< 座談会 >

世界広布の勝利の並木道

 

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友情で開いた芸術交流
SGI会長にチリから名誉学術称号
未来部と共に成長の日々を
勇気と希望を送る聖教新聞
学会の役職は会員第一の責任職
仏法西還は人類史の壮挙
使命の舞台で歴史を創れ
地球を包む仏法の生命哲学
真の友情深める語らいを
後輩を自分以上の人材に

 

 

 

<31> 友情で開いた芸術交流
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

杉本 八王子の東京富士美術館で「ポーランドの至宝――レンブラントと珠玉の王室コレクション」が始まりました。連日、多くの鑑賞者が訪れています。
正木 王室の文化を伝えるワルシャワ王宮、旧都クラクフの王宮ヴァヴェル城が全面協力し、日本でのポーランド美術展では最大規模です! 高い注目を集めています。
棚野 両王宮やワルシャワ国立美術館、クラクフ国立美術館などの所蔵する約140点が出展されている。ポーランド出身のショパン、コペルニクス、キュリー夫人にまつわる品々もある。
熊沢 とくにレンブラントのモナリザ≠ニ讃えられる「額縁の中の少女」は日本初公開です!
 17世紀に活躍した、世界絵画市場で最大の画家の一人による大傑作ですね。
杉本 ワルシャワ王宮は、歴代君主の公邸や大統領官邸として大きな役割を果たし、文化・芸術でも中心的な存在です。
佐藤 しかし、第2次世界大戦では、侵略してきたナチスによって破壊された。
 そのなかを関係者は命がけで、王宮のコレクションを救出し、ポーランドの芸術を守り抜いた。
原田 展示品一つ一つが、人間のもつ精神の豊かさを語りかけてくれる。こうした貴重な美術品が日本へ来るのは大変なことだ。絶大なる信頼の証しだ。
正木 まったくその通りです。東京富士美術館の創立者である池田先生が、ポーランドの指導者と深い友情を築かれたおかげで実現しました。
杉本 1994年(平成6年)12月、池田先生は東京でワレサ大統領と会見されていますね。
佐藤 民主化運動をリードした、89年の「東欧革命」の主役であり、冷戦終結の大功労者だ。ノーベル平和賞も受賞している。
原田 大統領は「何をすれば、日本の文化を吸収できますか」と先生に聞いておられた。先生も、その文化交流への強い意欲に、ポーランドとの交流の道を行動で開きたい、と応じられた。
正木 先生が創立された民主音楽協会は、80年代からポーランドの舞踊団を招聘してきた。大統領と先生の会見後も、交響楽団などが日本各地で公演を行っている。
熊沢 そうした深い友情で積み重ねてきた芸術・文化交流の一つの結実が、今回の展示ですね。
 今月26日まで東京で開かれた後、大阪、北九州、広島でも巡回展示されます。各地でも大きな期待が寄せられています。

11月に「任用試験」

棚野 さて、教学部任用試験が11月28日に行われる。
 3・4・6月度の座談会拝読御書「阿仏房(あぶつぼう)御書」「開目抄(かいもくしょう)」「上野殿(うえのどの)御返事(ごへんじ)竜門(りゅうもん)御書)」と、「教学入門」「世界広布と創価学会」が出題範囲だ。人材育成の大きなチャンスです。
原田 学会は永遠に御書根本だ。常に御書を拝し、日蓮大聖人の御精神に学び、「行学(ぎょうがく)二道(にどう)」を実践してきたから世界広布を現実に進めることができた。
正木 戸田先生は、御書全集の「発刊の辞」のなかで、「剣豪の修行を思わせるが如きその厳格なる鍛錬は、学会の伝統・名誉ある特徴」と綴られた。
 戦後、学会の再建に取り組まれた戸田先生は、とくに教学の研鑚に力を入れられた。戦時中、多くの幹部が疑いを起こし、退転していった原因が、そこにあると見抜かれたからだ。
杉本 戸田先生は、当時の無念さを「皆、教学なきゆえに、信心がわからず、臆病になり、法難に負けてしまった」と語っておられます。
佐藤 教学なき指導は独りよがりだ。それでは仏法でも、学会指導でもない。
 確信あふれる真心の激励をするためにも、とくにリーダーは、常に御書とともに! 教学研鑚に励むことだ。
原田 そしてリーダーは、会合であれ、個人への激励であれ、一節(いっせつ)でも御書を拝して語っていきたい。
熊沢 池田先生も青年時代から、御書を心肝(しんかん)に染めて指揮を執ってこられました。次のように述懐されています。
 「戸田先生をお守りするために、ただ一人、悪戦苦闘しながら、毎日毎夜、疲れきった体に鞭打ち、御書を開いた」
 「苦しい時ほど、必死になって御聖訓を求めた。そのたびに、胸に勇気がわいた。暗闇を破って、不撓不屈(ふとうふくつ)の太陽が昇った」
杉本 学会の教学は「実践の教学」です。
 先生のように、日々の活動のなかで御聖訓を拝して、大聖人の御精神を学び、自分の信心をさらに深めていくことですね。

