わが家に咲く花々(7)
トキソウが咲きました(2001.4.1)
 名残とは「今シーズンの」という他愛もないこと。イキ、シニではない。
前に岩手県沢内村に世界でもこれ一つという「雪国文化研究所」が設置され、その所長には(多分イイダシの)あの高橋喜平さんが就任された。
 (作家高橋克彦氏の伯父で著書多数、エッセイストクラブ賞ETC受賞、この人が、なんと私の元上司!)
手始めに同村の積雪調査から、と私と私の前任者新庄のKさん、および同所の常駐職員の3名がが調査に当たった。毎冬3回村内数カ所で積雪を土まで掘り下げて断面調査をした。6年か7年続いたと思う。この縁故でその職員と友人になった。最後の調査終了のときは、酒を飲んで別れを惜しむあまり、私はヘベレケになってしまって、酒飲みの看板を背負った。
 沢内村は内陸の冷害常習地帯、米の出来は昔からよくない。沢内甚句の「升で計からネエで、箕で計る」は実は年貢が納められず、娘を売った名残、箕は身なんだそうだ。最近村の産業として花卉栽培を始めた。昼夜の温度差が大きく、発色の決め手。
見事な花を咲かせて箕も身も要らず、現金収入の道が開けた。半分は法螺、毎年花を送ってくれる。あの酒飲みの友達が酒飲み(だった)私に花を送ってくれるとは、何という不思議、優しいことだ、と私は毎年喜んでおります。気品溢れるこの百合の花。