私は見た。
紅葉の木の下で。
それはきのうの夕方のことだった。
向こうに見える大きな真紅のもみじの木をめざしあるいていた。
むかっているのは昔からのヒミツの絶好の夕日スポットである。
そこは子供の頃からずっと秘密基地として遊んでいたばしょでもある。
あのころは落ち葉で焼き芋作ったりしたよな〜、と思い出にひたっていた。
しかし、いざやっと思い出の場所に到着するやいなや、とんでもない光景を目にしてしまった。
空を飛んでいる、空を飛ぶ少年がいた。わたしは思わず叫んでしまった。
「ぎゃぁ〜幽霊オバケ?南無阿弥陀仏〜」
「え?みえるのか?」
少年はとてもびっくりしたようにこたえた。
「みみみみみ・・・見えるってあなたとんでるああぁあ・・・」
「あ、なるほど。」
少年は青い瞳でまじまじとこっちをみている。
「すすすすすみません!わわわわわたし、かかっか帰らなきゃいけないんですすすっすみまままっせん・・・」
しかしわたしは、とにかくここからはなれなければとあわてた。そんな私を見て、少年は
「あのさ。ちょっと任務すいこーのためにちょっときてくんない?っていうかこい。」
「は?」
何を言っているんだこの人は?
「とにかく。コレやらないとアルスにまた怒られちまうから。さぁいくぞっ」
といって強引に手を引っ張られた。
まてよ。もしかして私をさらおうっていうんじゃ・・・そうだ!それしか考えられない!と空想しながらもどんどん森の奥
へとすすんでいった。
私は思い切って言ってみた。
「あの・・・何で私をさらうの?うちはお金ないわよ。それに、きっと警察が貴方を捕まえてくれるわ。」
すると少年は、大笑いしだした。
「おまえ、おれのこと誘拐犯だっておもってんだろ。」まだ笑っていた。
「そりゃぁそうでしょ!いきなりこいって言われてこんな森の中に・・・きっといま・・・」
話していると、いきなり、少年の目つきがかわった。
「おまえちょっとここにいろ。ぜったい出てくるなよ!」
「警察がきているのね。」
「はぁ・・・ほんとお前みたいな馬鹿初めて。まぁ警察だったらせいぜい叫べばいいさ。」
といって奥へと進んでいった。はぁ、なんて人だったんだ・・・あれまてよ・・・今ならあいつも居ないし、逃げるチャンス
だ!もうこれ以上のチャンスはないだろうと思いいざ逃げようとした。が、そう甘くはなかった。
「また戻ってきたの?」
「・・・しかたがない。ちょっとつかまってろ。」
「え?」
「あいつらはおれだけじゃ、手に負えない。ちっ、着ちまったか・・・」
するとおくには狼と変な格好をした少年がいた。うわぁ趣味悪っ!
「はぁ、こんな所にいたんだね。あっ!その女いいね。彼女?」
「ヘッ。こんなの彼女にしてたら笑われちまうだろ。」
ちょっとむっときたが、なんかヤバイ人らしい。どうするんだろう・・・すると飛ぶ少年が耳元でささやいてきた。
「いま瞬間移動するから命がおしけりゃしっかりつかまってろ。」
「はぁ?」
瞬間移動?でも空を飛ぶ人が瞬間移動してもあまりビックリしないかも・・・一応つかまっておいた。
どこに移動するのかわからないけど、捕まるならこの趣味の悪い狼少年よりはマシと判断した。
また飛ぶ少年がささやいた。
「呪文唱えるからなんかあいつとしゃべってろ。おれがお前を連れてきたとか言うなよ!」
「うん。」
一応真剣にやった。
「ねぇ、あなた誰?」
「あ?見えるのおまえ。」
まよった。普通見えるものなのだろうか・・・結局
「見えるわ。だからあんた誰?」
と答えた。すると以外な答えが返ってきた。
「へぇ・・・いいなぁ。やっぱ欲しくなっちゃったかも。」
「は?といいますと。」
「だから欲しいって。僕はね、狼族のラルク。ダークマスターと契約したからこんなことやんなきゃいけないけど
さ、じつはもう飽きたんだよね〜。仕事やってもあんまりもらえないし。」
「そうなんですか・・・お気の毒に・・・」
「気の毒ならぼくの彼女になってよ。悪いようにはしないよ。」
そこで飛ぶ少年が大きな声で
「時空間移動!」
と呪文らしきものをとなえた。
すると穴が開いて中に落ちてしまった。
「あぁ・・・いっちゃった。でも今度は逃がさないよ・・・」
そういってラルクは去っていった。
2004.11.8
展開がかなり強引だぁ;
でもけっこういいノリのスタートです><
↑の青い線が気に入ってるv(関係ないし。
とにかくこれからも時空瞬間移動(長っ
をよろしくお願いいたします<(_ _)>
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