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教育実習打ち合わせ The education practice inside story
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4月15日
教育実習打ち合わせ 第一回目
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スーツに身をまとい、3年ぶりに母校の門に足を踏み入れる。記憶に残っているのと少しも違わない姿がそこにあった。
持参の上履きに履き替え、3階にある第2会議室に向かう。
ゆっくり行ったため、着席したのが最後から2番目であった。
・・・・何か異質な人がいる。
トレーナーにズボン、足下は来客用スリッパ。伸ばし放題の無精ひげにユニークな眼鏡。明らかに普段の格好で来たようにしか見えない。他の人が全員スーツの中、一人だけ浮いている。
今年の教育実習生は総勢13名。
内訳は社会8名、英語3名、数学1名、生物1名である。
実習生の人数がなにやら多いが、別にうちの学校はマンモス校ではない。一クラス約50名×8クラス×3学年なのでまぁ普通の規模であろう。それにしても社会が溢れてるなぁ。
見渡すと直接の知り合いが一人、見知った顔が一人いた。
しばし待っていると先生方が入ってきて、打ち合わせが始まった。
教育実習の担当の紹介、教育実習する上での心構え、生徒から進路相談された場合は安易に答えないetc.そして教科書・資料集の販売である。
昔からいたはずなのに、名前だけで顔を知らなかった先生、見知った顔も数名そして3年次の担任もそこにいた。
変わってないなー。話そっちのけでそんな観察をしていた。
先生方の話の中で、ある先生が指摘した。
「普段着で、学校のスリッパはいてるなんて実習生としての意識が足りない。また、君たち今先生方が話したことは重要なことばかりなのに、殆どの人がメモも取っていないけど君たちの頭はそれを全部覚えていられるんだね」
何とも皮肉めいた嫌な言い方である。
なにやらこの人、大学側から各学校にて研究授業を見るために派遣されてきた先生らしい。うちの高校が付属校であるせいか、本人の元々の気質なのか言い方がきつい。後から知った話なのだが、この先生と私服男:ソウは元々大学での知り合いであったようだ。それにしたってあの言い方はきつい・・・。
ひとしきり先生方の話の後、俺ら自身の一言自己紹介。
担当授業時間割を渡されて、教科書販売。
当然の事ながら、各教科で使用教材は異なり、冊数も違う。
俺は一年現代社会のため教科書・資料集各一冊ずつ。しかも数学なんかと違い一冊一冊が非常に高いし重い。まぁ、生物に比べりゃこれでもかわいい方なんだが。
この後、各教科・各担当に別れて担当実習範囲を聞く。
社会は実習生8名に対して先生4名なのであまり圧迫感はないが、数学は数学担当4名(確か)が来ていたため、4:1。がんばれ、マユ。
時間割を見ると俺の担当は1Cと1F。90分(50分授業は2コマあわせて考える)×4コマ×2クラスである。避難訓練もある。一週間ごとに総括があるのか。あ、やっぱりこの時期にまた球技大会やるんだ。ラッキー、これで一コマ潰れる。しかし変なときに始まるなぁ。金曜日から実習始まるなんて、他の所ではなかなかないのではないだろうか?げ、初日から授業がある。
見ていると色々なことが出てくる。
そして、気がついただろうか。社会科は8名である。そして、一学年8クラス。また、当然ながら3年生については社会は実習対象から外されている。
つまり。
1,2年の社会は全て実習生で埋められたのであった。今年の社会はそんなわけで一人2クラス担当であるが、生物3年は3クラス担当らしい。ファイトだミッチー。
社会科は1年が現代社会、2年が世界史、3年が日本史となっている。実習生の希望教科で大体決まったそうだが、一人だけ不幸な人がいた。日本史志望していた人が、現代社会担当になったのであった。まぁ、そういうこともあるよな、バヤシ。ちなみに彼は俺と同じ先生についた。
話を聞いていくうちに、俺の受け持つ一クラスは講師受け持ちだと判明。
同じ先生の方がいいのか、異なった先生の方がいいのか。吉凶どちらに転ぶかはまだわからない。
担当教員から実習範囲を教えられる。
教科書で言えば
「第3章生活と環境の1.人間と環境」
の所である。ページ数にして20ページ。まんま環境問題のところである。
範囲は教科書で提示されているが、必ずしも教科書を使ってやる必要はない。
