言で 極右論理を拡散。更に極右系人物が国家機関の要職を占有。外交・内政共に、極右的原理にもとづいて展開され、公共施設に対する思想統制、労働・市民団体と批判的メディアに対するイデオロギー攻撃、極右団体と政権との密着等、事態は深刻だ。
自由・人権等の価値を強調し、「韓米日対朝中ロ」構図を無暗に強調、その最前線に立つユン氏は危険な戦争の臭いを纏う。今、各国の対話の努力が求められる
制作2023年
監督 イム・スルレ
出演 ファン・ジョンミン
ヒョンビン
2007年、タリバンにより韓国人23名が拉致される事件が発生した。本作は、実際の事件に基づき制作された命をかけた交渉劇です。人気のファン・ジョンミンとヒョンビンが初共演の今年一番の話題作です。報
ある日 アフガニスタンの砂漠で、韓国人23名が拉致された。犯行に及んだタリバンの要求は、韓国軍の撤退と 刑務所に収監されたタリバン戦士23名の釈放。そして期限は24時間。韓国政府は、交渉役としてエリート外交官チョン・ジェホ(ファン・ジョンミン)を派遣。ジェホは直ちに、アフガニスタン外務省にタリバン戦士の釈放を要請するが、にべもなく拒絶される。一方、韓国情院も 現地工作員パク・デシク(ヒョンビン)を派遣。アフガニスタンのフィクサーの交渉に当たらせるが、こちらも交渉は決裂。迫るタイムリミットに、ジェホとデシクは不本意ながらも手を組む。国民より国家ファーストの韓国政府の下、2人は 最後の命がけの交渉に当たっていく…。
監督のイム・スルレさんは、旧くは「もし、あなたなら」から、最近の「リトル・フォレスト春夏秋冬」まで、ジェンダー平等の視点で映画制作を重ねてこられた女性監督のリーダー的存在です。
10月20日(金)より
「TOHOシネマズ梅田」など全国各地にて公開‼
9月1日、東京都墨田区横網町公園で「日朝協会」などの市民団体で構成された「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が主催の追悼式が行われた。
忘却はふたたび
悪魔を呼ぶ危険!
宮川泰彦実行委員長(協会都連会長)は追悼式で「国と東京都は、100年が経過した今でも、朝鮮人虐殺の真相を調査したり、虐殺された遺族に対する謝罪や補償などをしようとしていない」「忘却はふたたび悪魔を呼ぶ危険がある。悲惨な歴史的事実は世を越えて語り継いでいくことが、今を生きる私たちの責務」だと強調した。式典の様子は韓国ハンギョレ紙でも大きく報道された。
記事は「追悼式には、韓国から来た『関東虐殺100周忌追悼事業推進委員会』(推進委)の関係者らも多数参加。正義記憶連帯・イ理事長は『100年が経過したが、犠牲者はなぜ死ななければならなかったのか、原因も分からない状況だ。この問題は過去型でなく現在進行形」だとし、『韓国と日本の市民が今のように連帯し、歴史の正義を正し平和を守るために努力する』と述べた」と報じた。
またハ紙の社説では、継続した協会などの取組みを「追悼碑を作り、50年間にわたり追悼式を続け、忘却に抗して闘ってきた日本の良心的な市民に拍手を送る」と評した。
ユン政権を
「沈黙の共犯者」と批判
韓国では関東大震災問題でも政権への批判が強まっている。ユン政権は、「虐殺100年」という重要な契機にもかかわらず、真相究明と謝罪に対するいかなる要求も出さなかった、「沈黙の共犯者」と批判。ここでも歴史問題に目を閉ざしたまま、日韓関係修復に「全掛け」するユン大統領の姿勢が問題視された。
「記録がない」
への反証、
神奈川で新資料
日本政府はこの間「事実関係を把握することのできる記録が見当たらない」(松野官房長官)との立場とり続けている。
しかし、9月4日、大震災の2カ月後、神奈川県知事が内務省警保局長に朝鮮人虐殺の状況を報告したとみられる文書(「震災ニ伴フ朝鮮人並ニ支那人ニ関スル犯罪及保護状況其他調査ノ件」と題し文書)が見つかったと、市民団体が発表した。犠牲者145人の殺害場所や日時、年齢などの詳細が記載されており、政府の「記録は見当たらない」という説明を覆す新たな証拠として注目を浴びている。
震災100年を機に、「神奈川県関東大震災朝鮮人虐殺関係資料」(三一書房)として発刊されるという。
大阪の協会で
震災100年学習会
講師は協会本部の会長で、赤旗の書評欄やハンギョレ紙などに再三登場している関原正裕さん。どんな話が聞けるか今から楽しみだ。(学習会詳細は上段の囲みに掲載)
制作 2023年
監督 森達也
出演 井浦新 田中麗奈、
永山瑛太 東出昌丈、
コムアイ…
100年前の時を経て、関東大震災時の隠された負の歴史が蘇る。M7・9、震度7の大地震は自然災害のみならず、関東在住の朝鮮の人々6千超のジェノサイドまで起こしてしまった。本作は 大地震発生から6日後、千葉県福田村で実際に起きた事件を素に描かれました。ドキュメンタリー畑の森達也監督が、どうしても撮って置きたいと手掛けられた初劇映画です。
1023年、日本統治下の京城(ソウル)で教師をしていた澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)と共に故郷の福田村に戻って来た。その年、関東大震災が起った。被災の混乱の中「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言飛語がまことしやかに飛び交うと、それを利用するかの様に、当時の日本政府は戒厳令を敷き治安維持のためと軍を出動させた。
福田村でも流言飛語を信じた村人たちは、自警団を名乗り鍬や鋤を持ち「朝鮮人狩り」を始めた。日本統治で朝鮮人たちは憤懣を持っているはずの思いから、一方的に仕返しを恐れ、守りと主張しながら攻撃していった。ただ福田村事件には皮肉な事実があった。村人が朝鮮人だと思って殺したのは日本人で、被差別部落の人たちだったのです。誰にも知らされなかった負の歴史。
人間はある条件の下では、限りなく残酷になれる…。関東大震災から100年目の9月1日、全国各地で公開です‼‼
「シネ・リーブル梅田」他で上映
5月、G7サミット出席のため、広島市を訪問したユン韓国大統領は岸田首相と日韓首脳として初めて広島の韓国人原爆被害者慰霊碑を訪れた。どんな想いで慰霊碑と向き合ったのか?核の情勢が沸騰する北東アジア、私たちは、この8月、核廃絶へ向けて奮闘する。
歴史に背を向けながらの
慰霊に何の意味があるのか
ユン、岸田両氏の韓国原爆被害者慰霊に対して韓国の野党「共に民主党」は「日帝による強制動員に対する謝罪や補償から顔を背け、岸田首相が韓国人原爆犠牲者を追悼するのはつじつまが合わない」と厳しく批判。真摯に歴史に向き合うことなく「未来志向」を標榜することへ釘を刺した。
廃絶どころか、核抑止力にお墨付きを与えたG7
さきの広島で開催したG7で核廃絶へ動いたのか?G7共同宣言自身は、核兵器の廃絶を求めるものになっておらず。核兵器のない世界を「究極の目標」とし、「現実的」「実践的」で「責任ある」アプローチにより「安全保障」を担保するという、核軍縮を進めない言い訳しかない。また、核軍縮声明では、ロシアによる核の威嚇を非難するも、自らの核兵器には「防衛目的」また「抑止目的」だとし正当化する有様だ。
北の核へ露骨な対抗
ユン大統領就任以降、韓国では核独自開発があからさまに提唱されている。統一部長官には独自核武装論者を任命した。
韓国政府は、7月には、米国との間で核戦力の運用をめぐる情報共有の枠組みをつくる「核協議グループ」の初会合が開かれた。時同じくしてプサン基地にはオハイオ級戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」が寄港。弾道ミサイルに戦略核を搭載できる、この潜水艦は戦略核爆撃機、大陸間弾道ミサイルとあわせて米国の3大核戦略資産だ。広島を攻撃した原子爆弾の最大1000倍以上の威力を持つという。今回も核が搭載している可能性は極めて高い。
「ケンタッキー」の寄港が、「南北は核兵器の試験、製造、生産、受け取り、保有、貯蔵、配備、使用を行わない」と規定する「朝鮮半島非核化宣言」(1992年発効)に違反するおそれがある。国防部は、「違反しない」と表明するが、非核化宣言は、韓国が北朝鮮に非核化を要求するための重要な論理的、現実的根拠だっただけに大義名分が揺らぐとの声が上がっている。
