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内臓ハードディスクの増設 | ![]() ![]() ![]() |
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【 実験に使用した機種および使用ソフト等 】 ・パソコン本体 : SOTEC PC-Station (PX-9513P) ディスクトップパソコン プロセッサ Intel Core2 6320 1.86GHz , メモリ 2.00GB (購入時 1.00GB) ・OS : Windows Vista Home Premium Service Pack1 ・増設HDドライブ : HITACHI Global Storage 社 HDT721064SLA360 回転数 7,200rpm , 容量 640GB , Buffer 16MB , Serial ATAU, 3.5インチ内蔵用HDD ・イメージバックアップソフト : Acronis True Image 11 Home |
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![]() SOTEC PC-Station (PX-9513P)の購入時の状態です。ビルドされているHDは容量320GBでマザーボードのS-ATA端子1番に接続されDISK0として認識されています。またDISK0は3つのパーティーションに分割されていて、それぞれ、リカバリ領域・Cドライブ・Dドライブとして認識されています。これらの領域は、「スタート」→「コンピュータ」を右クリック→管理→ 記憶域の「ディスクの管理」を選択すると確認できます。パソコンをメーカ出荷時状態に戻すには、立ち上げ時にF8キーを押下し、リカバリ領域に書き込まれている初期設定プログラムを起動します。したがってなんらかの原因でDISK0が故障し、リカバリ領域が破壊されていると、初期設定プログラムが起動できず、ユーザサイドからメーカ出荷時の初期状態に戻すことは不可能になります。 |
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![]() 購入時にビルドされているHDは単なるCドライブ・Dドライブのみならず、リカバリをするためのプログラムが含まれているため非常に重要です。そこでパソコン本体内臓用のHDを増設しDISK0のクローンを作成し対応することにしました。使用したHDは容量640GB(フォーマット時容量:596GB)のHITACHI Global Storag 社 HDT721064SLA360です。HDをパソコン本体にセットしマザーボードのS-ATA端子2番に専用ケーブルで接続します。同時にパソコン本体側に用意されている電源ケーブルも接続します。この状態でパソコンを立ち上げると増設されたHDはDISK1として認識され自動的にドライバがインストールされます。しかし、まだオフライン状態で未フォーマットのためWindows Vista (以下、Windows と記述します。)上でユーザが使用できるドライブとしては認識されていません。認識させるためには記事末尾の"(注1):増設HDのシステム組み込み方法"を参照してください。認識されるドライブ名はパソコンによって異なりますが、SOTEC PC-Station (PX-9513P)の場合、Jドライブとして認識されます。ここまでの作業が終了すると増設したHDはユーザがWindous上で使用できる状態になります。 |
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![]() イメージバックアップソフトにより、DISK0のクローンをDISK1に作成します。イメージバックアップとはパーティーション情報を含めたDISK0の内容を、まるごとDISK1にコピーすることです。つまりDISK1はDISK0のクローンになります。使用したソフトは、Acronis True Image 11 Homeです。既にCドライブにインストールされているものとして説明しますが、ここでインストールしてもかまいません。Acronis True Image 11 Home を起動し、DISK0の内容を一旦手持ちの外部HDにイメージバックアップします。結果、外部HDには拡張子に"tib"が付された圧縮アーカイブファイルが作成されます。なお外部HDには十分な空き容量が必要です。今回、DISK0の使用領域が65GBの状態でバックアップしたところ、外部HDには約37GBに圧縮されたアーカイブファイルができました。圧縮されているとはいえ数十GBの大容量ファイルが生成されます。バックアップが完了したら今度は外部HDにできたアーカイブファイルからDISK1にイメージ復元を実行します。結果、DISK1にはDISK0と同じイメージが展開されます。今回使用したDISK1のHD容量はDISK0の2倍の容量があるため294GBの未使用領域ができますが、WindowsからみるとDISK0とまったく同じイメージ(クローン)ができたことになります。なおバックアップおよび復元方法は記事末尾の"(注2):Acronis True Image 11 Homeの操作方法"を参照してください。 |
