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2R-CONBOXの回路動作を説明します。本機はFT-920とIC-703の接続に特化して設計・製作されています。FT-920内のANTENNA
RXスイッチ機能を利用してRX信号を本機に引き込んでいます。また、FT-920送信中はFT-920内の送受リレーによりRX信号が絶たれるため、IC-703の受信は中断されます。このことをまず理解して、回路図を参照しながら以降の説明を読んでください。 |
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■RX信号接続回路(ピンク部分)■
FT-920のANTENNA RXスイッチをON状態にすると、アンテナからのRX信号は、FT-920の送受信切替リレー接点→ANTENNA RXスイッチ接点→RX OUT端子→2R-CONBOXのRX-IN端子→F2(0.1A)→RLYリレー接点→RX-OUT端子→IC-703のANT端子に接続されます。またFT-920へは、RX-OUT端子→RX-IN端子→ANTENNA RXスイッチ接点→FT-920受信回路に接続されます。この接続状態はFT-920とIC-703が1本のアンテナに同時マルチ接続されたことを意味します。一方、IC-703はトランシーバであることから当然送信することも可能なわけで、万が一誤って送信した場合、FT-920の受信回路にダメージを与える可能性があります。これを防止するためプロテクト回路を付加しています。IC-703が送信状態になったときHSENDからアースがでます。このアースでRLYリレーを動作させ、R1-R10で製作した20W-DUMMY側に接続替えするとともに、FT-920への回路を遮断します。同時に、発光ダイオードLED1(SEND)を点灯させ、送信状態であることを警告します。またリレーがなんらかの原因で動作せず、DUMMYに切替わらなかった場合はD1・D2により送信キャリアを地絡させF2(0.1A)を溶断させることによりFT-920の受信回路部をプロテクトします。RLY
TESTは2R-CONBOXの前面パネルに取り付けてあり、RLYリレーの動作を確認するスイッチです。スイッチをONにするとし、リレーが動作し発光ダイオードLED2(SEND)が点灯して正常であることを知らせます。D4はこの動作確認時、IC-703が送信状態になるのを防ぐアース逆流防止ダイオードです。
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■RTTY(AF)信号レベル調整回路(グリーン部分)■
2R-CONBOXのAF-IN からAF-OUTに抜ける回路で、IC-703からのRTTY(AF)信号をパソコンに供給する際のレベル調整回路です。VR1・VR2で適正なレベルに調整します。回路は、JH3GXF(安孫子氏)の考案されたRTTYインターフェース(CQ誌2002年4月号)のものを、そのまま使用させていただきました。調整の詳細については同誌かJH3GXF(安孫子氏)のHPをご覧ください。
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■CI-Vレベルコンバーター回路(ブルー部分)■
パソコンのCOMポートとIC-703のCI-V(シーアイファイブ)端子を接続する回路です。接続により、IC-703をパソコンから制御することが可能となります。通常この接続には、ICOMのオプション製品で、CT-17というインターフェースを使用しますが、12,000円とすこぶる高価です。回路はICOMが公開していますので自作を考えましたが、あるHPに更に簡単安価に接続できる方法がアップされていました。それは一昔前(今はUSB接続が主流ですが・・・。)、パソコンのRS232C-COMポートと携帯電話を接続する、"データ転送ケーブル"(写真)を使用する方法なのです。ケーブルについているD-SUB-9Pin端子はそのままパソコンのCOMポートに接続します。携帯電話側の接続プラグは切断して、3.5mmミニジャックに取替え、IC-703のCI-V端子に接続するだけというものです。レベルコンバーター回路はD-SUB-9Pinコネクタ内部にモールドされているため、うかがい知ることはできません。本当にこれで動作するのか半信半疑でしたが、一応購入して実験してみました。ところがIC-703への出力レベルが低く動作が不安定でうまくいきませんでした。、試行錯誤の結果、回路図に示したようにR11(10KΩ)の抵抗を介し、+5Vの電圧プルアップを試みたところ、安定に動作することが確認されました。このコードは千石電商で、なんと430円で手に入ります。(2005年3月現在) 品名はYOKO(カモン)9-KE
です。 これでCT-17(12,000円)の代替ができるとは・・・。(^^)v
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■ミニジャックへの交換■
YOKO(カモン)9-KEコードの3.5mmミニジャックへの交換方法は、まずコードの携帯電話側の接続プラグ(上記写真の右側のプラグ)を切断し捨てる
→ コードの表皮を剥く (茶・黒・燈・赤の線が出てくる。) → 茶(アース)を3.5mmミニジャックのスリーブ(アース)に半田付け → 黒・燈(RXD.TXD)を一緒に縒って3.5mmミニジャックのチップ(ジャック先端部に導通)に半田付け
→ 赤は使用しないので余長部分を切断して完成!!(写真) 回路図をみてお分りのように、実際は2R-CONBOXのCI-V IN端子部分でこの接続を行い、あとはR11(10KΩ)を介し+5Vの電圧プルアップを行い、CI-V
OUT端子に出力させます。3.5mmミニジャックはCI-V OUT端子に接続するコードに取付けてIC-703と接続します。なお、CI-V OUTは"1"および"2"の2端子用意しており、もう一台の他のICOM製品に接続できるようにしてあります。
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■ダミーロードおよび他機種との接続について■
本機には、IC-703を送信状態にしたとき、RLYリレーによりR1-R10(500Ω 2W×10本パラレル)で製作した内臓ダミーロードに接続替えするようになっています。R1-R10は2W容量の抵抗を使用していますので、20Wのダミーロードとなります。IC-703の送信出力は10Wですのでこの容量で十分ですが、ファミリートランシーバであるIC706・IC706MK2・IC706MKGなどの送信出力100W機と接続する場合、このダミーロードでは容量不足です。もし接続にされる場合は、R1-R10抵抗を500Ω-10W容量以上のもの10本に変更する必要があります。この場合、抵抗の形状がより大型になりますので、M型コネクタ(メス)を本機後部に取り付け、同軸ケーブルで市販のダミーロード(100W以上)と接続した方がFBかもしれません。なお、IC706・IC706MK2・IC706MKGについては、実機による接続試験は実施しておりません。資料によると、ACCに出されているリード名とピン番号がIC-703と同じようなので回路図どおりの結線で接続できるものと考えられますが、念のためそれぞれのリグの取扱説明書や回路図により確認をしてください。
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■電源について■
本機には、リレーの駆動・LED点灯(+13.8V)およびCI-Vデータ線電圧プルアップ(+5V)のための電源が必要です。消費電流はわずかですので独立した電源部は内臓せず、+13.8VをIC-703から引き込んでいます。+5Vは3端子レギュレータ(TA78L05S)を挿入することで得ています。また電源ON・OFFスイッチも取付けていません。理由は仮に電源スイッチを取り付け、電源ONをせずにIC703を送信状態にすると、本機のRLYリレーが動作できず、せっかく組み込んだプロテクト機能が無になるためです。この状態を回避するため、あえて電源スイッチは取付けず、IC-703の電源をONにすると必ず本機の電源もONになるように設計しました。安全のため、F1ヒューズ(1A)は必ず挿入します。
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