原題 ; THE CHALLENNGE OF THE LADY NINJA(1981)
 監督 ; リー・ツォー・ナン
 脚本 ; チャン・シン・イエ
 音楽 ; ウォン・ムー・サン
 出演 ; ヤン・ホイ・サン、チェン・カン・タイ、シン・ヤン・ペン
大戦中の上海を舞台にした忍者アクション。コミック版の「忍者部隊月光」を中国に置き換えたような設定だが、実際には、お色気シーンを売り物にした忍者版プレイガールといった趣きの作品。
目立ちすぎる真っ赤な忍者装束に身を固めた厚化粧のシャオ・ウェイ(ヤン・ホイ・サン)は、忍者試験に合格した。ここで使う忍術が、白い下着姿に変身して敵を惑わせる幻術とかだったりする。
場所は伊賀の里で、首領は武術に国境はない、とか言うけど、セリフは英語だしオープニングからワヤクチャな気分になってくる。先輩忍者クロダは、自分が教えてもらえなかった分身の術がシャオに伝授されたとおかんむり。
本国からの電報に上海へと戻るシャオ。国を裏切って日本に協力するリー・タン一(チェン・カン・タイ)に父が殺されたのだ。
シャオはリー・タン邸に忍び込み4人の護衛に襲われるが、ドクロマスクの男に助けられた。
忍者の増員を図るシャオは、今は芸人に身を落とした女武芸者チャンと、やはり父を殺されたフウ・ランをスカウトする。
計画を聞きつけた娼婦のチー・チーも加わって修行開始。戦時中の話なのに派手なビキニを着てたりする。
間抜けな日本兵4人を色仕掛けの幻術で翻弄するチー・チー。素人が短期間で幻術をマスター出来るのも、いい加減に思えるが、あっさり手裏剣で皆殺しにする。
日本軍のアワヅ大尉は犯人が捕まらなければ400人の中国人を殺害すると宣言。大量虐殺が行われる。
一方、リー・タン暗殺は、彼の法事を襲うことになった。だが、襲撃は失敗、まず4人の護衛を倒すことに計画変更。
最初の標的は娼家通いが趣味のラン・イー。チー・チーが潜入して仕留めた。
次に女格闘家オン・レイにシャオが挑む。なぜか倉庫に設置されたリングでオイル・レスリング対決。しかもシャオがバッと上着を脱ぎ捨てると、その下は両胸と股間の前後に手形をプリントした珍妙な水着姿。とにかくオン・レイも仕留め死体をリー・タン邸に送りつけた。
3人目はブーメラン使いのユ・フェンを倒す。
最後に残ったのは日本人のヤマモト。頭頂部だけスキンヘッドの頭に空色の蜘蛛を刺青し、眉も空色、くちびるには濃いルージュという変人。しかも平時には、この扮装でスーツを着込んでいるから、ますますヘン。
シャオの留守中にフウ・ランが誘き出されて捕まり殺されてしまう。
さらに抗日組織のルーがリー・タン邸の門前で2時間も魚を売り続けていたため正体がばれてしまう。彼を尾行して抗日組織のアジトを知ったリー・タン一味はここを襲撃。
アジトが襲撃される直前、再びドクロマスクの男が現れ危機を教えてくれる。
リー・タン邸に日本軍将軍の護衛としてクロダがやってくる。
抗日組織には来訪する将軍を暗殺し、リー・タンを見逃すよう指示がくだった。
リー・タンの正体は、日本軍に接触する任務を負った中国のスパイ。ドクロマスクも彼だった。
パーティの日、暗殺計画が実施された。潜入したチャンは正体がばれて命を落とすが、ヤマモトを倒すことが出来た。
リー・タンは将軍を殺すが、これは影武者だった。クロダと部下たちの攻撃にリー・タンは死ぬ。
生き残ったチー・チーを通じてクロダはシャオに決闘を申し込む。
森の中でシャオとクロダが1対1の決闘を開始。戦いは地中にまでおよびシャオの勝利に終わる。
随所におバカなお色気シーンと脳天気なアクションが盛り込まれており、見飽きさせない珍作ではある。少々幼稚な演出で決して上質な作品ではないが、香港スチャラカ・アクションらしい楽しさを持った作品。最初から最後まで、どこが忍者だ!という印象はつきまとうが。
余談=監督のリー・ツォー・ナンは、カンフー物がヒットすればブルース・リ(リーではない)主演で「エキジット・ザ・ドラゴン、エンター・ザ・タイガー」なんてのをでっちあげ、忍者ブームが来ると本作や「地獄のニンジャ軍団クノイチ部隊」を撮り、キョンシーが流行れば日本と合作で「ラスト・キョンシー」「新キョンシー」を作るという、香港が得意とする亜流路線の王道を突き進む人物。以前紹介した「妖魔伝」も今回調べて、この監督の作品と分かったので訂正した。
レディ・ニンジャ/セクシー武芸帳