残 暑
お題 なのはなさん
戦いに敗れました。
やつらがやってきます。
父も、兄も、兄の友人も、殺されました。
徹底抗戦。それとも、降参。
考えるまでもないと思います。
起 和香
無限に広がる星々のまたたき、その歴史などはつまり我々
「星々」が辿る生滅の歴史とも言えましょう。
駆け抜けることでのみ輝くことを許された彗星達と違い、
自身の生滅にのみ輝くことを許された「星」なる私達。
やつら、いいえ彼等が父や兄を貫いたことであれ、ともす
れば双方の存在意義の昇華であったのかも知れません。
父や兄を貫き、共に消えていった彼等「彗星」の仲間達が
間もなくここへやって来ます…。
承 KINZOKUさん
光の速さで何時間かかかる距離に、彼等の先頭がいた。
「あれだよ、あの星。見えるだろう?小さくて赤い、あの星」
「あれにぶつかるの?」
「そうだよ」
「どうして?」
「そこが『彗星の通る道』だからさ」
「痛くない?」
「痛いさ」
「……やだよ、通りたくない」
「あの星だって痛い。お互い様さ」
「じゃあ、通らなくたっていいじゃないか!」
「それが彗星と星ってもんだ。そら、もうすぐ人生のクライマックスだぜ」
「わからないよ、ぼく、解らない!」
小さなほうき星は、身をよじった。だが自分を押し進める力には決して逆らえない。
赤い星の輝きがどんどん近づいてくる。
身体がちろちろと燃えてくるのを感じた。
輝きが、眼前で大きく広がった。
転 なのはなさん
澄みきって、吸いとられるように、青い。
そう思うか。
血みどろの殺し合いから生まれた。
煮えたぎるものは、いくらでも残っている。
少しは記憶をたどるがいい。
おまえたちも、一緒だ。
結 和香
> 「起」の段階での定石である設定等を意図的に薄めましたよね?
「残暑」そして「八月十五日」、ならば、「敗戦」でしょう。
そういうつもりで、「起」を書きました。
ただ、そのものずばりにしてしまうと、重すぎるかもしれないので、「どこかのある国で」とできるような余地も残したのです。
お星さまの世界に跳んでしまって、正直、のけぞりましたよ!
> ま〜た長くなりました(笑)。
承の章。句点までを一つの文とすれば、四行です。長いということはないと思います。
苦心なされたのは、起の章にある激しい調子をなごませようとした語り口なのでは?
転の章で、再び反転、敵の立場からの叫びですよね。悲劇性を十分に盛り上げてくださったので、結の章は楽でした。なのはなさんの敷いたレールにそのまま乗せられた、という気もちょっとして、しゃくですけど。
結の章、終わりの二行に、当初のテーマをにじませて、私としても不満のないところです。
全体で見ると、切り貼りされたコラージュみたいで、わりといい味かな、と思います。
※ なお、天文学や物理学に詳しい方には、許されざる記述もあったやもしれません。シンボリックな表現ということで、お許し下さいね。
ふむふむ。
子供の世界 → 星の世界 → と来て、次は何でしょうか?
まずは、お題を、よろしく。
> KINZOKUさん!
「お題」なら、超簡単。参入は今です。
> ROMのみなさん!
では。 (^−^)/