ちは〜
『廃虚』は、暗いと言うより、コミカル。私にはそう思えましたよ。
繰り返しのリズムと、とぼけた味が、霊魂が妖しく踊っているような、
血肉も排泄物も、たぶん脳味噌も失って、それでもふと目覚め、
あれあれ、どうしたのかな? と戸惑っているような、
そんなふうな歌が聞こえそう。
「廃墟」の土がなくなっているので不思議に思ったら、
文字すら「壊れて」、四行目にこぼれている、という趣向ですね。
う〜ん。なにげなく、凄いことしてるとか!?
文章または詩としてみた場合、
今までで一番素朴、ゆえに力強い。無駄が全くない。
定型への凝縮によって、結晶化している。
・・・これは、皮肉でもお世辞でもありませんよ!
ここまでいくと、かえって、やわらかさが恋しくなるほどです。
つまり、無いからこそ、吸い取られるみたいな、幻惑でしょうか。
ああ、この「僕」は暗に、それを望んでいますね。
(いけないー!!! これ以上繰り返し読んでると、引きずり込まれそうです。文芸というのはアブナイですねえ・・・。ここらで・・・)
*
はじまり。はじまり。
*
*
*
*
*
.
.
『河辺草』
.
.
「和夫ちゃん、馬鹿だべ。熊たちにはかなわね」
へっ。
「あやまっちまえばいいに」
おら、なんも悪くねえ。
「動くな。血だらけや」
陸軍大将んなる。そしたら、怖いもん無しやん。
かをり、嫁さんにしたる。大将の奥様。どうじゃあ。
「皮、むけるべ。・・・あほくさ」
.
.
立ったまま夢を見ていた。
飯盒に押されて、気が付いた。
酒は苦かった。
「おら、もう動けね。自決する。つきあい長かったの」
熊ぁ・・・
中尉の演説はときどき裏返った。
月あかりに、高くかざす刀身がまたたいている。
「・・これより怪魔鬼神となってぇぇ、我国を、護持すべく、最期の突撃に臨まぁぁん・・」
.
.
お前ら。 熊。
中尉殿・・
「・・・ちゃん。カオリよ。わかる」
卑怯未練なわたくしを、許してくだされ。
「お正月だからね、晴れ着を見せにきたの」
あと少しですだ。
「ほら。・・・どう? いいでしょ」
こんな無残な姿ですがの。飲みませえ。歌いませえ。
「おじいちゃん。泣いてちゃわからない。何か言って」
かわゆいべべだ。そんため、わしたちな、いくさにいった。
.
.
*
*
*
*
*
いかがでした。
暗めですけれど、でも、咲いてはいませんか。
三連とも和香様式ですが、河の流れを時の流れにみたてていただければ、なのはなさん風と言えなくもないのでは?
とはいえ、「4行小説」という前提からいくと、長いかなあ。
『銀河零年』の影響、濃いみたいです。>tauさん。
さてさて、・・・次のお題はなんにしましょうか。
明るめねえ・・・
よし、これだべ。
『水車』
.
... .
P.S.
背景色、文字色の取り合わせなども、冴えが出てきましたね。
Internet Explorer 4.* の方たちはかわいそうに、味わえないのですが。・・・たぶん。
(↑ これはなんのことかしら〜? という場合は、このことについてだけでいいですから、発言して下さいね)