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雑記
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No.07 <貨幣博物館> 2003.06.21
貨幣博物館。
ちょっとしたことから気軽に入ろうと思った場所である。
館案内についてはこちらを参照にしていただくとして、館展示内容について書いていくとしよう。
入り口からして厳重であった。
厳重堅固な重い雰囲気を漂わせた自動ドアの前にまず一人の警備員が立っている。
その横を通り抜け、目の前の堅固な自動ドアを2枚抜けると受付・・・?である。
受付といっても受付嬢がさわやかに微笑んでいるわけではない。
警備のおじさんがいるのだ。
ちょっとした書き物台を指さし、
「その紙に個人かどうかと人数書いてね」
と案内してくれる。
記載後、紙を渡すとパンフレットを渡してくれた。
そして階段で2階に上る・・・のだが、この階段もレトロな高級そうな作りで、それにさらに雰囲気を加えているのは階段に赤絨毯が敷かれていたことか。
ここに入ってきていいのか?本当にいいのか?
そう、小心者の心が大幅に揺れ動いたのは言うまでもない。
2階に上がり、踊り場を抜けた先に10数個のイスと貨幣の歴史案内ビデオ、そしてその横手にクリアな自動ドアがあり、その中が展示となっている。
俺らの他にも数組、訪れている人がいた。

展示内容は常設展とテーマ展示に分かれている。
俺らが行ったときのテーマ展示は「恵比寿や大黒が描かれた絵銭」であった。
銭といっても、絵銭は金として使うものではなく、言ってみれば外国のペンダントトップにするようなコインと同系列と言ってよい。
福を呼ぶ、という縁起担ぎのための恵比寿や大黒などの七福神が描かれていた。

常設展は古代から中世、近世、近現代と大判小判等含めて歴史の流れに沿って説明・展示されていた。
物々交換時のものから、銭を作る際に作り途中の形「枝銭(銭が枝に付いたままの形)」のもの、和同開珎の読みの争いや、色々な関連からの他国の貨幣制度(古くは中国、紙幣頃になるとヨーロッパ)の紹介、時代は下って大判小判の製造や良悪、判に一枚一枚つけられた検印や藩印(正式名称は忘れた)。
紙幣が出回り始めた当初の事や、戦時中の他国のインフレ紙幣(元の額に”0”が大量に付加されている)、何度かの紙幣・貨幣の変遷の過程、そして現在の世界中の紙幣・貨幣見本へと続く。

ここの展示を見ていったおかげで、解けた謎があった。
「びた一文まかんないよ」
という言葉である。
要は「一銭たりとも安くしてやらない」という意味なのだが、それでは一文の前に付いている「びた」とはなんなのだろうか。
「びた」と「鐚」、つまり「鐚銭(びたせん)」のことであった。
鐚銭とは12世紀から17世紀頃、流通していた質の良くない銭の事である。
銭の価値はきちんと計られたもの(例えば、金がある一定の割合に達しているものでないと小判と認められない、等)でなければそれと認められていなかった。
現在の貨幣制度と違い、「そのもの」自体に固有の価値が存在していたからである(今は1000円であれば1000円の価値をその紙幣は有している(紙質が悪かろうが1000円と認められる)が、1000円=1000円分の金として変換できるわけではない<不換紙幣>。当時の場合、1000円分の金であればそれは絶対的に1000円分の金なのであった)。
質の悪い鐚銭は当然、それだけの価値がないため流通に使えるはずもない。
だが、鐚銭2銭で良銭(普通の銭)1銭分と換算し、普通に流通していたそうだ。

そして、持ってみました1億円。
勿論本物ではないが、その重さ自体は本物と同じである。
見かけの量はアタッシュケース一つ分と予想通りであった。
重さは、というと。
一億円=約10キログラム。
見かけよりも全然重い。
まぁ、表面に一万円札(見本)が張ってあるから余計に重さを感じたのかもしれないが。
こういう体験すると、本当に昔起こった「三億円強奪事件」は一人では起こし得ないものだよなぁ、と思ってみたりする。

日本紙幣のナンバリングのファーストナンバー、「AA000001A」というものが市場に出回ることはない。
なぜならここ、貨幣博物館に現物が保管されているからだ。
今市場で出回っているのをほとんど見かけない2000円札の現物もあった。
世界の紙幣でいくつか興味深いものもあった。
その中に1ドル札もある。
お札に諺が記載されているのだ。
「我らは神を信じる」(英語)、「皆の統一」(ラテン語)の二言が書かれている。
記載内容間違ってはいないと思うが、是非自分の目で確かめていただきたい。

貨幣の方では、最近のものでは長野オリンピック記念硬貨、ユーロの各国の絵柄。
ちなみに一円玉=一グラムであることも再確認してきました。

閲覧時間は約1時間強といったところだが、思いの外楽しめる。
持ち帰り可の資料も結構置いてあるので、ちょっとした自由研究等に役立つ感じである。
東京辺りに繰り出したときにでも、ぶらりと寄ってみてはいかがだろうか。


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No.07 銭が満載


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