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![]() DISK1(クローン)からWindowsを立ち上げる作業をします。立ち上げの前に次の作業を行います。@パターン2でDISK1に接続したS-ATAコネクタをはずします。図には示されていませんが電源コネクタも同時にはずします。ADISK0のS-ATAコネクタをはずしDISK1につなぎ変ええます。同様に電源コネクタもDISK0からDISK1へつなぎ変えます。これでDISK0は物理的にシステムから切り離され、DISK1がマザーボードのS-ATA端子1番に接続された状態になります。@ではずしたS-ATAケーブルおよび電源ケーブルは後から使いますので、そのまま遊ばせておきます。作業が完了したらパソコンの電源を入れます。これまで行ってきた一連の工程がすべてうまくいっていると、Windowsが立ち上がってきます。立ち上がり後、システムを確認するとパターン1で使用していた状態がそのまま引き継がれているはずです。ユーザ作成のファイル類はもちろん、メールやブラウザなどの設定情報もすべてそっくり引き継がれます。したがって以後このまま運用に供してもかまわないわけです。・・・が、未使用領域がいかにももったいないですね。せっかく640GBのHDを増設したのに、クローンであるがゆえに購入時ビルドの320GB・HDと同レベルで扱われているからです。これを解消するため次パターンでHDリカバリを実行します。なおWindwsは、DISK1がマザーボードのS-ATA端子1番につながっているため立ち上がり後はDISK0として認識されます。しかしクローンディスクであることに変わりはありません。 |
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![]() 未使用領域もユーザ領域として使用できるようにするためにHDリカバリを実行します。実は未使用領域を使用可能状態にすることよりも、作成したクローンディスクからHDリカバリプログラムが正常に起動できる状態になっているか否かの方が重要です。起動できなければ、今回わざわざHDを増設した意味を失うからです。また、やってみなければ分からない分野でもあります。メーカに、「あの〜、すいませ〜ん。クローンディスクからHDリカバリできますか〜?」なんて質問しても、「わかりません!」の答えが返ってくることは目に見えています。(^^; しかし、HDを増設した意味を持たせるためにも、クローンディスクからHDリカバリができることを確認しておくことは必須条件です。まあ、仮に失敗してWindowsが立ち上がらないような状態に陥っても、既にパターン4でメーカビルドのDISK0が"神様"として控えさせた状態になっているのでここはビクビクせず、エイヤッで進みます。実行するにあたって、重要な注意点があります。それはHDリカバリを実行することによりクローンがクローンではなくなることです。既に保存されているファイルや設定情報などがキレイサッパリメーカ出荷時の状態に初期設定されてしまい失われてしまします。具体的には ・インターネットエクスプローラの"お気に入り" ・メールアカウント ・メールメッセージ ・メールアドレス帳 ・ディスクトップ画面の設定情報 ・ユーザ辞書 ・ユーザが作成・追加したファイル(文書ファイルや画像ファイル) ・購入後、ユーザがインストールしたアプリケションソフト などです。大事なファイルなどはあらかじめ外部HDやCDメディアなどにバックアップしておくことをお勧めします。ファイルのバックアップ方法や戻し方法はSOTEC PC-Station (PX-9513P)のマニュアルに詳しく記載されています。これらの準備が完了したら、SOTEC PC-Station (PX-9513P)のHDリカバリを実行します。リカバリの方法は記事末尾の"(注3):SOTEC PC-Station (PX-9513P) HDリカバリ方法"を参照してください。リカバリが成功したら、メーカ出荷時の状態で立ち上がりますので、パソコン付属のマニュアルを参照し、Windowsなどの初期セットアップを行います。あとは「スタート」→「コンピュータ」で、CドライブおよびDドライブの容量が、おのおの294GBに拡張されていることを確認します。アプリケションソフトの再インストールやHDリカバリ前にバックアップしておいたファイル類はここで戻します。 |
