新庄まつり/神輿渡御--(すたえろー)

わが町内、石川町では神輿渡御に際しては、道路両側に正座し威儀を正してお迎えする風習が今でも行われている。神輿渡御の面々は土下座の前を悠々と通るのであり、したがって特に気合いを入れて大見えを切りいろんな芸も披露される。笠廻しの妙技、挟み箱、槍の投げ渡し、「すたえろ」のジグザグ行進等々。

この正座の風習はかって市内全部で行われていた。しかし、終戦後から次第に消えてしまった。勿論石川町とて例外ではなかったが、十数年前に成年会が結成され、あの風習を取り戻そうではないか、ということで復活させたものである。この他に祭り灯籠を作って道路の両側に飾った。今年は神輿を担いで餅まきをやっていた。こうしてみると伝統とは作られていくものなのであろう。

少年の頃私たちはこの神輿渡御の行列を「すたえろ」と言っていた。サムライが行列を先導し「すたえろー!」「すたえろー!」と叫ぶところからこう呼んでいた。「下に居ろう」が訛って、下(した)が「すた」と発音され、「居ろう」→「居ろ」が「えろ」となるのは東北弁特有の訛りである。

では皆さん! すたえろー!

挟み箱、息が合わないと上手くいかないのだ!

すたえろー!

すたえろー! と、威嚇しながらジグザグ行進をやる。