(Japanisch日本語版|Deutschドイツ語版

〜高麗郷 巾着田〜

ちょうど秋のお彼岸の頃に埼玉の高麗 こまの郷に行くと、
それはもうびっくりするほどたくさんの真っ赤な彼岸花に出会えます。


巾着田きんちゃくだ

高麗郷は埼玉県の日高市にあります。西武線の高麗駅からのんびり歩いて15分で巾着田につきます。 ぐにゃっと巾着のように蛇行した高麗川に囲まれた場所なので、こういう名前がついたそうです。
  川沿いの雑木林の根元に彼岸花が咲いています。
一面の彼岸花

一面朱色に染まった林床。この花の朱色はとても美しいのですが、なんとなく不安な気持ちになってしまうのは私だけでしょうか。

彼岸花の開花

彼岸の頃に咲くので彼岸花。昔、中国から渡来したものが広がったといわれています。 なるほど、この花の朱色はどことなく和風ではありません。
  葉がでるまえに、すーっと茎が伸びて赤い花をくるりと輪状につけます。ゴージャスな感じがするのは、その色だけでなく、独特の花のつくりのせいかもしれません。 よく見てみると、開花とともにめしべとおしべが花びらの外に突き出てきていました。

  この巾着田のある高麗(こま)の郷は、朝鮮半島の高句麗(こうくり)から渡来した人々が定住したところです。 高句麗の王族・若光(じゃっこう) をはじめとする1799人がこの地へ来たのは奈良時代の716年頃。 高麗郡をおいて農耕・牧畜の技術を伝えたといいます。 ところで、この近くにある高麗神社は、 郡の長として渡来人を統率した若光(じゃっこう)を神として祭っています。 現在は開運出世の神社としても知られています。

彼岸花の色々な別名

秋の彼岸のころに咲くので彼岸花というのですが、いろいろな方言・別名があります。
   曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
法華経の「摩訶 曼陀羅華 曼珠沙華(マンジュサカ)」から出た名前といいます。 摩訶は「大きい」、曼珠沙華は「天上の花、赤い花」という意味だそうです。
   捨て子花 
九州の方言で、葉を親と見たてたとき、開花するときに葉がないことから。
   死人花、幽霊花
お墓に多いので。
このほか きつねのかんざし(茨城)、きちきち(愛媛)、もめら(島根・山口)などなど面白い名前がたくさんついています。
トップへ

〜高麗郷・巾着田〜2002年9月