野塚岳 オムシャヌプリ 十勝岳その2
SA氏が先行、草地の狭い野塚岳頂上の男性先着者4名と挨拶を交わしつつ、登山意欲を駆り立てる遠望山容のトヨニ岳又縦走経路にオムシャヌプリ・十勝岳そして楽古岳が一連に高く聳え、憧れの野塚岳に登頂できた事に感謝する。
高所の微風を全身に感じつつ、縦走に備えて沢靴から初めて体験する地下足袋に履き替えるも多少不安である。
オムシャヌプリへと高度を下げながら、右手眼下にHYML仲間が地図入りメールで教えてくれた、野塚トンネル日高側から野塚岳へと延びるニオベツ沢ルートからの踏跡が尾根上に3筋短く踏まれ、ここに至る沢筋を探す。
登山道はないが、薄い踏跡が続き、比較的容易に最初のコルまでは歩け、岩場を過ぎた早めの昼食中に女性4人GPが藪から出現…野塚川経由と言い、その逞しさには驚きである。
1232高地までは、小ピークを含め尾根西側の灌木と笹の藪漕ぎに苦戦する時間帯が続き、尾根途中には岩場も点在して、私は岩の上、SA氏は下部の状況が続く。
頂上直下の岩稜地帯を抜け、ハイマツ帯の頂上直下ではSA氏が先行して、小広い360度視界の頂上標識のないオムシャヌプリ頂上に立つ。
頂きからは、双子山の別名をもつ東峰(1343ピーク)と中間コル部にテント場が尾根上に確認できる。
頂上部にて野塚岳から歩いた縦走路を感慨深く確認、右手には東峰からの稜線が十勝岳へと端正に連なり、十勝岳の大きな山容延線により高い楽古岳が望まれる。
テント場コルへと東峰へ高度を下げると、薄い踏跡も直ぐに消え、背丈程の笹藪と灌木帯を抜けると一夜の宿、コルはテント場としては強風がなければ適所であり、各人毎テントを広げ、草地の雄大な空間、ピンネシリと横山中岳が雲海に浮かび、私も少し自己紹介と会話に時間が流れる。
夕刻迫る頃、東峰背後に夕陽出現!!赤く染まるこの光景はSA氏の念願の一つであり、嬉しそうにカメラを向ける…この見事な写真がSA氏の「一人歩きの北海道百名山」の最初を飾る事になった。
翌早朝、テント場のコルから薄い踏跡に程なく東峰に立ち、十勝岳への縦走経路の顕著な2つのピーク稜線西側に鹿道を確認する。
藪漕ぎを覚悟して下ると、岩混じりの本格的な藪漕ぎで、特に最初のコブは登りでもあり、灌木に阻まれ悪戦苦闘の連続である。
最初の1343Pまで時間を費やして、十勝岳までの相対距離を計るが、この先には鹿の足跡もあり鹿道沿いに順調に十勝岳へと足を運ぶ。
快適な尾根歩き時間帯が初夏の風の中に過ぎ去り、振り返ると稜線沿いにオムシャヌプリと野塚岳が朝の静かな空間に広がる…つづく
@ 野塚岳頂上
A オムシャヌプリ側からの野塚岳
B オムシャヌプリへとSa氏
C 野塚岳背後にオムャヌプリ直下の藪漕(S氏)
D オムシャヌプリ東側テント場
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