核抑止力をもてあそぶ、日米韓の首脳はじめ各国首脳は、広島で何を見て何を聴き、犠牲になった民衆へどんな思いを抱いたのか。世の施政者よ、「核抑止論は破綻しているということを直視」せよ。
制作 2022年
監督 チョン・ジュリ
出演 ペ・ドゥナ、キム・シウン、チョン・フェリン
この映画は、2017年韓国で起きて国中を震撼させた「ある事件」を元に描いた話題作です。
日本同様、韓国では青年層の深刻な就職難が続いています。物価高騰の中、大卒者と共に高卒者の失業率も高止まりしています。そんな現状を受けて、韓国の高校のビジネスコースでは、企業の現場実習が必修になっています。大手通信会社のコールセンターの実習が決まったキム・ソヒは、ダンスの好きな明るい性格の高校生です。大企業での実習に少しの不安はあるものの、気持ちは高揚していました。ところが現場の労働環境は、想像以上に過酷なものでした。疲弊の末にソヒは「やめたいです、この仕事を」と訴えるのですが、聞きいれて貰えません。絶望したソヒは、極端な選択をしてしまいます。
ソヒの死を担当した刑事オ・ユジンは、自死と思われる彼女の死の真相がどこにあるのかを執拗に調べて行きます。
国を動かした衝撃の事件。青少年を消耗品のようにこき使う、企業の実態をリアルに描いています。労働搾取の犠牲者となったソヒの、生前のきらめく日常の姿が私たちに問いかけて来ます。何故とめられなかったのか…と。
問題作「私の少女」の若き監督チョン・ジュリと俳優ペ・ドゥナが、再びタッグを組んだ社会派ヒューマンドラマです。
公開8月25日(金)より
「シネマート心斎橋」にて
極右ユーチューバーが
統一相に
今や「ユン政権の統治姿勢は明確な異常兆候を示している」とまでマスコミに書かれるようになった。
ユン政権は強圧統治姿勢を日増し顕在化している。前政権、野党に対する集中的捜査は果てしなく続いており、警察は集会・デモに対して強制鎮圧で威嚇。大統領が「建暴」とまでレッテルを貼った建設労働者を大々的な捜査で追い詰めて、焼身惨劇が起き、韓国労総の労働者さえ流血鎮圧の対象となっている。
また、6月末の高官人事では、「キム・ジョンウン政権打倒」「独自の核武装に乗り出すべき」を主張する誠信女子大学のキム・ヨンホ教授を統一部長官に指名。彼は極右主張の寄稿はもちろん、18年から今まで2800本あまりにのぼる偏狭な極右動画をユーチューブに投稿してきた人物だ。ユン政権のこれまでの「南北間の全ての合意を尊重し、履行する」という立場から「統一部の役割は変化すべき」、南北合意は選別的に考慮すると、路線の変更をほのめかしている。
格差社会の拡大すすむ
日本同様に韓国でも悪政により低賃金労働者が犠牲になっている。
韓国では、物価上昇を考慮した実質最低賃金引上げ率が2021年はマイナス1%、22年はマイナス0・04%と2年連続で低下。賃金格差は再び広がる兆しで、昨年6月の実態調査では、上位労働者20%の月平均賃金は一年前より8・3%上がり817万6千ウォン(約90万円)だが、下位20%は183万ウォン(約20万1500円)で前年度比5・3%の上昇に止まっている。両者の格差は4・46倍と9年ぶりにその差が広がった。
サービス業の労組調べでは、低賃金労働者1156人に行った調査で「この1年間生活費を補てんのために職場外のアルバイトをしたか」という問いに31・3%がハイと答えたという。
民主労総、
対政府闘争前面に
韓国の民主労総は7月3日から2週間にわたるゼネラルストライキに突入。民主労総は与党と経財界から「政治ストライキ」との誹謗にもかかわらず、「対政府闘争」を前面に掲げた。ユン大統領の労働者政策が、現場の労働条件をはじめ、労働者のくらしに直接の悪影響を及ぼしているというのがその理由だ。ヤン民主労総委員長は「ユン政権によって破壊されている私たちの暮らしを守るゼネスト」だとし、「40万人以上の労働者がストに参加する」と述べた。民主労総は、▽労組弾圧の中止▽労組法2条および3条の改正▽最低賃金引き上げ▽民営化と公共料金引き上げの撤回などの要求を掲げている。
制作 2022年
監督 ホン・サンス
出演ヘヨン、
キム・ミニ、
ソ・ヨンファ…
日本でも多くのファンを持つホン・サンス監督の最新作。2人の女性の共感と連帯を描いています。
執筆から遠ざかっている著名作家のジュニは、長らく会っていない後輩を訪ねる旅に出た。旅先のソウル郊外で偶然に出会ったのは、やはり撮影から遠ざかっていた人気俳優ギルスだった。言葉を交わしているうちに、ジュニは彼女に興味が湧いて来た。ギルスを主役に短編映画を撮りたいと、唐突な提案を持ちかけた。過去の栄光に縛られて心に葛藤を抱える2人に、不思議な共感が生まれる。予想外のコラボレーションの行方は…。
ホン・サンス監督の長編27作目。2022年ベルリン国際映画祭で、3年連続4度目の銀熊を受賞した記念すべき注目の映画です。
公開6月30日(金 )
「シネリーブル梅田」
梅田スカイビル 3/4F
「シネマート心斎橋」
アメ村ビッグステップ4F
米韓は5月、
最大規模の実弾演習
韓国軍と米軍は5月25日、北朝鮮からの「全面攻撃」を想定した最大規模の実弾演習を開始。両軍から約2500人が参加し、北朝鮮との国境に近い韓国・抱川で5日間の演習を行った。演習には戦車、榴弾砲、戦闘機も参加した。韓国国防省は「この演習で、北朝鮮の核とミサイルの脅威、そして全面攻撃に力強く対応するため…」と説明した。
休みなく繰り広げられる
軍事演習
実は今年に入り、北朝鮮への侵攻を想定した陸・海・空の米韓合同演習が絶え間なく行われている。それには米国から核兵器搭載可能な戦略爆撃機や 戦闘機、原子力潜水艦や原子力空母など核戦略資産が大量投入されているのだ。
2月22日には、 昨秋に続き日本も参加する日米韓の海上軍事演習が日本海の独島周辺で再度行われた。3月6日からは京畿道漣川での渡河訓練、南北を流れる180メートル幅のイムジンガンに米韓共同で浮橋を架ける訓練だ。13日(~23日)からの大規模野外機動訓練は、ユン政権 発足後初となる春の演習で、前政権で見合わされていたが、18年以来5年ぶりとなる。
朝鮮半島有事を想定して「フリーダム・シールド=自由の盾」と名づけた定例の大規模野外機動訓練には北朝鮮の核・ミサイル基地など700ヶ所の重要施設への核先制攻撃、ピョンヤン占領を想定した訓練、米韓海軍と海兵隊の師団(1万~3万人規模)級合同上陸訓練、敵指導部を暗殺する斬首作戦も含まれる。
16日には米戦略爆撃機B1Bが朝鮮半島に飛来し、韓国空軍のF35Aなどと合同訓練、22日には米韓の海兵隊に英国の海兵隊も加わり、米韓英3カ国合同で、偵察、連合軍の攻撃の誘導に特化した訓練した。
米韓の海軍と海兵隊は4月3日まで浦項一帯において大規模な上陸訓練を続けた。4月3日、日米韓3カ国が韓国南部済州島の南方の公海上で、対潜水艦作戦などの合同訓練、2016年以来となる捜索・救助訓練も行った。17日には、日米韓のミサイル防衛訓練を各軍がイージス艦を動員して実施している。
北朝鮮、
国連に演習中止求める
北朝鮮は対抗し、大規模野外演習中に大陸間弾道ミサイル(ICBM)や短距離弾道ミサイルなど4回にわたりミサイル発射した。北朝鮮の外務次官は「国連と国際社会は、朝鮮半島地域の情勢を極度に加熱させる米国と南朝鮮(韓国)に対し、挑発的な言動と合同軍事演習を即座に中止するように強く求めなければならない」との談話を出している。
コリア半島の煮えたぎる緊張に拍車をかける互いの軍事行動について、 専門家らは、この地域の緊張緩和のためには、米国が北朝鮮に対する現在の戦略を修正することが大前提であり、日米韓各国が更なる交渉のための平和的外交努力が重要であると指摘している。
今から63年前、朝鮮半島で戦争が勃発した。韓国では「6・25(ユギオ)」とよばれる「朝鮮戦争」、休戦協定から70年経った今も継続中です。先頃、日本から2千余名が憲法違反の参戦をしていた事が、アメリカの文書で明らかになりました。大きな原因を作った日本で、殆ど語られない朝鮮戦争の実相。平和憲法を改悪してでも、戦争が出来る国に向かおうとしている今、映画を通して朝鮮戦争を検証してみませんか?
