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         DLNAと相性
   
 DLNAってなんでしょう?これは"Digital Living Network Alliance"という業界団体の略称であるとともに、写真や音楽,動画などのデジタル・データを,ホーム・ネットワーク(LAN)内で相互利用する規格のことです。この規格に沿って開発された家電製品やソフトウェアはメーカーが異なっていても相互にネットワークを介して利用することが可能になります。たとえば、A社のDLAN対応テレビとB社のDLNA対応録画機をネットワークで接続し使用できるわけです。同一ネットワーク内であれば1台の録画機を複数のテレビで共用することも可能です。DLNA対応機器はテレビや録画機のほかハードデスクや音響機器、パソコンなどがあります。文頭のロゴが付いている機器はDLNA対応機器です。筆者は約2,000曲の音楽ファイルと30,000枚の写真ファイルを外部HDDに保存しパソコンで視聴できるようにしてあります。これらのファイルをDLNA対応テレビで視聴できるようにしようと思いつきました。実現すればいちいちパソコンを立ち上げることなく、機械オンチの家族でも手軽に音楽や写真を各自のテレビで楽しむことができます。方法は簡単で、DLNA対応ハードデスクとテレビを既存のLAN回線に接続し、音楽や写真ファイルをハードデスクにコピーするだけです。と思ってやってみたところ予想外のトラブルに見舞われて大苦戦!! 以下に発生事象とトラブルシューティング(と呼べるかどうか・・・)をまとめてみましたので図を参考にしながらお読みください。なおDLNA機器においてデータを配信する側をDLNAサーバー、受信する側をDLNAクライアントと呼びます。この例では、ハードデスクがDLNAサーバー、テレビがDLNAクライアントとなります。
  事象
SONY製テレビ(KDL-19J5:DLNAクライアント)でI/Oデータ製ハードデスク(HDL-S500:DLNAサーバー)内のMP3音楽ファイルにアクセスし再生すると、再生途中で、
”サーバーにアクセスできません。サーバーへの接続が許可されていない可能性があります。”とのメッセージが表示され、同時に再生が停止する。再生開始がら停止までの間隔やファイルもマチマチで特定しない。
 
   
  トラブルシューティング
発生した事象はネットワークを介して接続していましたが、同一ネットワーク上のPCをサーバとして試験したところ異常なく動作することを確認しました。次に、HDDとテレビを直結して試験しました。結果、同一事象が発生。そこでMP3ファイルのビットレートを256bpsから128bpsに落として試験→NG。HDDをPCと同一HUBに接続して試験→NG。ここでギブアップ、I/Oデータサポートセンタのお世話になりました。話によると、I/Oデータでも初めて受ける不具合情報ということです。指示に従って、ファームウェアのバージョンが1.10だったので1.11にアップ→結果NG。これ以上ユーザ側で確認できることはないとのことで本製品をI/Oデータに送付して調べることとなりました。I/OデータにはSONY製同一型式のテレビがないので、PCにインストールされたクライアントソフトにより試験をした結果、不具合は再現しないとのことでした。そこで、送付したものとは別のHDD(品名は同じ)を返送してもらい、再度、我が家のネットワークで試験しましたが予想どおりNGでした。結局、SONY製テレビ(KDL-19J5)とI/Oデータ製ハードデスク(HDL-S500)は相性が悪くメーカとしてはこれ以上の対応は不可能という結論に達しました。幸いなことに返品に応じてくれるということで、購入店に事情を話し返品するとともに、ほぼ同一スペックのBUFFALO製LS-CH500Lを入手して試験しました。これがなんと一発でOK。相性とはこういうことなんだな〜・・・・。それにしてもDLNAは、まだまだ確立された域に達していない規格なんですね。さて、この記事は決してI/Oデータの製品が悪いといっているわけではありません。なぜなら使用するDLNAクライアントがSONY製テレビ(KDL-19J5)以外の機種だった場合、I/Oデータ製HDDはOKで、BUFFALO製HDDはNGとなる可能性もあり得るからです。勿論、両方OKとなることもあり得ます。異なるメーカの機器は繋いでみるまで動作するか否かわからないのです。本来はこのような問題を解決するために決められたのがDLNA規格だと思いますが、相性という問題、やっかいですね。ちなみに筆者はこの"相性"という言葉は、責任の所在をうやむやにする言葉であって、関連業界において安易に使用すべきではないと考えています。
 
     
     *文頭のロゴはデジタル リビング ネットワーク アライアンス(Digital Living Network Alliance)の登録商標です。