Bucheブナ
<誕生日>
12月22日
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  樹の言葉は「神秘」「謎」
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  ブナの樹生まれの人はいつもどこか神秘的な雰囲気を漂わせています。  この生まれの人は、まったく不可能だと思えるようなことも、不思議な偶然も手伝って、驚くほど簡単に成し遂げてしまいます。 そして、ブナの樹生まれの人は仲間たちの運命さえ好転させるのです。 直感でチャンスをつかみますが、しっかりと責任をもって仕事にあたる人です。

ブナにまつわるお話

  「森の母」と呼ばれるブナはかつて中部ヨーロッパの森の優占種でした。 しかし、19世紀以降、ブナに変わってトウヒなどの針葉樹が植林され、ブナの占める面積は減ってしまいました。 ブナの樹は高さ35m位、大木に成長し、寿命は500年ほどで長命です。
  かつてブナは西洋では生活に密着した樹でした。 ラテン名のFagusは、ギリシャ語でphagein、ドイツ語で essenで、「食べる」という意味です。 ブナの実は脂質が多く含まれ食用にされ、ブタの飼料にもなりました。 14世紀に書かれた書物には、「ブナの葉はとても柔らかく、甘い汁が含まれている。貧しい 人々はこれを煮て食べる。」とあり、実だけでなく、葉もその当時食べていたことがわかります。 春、若葉を生でサラダにしたり、煮てスープにして食べました。
  古代ギリシャではブナの樹はお告げの樹でした。また、雷雨や嵐から守ってくれるゼウス神に捧げられた樹でもありました。 今でもドイツには、雷雨にあったときとるべき行動について、こんな言い伝えがあります:

カシの木はさけろ、
ブナの木をさがせ、
もしボダイジュが見つからなかったら。

  古代ローマの歴史家タキトゥス(AC55−116)の書いた「ゲルマニア」にはブナの棒を使った占いのことが記録されています。 これはタロットカードやトランプで、現在・過去・未来を占うのによく似ています。
  まずブナの枝を折って、同じ長さの棒をいくつか用意します。 それぞれの棒に印をつけ、偶然にまかせて白い布に撒きます。 占う司祭や家長は天を仰ぎ、そこから3つの棒を順に取り上げます。 そして、あらかじめつけておいた印から、神々のお告げを読みとりました。
  こうした占いには、ブナ以外にはカシやハシバミなど、実のなる堅い丈夫な樹の枝だけが使われたといいます。
  さて、この棒につけた印というのは、ルーン文字(古代ゲルマン文字)、もしくはそれの元になった文字と考えられています。 ドイツ語の「文字」を表わす単語は"Buchstabe"ですが、これは「ブナの棒」を意味します。 また、ルーン"Rune"という字そのものに、「秘密」「神秘」「奥義」という意味があるのも興味深い事です。
  ところで、中世の頃には、森に妖精の木と呼ばれた木がありました。 どっしりとしたブナの大木の幹の周りで妖精たちが日没後、魔法の輪をつくり、歌ったり踊ったりしていると人々は信じていたのです。

  日本でもブナは山地帯を代表する樹です。 日本のブナ(学名Fagus crenata)は、灰白色の樹皮にコケが付着し、独特の模様をつくります。 また、大木となり、山の神、森の主といった力強い風貌です。 しかし、ブナは漢字で「木」偏に「無」と書かれるように、かつてはあまり重要な木ではありませんでした。 一般に山奥にブナは生えるため、木材として運び出すのが難しかったからです。
  屋久島の杉とともに、秋田・青森の白神山地のブナの森は世界自然遺産に指定されています。 長野、上越、東北など雪の多い地方でブナの美林を多く見かけますが、 東京近郊でも、奥多摩の三頭山(都民の森)や、丹沢などで立派なブナの森を見ることができます。

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