『ブラザーフッド』
制作 2004年
監督 カン・ジュギュ
出演 チャン・ドンゴン
ウォンビン
1950年6月、戦争勃発時の混乱を描く。南と北に分かれて、戦場で戦い合わねばならなかった兄弟の悲劇。
『戦火の中へ』
制作 2010年
監督 イ・ジェハン
出演 クォン・サンウ
T.O.P
1950年8月、浦項の戦いの実相を描く。朝鮮軍は首都ソウルを陥落し南進を続けた。浦項司令本部の死守を命じられたのは、司令本部として使っていた学校にいた学徒兵71名だった。
『長沙里9・15』
制作 2019年
監督 クァク・キョンテク 出演 キム・ミョンミン
ミンホ…
1950年9月、長沙の戦いの実相を描く。朝鮮軍侵攻の打開策として「仁川上陸作戦」の奇襲を計画。その際、敵を欺く揺動部隊を反対側の海岸に上陸させた。命じられたのは、まだ戦いを知らない772名の学徒兵だった。
『高地戦』
制作 2011年
監督 チャン・フン
出演 シン・ハギュン
コ・ス…
1953年7月、休戦協定寸前の劇戦を描く。最終陣地の獲得の命を受け、休戦ギリギリまで死闘を続けなければならなかった両軍兵士の悲劇。
実話を下に描かれた名作。レンタル/配信でご覧ください。
先日、協会の恒例行事であるフィールドワークで、神戸を訪れた。(見学先などは2・3面で詳細報道)
見学場所の一つに選んだのは、「平和の美海(みみ)ちゃん」像。非核神戸方式を広く市民に知らせ、その考えを広めるために2007年に南京町の海岸側、2号線沿いに建立された少女のブロンズ像だ。
非核神戸方式は、市民が平和に生存できる権利を地方自治体が、核兵器の持ち込みを許さない措置という形で、具体的施策として実現したもの。1975年、神戸港第六突堤が米軍より返還された時に神戸市議会は全会一致で議決した。神戸港に入港する外国軍艦に非核証明書提出を義務付け、提出しなければ入港させないというものだ。基地返還まで数百隻の米軍艦が入港し、米兵のクリスマス休暇中のトラブルも再三再四。しかし非核神戸方式採用後は一隻の入港もない。
先日、米強襲揚陸艦が戦闘機を甲板上に駐機し、入港した大阪港とは対照的だ。
安保3文書でしめされたように、国会でなんの議論もなしに憲法の平和主義が骨抜きにされ、憲法の番人であるはずの裁判所も憲法に踏み込んだ判断を一切しない状態が、今日続く。こんな時代だからこそ、非核神戸方式が重みを増す。
憲法9条、平和主義の真の力を、平和を願う日本の市民団体、市民社会が再検証することが求められる。地方で、市民社会で、戦争阻止のため、9条を活かして、考えうる全ての手段を駆使し、奮闘したいものだ。
5月12日~5月18日
『ショー・ミー・ザ・ゴースト』
制作:2021年
監督:キム・ウンギョン
出演:ハン・スンヨン、
キム・ヒョンモク
20年来の親友イェジとホドゥは、念願の新居に大喜び。ところが2人の住む新居には幽霊がいた。急激な物価高でお金のない2人は、割引中の除霊師と共に幽霊退治をする事に。
5月19日~5月25日
『オーバー・ザ・レインボー』制作2002年
監督:アン・ジヌ
出演:イ・ジョンジェ
チャン・ジニョン
交通事故で一部の記憶を失ってしまった お天気キャスターのジンスは、事故以来 誰かわからない女性の幻覚に悩まされていた。
5月26日~6月1日
『家門の復活』
制作:2006年
監督:チョン・ヨンギ
出演:シン・ヒョ
キム・スミ
大ヒットコメディ。ヤクザの跡取り息子と ヤクザ取り締まる検事とのドタバタロマンス。
6月2日~6月8日
『燃ゆる月』
制作2002年
監督:パク・チェヒョン
出演:チェ・ジンシル
ソル・ギョング
「シュリ」の監督が手がけた作品。対立する部族の間に生まれた事から、様々な難に会い、それらと闘い成長していく 少女ピを描いたロマンスドラマ。
日本コリア協会・大阪は2月25日、国労大阪会館で第65回定期総会を開催。米韓の軍事演習に対し、北朝鮮(DPRK)が連続してミサイルを発射するという緊張した情勢の元、さらに岸田政権が、昨年末、「安保関連3文書」を閣議決定。3文書には「敵基地攻撃能力」の保有を明記するという憲法違反の大転換が強行されるなかでの開催となった。硬直化する日韓関係やミサイル発射など困難な国内外の課題に対し、積極的な意見交換が行われた。
韓国のユン・ソギョル大統領が3月16日から2日間の日程で訪日し、岸田首相と会談。韓国大統領の来日は、ムン前大統領の18年以来5年ぶり、単独訪日は12年ぶりだ。久方ぶりの来日に至ったのは、3月6日に韓国政府が元徴用工問題の「解決策」を発表したことによる。徴用工問題の経過を整理してみよう。
韓国の最高裁・大審院は、18年10月、日本がアジア・太平洋戦争中、日本企業で強制的に働かされた元徴用工や遺族が日本企業に損害賠償を求めた裁判で、原告勝訴の判決を出した。
当時の安倍政権は1965年に韓国との請求権協定で「解決済み」とし「国際法に照らしてありえない判断だ」と判決受け入れを拒否。韓国を非難し続けた。
さらに19年7月に、「日韓関係の信頼関係が著しく損なわれた」として、武器転用の恐れがあり、国際的に輸出管理対象となっている半導体材料3品の対韓輸出規制の厳格化を発動。8月、安全保障上の輸出をめぐる優遇対象国(「ホワイト国」)から韓国を除外した。
安倍首相(当時)は、「3品外し」を発動直後に、テレビでこの措置が徴用工問題への報復であること表明したことは有名だ。対立の「解決」の手段に貿易規制の拡大という、政経分離の原則に反する「禁じ手」を使った。
この間、原告が大審院判決に基づき新日鉄住金(現在の日本製鉄)と三菱重工業の韓国内での資産「現金化」を求める中で、スムーズな解決が求められていた。
今回の「解決策」は、日本の経済協力を受けた鉄鋼大手ポスコなど韓国企業の寄付金を財源とする財団が賠償金を払うというものだ。法的責任や謝罪等が曖昧だとの声が韓国はもちろん日本国内でも上がっている。
パク・チン韓国外相でさえ「日本が既存の反省とおわびの談話を一貫して忠実に履行することが重要だ」と語るが、日本側の態度は頑なで謝罪の意思はない。
日韓請求権協定によって、両国間の請求権が解決されたとしても、被害者個人の請求権を消滅させることはないとの立場は、政府の国会答弁でも明らかだ。両政府はこの点では一致する。これを大切にし、被害者の名誉と尊厳の回復にむけた前向きの解決が求められる。
伊地知紀子さん(大阪公立大学教授)・加藤圭木さん(一橋大学准教授)らの呼びかけで、「韓国政府『解決策』と日韓首脳会談に関する声明」が出され、賛同が求められている。
制作 2022年
監督 パク・ドンフン
出演 チェ・ミンシク
キム・ドンフィ
学問の自由を求めて北朝鮮から国外脱出した天才数学者イ・ハクソン(チェ・ミンシク)は、自らの正体を隠して 、上位1%の英才が通う名門私立高校の夜間警備員として暮らしていた。無愛想で冷たそうなハクソンに、学生は誰一人近づかなかった。ある日、数学が苦手なハン・ジウ(キム・ドンフィ)から、数学を教えて欲しいとせがまれる。正解だけが全ての学園生活に息苦しさを感じていたジウに、ハクソンは問題を解く過程の大切さを教えて行く。そんな日が続く中、ハクソンにも思わぬ人生の転機が訪れる。
世の中には正解よりも大切なことがある。脱北した天才数学者と挫折寸前の劣等生の、一歩踏み出す勇気と希望を描いた感動のヒューマンドラマです。
4月28日(金)より
「シネマート心斎橋」「Tジョイ梅田(旧 ブルク7)」など各地で公開!