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![]() ![]() 通常はパターン5の状態で使用開始OKです。・・・が、もう少し欲張ってみます。それは以後のメンテナンスを容易にするためバックアップアーカイブファイル保存のためのHDを増設することです。1台目に増設したHITACHI Global Storage社 HDT721064SLA360 HDがSOTEC PC-Station (PX-9513P)で使用できる (相性がよい ) ことが確認されましたので同系列のHDP725050GLA360 HD(500GB)を使用しました。増設方法はパターン4ではずしておいた、マザーボードのS-ATA端子2番からのケーブルおよび電源ケーブルを増設したHDに接続し、パターン2(1台目HD増設)で説明した手順と同様に、増設HDをフォーマット、システムに組み込むだけです。これでDISK1、Jドライブ(465GB)として認識されます。写真は最終形態のパソコン内部を撮影したもので、3台のHDがPC本体に収まっています。メーカビルドのHDは電源およびS-ATAケーブルがはずされシステムから物理的に切り離された状態で"神様"としてこのまま保管しておきます。DISK0が破壊され更にAcronis True Image 11 Homeからも復元不能に陥った時はDISK0の電源およびS-ATAケーブルをメーカビルドHDすなわち”神様”につなぎ変えて立ち上げ、パターン2からの手順でに復元が可能になります。前述のような致命的故障がない限り通常はDISK0とDISK1を使います。時々というか、なるべくこまめに正常時のDISK0の内容をDISK1にイメージバックアップしておくことにより、パソコンに異常な動作が起こっても、DISK1の正常時ファイルから簡単にシステムの復元(イメージ復元)ができます。復元に要する時間は、生成されたバックアップアーカイブファイルの容量により異なりますが、今回実験したファイル容量37GBの場合、わずか25分で完了します。HDリカバリから一連の復元作業をしなければならない事態に陥った時のことを想像すると、そのありがたさは、手を合わせたくなるほど絶大です。(^^; 復元はシステムの世代がアーカイブファイルを作成した時点に戻ることを意識し、パターン5で示したファイル類のバックアップを忘れずに行ってから実施します。なお、パターン3で示した外部HDを、以後のイメージバックアップ先HDとして使用する場合は必ずしもDISK1の増設は必要ありません。この場合、内臓用HDに比較してデータ転送速度が遅くなるため、バックアップおよび復元に要する時間が長くなります。筆者がパターン3で使用した外部HDはLAN-DISK(I-O DATA HDL-GT Series)でしたが、バックアップおよび復元におのおの1時間30分かかりました。DISK1を増設した後はアホらしくなってLAN-HDをバックアップ先HDとしては使用していません。なおUBS接続の外部HDは所持していないため所要時間の確認はとれていません。なおDISK1は十分な容量を有しているためバックアップアーカイブファイルの保存だけでなく、CドライブやDドライブに保存したユーザファイルのバックアップ用としても活用できます。最後に、"イメージバックアップ"を行った場合、その場で"イメージ復元"の実行をお勧めします。理由はバックアップにより生成されたアーカイブファイルで正常にシステムの復元ができることを確認しておくためです。以上の工程がすべて成功すると、SOTEC PC-Station (PX-9513P)は安全かつ快適なシステム環境にグレードアップします。 v(^^; |
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(注1):増設HDのシステム組み込み方法 「スタート」→「コンピュータ」(右クリック)→「管理」→「ディスクの管理」→「ディスク x 不明」部分を右クリック→「ディスクの初期化」→「OK」→「フォーマットしたいデュスク」(未割り当て)の部分を右クリック→「新しいシンボルボリューム」→「次へ」→ボリュームサイズは自動認識されているのでそのまま「次へ」→”次のドライブ文字を割り当てる”を選択→「次へ」→”このボリュームを次の設定でフォーマットする”を選択し、ボリュームラベル(例:”ローカルディスク”等)を入力→「クイックフォーマット」にチェック→「次へ」→表示される設定内容を確認して→「完了」・・・フォーマットが始まります。終了したら管理画面を閉じ、「スタート」→「コンピュータ」で増設したHDが追加されていることを確認します。SOTEC PC-Station (PX-9513P)の場合、空き容量が596GBのJドライブとして追加されます。 |