「そこから何が考えられるか」という「考えさせる授業」であればよい。そのため、うちの学校は教師によって進度ややり方が大いに異なり、またそれが特徴でもある。
これは日本史の例であったが、うちのクラスはWW2まで進んだのに対し、他方のクラスは明治位までしか進んでおらず、毎度テスト範囲はバラバラ、ということも通常のことであった。
担当教員からは
「自由に作って来てください」
ただそれだけ。
そして解散。
さぁて、これから環境問題についてのテーマを決め、授業案を作らなければならない。
俺らの担当に提出するのは5/11までに学校に郵送とのことである。
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テーマ決め
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実はもう、一つのテーマは決めてある。それも一年前からである。
これにはからくりがある。
一つ上の姉も去年同校に教育実習に行っており、彼女は2年生世界史を担当していた。運の悪いことに3クラス担当で、かつ非常に厳しく深く突っ込んできて、授業後の反省会に90分以上使う先生と1:1であった。
それを聞いていた俺は、
「世界史はその人に当たる可能性があるからやめよう」
と心に誓った。その担当は世界史しかやらないため、他の教科にすればよい。
すると残るのは1年現代社会。こちらは逆に、「他の先生が介入しないとあっさりA評価をつけてしまう」先生がいる。また、「一年生」はまだ初々しさがあり、素直である。そして世界史との最大の違いはあるい程度自由にテーマを決められ、かつ去年ゴミ問題をやった人がいるようなので、これしかない。
そこで教育実習希望教科申請の際に「現代社会」と書いて提出していたのである。
こういうとき内部のことを知っている人間がいると非常に便利である。
このようにして、一つは「ゴミ問題」に決定。
さて、もう一つはどうしよう。
ゴミ問題は国内問題なので、ここは一つやはりグローバルな問題にすべきだろう。
うーむ、酸性雨と温暖化、どちらがよいだろう。
「酸性雨と温暖化、どっちがいい?」
姉に聞いてみた。
「酸性雨」
よし、酸性雨に決定。
・・・・・いいのか俺、こんなんで。
テーマ決まって本の借り出しに。
当然の事ながら教科書及び資料集では授業はできない。知らないことだらけであるからだ。
図書館行って本を借りてきた。区で借りられる最大数20冊+学校の図書館最大10冊。
この頃「酸性雨」系と「ゴミ問題」系があまり借りられなかったとしたら、それは俺のせいです。
本は結局、教育実習終わるまでの間、借りっぱなしだったな。当然無断延滞。返す際、
「遅延しないようにしてくださいね」
って言われましたさ。鬼のように借りっぱなしだったからなぁ(遠い目)。
テーマ決まって、各々について2コマ分考えればよい。
・・・・・なんて余裕ぶっこいてたらいつの間にか期限が迫ってた。
やばい、終わってない。
とうに郵送で間に合う期日が過ぎる。家から直接持参すれば間に合う。
かくして期限当日持参で持っていった・・・上手くすれば担当に一回多く直し意見を聞けるかという目論みも含めて。
しかし、校門窓口で「担当不在」聞かされて仕方なく授業案渡して来た。
うーむ、素直に郵送がやはり正しかったのかって、それが間に合わないから持参したんだっけ。
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5月13日
教育実習打ち合わせ 第2回
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今回も前回と同じ時間・場所のため、少し余裕を持って家を出る。
いつものように電車の中をずかずか歩き、下車にちょうど良い位置まできて止まる。
うお、荷物が重い。教科書・資料集・上履きと入っているため、かさばるだけでなくなかなかの重量である。
一息つこうとした矢先、
「流」
と声をかけられる。マユだ。
おや、ここで会うとは・・・って、君確か逆方向からじゃなかったっけ。
「学校行ってから来たから」
まぁ15:30集合だから午前の授業ならでれる時間だ。しかし大変だったろーなぁ。
「指導案ってどうなってる?」
心配そうな顔をしている。
「うちのとこは一度出したけど。間違いなくその直しを食らう予定。」
と返すと、
「うち作れともなんとも、配分についてすら言われてないんだけど。」
え、マジですかい?