邪義横行の日顕宗

原田 逆に、教学も実践もないのが日顕宗だ。
 法主(ほっす)本仏(ほんぶつ)として(あが)めさせる「法主本仏論」、法主が大聖人の法門すべてを所持し、御書は法門の一部分にすぎないという「御書部分論」など、日蓮仏法とは無縁の邪義が横行。揚げ句の果てには、法主だった日顕自ら宗旨の根幹である大御本尊を「偽物(にせもの)」と言ったことも発覚した。
佐藤 今の日如なんて、教学がまるでダメ。
 大願寺住職時代に信徒から教学の質問をされても、「そういうことなら学会の教学部に聞きなさい。よく勉強しているから」と逃げてしまった話は有名だ(笑い)。
棚野 率先して教学を研鑚し、在家の模範であるべき出家者がこの体たらく。みっともない。
正木 91年(平成3年)に送りつけてきた「破門通告書」など、一節も御書の引用がなかった。
 日蓮大聖人の教えではなく、自分たちの「嫉妬」と「謀略」だけだったことが、一目瞭然だ。
佐藤 結局、日顕宗は信者の98%がいなくなってしまった。
熊沢 日興上人は「当門流(とうもんりゅう)(おい)ては御書を心肝に染め」(御書1618n)とおっしゃっています。大聖人と日興上人の魂を体現しているのは、学会だけです。
棚野 どれだけ教学が大切か。学会員は(しん)(ぎょう)(がく)の基本を正しく実践し、御書を学んでいたから日顕宗の邪義を鋭く見抜き、謀略を打ち破ることができた。
原田 聖教新聞や大白蓮華には、池田先生による「勝利の経典」の教学連載もある。
 今月末からは「一般講義」が始まる。
 皆で信心の骨格を、さらに強固にしていきたい。

(2010. 9. 9. 聖教新聞)

 

 

<32> SGI会長にチリから名誉学術称号
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

熊沢 南米チリのペドロ・デ・バルディビア大学から8日、池田先生・奥様に「名誉博士号」が授与されました。
棚野 この大学名は、チリの首都であるサンティアゴを建設した探検家の名だ。国内5都市にキャンパスを擁し、医学・看護学・工学・教育学部など8学部がある。
佐藤 今回、来日されたアンヘル・マウレン・リオス総長は、同大学の創立者だ。一代で小学校から大学に至る一貫教育をつくり上げられた。
 ゆえに、創価学園・大学を創立された池田先生への共感は格別に深い。
杉本 総長が池田先生への認識を強めたのは、先生とチリのエイルウィン元大統領の対談集『太平洋の旭日(きょくじつ)』がきっかけだったそうですね。
正木 先生は、チリとの友好において、エイルウィン元大統領、フレイ元大統領ら国家指導者と会見を重ねてこられた。また、民音や東京富士美術館による交流も行われてきた。
熊沢 「自然との対話――池田大作写真展」がチリで行われた際は、エイルウィン元大統領自ら「後援委員長」に就任されました。そして今回の名誉博士号の受章にも、祝福のメッセージを贈ってくださいました。
 池田先生が、どれほど強い絆を結んでおられるかが分かります。
原田 1993年(平成5年)10月には、チリから「功労大十字勲章」が叙勲されている。同国に著しい功績と貢献を示した外国人に授与される最高位の栄誉章で、南米大陸最古の伝統をもつ勲章でもある。
 私も駐日チリ大使館邸での叙勲式に参加させていただいたが、ブラジルやアルゼンチンなど他の中南米諸国の大使らも祝福に駆けつけてくださった。友誼(ゆうぎ)の心温まる式典だった。
棚野 チリの日刊地方紙「アタカマ」では、2007年(同19年)から毎月、池田先生のコラムが掲載されているそうです。それほど先生の哲学が、チリ社会に広がっています。
杉本 ペドロ・デ・バルディビア大学のマウレン総長は「池田博士の寛大さとチリ国民を思われる慈愛に、深く感謝を申し上げます」と語っておられました。
正木 チリと聞いて思い出すのは、同国が池田先生の海外歴訪の記念すべき50カ国・地域目ということだ。
 1993年(同5年)2月のことだった。
原田 池田先生が初めて海外指導に飛び立たれたのは、60年(昭和35年)10月2日。以来、54カ国・地域に平和旅の足跡を残されている。
 ちょうど50周年となる大きな節目に、50カ国目となったチリの最高学府から名誉称号が授与される。不思議な巡り合わせを感じてならない。
佐藤 世界の大学・学術機関から贈られた名誉学術称号は、これで298。弟子として心から慶祝し、正義を宣揚していく言論戦を勇んで進めていきたい。