日本コリア協会・大阪は2月25日、国労大阪会館で第65回定期総会を開催。米韓の軍事演習に対し、北朝鮮(DPRK)が連続してミサイルを発射するという緊張した情勢の元、さらに岸田政権が、昨年末、「安保関連3文書」を閣議決定。3文書には「敵基地攻撃能力」の保有を明記するという憲法違反の大転換が強行されるなかでの開催となった。硬直化する日韓関係やミサイル発射など困難な国内外の課題に対し、積極的な意見交換が行われた。
総会の冒頭、開会のあいさつと報告に立った飯田理事長は、大阪湾に入港した強襲揚陸艦「アメリカ」や自衛隊基地の地下化等いつ日本列島が戦場になってもおかしくない準備が着々と行われていることを報告。岸田政権の外交努力は見えないが、キム、トランプの朝米首脳の往復書簡等も示しながら、互いの立場を尊重し対等平等の外交努力によって平和を切り開く可能性を示した。
「方針」では、侵略や植民地支配下の蛮行をないものにしようとする歴史修正主義とのたたかいの重要性や積極的な韓国の平和友好団体との交流の促進等を提案した。また組織拡大ではホームページやSNS等の活用の重要性を強調した。
討論では次のような意見が出された▼映画「雪道」は日本軍「慰安婦」問題を扱ったということに留まらずジェンダーの視点で現代韓国女性の立場を問う作品。またアジアン映画祭の「リメンバー」も秀作。▼文化の力を大切にしたい。▼「不自由展」開催や米強襲揚陸艦の大阪港入港など市長・知事の責任は大きい、この春の知事選・地方選で維新政治ノーを示すべきだ。▼会員のたつみさんに頑張ってほしい。▼対等の付き合いをした朝鮮通信使を知ってもらい、江戸期、戦争がなかったことを知らせたい。▼テグの地下鉄事件の被害者との交流。被害者の来日時に余部鉄橋にある朝鮮人工事犠牲者慰霊碑に訪れている。等々の意見が出された。
総会は今年度方針、予算、役員体制などを確定。特別決議「『力』対『力』の枠くみから、9条いかす北東アジアの平和構築へ」が採択され閉会された。
徴用工、韓国政府賠償肩代わり案提案
韓国政府は3月6日、徴用工問題をめぐり、被告である日本企業の代わりに公益法人「日帝強制動員被害者支援財団」が賠償金を支払うとする解決策を発表した。ユン・ソギョル大統領は「未来志向の韓日関係に進むための決断だ」と表明。被害者支援の市民団体は、「韓国政府が日本の強制連行加害企業の法的責任を免責させることになる」と提案を厳しく批判した。
「未来志向」の名のもとに被害者の思いを無視し、謝罪もなしの曖昧な解決法は断じて許されない。
制作 2021年
監督 シン・スウォン
出演 :イ・ジョンウン
クォン・ヘヒョ
タン・ジュンサン
ヒット作に恵まれず次回作のめどもたたず、母であり妻である現実にも挟まれて、映画監督もこれまでと諦めていたジワンのもとに、旧い映画の修復の仕事が舞い込んだ。
作品は「女判事」1960年代では珍しい女性監督ホン・ジュウォンが残した映画の修復である。当初 欠落した音声を吹き込むだけの仕事のはずが、作業が進む内に一部フィルムが欠落している事に気付く。失われたフィルムを探すため、ジワンは ホン監督の家族や関係者を訪ねる旅に出る決心をする。真相が1つ1つ解明される度、今以上に困難だった女性監督の姿が目の前に現われて来る。過去と現在、夢と現実… 。フィルムを探す旅は、いつの間にかジワン自らを見つめなおす旅となって行く。映画を愛し映画に携わる女性たちの、時空を超えた心の触れ合い。すべての映画ファンに捧げる1本です。
「パラサイト」での家政婦の名演技が記憶に新しい、 イ・ジョンウンが主演の監督を演じています。
「シネ・リーブル梅田」スカイビル
など各地で、3月10日 (金)に公開です。
会員、民主団体、全国の仲間の皆さん。
感染拡大は収まる気配がありませんが、徐々に規制は緩和され、協会の活動もしやすくなってきました。
今総会は、岸田政権が国会、有権者無視で安保政策を大転換。アメリカべったりで大軍備拡張、戦争へと突き進む国へ大きく舵を切るという激動の情勢の元で開催されます。さらに気がかりな北朝鮮(DPRK)の70回を超えるミサイル発射、混沌とした徴用工問題等で揺れる日韓関係等も意見交換の予定。情勢や方針はもちろん会員の多様かつ忌憚のない意見を交流したいです。また記念講演は中田進先生にお願いしました。
遠方の方や健康上心配な方はリモート(ズーム)での参加も受け付けます。遠慮なく事務局に申し出てください。多くの会員の参加で総会を成功させましょう。
制作 2021年
監督 パク・チャヌク
出演 パク・ヘイル、タン・ウェイ、コ・ギョンピョ
韓国の民主化運動に関わった、いわゆる386世代の監督の1人パク・チャヌク監督の期待の最新作です。パク・チャヌクといえば、復讐3部作の「オールドボーイ」人間ではない存在3部作の「サイボーグでも大丈夫」が受賞作ですが、38度線上の共同警備区域の事件を描いた「JSA」を思い出される方が多いでしょう。
今回の映画は、山頂から男が転落死した事から始まります。男の死の捜査に乗り出した刑事のヘジュンは、被害者の妻ソレに事情聴取を行います。それぞれの本音を探り合う取り調べの中で、2人の感情は微妙に惹かれ合って行きます。疑惑は残るものの事件はいちよう解決します。しかしそれは、新たな迷路の始まりでもありました。
喪失の物語りをただ悲劇的に描きたくなかった、とは監督の言葉。繊細でエレガンスにユーモアをまじえた、珠玉のサスペンス・ロマンスをお楽しみください。
2月17日(金)より「大阪ステーションシティシネマ」ほか各地で公開!!
会員、民主団体、全国の仲間の皆さん。
本年もよろしくお願いします。また日本とコリアの友好運動へのお力添えをいただきますよう重ねてお願いします。今年は、朝鮮戦争終戦、南北の交流推進、日韓関係改善、朝鮮民主主義人民共和国との国交正常化へ大きな一歩を踏み出す年としたいものです。
昨年末、岸田政権は、安保三文書を決議し、「反撃能力」との表現で敵基地攻撃能力を明記。「必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする」としました。「専守防衛」の原則によって、アジア太平洋戦争敗戦から70余年にわたり「防衛」に止めていた日本の安全保障政策が、攻撃能力を持つという歴史的転換点をむかえたのです。
憲法9条の真価が問われる時が来ました。
韓国の研究者ユン・ジェソンさんは、「日本国憲法9条は主権国家の日本の法の条文を超え、北東アジア地域の軍拡競争を防ぎ戦争を予防し非核地帯を拡散する国際平和のメカニズムとしての役割を果たしてきました。つまり、象徴的にアメリカと中国が保有している核兵器よりさらに強力な平和のための抑止力の意味を持っている」と語ります。70余年の歴史の中、「9条」は日本の平和のみならず、北東アジア、世界の平和維持の仕組みとして発展してきたのです。
韓国をはじめ、諸外国の民衆が熱い眼差しを注ぐ、「9条」の思想は、北東アジアの平和構築の重要な柱となりうる価値ある存在です。
さあ、皆さん、「9条」を活かし発展させ、岸田政権、さらには北東アジアの国々の大軍拡競争にストップをかけましょう!
