花の吉野山
近鉄奈良から特急で吉野駅へ。四月上旬の吉野山はまるで淡いピンク色の霞がかかったようです。
ご神木の桜を信者の人たちが寄進したのが始まりといい、もうすでに千年前には桜の名所になっていたそうです。
私たちの訪れたころは上千本が咲いた一番の見ごろのときでした。気がつくとここの桜は東京でよく見かけるソメイヨシノではありません。
葉と一緒に花が咲いていて、花びらのピンク色も薄めでどことなく楚々とした感じのヤマザクラでした。
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吉水神社
参道から少しそれたところにある吉水神社には歴史がぎゅーっと詰まっています。歴史ファンならずとも是非訪れたい神社です。
ここはあの義経が兄の頼朝に追われ吉野に逃れた際、身を隠した場所(1185年)。
そして後醍醐天皇が南朝の行宮をおいたところでもあります。
さらに秀吉はここで、朝鮮出兵から帰還した兵士たちをねぎらうために桜の宴を催しました。
義経や弁慶ゆかりの古いお部屋や武具を見ていると、
歴史の登場人物たちを本当に身近に感じることができました。
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参道沿いの古い薬屋さん
お腹の薬、陀羅尼助丸を売っています。この薬一筋、二百年といいます。食欲不振や二日酔いに効くらしいのです。
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吉野水分神社から吉野の春を一望する
坂を登りやっとたどり着いたのは吉野水分神社。ここから眼下に吉野の春を一望することができました。
燃えるような紅葉の秋や、静かな冬の吉野も味わい深いのですが、初めて訪れた春の吉野は格別でした。
平日に訪れた私たちは、人ごみもなくゆっくり桜も歴史も味わいながら歩くことができました。
食いしん坊の私は、吉野葛のお菓子や桜羊羹、柿の葉ずしなどにとても心ひかれましたが、今日は桜湯にする桜漬けをおみやげにしました。
その独特の香りをかぐたびに吉野を思い出さずにはいられません。
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