ジェームズ・コバーン出演作(Vol.1)
戦争のはらわた(CROSS OF IRON;1977)
アナログ盤アルバム(輸入)
作曲はアーネスト・ゴールド。
アーネスト・ゴールドは1999年に亡くなったが、キャリアは長く代表作は「栄光への脱出」と「渚にて」。ダイナミックで、なおかつ美しいメロディのテーマ曲が得意のようだ。
本作の「STEINER'S THEME」も厚みのあるオーケストレーションで哀感の漂う美しいメロディが奏でられる。この主人公のテーマとして書かれた旋律は、劇中アレンジを変えて数回登場する。
一番印象的なのは子供たちの合唱するドイツ民謡「LITTLE HANS WENT OUT INTO THE WIDE WORLD」とマーチ曲が交互に演奏される「MAIN TITLE」。
全体としては情景描写に徹した音楽作りがされており、派手さはないが丁寧に書き込まれた曲がそろっている。
このアルバムは日本では未発売に終わった。限定版でCD化されたこともあるようなのだが実物は見たことがない。

荒野の隠し井戸(WATERHOLE#3;1967)
アナログ盤アルバム(輸入)
作曲はデイブ・グルーシン。
都会派という印象が強いグルーシンとしては西部劇自体珍しいのだが、初期作品ゆえと言うことなのかもしれない。
アルバム自体もヴォーカルを担当したロジャー・ミラーを前面に押し出したものとなっている。
とは言ってもフルコーラス収録されているのは1曲目の「THE BALLAD OF WATERHOLE#3(CODE OF THE WEST)」とラストの「RAINBOW VALLEY」のみ。
後は劇伴音楽、ナレーションと歌のワン・コーラスが交互に流れる構成で、英語がわかれば映画のストーリーを再体験できるのかもしれないが、音楽アルバムとしては、ちょっとつらいものがある。
ちなみに主題歌2曲は悪くはないのだが、インパクトに欠けて印象が薄い。

キャンディ(CANDY;1968)
アナログ盤アルバム(輸入)
作曲はデイブ・グルーシン。
同じデイブ・グルーシン作品でも、こちらはフラワー・ムーブメントを反映したポップなアルバムに仕上がっている。
ザ・バーズが歌う主題歌「CHILD OF UNIVERSE」は当時ザ・バーズのギタリストだったロジャー・マッギンとの合作。
アルバム自体にもかかわったのか、ギター演奏を前面に押し出した曲が多い.。
当時の流行だったインド風メロディが多く使われている。
インド風サイケデリックな曲からノリのいいロックへと曲調の変わるB面4曲目「MARLON & HIS SACRED BIRD」なんかも面白い。
A面5曲目の「[BORDER TOWN BLUES:A BLUNT INSTRUMENT」はマリアッチ風の異色作。
映画同様、無節操ともいえる作りだが楽しいアルバム。
個人的には大好きなロック・バンド、ステッペンウルフのヒット曲「マジック・カーペット・ライド」「ロック・ミー」が収録されているのも嬉しい。「イージーライダー」に使われた「ワイルドで行こう」の印象が強く、日本では一発屋扱いされてきたが、「オースティン・パワーズ」以降、当時のサイケデリック・ロックを代表する曲として「マジック・カーペット・ライド」が再評価されてきた。