協会は今年、北東アジアの民衆との連帯を強め、「大軍拡ノー」の大運動を展開する決意です。共に奮闘しましょう。
制作 2021年
監督 ハン・ジェリム
出演 ソン・ガンホ
イ・ビョンホン
チョン・ドヨン…
韓国映画界を代表する名優を集め製作された、まさに「今」を投影した飛行機パニック映画です。
それはいつもと変わらないフライトのはずだった…。娘の転地療養のためハワイ行K1501便に搭乗したパク・ジェヒョク(イ・ビョンホン)は、挙動不審の若い男が同乗しているのに不安を感じた。悪い予感は的中し離陸後まもなく1人の乗客が謎の死をとげた。一瞬にして機内は恐怖の渦に巻き込まれる。
地上では、飛行機テロの予告動画がアップされた事で、ベテラン刑事ク・イノ(ソン・ガンホ)のもと緊急捜査が始められた。一方、バイオテロの知らせを受けた運輸大臣スッキ(チョン・ドヨン)は緊急着陸を模索し国内外への交渉を開始したが。
見えないウィルス感染の拡がり、燃料切れのタイムリミットは迫り、パイロットは不時着要請の「非常宣言」を交信する。高度2万8千フィートの密室で、果たして乗客たちを救う方法はあるのか?それぞれの思いが交錯する中、運命の判断を下す時が近づく…。
新春1月6日(金)より
「梅田ブルク7」「シネマート心斎橋」など、各地にて話題の公開‼
米国・バイデン大統領と中国・習近平国家主席の初の対面による首脳会談で、米中の立場の違いが最も尖鋭に表れたのは北朝鮮の核・ミサイルと台湾の問題だった。韓国・ユン大統領と習主席の韓中首脳会談でも、北朝鮮の核問題をめぐる意見の相違は大きかった。米国と韓国は「北朝鮮の核問題の解決のために中国は積極的な役割を果たせ。それができないのなら日米韓軍事協力で中国けん制を強化する」というメッセージを送った。しかし、中国は北朝鮮の「合理的憂慮」を強調し、米国のコリア半島への戦略兵器配備や米韓軍事演習などの方をまずは中止すべきだと反論した。
韓国国内では、ユン大統領は「韓米日三角協力」ばかりをスローガンのように叫ぶだけで、韓国の立場から長期的戦略を持って対話を推進する気配すらないと批判の声は大きい。実際、米国べったりの戦略に苦悩する意志も能力もなさそうにさえみえる。
日本、軍事費2倍化へ
岸田首相は11月28日、2027年に軍事費のトータルをGDPの2%にする予算措置を指示し、12月中旬には閣議決定しようとしている。現在の2倍近い大軍拡だ。「平和の党」を標榜してきた連立与党公明党があっさりと了承したことは驚きだ。さらに公明党の幹部(浜地衆議院議員)が、朝鮮半島有事が発生した場合、米国の艦艇が攻撃を受ければ、自衛隊が「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を活用し北朝鮮を直接攻撃できるとする見解を明らかにした。日本が米国のための「集団的自衛権」行使の過程で北朝鮮への直接攻撃が可能とする見解を明らかにしたのは、今回が初めて。支持母体の創価学会にも影響を与える、救済新法案が梃になりどんどん右転落の道をたどるのか。
また、この軍事費倍増を増税でまかなえば国民一人あたり4万円となる。生活破壊は必至である。
軍事対軍事から平和なアジアへ
さて、軍事費増の中心は、「抑止力の強化」を口実とした、相手国のミサイル発射地点などをたたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有。すでに政府は米国製巡航ミサイル・トマホーク500発の購入を決めている。トマホークはまさに先制攻撃兵器である。日本が米軍との軍事行動を共に行う方向に大きく舵を切ったと周辺国は見るのではないか。日本が他国への攻撃能力を持てば、相手も持つ。際限のない軍拡競争は避けられない。
米国べったりの安全保障を改め、近隣諸国と顔を突き合わせて話し合うことこそ、今、最大の「抑止力」ではないか。市民ができる草の根外交も模索したい。
制作2016年
韓国・インド
ドキュメンタリー
監督:ジー・ヘウォン
著名な韓国人オペラ歌手 キム・チェチャンは、その熱意溢れる人柄を見込まれて、2006年 ケニアの子どもたちの合唱指導を頼まれます。スラムの子どもたちの合唱指導には紆余曲折がありましたが、「ジラニ子ども合唱団」は見事な成功をおさめました。
2010年 キム・チェチャンは自らNGOを立ち上げ、今度はインドのカースト最下層の子どもたちに合唱を教え始めます。気の短いキム・チェチャンに、子どもたちは「アングリーバード」(ガミガミ鳥)とあだ名をつけ、厳しい指導には嫌厭気味になります。実は子どもたちの親たちも、音楽より勉強をが望みでした。
ケニアの「ジラニ子ども合唱団」、インドの「バナナ合唱団」、2回の韓国テレビドキュメンタリーを手がけたジー・ヘウォンPDが、自身の母娘関係を思い起こしたというインドの子どもや親たちをさらに密着し再構成した劇場版です。
貧しい暮らしの中、音楽によって人々の思いが変わっていく、キム・チェチャン先生の奮闘を描いたヒューマンドキュメンタリー。心あたたまる年末オススメの映画です。
12月10日(土)公開
十三「シアターセブン」
(七藝 階下)
防ぐことはできたはずだ。ソウルのイテウォン(梨泰院)で156人が死亡した惨事だ。またもやNZ世代が犠牲になった。未来を奪ったのは誰か真相解明が待たれる。少なくとも雑踏警備の対策と迅速な初期対応が行なわれていれば大惨事は回避できたのではないか、特に警察の責任は大きい。
韓国政府行政安全部のイ・サンミン長官は1日の国会で、「国には国民の安全に無限の責任があるにもかかわらず今回の事故が発生したことについて、責任を持つ長官として深く謝罪する」と述べた。これまで、「(惨事は)警察と消防の人員をあらかじめ配置することで解決できる問題ではなかった」との「責任回避」発言から180度の転換だ。政権奪還以来、30%前後の低支持率(10月末現在30%)に悩むユン大統領だが、この対応で更なる苦境に立たされる。
「セウォル号沈没事故」(パク政権下の14年4月発生)の被害者世代が8年後またもや被害にあった。学歴社会、就職難、不合理な差別、そして公正を訴え当選したユンの裏切り…。この間のNZ世代の苛立ちは計り知れない。
いま、セウォル号事故後、パク大統領糾弾のうねりが激化したことが、想い起こされる。11月最初の週の追悼集会は数万人規模だった。さあ韓国民衆は怒りを力に再びロウソクに火を灯しユンを追い詰めるか。
北朝鮮は11月3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイル1発と短距離弾道ミサイル2発を発射。北朝鮮がICBMを発射したのは5月以来だ。ただし、ICBMは2段分離後、日本海上に落下し、正常飛行に至っていない。このミサイルは「火星17型」と推定され5か月ぶりの発射だ。北朝鮮は前日にも韓米合同空中演習に反発して計25発のミサイルを発射し、このうち1発が休戦後初めて日本海に設定する北方限界線(NLL)以南の公海に落ちた。
韓米両軍はこの間空中演習を展開、11月4日に終了予定だったが、ミサイル発射に対抗し延長を決めた。
この演習にはレーダーに捕捉されにくいF35などの最新鋭の航空機が参加している。韓国空軍のF35Aステルス戦闘機とF15、F16戦闘機、C330空中給油機などおよそ140機と、米軍のF35Bステルス垂直離着陸戦闘機(日本の岩国基地所属)、EA18G電子戦機、U2高高度偵察機、KC135空中給油機、さらに北朝鮮が最も恐れる戦略爆撃機B-1B等約100機が大挙投入された。米国側からは海兵隊・海軍・陸軍も参加。さらに豪州空軍が空中給油機1機を派遣、初参加し、航空自衛隊も間接的に参加した。約1600回にも及ぶ戦闘機の出撃が行われた今回の演習は、有事の際に北朝鮮の核・ミサイル基地や空軍基地など700以上の北の主要目標を精密攻撃する訓練で、北朝鮮にとっては大きな脅威で、10月31日にも中止を申し入れている。
米韓軍事演習という脅威を取り除くことなしに北朝鮮のミサイル発射を止めることは困難だ。力と力の対抗からの脱却が求められる。
朝、テレビをつけると「アレ?画面が…」、Jアラートだ。北朝鮮が10月4日、日本上空(高度1000キロ)を通過する中距離弾道ミサイル1発を発射した。
北朝鮮は、米国の原子力空母が韓国・釜山に入港した9月23日以降、相次いで短距離弾道ミサイルを発射。9月25、28、29日と10月1日と連続。ユン政権発足後、ミサイル発射は今回で9回を数える。
この発射は国連安保理決議に違反する暴挙で、「予告なし」の発射は極めて危険な常識を逸脱した行為だ。
キム総書記は先の最高人民会議で「絶対に核は放棄できない」と演説。核の先制攻撃を認める法案も採択したと報じられる。
いま、日韓は軍事対応の強化を声高に叫ぶのでなく、北東アジアの国々と連携し、核開発、実験、使用を食い止めるあらゆる知恵を集結、対話する時ではないか。
北朝鮮のこの間のミサイル発射は、日米韓の合同軍事演習と連動する。米韓は8月、4年ぶりに屋外機動訓練を含む軍事演習を実施。9月には5年ぶりに日本海で米空母が参加の訓練、日米韓も日本海で潜水艦訓練等を行った。4日のミサイルの軌道下付近を2日前に日米韓共同訓練参加の米空母が航行しており、米国への強い不満がうかがえる。