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(注2):Acronis True Image 11 Homeの操作方法 【バックアップ方法】 Acronis True Image 11 Homeを起動→「バックアップと復元」→「バックアップ」→ようこそ画面で「次へ」→「コンピュータのバックアップ」→「次へ」→「ディスクまたはパーティーション」→「次へ」→ディスク1のチェックボックスにチェックを入れ(NTFS(C:)、NTFS(D:)、HDREC のチェックボックス全てにチェックが入ります)→なにもせず「次へ」→バックアップの保存先(外部HD)を指定し、任意のファイル名を入力し「次へ」→"完全バックアップ"のラジオマークをオンにし「次へ」→"デフォルトのオプションを使用する"のラジオマークをオンにし「次へ」→コメント欄がでるので任意にコメントを入力し「次へ」→実行する処理の一覧画面がでるので内容を確認し→「実行」→バックアップ処理が開始されます。→処理が終わったら、Acronis True Image 11 Homeを終了ます。Windowsが立ち上がりますので、外部HDを開き拡張子に"tib"が付されたバックアップアーカイブファイルが作成されていることを確認します。 【復元方法】 Acronis True Image 11 Homeを起動→「バックアップと復元」→「バックアップ」→ようこそ画面で「次へ」→バックアップアーカイブの選択画面から外部HDに作成されているアーカイブファイルを指定し→「次へ」→"ディスクまたはパーティーション"のラジオマークをオンにし→「次へ」→ディスク1のチェックボックスにチェックを入れ(NTFS(C:)、NTFS(D:)、MBRとトラック0、HDREC のチェックボックス全てにチェックが入ります)→「次へ」→復元先のHDである"ディスク1"をアクティブにし→「次へ」→"復元先のハードディスクのパーティーションをすべて削除してから復元します"のラジオマークをオンにし→「次へ」→"別のパーティーションまたはハードディスクを復元しません"のラジオマークをオンにし→「次へ」→"デフォルトのオプションを使用する"のラジオマークをオンにし→「次へ」→"復元する準備ができました・・・"の画面がでるので内容を確認し→「実行」→復元処理が始まります。途中、"再起動する必要があります"画面がでるので→「再起動」ボタンをクリック→パソコンが再起動し、しばらくすると復元処理の進行状況画面がでて処理が続行されます。→復元処理が終わると"Windowsエラー回復"画面がでますので、「Windowsを通常起動する」を選択し→「OK」→復元されたシステムでWindowsが立ち上がります。 |
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(注3):SOTEC PC-Station (PX-9513P) HDリカバリ方法 パソコンの電源を入れます。システムの立ち上がり途中で"SOTEC"のロゴが表示されます。このロゴが消えた直後に"F8"キーをバタバタと数回押します。この操作がリカバリプログラムの起動指示になります。表示されたメニューから「コンピュータの修復」をクリック→"日本語言語"になっていることを確認→「次へ」→プルダウンメニューのユーザ一覧から該当ユーザ(通常 Administrator)を選択→「OK」→使用しているログオン時のパスワードを入力→「OK」→回復ツールの一覧から「SOTECリカバリツール」をクリック→「高度」ボタンをクリック→「HDDの50%をCドライブに、残り50%をDドライブとする」ボタンをクリック→"HDDのデータは消えてしまします。本当にリカバリをしますか?"の確認メッセージに対し→「はい」→リカバリが始まります。しばらくすると"リカバリが完了しました。パソコンの電源を切ります"のメッセージに対し→「OK」→立ち上げ後、Windowsの初期セットアップを行います。 |
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*** 2009.11.29 このままの形でWindows Vista Home Premium から Windows 7 Home Premiumへアップグレードしました。*** | ||||
![]() このコーナーで公開した情報は、筆者の単なる個人的な興味で行ったものです。 本記事により発生したいかなる不具合もしくは損害について、筆者が責任を負うものではありません。 引用文献:SOTEC PC-Station PX シリーズ ユーザーズガイド Acronis True Image 11 Home ユーザーズガイド ![]() |