ねっとCafe/nc:小説工房談話室


タイトル  :『残暑』 結
発言者   :和香
発言日付  :1998-08-24 18:24
発言番号  :191 ( 最大発言番号 :291 )
発言リンク:190 番へのコメント

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  残 暑

お題 なのはなさん


 戦いに敗れました。
 やつらがやってきます。
 父も、兄も、兄の友人も、殺されました。
 徹底抗戦。それとも、降参。
 考えるまでもないと思います。

起 和香


 無限に広がる星々のまたたき、その歴史などはつまり我々
 「星々」が辿る生滅の歴史とも言えましょう。
 駆け抜けることでのみ輝くことを許された彗星達と違い、
 自身の生滅にのみ輝くことを許された「星」なる私達。
 やつら、いいえ彼等が父や兄を貫いたことであれ、ともす
 れば双方の存在意義の昇華であったのかも知れません。
 父や兄を貫き、共に消えていった彼等「彗星」の仲間達が
 間もなくここへやって来ます…。
 

承 KINZOKUさん


 光の速さで何時間かかかる距離に、彼等の先頭がいた。
 「あれだよ、あの星。見えるだろう?小さくて赤い、あの星」
 「あれにぶつかるの?」
 「そうだよ」
 「どうして?」
 「そこが『彗星の通る道』だからさ」
 「痛くない?」
 「痛いさ」
 「……やだよ、通りたくない」
 「あの星だって痛い。お互い様さ」
 「じゃあ、通らなくたっていいじゃないか!」
 「それが彗星と星ってもんだ。そら、もうすぐ人生のクライマックスだぜ」
 「わからないよ、ぼく、解らない!」
 小さなほうき星は、身をよじった。だが自分を押し進める力には決して逆らえない。
 赤い星の輝きがどんどん近づいてくる。
 身体がちろちろと燃えてくるのを感じた。
 輝きが、眼前で大きく広がった。

転 なのはなさん


 澄みきって、吸いとられるように、青い。

 そう思うか。
 血みどろの殺し合いから生まれた。
 煮えたぎるものは、いくらでも残っている。
 少しは記憶をたどるがいい。
 おまえたちも、一緒だ。

結 和香










> 「起」の段階での定石である設定等を意図的に薄めましたよね?

 「残暑」そして「八月十五日」、ならば、「敗戦」でしょう。
 そういうつもりで、「起」を書きました。
 ただ、そのものずばりにしてしまうと、重すぎるかもしれないので、「どこかのある国で」とできるような余地も残したのです。
 お星さまの世界に跳んでしまって、正直、のけぞりましたよ!

> ま〜た長くなりました(笑)。

 承の章。句点までを一つの文とすれば、四行です。長いということはないと思います。
 苦心なされたのは、起の章にある激しい調子をなごませようとした語り口なのでは?

 転の章で、再び反転、敵の立場からの叫びですよね。悲劇性を十分に盛り上げてくださったので、結の章は楽でした。なのはなさんの敷いたレールにそのまま乗せられた、という気もちょっとして、しゃくですけど。

 結の章、終わりの二行に、当初のテーマをにじませて、私としても不満のないところです。

 全体で見ると、切り貼りされたコラージュみたいで、わりといい味かな、と思います。

 ※ なお、天文学や物理学に詳しい方には、許されざる記述もあったやもしれません。シンボリックな表現ということで、お許し下さいね。


 ふむふむ。
 子供の世界 → 星の世界 → と来て、次は何でしょうか?
 まずは、お題を、よろしく。

> KINZOKUさん!

 「お題」なら、超簡単。参入は今です。

> ROMのみなさん!



 では。 (^−^)/


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