また、4日のミサイルの発射を受けて、米韓の空軍が「報復態勢を備える」と精密爆撃訓練を強行、さらに短距離弾道ミサイル4発も発射した。
ここに来て、日韓両国の政権支持率20%台の低迷が外交問題に影を落とす。
統一教会問題等で批判の集まる岸田首相としては、より関係修復に慎重にならざるを得ない。徴用工の現金化問題は急務だが、両政権とも外交上「弱腰」と見られたくないのだ。
両首脳は国連総会での初めての面会し、11月のG20首脳会議や来年の広島でのG7首脳会議など連続した会談で信頼を深めたい。しかし日本の外務省公式HP(英語版)に国連での面会記録「なし」が判明。その態度に韓国側はいら立つ。
一方、ユン大統領は、現金化問題の解決へ韓国の被害者と世論の説得がカギだが、その動きは鈍い。今後、双方の継続的な実務者交渉の積み上げが求められる。
韓国政府は8月31日に発表した23年の予算案で、国防費は前年比4.6%増の約5兆8689億円となった。日本の防衛予算に並んだ。今後も大幅な増額が予定される。ユン政権が強化を目指す韓国型三軸体系と呼ばれる兵器群には①ミサイル発射を探知し先制打撃を加える偵察用無人機などの「キルチェーン」②韓国型ミサイル防衛のための「パトリオット」の改良や長距離砲迎撃システム③報復、反撃のための大型機動ヘリや3000トン級潜水艦開発が挙げられる。ムン政権下で進められてきた軽空母開発は事実上中止か。
一方、日本では、自民党が先の参議院選挙で防衛費の2倍化を目指すと公約、GDP2%を目標とした。
防衛省が先日、23年度防衛予算の概算要求を決定。過去最大の5兆5947億円を計上した。調達する兵器などの単価を一切示さない「事項要求」ばかりで、隊員数さえ不明としており、透明性を欠く。増額ありき予算になっている。年末に最終決定する軍事費は6兆円を遥かに超えると見込む。
ロシアのウクライナ侵略に乗じ、北朝鮮・中国への軍事的対抗姿勢を鮮明に、戦後かつてない大軍拡に両国が乗り出せば、東アジアの軍事緊張はいっそう激化するのは当然。北朝鮮が核・ミサイル開発に拍車を掛ける懸念もある。コロナ禍や物価高に苦しむ日韓の国民の暮らし関連予算が押しつぶされるのは明白だ。
岸田支持率も厳しいが、ユン政権の支持率の下落が止まらない。最新の世論調査でも、ユン大統領を「評価する」と回答した人は前週と同じ27%を記録した。
ユン政権は、来年から満0~1歳の子どもを養育する世帯に月約3万5900~7万1800円の「親給与」を支給するなどと人気回復に躍起だが、これで支持率回復につながるのかとの声が上がっている。
9月27日に行われる安倍晋三元首相の国葬に反対する市民グループなどが9月5日、記者会見し、国葬の中止を求める署名が短期間で40万4258人から寄せられていることを明らかにした。内閣府に提出するのを前に、市民グループのメンバーは「日に日に国葬反対の声が大きくなっている」と語る。事務局の「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」によると、各地で反対運動やデモなどと呼応して署名が急激に増えたという。
岸田首相は弔問外交に期待を寄せるが、予想以上に大物参列者は少ない。
「黒い疑惑のまま安倍さんが国葬されてしまうと、まるで『良い事』しかしていなかったようなイメージを抱く」(森友文書改ざん訴訟原告赤木雅子さん弁)。こんなことは許されない。
国葬の日まで各地で国葬反対の声を上げ続けよう。
安倍元首相襲撃を機に政治家と統一協会との関係が連日報道される。今回は特に岸氏と統一協会の関係をまとめた。
北朝鮮から逃れ、
誕生した統一協会
統一協会(現在の正式名称は「世界平和統一家庭連合」、旧「世界基督教統一神霊協会」)は、1954年に韓国で教祖ムン・ソンミョン(文鮮明)が創設した団体である。ムンは1946~50年、平壌で「イスラエル修道院」の伝道活動を行うが、スパイ容疑で逮捕、興南監獄に収容される。国連軍の進撃で解放され九死に一生を得た後、今度は釜山で伝道を再開。統一協会を立ち上げた。そして、58年に日本へ進出、64年に久保木修己を初代会長にして宗教法人の認可を得た。
岸家の隣が
統一協会本部
毎日新聞はこう報道している。「毎日新聞に、(岸家の)安保改定約3年半前の家族写真が資料として保存されている。岸が、東京都渋谷区南平台町の自宅隣にあった自民党岸派事務所の庭で、孫(当時2歳)に目を細めている。日本の統一教会の初代会長、久保木修己の著書「愛天 愛国 愛人」によると、60年代半ばの同会本部も岸の『お宅の隣』だった」と…。間違いなく岸派事務所と統一協会は同じ場所であり、当然岸元首相の関与は否定しがたい。これほどまでにズブズブの関係だったのだ。
原理研、霊感商法が
社会問題化
統一協会日本設立と同時に、学園には全国大学連合原理研究会が創立され、大学生・青年への伝道が活発化する。各大学で実働部隊、原理研の運動が大問題となっていった。批判報道(「親泣かせの原理運動」朝日新聞)もされるようになる。80年代以降は、高額な壺や、印鑑などを購入させる「霊感商法」、正体と目的を隠した「偽装勧誘」、教祖が選んだ相手とマッチングされた日本人女性信者が、韓国へ嫁がされた「合同結婚式」などの問題が各紙で報じられることとなる。
ユン大統領は、「我々が5年もの間愚かな所業はせずに、原発の産業環境をさらに強固に構築していたなら、今はおそらくライバルはいなかっただろう」と発言し、ムン政権の脱原発政策を批判した。ムン政権とは正反対に、新ハンウル原発3・4号機建設の再開、老朽化した原発の寿命延長で原発発電比重を高めることを決めたという。目標は「2030年までに30%以上」とするとしている。その一方で再生可能エネルギーの目標値は明確にしていない。
ユン大統領は、この2か月間に原発関連企業を再三訪問。さらに初の外交舞台となったNATO首脳会議でも原発の売り込みに余念がなかった。
ユン大統領はこうも語る、「福島第一原発事故の際、原発の爆発はなかったので、放射能の排出も死亡事故もなかった」。もはや妄想でしかない。今も汚染に苦しむ福島の住民や先の見えない廃炉の現実をなぜ見ようとしないのか。原発は人が消すことのできない「火」だ。フクイチは惨事の発生から11年の今も燃え続ける。
韓国の専門家は「インフレは小波だが、気候危機は人類の生存を脅かす巨大な波だ。原発ではなく再生可能エネルギーの分野で後れを取ることこそ、危機につながる」と韓国の原発政策の転換に警鐘を鳴らす。
日韓の首脳がNATO首脳会議を機に5回にわたり対面し、関係改善の意志を相互に確認したという。
今回、ユン大統領と岸田首相は日米韓首脳会談等で対面。晩餐会では尹大統領は「(日本の)参議院選挙後、韓日の懸案を早急に解決し、未来志向的に歩んでいきたい」と述べ、岸田首相は「日韓関係がより健全な関係に発展するよう努力したい」と応じた。だが、「韓国が解決策を提示すべき」との姿勢を崩すことはなかった。
三者会談で岸田首相は、北朝鮮が核実験を行った場合の日米韓の共同訓練の可能性に言及。米韓の抑止力強化のためにも日本の防衛力強化が必要とした。ユン大統領は、北朝鮮の核への対応で三国協力の重要性を強調し、「世界の平和と安定のための重要な中心軸になる…」と応えた。
大統領選挙中の「朝鮮半島での有事の際の日本軍の進入」とのユン発言や新政権のGSOMIA(日韓の軍事情報保護協定)の正常化方針等から、韓国の進歩勢力はこの軍事協力の発言を看過できないとしている。
安倍元首相の「狙撃」で10日の選挙後、自民党内強硬派が主導権を握るとの見方があり、9条改正、防衛費増強などタカ派政策が予想。日韓関係も予断を許さない状況である。
制作 2022年
監督・脚本 :是枝裕和
出演 :ソン・ガンホ、
カン・ドンウォン、イ・ジウン、ペ・ドゥナ、イ・ジュヨン
「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した是枝監督が、韓国スタッフ・豪華俳優陣を集めて、念願の初演出をしました。再びカンヌに招待された本作は、主演のソン・ガンホ の最優秀男優賞とエキュメニカル審査賞の2冠を受賞しました。
ある雨の夜、赤ちゃんポストの前に乳児が置き去りにされます。ところが、その赤ちゃんを連れ去った者がいました。連れ去ったのは、クリーニング店を営んでいるサンヒョン(ソン・ガンホ)。赤ちゃんポストの施設で働いているドンス(カン・ドンウォン)を仲間にして、子どもが欲しい夫婦に赤ちゃんを斡旋する裏稼業をしていました。子どもを置き去ったものの様子を見に来た母親は 、施設に我が子が居ないのを知り子どもの行方を探し始めます。一方、乳児斡旋を捕まえるため張り込んでいた刑事たちも、犯人を追跡を始めます。
赤ちゃんを巡る三者の、悪意と善意がからみ合う不思議な旅が始まります。社会の底辺に生きる人たちに優しい目を向け続ける、是枝監督ならでのヒューマンストーリー。それでも生きていていいんだと背中を押してくれる、心あたたまる珠玉の一本です。
6月24日(金)公開!!
