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雑記
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No.16 <アレキサンダー大王展> 2003.10.19
「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」
行って来ました。

はじめはこの展示、行くつもりはなかったのだが、先に行った「トルコ三大文明展」とセットで前売りとして購入すれば、たったの千円で済む、というお得なセット売りだったので、ついでに行くことに。

石像、皿、金貨、そして少しの装飾と壁画。
展示品はこんな感じで、えてして「華やかさ」というのには欠ける。
だが、アレクサンドロス大王が攻略していった先々に、大王の偉大さを物語るものが色々な形で残っている、と言うことを知るのには、十分な内容である。
ただ、友人が評していた、
「アレキサンダー大王のすごいところは、土地を制圧していっても、その土地自身に政権を任していて、決して弾圧等の圧制を行わなかった」
という部分は、全く見られなかったのだが。

展示の主題は勿論「アレキサンダー大王」なのだが、時代的にヘラクレス・エロス・アフロディテ等の神話の世界をモチーフにしたものが大半を占めている。
ヘラクレス像を描く場合にも、アレキサンダー大王をモチーフにしてあるものなどがあった。

後半部分になると、もう一つの主題、「東西文明の交流」部分が展示されている。
そうはいったものの、前者に比べて展示数が少なかったのが個人的に残念でならない。
なぜなら、俺的にはこちらの方がおもしろかったからだ。

先に神話の世界をモチーフにしたものが多かった、と述べた。
これらが西からシルクロード、中国等を通って、日本に入ってきているという名残を、順を追って展示されているのである。
文明としては「ガンダーラ」→「ギリシャ」→「中央アジア」→「中国」→「日本」という順に渡ってきている。

例えば、金運でお馴染みの大黒天。
これはギリシャ神話のヘルメス(又はメリクリウス)が右手に持っていた一握りの皮袋が変化して、現在の日本の大黒天が背負うあの大袋になった。
同様に、このヘルメスの頭飾りであった鳥の羽は、毘沙門天が冠している鳳凰にと変化している。
他にも分かりやすいもので、テュケという豊穣・多産を表す女神が、転じて安産・多産を司る河梨帝母(「かりていも」。呼びなれたところで鬼子母神)という形で日本に入ってきている。

装身具の変化や、神そのものの変化がどのように変わってきたのか流れで書いてあったので非常に興味深く見させてもらった。

今回の展示は、どちらかというと、「アレクサンドロス大王」と付けるよりも、「ギリシャ神話と東西文明の交流展」として欲しかった感じがしたなぁ。


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No.16 東西交流


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