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雑記
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No.18 <土浦花火競技会> 2003.10.19
第72回土浦花火競技会。
数年前に話を聞いてから、機会があれば行ってみようと思っていた本大会。
今回、これに行ってみた。

兄から聞いた、花火競技大会についての詳細HP(土浦花火競技会開催前後にのみUPされるため、リンクが切れている怖れあり)を読んでいく。

「競技大会」と付いている通り、まさに競い合っている。
打ち上げられるのは、「10号玉」、「創作花火」、「スターマイン」の3種類。
これの合間に広告花火(地元農協等出費のもの)が入る。

「10号玉」とはいわゆる一尺玉のことで、大輪の一発打ち上げものである。
「花火」と言って連想される、昔からの大きな丸い形のものである。
大概の花火大会で使われているものが8号玉といい、それよりも大きい為、その大きさはなんとなく想像して頂けるだろう。
一発打ち上げといっても、単純に、打ち上がって一輪だけの大輪の花を咲かせるものから、打ち上がっていく最中に「昇り龍付き」とか「昇り菊付き」などの小振りな花火を開かせながら、最後にメインが花開くというものもある

「創作花火」とは、文字通り「創作」ものである。
アンパンマンや西玉男のような、一般花火でもテーマにされているものから、松茸・人参のように丸形から多少離れたものまで、色々だ。

「スターマイン」何十・何百という花火を連発して上げるもので、その華々しさから通常花火大会では酉に使われることが多い。
この大会では「競技」という特性から、時間、打ち上げ数(その際の打ち上げ筒数)等、制限が設けられている。
近年は音楽を流しながら打ち上げを行う、というものも増えている(無論、音楽と打ち上げのリズムが合っているというのは採点基準に入る)。

これらの花火が大体「10号玉」5発、「創造花火」2発、「スターマイン」3発を一サイクルとして行われる。
約3時間で20,000発が打ち上げられる。

まず、電車にてJR土浦駅に出る。
時刻は18:40。
常磐線に乗っていた時点で、乗車客の殆どが花火競技会観戦者という位であったが、駅を降りたら更にすごかった。
駅から会場までは路線バス2本か徒歩。
バスはそれぞれ西口(一般道を通るため、渋滞に巻き込まれる怖れ有り)と、東口(高架道に専用道を設けているため渋滞知らず)がある。
我々は徒歩40分ルートを選択。
会場に足を運ぶ人がで溢れているため、それに付いていけばまず迷うことはない。

バス路線の高架道にぶつかった辺りから露店がぽつぽつと出始める。
18:00開始の花火が打ち上がり始め、空き地から大輪の花が咲く様を見て歩く速度が速くなる。
それから更に10分ほど歩く。
角を曲がり数分足を進めると、刈り入れの終わった田圃と更にその先にある会場が見える。
田圃の畦やその周囲の道路が観戦する場所に適している為、そこに位置を定め、観戦に入った。
上記紹介サイトでは「少々会場から離れているが、見やすい。露店の光が邪魔になる事もある」という様なことが書いてあったが、俺達にはここで十分。
・・・というか、花火の上がる位置が想像以上の位置だったため、全く気にならなかった、と言うのが実状である。

持参のラジオ片手にプログラムを持って花火を観る。
レジャーシートを敷いてくつろぎモードである。

始めに打ち上がった花火の、その「音」の大きさに驚いた。
地鳴りと言っても良い。
ずしん、と腹の底まで重く響く音。
これぞ花火、という感じである。
音として「聞く」と言うより、「体感する」といった方が適切な気がする。

花火で重要なのはまず「音」らしい。
あの、重々しい音が感じられなければ「花火」とは言えない。
「光」はその次に来るそうだ。
ラジオから聞こえてくる中継でそう言っていたのだが、まさにそうである。

次々と打ち上がる花火。
打ち上げ配置の良さとともに、風が強すぎずまた、凪いでもいなかったため、すこぶる視界は良かった。

向かって左前方に創作花火、中央に10号玉、それより少し離れた右手前方からスターマインがそれぞれ打ち上がる。

上空の広さいっぱいにそれぞれの花火が広がり、その一瞬だけ昼間のように明るくなる。
花火一つ一つの大きさを最大限にまで活かしている様で、首が痛くなるのも忘れて見上げ続けてしまった。

同じ「色」を使っているようでも全く違う。
色数の制限も勿論されているのだが、この中でそれぞれ独自の色を出して来るので面白い。

色々な会社がかわるがわる打ち上げていくので、同じ「青」の色であっても、異なった調合で出されているのが一目でわかる。

「色」という観点で面白かったのは、やはりスターマインであろうか。
色の対比等の使い分け、というものは当たり前として行われていたが、一作品「赤」のみを基調としているものがあった。
「火山」である。

なんとも想像しやすい作品名だ。
想像通り、「赤」一辺倒。
一種類の赤で空を染め上げる。
時折、締めるように芯に入る緑と、フラッシュの如き眩い白が入る以外は「赤」である。
花火というと「無駄にカラフル(毒)」というイメージがあったので、これは非常に新鮮であった。

広告花火というのは、会場近場の仕掛け花火(ナイアガラの滝等)が殆どであり、それについては我々が座っている場所からは、
「光が並んでいるなぁ」
位にしか見えなかったのだが、これ以外のもの(レンコン協会(?)、市長挨拶後のスターマイン)は、通常の競技用花火と同様にきちんと見ることが出来た。

あとはとにかく観る。
寒さも、時間も忘れて魅入る。
これだけである。

18:00〜21:00までの3時間、光と音に身を埋めていた。

花火終了後はすかさず撤収。
さくさくと人波に乗って駅に行き、電車に乗る。
一駅、二駅と電車が進むほどに人がどんどん降りていくので、上野方面に抜ける場合でも、座って帰ることが出来そうだった。

あー、それにしても、花火の「醍醐味」と言うのを初めて堪能した。
こりゃ、確かに他の花火大会なんて、行けなくなるわ。


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No.18 「花火」を堪能


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