「TOHOシネマズ梅田」他
全国 TOHO系映画館にて上映
ユン大統領は、「我々が5年もの間愚かな所業はせずに、原発の産業環境をさらに強固に構築していたなら、今はおそらくライバルはいなかっただろう」と発言し、ムン政権の脱原発政策を批判した。ムン政権とは正反対に、新ハンウル原発3・4号機建設の再開、老朽化した原発の寿命延長で原発発電比重を高めることを決めたという。目標は「2030年までに30%以上」とするとしている。その一方で再生可能エネルギーの目標値は明確にしていない。 ユン大統領は、この2か月間に原発関連企業を再三訪問。さらに初の外交舞台となったNATO首脳会議でも原発の売り込みに余念がなかった。 ユン大統領はこうも語る、「福島第一原発事故の際、原発の爆発はなかったので、放射能の排出も死亡事故もなかった」。もはや妄想でしかない。今も汚染に苦しむ福島の住民や先の見えない廃炉の現実をなぜ見ようとしないのか。原発は人が消すことのできない「火」だ。フクイチは惨事の発生から11年の今も燃え続ける。 韓国の専門家は「インフレは小波だが、気候危機は人類の生存を脅かす巨大な波だ。原発ではなく再生可能エネルギーの分野で後れを取ることこそ、危機につながる」と韓国の原発政策の転換に警鐘を鳴らす。
戦前、ウトロには飛行場建設が計画され、多くの朝鮮人が集められた。彼らは戦後もこの地に留まり、厳しい貧困と差別のなかでくらし続けた。その記憶を後世に残そうと記念館が先日オープン。《近鉄京都線伊勢田駅下車600m/金・土・日・月開館/一般300円》
これまで北朝鮮は新型コロナ感染者をゼロ報告してきたが、一転感染拡大を認め非常事態宣言を…。あれから約1か月がたった。
ここにきてロックダウンから行動緩和の動きがみられる。キムジョンウン党総書記は5月29日、党政治局会議を開き「全国的に伝染病伝播状況が統制、改善されつつあると肯定的に評価した」との見方を示した。公式発表では、新規有熱者は20万人に達していたものがこの間8万人台に止まっており、累計で345万人弱、人口の13・6%だ。累計死者数は69人(27日)と発表。医療体制の脆弱さ、ワクチン未接種を考慮すると数字の信憑性は低い。
この間、北朝鮮は中国に貨物50トンを積める大型輸送機を送って医薬品を運搬。20年1月に防疫対策として国境閉鎖後、北朝鮮が航空機を外国に送ったのは初めてだ。平壌の南の南浦港に13日、大量の医薬品が船で到着したとの情報もある。またロシアとも支援協力案を協議中という。しかし医薬品の不足は深刻な状況という。
韓国や米国は北朝鮮への医薬品やワクチン提供等の人道支援を支持する立場を維持しているが、北朝鮮からの反応はない。またWHOも何度か、ワクチンや支援提供を申し出ているという。事は命の問題だ!国際的支援が急がれる。
1965年、日韓基本条約が締結されました。
14年にわたる日韓交渉、国民の反対にもかかわらず交渉をすすめたのは朴正煕、岸信介。
日韓交渉をみていきます。(2010年制作)
朴正煕と岸信介
日本が韓国に支払った経済援助は無償3億㌦、有償2億㌦。朴正煕はその多くを製鉄所、ダム、高速道路の社会資本に投入します。「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を成し遂げました。しかし日本植民地時代の被害の個人補償には使われませんでした。補償を求める人は、「日本に強制連行、強制動員させられたが、一銭も返してもらえなかった。その金で浦項(ポハン)製鉄が出来たんです」「第一に日本に裏切られ、第二に大韓民国に裏切られました」と訴えます。
14年間の日韓交渉で何が話され、何が積み残されたのか。あいまいにされ、先送りされる問題も多くあります。
植民地下の被害補償をめぐる交渉
1951年のサンフランシスコ講和条約、直後にアメリカの仲介で日韓予備会談が始まります。
会談では、韓国側は日本の植民地支配は不法として、植民地時代の被害補償を訴えます。日本側は、植民地支配は合法であり、日本は韓国に残した財産を請求できるという立場で激しく対立。日本側首席久保田貫一郎は第3次会談で、「日本としても朝鮮の鉄道や港を造ったり農地を造成したりして、当時多い時で2千万円も持ち出していた。韓国側の請求権と相殺しよう」と語り、これによって会談が決裂。さらに日韓の間に李承晩ラインが一方的に決められ、これを越えた漁船を拉致しました。日本政府は反発し、日韓会談は再開のめどさえ立たなくなりました。
こうしたなか韓国との関係に意欲を見せたのは、A級戦犯容疑で逮捕され、その後山口県から復帰したばかりの岸信介でした。57年総理大臣に就任した岸は、積極的にアジア諸国を訪問し、賠償交渉をすすめました。李承晩は岸に応え、日韓会談の再開に応じます。韓国との正常化は反共防衛体制を強め、アジア諸国での日本の国際的地位を高めていくことになります。岸のアジア外交は共産勢力の拡大を抑えようとするアメリカの戦略と合致していました。
60年安保改定に反対する大規模なデモが国会を取り巻き、岸は混乱の責任をとって首相を辞任します。
韓国でも大統領選挙の不正をきっかけに反政府デモが起こり、李承晩は大統領を辞任し、ハワイに亡命します。国内の混乱状態を受け、61年5月朴正煕らは軍事クーデターによって、ソウル市内を制圧し、国家再建会議を招集します。
クーデターから6ケ月後、朴は日韓会談再開を打ち出します。いち早く応じたのは岸信介です。首相を退いた後にもアジア外交に力を持っていました。朴は水面下で岸との接触をはかります。
満州での朴正煕と岸信介
61年11月日本を訪れた朴正煕は、池田首相との交渉で「請求権と言わないで何か適当な名義でも結構」と日本に譲歩の姿勢を示しました。首相官邸での晩さん会に、岸は朴が在籍した元満州国陸軍軍官学校校長南雲親一郎を招いたのです。「校長先生のご指導と推薦のおかげで、陸軍士官学校を出てここまで来られました。韓国代表としてお目にかかれたことを感謝いたします」と朴が恩師に酒を注ぐ姿を見て、池田首相をはじめ全員が拍手しました。
商工省の官僚だった岸は、満州国総務庁次長に就任、国家主導による統制経済を試み、重工業の開発を一気にすすめます。満州から帰国後、東条英機内閣の商工大臣に就任します。
大東亜共栄圏の建設を目指した岸。その思想は戦後首相となってからも引き継ぎました。「大アジア主義の理想というものが実現されると思うんですよ。私が満州国へ行ったことと結びつき一貫している」そして「戦前の大アジア主義と総理になってからのアジア諸国に対する善隣外交というようなものに断絶はない」と問われ、「断絶はない」と答えます。
朴正煕は旧満州国陸軍軍官学校に入学し、「高木正雄」として軍人を目指します。陸軍士官学校への入学が認められ、その後満州国軍の中尉として国境警備につきました。
朴は満州時代の人脈や陸軍士官学校出身者を政権の中枢に登用していきます。特に岸信介が自ら満州国で行った統制経済、運営方法、関東軍による素早い国家建設、戦時下の社会動員体制を韓国での国家モデルにしようとしていました。それが北朝鮮の金日成との競争で勝ち残る最適の方法だと考えていたからです。
62年3月金額に大きな隔たりがあり、交渉は決裂します。いらだったアメリカが提示した3億を軸に、韓国が希望した6億に近づけるため、政府借款など有償があてられました。資金の名目について、日本側の請求権ではなく経済協力で差支えないと同意。これに対して韓国では植民地支配をあいまいにした屈辱外交として、デモが巻き起こりました。
植民地の下での被害について、償いではなくて純粋の経済協力だという日本ペースで決着し、個人の補償問題は、韓国政府が担うことになりました。
64年6月3日朴は非常戒厳令を布告。デモの鎮圧にふみきり、国民の反対を力で抑えてでも日韓交渉を妥結させようとしました。
韓国併合の法的正当性をめぐって
請求権交渉が妥結した後、64年佐藤政権に引き継がれました。
日韓基本条約第2条に韓国併合に至る条約については「もはや無効」としています。いつから無効とみるかは、韓国は当初から併合条約に先立つ様々な条約は無効だという立場、日本は48年の大韓民国建国後から無効で、それ以前の植民地支配は有効という立場です。その二つの考え方を合わせて玉虫色の決着をはかろうとしたのが、この「もはや」という言葉です。交渉がアメリカの主導で始まったという性格上、日本が過去の植民地支配と真正面から向き合うことなく、過去の清算を逃してしまい、後年になって日韓関係の様々なところから出て来ることになります。