多宝会の友に感謝

杉本 今月20日は「敬老の日」です。
 学会でも多宝会(たほうかい)(全国)、宝寿(ほうじゅ)会(東京)、錦宝(きんぽう)会(関西)の皆さんが、ますます朗らかに、生き生きと活動しておられます。
正木 人生の大半を、池田先生と共に、学会と共に、信心一筋で歩んでこられた宝の方々が多い。多宝会の皆さんがいらしてこそ、今日(こんにち)の学会がある。
 私たちは、草創(そうそう)の方々の汗と労苦を絶対に忘れてはならない。
佐藤 先生も、心から讃えておられます。
 「病苦も経済苦も、非難中傷も勝ち越え、慈折広布(じしゃくこうふ)の大道を切り開いてこられた多宝会の友こそ、最も尊貴(そんき)()魂の王者、女王である」とおっしゃっていました。
棚野 各地の会合でも、青年部を見かけては温かく声をかけ、激励してくださる多宝会の方がおられる。
 また、座談会に青年部が友人を連れていくと、いくら対話しても入会を決意できなかった友人が、多宝会の大先輩の確信ある一言に胸を打たれ、決心するという話もよく聞きます。
熊沢 今年の未来部躍進月間でも、孫・ひ孫の世代にあたる未来部員たちを、わが家族のように励ましてくださいました。感謝の思いでいっぱいです。
原田 信心の継承という意味で、多宝会の皆さんから後継の青年部、未来部へ、信仰の大確信、学会の折伏(しゃくぶく)精神を伝えていくことが肝要である。創立80周年を迎え、ますます多宝会の皆さんの存在は大きい。

信心に定年≠ネし

佐藤 一方、高齢者の所在が分からなくなっている問題が、ニュースで報じられています。「無縁社会」という言葉も使われるようになり、家族の絆の希薄化、相次ぐ孤独死など、多くの社会問題が指摘されています。
杉本 そのなかで、地域の住民の皆さんを結ぶ学会の地域貢献の活動に、一段と注目が集まっています。
正木 千葉県内のある団地で、高齢者が孤独死するという事件があった。その反省から、ある人が呼び掛けてグループをつくった。独り暮らしの方を中心に一軒一軒、訪ね歩いて、近況を聞くなどしているそうだ。
 その運動のために自発的に集まってきたメンバーは、多くが学会員だったという。
熊沢 他者のため、地域のために尽くされる心が美しいですね。
正木 呼び掛けた中心者の方も、「学会員の皆さんの、人を大切にする心は本当に素晴らしいですね」と語っておられた。
杉本 学会は、地域に安心を送る灯台です。
 近隣との友好を広げ、さらなる信頼を築いていきたいですね。
正木 もう9月も半ばだが、今年は記録的な猛暑が続き、まだまだ気温の高い地域が多くある。
 高齢の方、少しでも体調のすぐれない方は、決して無理して会合に参加なさらないでください。
棚野 会合を運営する側も、室温の調節や会合の時間・場所など、多宝会の皆さんに心を配ることが大切です。
原田 学会の宝、地域の宝、社会の宝の皆様です。心から尊敬し、大事にしていきたい。
 ともあれ、信心には定年はありません。一生涯、「月月(つきづき)日日(ひび)につより(たま)へ」(御書1190n)だ。皆がわが人生の勝利劇を演じる主人公として、信心根本に若々しく進んでいこう!