「とりあえず範囲の所は全部解けるようにしてきたけど・・・・・。」
教科によって違うだろうけど、いくら数学でも配分云々も何もしてこなくて良いとはこれは結構難しいのでは。
しかもマユは工学部のため、俺らと学舎の場所が違うため、教育実習事前指導を今年の6月、つまり教育実習のど真ん中にやることになっている。全く意味がない。ちなみに俺らの方はと言うと、3年の後期にこれが割り振られていて、事前指導に合格しないと教育実習に行かせてもらえない仕組みになっている。この際に「指導案とはどのようなものか」と言うのも習うのだが、そうするとマユはそれすらも教わっていないことになる。
大学側、いくら校舎が違うからってあまりにも隔離しすぎだ、これは。
担当の先生も結構アバウトなんだなぁ。
まぁ、彼女なら問題なくやるんだろうが。
学校に着いて第二会議室後半(簡易区切りがついている)へ。
殆どの人が集まっていた。
授業案がどうだーこうだー、と話しているうちに打ち合わせの時間になった。
実習生係の先生が入ってきて、実習中の全体の流れや登校時間・諸注意等をかいたプリントを配布する。
総括?・・・ああ、反省会みたいなものか。
議長・副議長も決めるんだ。日直もあり。日に2人、朝実習生名簿持ってきて、2限始まるまでにそれを係りの先生に持っていき、本日の連絡事項を聞いてくる。そして実習生控え室に配備するポットの準備・片づけが仕事である。
議長・副議長になった人は、日直は一回でよいらしい(通常2回)。
各教科の責任者も決める。代表連絡係にするらしい。
はてさて。
内容等については質問がなかったので、決めるものだけ決めてしまおう、ということに。
日直は実習係の方が決めると言うことで、初日は俺とコバとなった(名簿による)。
教科責任者は、数学・生物については自動的にマユ・ミッチーがなる。社会科は生徒会をやっていたというバヤシが推薦され、本人にも異論は無いため決定。英語はコバになったようだ。
では議長はどうしようか。
しばし沈黙が降りる。
「じゃぁ俺やります」
あっさりとソウが立候補した。
副議長はというと、
「では今度は本学の卒業生から」
という先生の一言で、ハルが立候補し、一件落着。
この後は各個別ということで、担当ごとに分かれた。
俺とバヤシと担当3人で狭い面接室に入る。
ここでやることと言えば一つ。
指導案の直しである。
担当の言い方は「ここをこうした方がいい」なく、「ここで何を学ばせたいのか」という、すべて質問形式であるため、ビジョンがはっきりしていないとこたえられない。
まぁ、俺自身の方は中身があまりにも空っぽであったので、
「歴史的背景を入れる事で流れがわかるようになる」
という指摘が戴けたぐらいである(というかそれぐらいしか覚えていない)。
バヤシ→俺の順番で見てもらったのだが、バヤシの方はというと。
使用器具が高度。
「生徒に体感させる」というのがコンセプトらしいが、顕微鏡・スライド・ビデオ、はたまた薬品と多種多様。
「予算の関係から自分で用意できるものはよいがそれ以外は難しい」
と、規模を縮小させるなどいくつか変更せざるを得ない点があったようだ。
それにしてもこれについて食い下がるので時間がかかったかかった。
打ち合わせが終わったのは19時頃だったろうか。
帰り際に担当にクラス名簿のある場所を聞く。全体会の時に、個別担当から場所を聞いておいてくれという達しがあったからだ。
「ここにあるから」
職員室入ってすぐ左手に並んでいた。
では、と担当に挨拶し終えた頃、バヤシは一年生の名簿をざざっとチェックしていた。
「教え子が3人、ここに入ったはずなんだけど」
ばらばらと3つほど見て名残惜しげに終わらせる。
バヤシ・・・・。
女子校来て名簿チェックし始める男ってどう考えても変に思えるぞ。
ちなみに彼は小〜中学くらいを教えている塾講師である。
日もとっぷりと暮れ、こうして2回目の打ち合わせが終わった。
後は5月28日までになおしたなおした授業案を今一度Faxし、その後は教育実習当日までここを訪れることはない。
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教育実習裏話
いまいち実感のわかない日々
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