竹島(ドクト)の領有権ついて
交渉で難航を極めたのは竹島の領有権です。秘密交渉がすすめていた自民党の河野一郎は「竹島問題は触れない方が良いと思う」と言い、解決を先送りしました。
条約調印の日、竹島を含め紛争の解決を求め交換公文を韓国側に提案します。交換公文に竹島の地名を入れるかどうか、2枚用意していました。佐藤首相と李外務部長官との最終協議で、佐藤首相は「竹島を含む」という文言を消して、李長官に見せたところ、「これで十分です」と応えたと当時の駐日代表部政務課長。これですべて解決です。
経済援助資金の使われ方については次号に。
5月最後の週、マスコミを賑わしたのは韓国ネタ。
まずは、世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭授賞式が29日に行われ、是枝裕和監督の初の韓国映画「ベイビー・ブローカー」主演のソンガンホさん(「タクシー運転手~」等に出演)が男優賞を受賞した。さらに「人間の内面を豊かに描いた作品」に贈られるエキュメニカル審査員賞も獲得。「ベイビー・ブローカー」は、子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを預けられる韓国の「ベビーボックス(赤ちゃんポスト)」を巡る人間模様を描く。カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、IU(アイユー)ら韓国を代表する俳優が出演している。
是枝監督は、ソンさんの受賞について「自分がほめられると疑ってかかりますけど、役者がほめられたときは本当にうれしいです。彼がこの作品の肝だったし、本当にムードメーカーだったし、チームリーダーだったし、その彼がこういう形で評価されたのは何よりでした」と話す。また韓国で製作した理由について「一緒に仕事したいと思う俳優が韓国にいた」と話し今後も日韓映画界の交流が必要と語った。
次は、1日から始まった韓国の観光ビザの発給。韓国大使館前には長蛇の列が…。コロナ禍で日本から韓国への旅行は2年2か月ストップ。やっと「ビザ有」だが観光目的で渡韓できることとなった。大使館はビザ発給まで3~4週間、1カ月先の航空券の予約をと告知している。コロナ以前の「ノービザ旅行」には少々時間がかかりそうだ。人的交流は溝を埋める、最も有効な手段だ。楽しみだ。
またしてもBTSが話題を提供。バイデン大統領は31日、ホワイトハウスにK-POPスターの防弾少年団(BTS)を招待。彼らが経験するヘイトクライムと差別、そして多様性と包容性について、意見交換したという。大統領が異例にも彼らを招いたのは、大統領の人種ヘイトクライムに対する格別な関心と警戒心のためという。
メンバーの一人、SUGA(シュガ)は、「 人と違うということは悪いことではありません。そして、全ての違いを受け入れてオープンになったとき、真の平等が始まるのです」とインタビューにこたえた。
今までありとあらゆるヘアーカラーにしてきたBTSだが今回登場したメンバー全員が黒髪。これもアジア系ヘイトクライムへの一つのメッセージか?
6月3日、事務所にコウチャニュウ(高賛侑)さんが訪問。ノンフィクション作家のコウさんが監督を務めたドキュメンタリー「ワタシタチハニンゲンダ!」の宣伝に来られた。映画は第七藝術劇場、京都シネマ、にて上映。 朝鮮学校差別をテーマとするドキュメンタリー「アイたちの学校」を製作したコウさんが、新たに在日外国人の実情を追った。在日コリアン・技能実習生など多様な立場の外国人、支援者、弁護士の証言、さらには入管の監視カメラなどで撮影された映像を駆使し、在日外国人が置かれている状況を映し出す。
多くの海外での取材を行ってきたコウさんは、日本は世界に例を見ない外国人差別の国家だという。日本社会で生きる皆さんが是非見なければならない映像だと…。どの外国人も安全・安心に生活できる社会にするためにぜひ見たい映画ではないか。自主上映も可能、相談は「日コリ・大阪」へ。
【問】韓国の映画やドラマでチャジャンミョンを食べている場面がよく出てきます。韓国では「国民食」といわれているくらいポピュラーなチャジャンミョンについて。
【答】韓国で人気のある麺料理です。19世紀末から華僑の移住がすすみ、華僑の多くが山東省出身で、山東省の家庭料理であった炸醤麺(ジャージャー麺)が手軽で味が好まれ、仁川(インチョン)から各地に広まったといわれている。解放後キャラメルが添加された甘味のあるチュンジャン(黒味噌)が使われ、さらに1960年代から70年代にかけて、アメリカから小麦粉が供給されるなか、政府が粉食を奨励する政策をとるなどして、一気に普及して国民的な料理になった。
作り方は豚肉、タマネギなどを刻んでチュンジャン(黒味噌)で炒め、とろみをつけた黒いソースを麺にかけたものです。付け合せには、生タマネギ、たくあん、チュンジャンが出てくる。
仁川のチャイナタウンにはチャジャンミョン博物館がある。
韓国では、4月14日はバレンタインデーやホワイトデーを経ても恋人がいない人が黒いチャジャンミョンをなぐさめ合って食べる「ブラックデー」とよばれている。
「ディア ピョンヤン」「かぞくのくに」で、自身の在日コリアン家族と 北朝鮮との関係を描いてきたヤン・ヨンヒ監督ですが、本作では初めて 母のルーツ韓国と向き合っています。
大阪に住む在日コリアンの約4割が、済州島をルーツに持っています。イデオロギーから国籍を「朝鮮」にしたヨンヒ監督のオンマも、実は「韓国」済州島出身者です。韓国近代史の最大のタブー「済州4・3事件」の体験者でもあったのです。
1948年4月3日に始まる 李承晩政権による島民大虐殺「済州4・3事件」とは…。当時アメリカ軍政下の南朝鮮で、アメリカの意向である南側のみの単独選挙が行われようとしていました。南北分断を決定づける単独選挙に反対する蜂起が、各地で起こりました。済州島は、その弾圧の見せしめにされたのです。「アカ狩り」の名の下で、島民の無差別虐殺が繰り返されます。1954年9月に至るまで、約3万人の島民が虐殺されました。
年老いアルツハイマー病を患うオンマと共に、母の記憶を紡ぐため、ヨンヒ監督は済州島への旅を決心します。そして明かされたオンマの秘密。韓国でも話題のヤン・ヨンヒ監督の最新作です。
アメ村「シネマート心斎橋」
十三「第七藝術劇場」
6月11日(土)公開
A.すべてユン氏の検察時代の仲間。独立性と民主性を前提とする組織すら検察出身者で埋めてしまうと、大統領の下で一糸乱れぬ指揮・命令系統が整えられてしまうのではないかとの心配声が上がっている。
韓国のユンソギョル次期大統領が日本に派遣した代表団は、4月24日からの5日間の日程を終え、日韓関係の改善に向けて外交当局間の対話を活発化させたい考えを示した。代表団は岸田総理などと会談を行った。政権交代を実現した保守派ユン氏は、選挙で公約した日韓のシャトル外交で、関係修復をできるのか。日本国内では保革問わず少なくない人が修復への期待感を高めている。そう簡単なものか、考えてみたい。
日本政府は今回の代表団の訪問を受け、松野官房長官が会見を通じて、15年の「慰安婦」問題での「日韓合意」は「両政府が多大な外交努力のすえに問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したもの」、「国と国との約束を守ることは国家間の関係の基本」と、この間の主張を繰り返した。このことでわかるように、被害者の立場たった解決や植民地支配への反省、謝罪とはかけ離れた立ち位置に日本政府いる。
だが、現在の韓国の市民社会は被害者を置き去りにして国家間で解決などということを許すことはない。さらには遡って65年の日韓基本条約の意味を問い直そうとしているのだ。日本の植民地支配の反省、謝罪なし。補償とは無縁の「経済協力」という名で日本の物品と役務によってパクチョンヒは「漢江の奇跡」を起こした。ここに様々な問題が凝縮されている。
パクチョンヒの娘クネに訴追したことを謝罪したユン氏。彼が日韓関係を解きほぐすことは極めて困難か。もつれたままの「未来志向」は一層の混乱を招くことは想像に容易い。
韓国の民衆は、欺瞞に満ちた関係修復は許さない。さあ日本の民衆はどう応え、どう運動を展開するべきなのか。まずは負の歴史にしっかりと向き合いたい。