(2010. 9.16. 聖教新聞)

 

 

<33> 未来部と共に成長の日々を
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

棚野 今月23日、少年少女部が「結成記念日」を迎える。1965年(昭和40年)9月23日の発足から45周年の佳節だ。
原田 昨年から、新たな体制となった。未来部育成部長を中心として壮年部・婦人部の皆さんが、少年少女部の育成に全力であたってくださっている。心から感謝申し上げたい。
正木 壮年部・婦人部が担当してくださることにより、大きな波動が広がっています。家族で部員会に参加するご家庭も増えています。
佐藤 今年の夏は、少年少女部のドリームスクールでも、青年部とともに壮年部・婦人部が尽力してくださった。おかげさまで「少年少女希望絵画展」や「作文コンクール」の応募についても、例年以上の意気込みで取り組むことができました。
杉本 各地の座談会でも、少年少女部員が自分の絵や作文を元気に紹介してくれていました。
 未来部員を見ていると、皆が明るくなります。笑顔になります。希望が湧きます。
棚野 このたび、男子未来部のリーダーが新体制で出発した。皆が、使命深き広布後継の未来部員のために尽くそうと、決意に燃えている。
熊沢 未来部員には、家族はもちろん、信心の先輩の激励が成長の(かて)になります。私が少女部・女子中等部・女子高等部それぞれでお世話になった未来部担当者の方々は、卒業後も励まし続けてくださり、大きな心の支えです。
正木 池田先生は「一人一人が、無限の可能性を秘めた大事な存在である。未来を開きゆく宝の人材群である。『未来部』という名称には、重要な意義が込められていることを知っていただきたい」と語っておられた。
原田 さらに戸田先生の次の御指導を引かれている。
 「子どもは、いつも理想をもって引っ張っていってあげなさい」「子どもといっても、一人前として尊重しなくてはいけない。たとえ今は何も分からなくとも、後であの会合に参加したと思い出すものだ。目で見て、耳で聞いて、体で覚えることが大切なのだ」と。
 未来部育成の基本は、日常生活のなかで一緒になって信心に取り組んでいくことだ。自分たちが感じている確信を、ありのままに語っていくことだ。
杉本 とくに来春の受験に臨む未来部員は、これからが正念場です。推薦試験で今年中に進路が決まるメンバーもいます。皆で励ましを贈り続けていきたいですね。
佐藤 今年11月の教学部任用試験には、たくさんの高等部員も挑戦する。青年部も一緒に学び、切磋琢磨しながら、日蓮仏法の生命哲学を胸に刻んでいきたい。

「心こそ大切なれ」

原田 さて、23日は秋分の日だ。秋の彼岸を迎えるこの時期を中心に、各地で秋祭りなどの地域行事が盛んになる。こうした行事への参加について、基本的な考えを確認しておきたい。
正木 各地域の祭りは、もとは宗教的な祭礼だったとしても、今では社会的、文化的な意味合いが強い。
 ゆえに、こうした祭りに参加すること自体、何ら問題ないことだ。
熊沢 現在では、あくまでも地域の人々の親睦を深めるのが目的ですからね。
原田 そう。大切なのは「信心」です。
 御書にも「謗法(ほうぼう)(もう)すは違背(いはい)()なり」(4n)とある。あくまで、正法に(そむ)き、反対することが謗法の本質的な意味です。「御本尊に対する信心」が不動であれば、まったく謗法ではない。
棚野 日蓮大聖人が「心こそ大切なれ」(御書1192n)と(おお)せの通りです。
佐藤 仏法の本義に(たが)わない限り、その地方の風習に従うべきだというのが「随方毘尼(ずいほうびに)」の法理だ。
 各国のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーはこの観点から、よき市民として地域の平和と幸福のために尽力し、厚く信頼される存在となっている。その結果、国籍、文化、人種、民族の壁を超え、世界192カ国・地域に広まった。
杉本 小説『新・人間革命』の第1巻「旭日(きょくじつ)」の章の一場面を思い出します。キリスト教の学校に子どもを通わせる婦人が、授業料は謗法になるのかと心配し、質問しているところです。池田先生はこう述べておられます。
 「学問を教わっているのですから、それに対して報酬を支払うのは当然ではないでしょうか。私たちの信心の根本は、日蓮大聖人の(あらわ)された御本尊を信じ、祈ることです。その根本さえ誤らなければ、後は窮屈に考える必要はありません」と。
棚野 私たちが地域にかかわるのは、その地域の友好、発展のためだ。
 地域の町会や自治会の一員として、仮に宗教的色彩のある祭りなどの行事に参加しても、他宗を信じて拝むのでなければ謗法ではない。
佐藤 祭りへの寄付も、神社や寺への直接の寄付でなければ、大半は行事の運営に使われるものであり、地域行事への参加費と考えていいのではないでしょうか。

