スキャロップ加工 page 3

  4) 荒削り

  削る形状を考え、最も深くなるところを目印代わりに5mm程度の幅で軽く削ります。
  つまりフレットと平行に5mm程度削った“すじ”ができるのですが、この時点では目印程度
  なので、その深さは2mmくらいで十分でしょう。
  あとはNT DRESSER TOOL R-1を斜めに構えてこの目印を広げていくのですが、その
  形状を考えながら、また勢い余ってフレットまで削らないよう注意を払って下さい。
  形状を整えるのも必要ですが、後で紙やすりを使いますから神経質にならないでよし。

  ローズ指板の場合、木自体が柔らかいため油断すると削りすぎてしまいますので注意。
  フレットと同じ方向に削り線が見えますが、荒削りですので揃えることはありません。
  あとで紙やすりで仕上げますので気にしないでいいでしょう。
  またスキャロップ自体にもアールをつけますので、指板上がフラットにならないようにも
  気をつけなくてはなりません。

  10F〜1Fにかけて徐々に浅くなっていくわけですが、フレットの間隔も広がっていくので
  そのアールも緩やかなものにしなくてはなりません。
  上の写真はアールがきつく、下の写真ではなだらかになっているのが分かるかな?
  またこの範囲は6弦側はあまり削りません。
  だいたい4弦付近からスキャロップはすぼまっていき(下の写真の3Fが分かりやすい)、
  あわせてその深さも浅くしていきます。
  フレットの際は最終的に紙やすりで仕上げますので、この段階では気にしなくてもいい
  でしょう。


  4) 仕上げ

  一通り荒削りが済んだら紙やすりで形状を整えていきます。
  メイプルの場合、材質の硬さもあるので280番と600番で大丈夫です。
  ローズは材質が軟らかいこともあるので、600番くらいだと削り傷が気になります。
  今回は1200番と1500番も用意したところ、目は詰まりやすいものの、その仕上がりは
  鏡面といってもいいほどです。(ただしこの写真はカメラの電池切れでありません)

  仕上げの最初の段階として280番で形状を整えますが、次の600番で形状を仕上げると
  意識しないと削りすぎてしまうので注意が必要です。
  それほどローズは柔らかいのです。
  下の写真は撮影用に荒削りの途中で280番と600番で仕上げた後です。
  今ページの一番上の写真と比べると滑らかになっているのが分かるでしょ?
  1200番、1500番で仕上げると光沢が現われますよ。
  ちなみにフレットのマスキングは仕上げた後に貼りなおしたのできれいです。

  この後の写真はカメラの電池切れで取れませんでしたが、一通り仕上げたら削り粉を
  固く絞った濡れ雑巾で拭き取ってください。
  またフレットの隙間等に残った削り粉は刷毛などで掻き出すようにしましょう。
  今回は最終仕上げとして指板表面に“フィンガーイーズ”のようなものを使いました。
  私としては別の方法を考えていたのですが、オーナーの意見を優先しました。

  完成した写真です。
  前回のメイプル/レッドのストラトと同じようなアングルです。
  今回はオーナーの希望でかなり浅めに加工しました。

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