地域の繁栄を祈る

熊沢 大聖人は「一切(いっさい)の事は国により時による事なり、仏法は()道理(どうり)をわきまうべきにて(そうろう)」(同1579n)と明快に仰せです。
正木 ゆえに、地域行事への参加を、「謗法になるのではないか…」などと神経質に気を病んだりする必要はないし、同志を責めるべきでもない。
杉本 もちろん、草創の先輩の皆さんが、謗法厳誡(げんかい)の精神で大聖人の仏法を弘めてくださったからこそ、学会はこれだけ大発展しました。これは、まぎれもない事実です。そのご苦労に、感謝は尽きません。
原田 その通りです。そして、日本最大の宗教団体となったいま、地域とかかわり、近隣友好のために行動することもまた重要である。
熊沢 各地から「毎年の祭りに学会の皆さんがかかわってくれて、本当に感謝しています」「学会青年部のおかげで、地域に活気が出てきた」との声が多く寄せられていますね。
正木 私たち一人一人は、大聖人から、「()の国の仏法は貴辺(きへん)にまかせたてまつり候ぞ」(同1467n)と地域広布を託された地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)である。
 地域の繁栄を日々、祈るとともに、誠実な振る舞いで生き生きと近隣の輪の中に入り、賢く朗らかに友情を深めていきたい。

(2010. 9.20. 聖教新聞)

 

 

<34> 勇気と希望を送る聖教新聞
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

杉本 今月から聖教新聞で、待望の鼎談(ていだん)がついに始まりましたね!
 池田先生と、ジャズサックス奏者のウェイン・ショーターさん、ジャズピアニストのハービー・ハンコックさんとの語らいです。
熊沢 「魂の人間讃歌(さんか)――ジャズと人生と仏法を語る」ですね。4日付の第1回は「文化は民衆の声」、18日付の第2回は「出会いの共鳴」がテーマでした。
 ジャズの持つ大きな魅力や、音楽と対話との共通点から、芸術家のお二人が抱く信仰の喜びまで、まさに(たえ)なる音楽を奏でるように語り合われています。
棚野 読者からの反響は、本当に大きい。
 「大のジャズファンです。先生とハンコック氏、ショーター氏の鼎談を何度も読み返しています。友人にも読むように勧め、対話の扉を開こうと決意しています」
 「どの個所も素晴らしく、大感動しました。池田先生とハンコック氏、ショーター氏の魂の響き合いに、ここには精神性の高い哲学があると実感しました」
 感動の声が続々と寄せられています。
正木 学会員だけではなく、音楽愛好家の方々にも大好評だ。
 ある音楽雑誌の編集者だった方も、さっそく鼎談を読んで感動され、聖教新聞を続けて購読してくださっているという。
佐藤 全世界のジャズミュージシャンたちが目標とし、音楽ファンが心から敬愛するスーパースターの二人だから、注目度の高さは相当なものです。
 アメリカ音楽界の最高栄誉である「グラミー賞」に、なんと二人あわせて21度も輝いている。
原田 二人とも、人生の師と仰ぐ池田先生の励ましを胸に、不滅の名曲を作り続けてこられた。
 人生の生き方も多く学べる、素晴らしい鼎談だ。しっかりと読み、学び、友人にも勧めていきたい。

公式HPにも反響

棚野 聖教新聞は今年7月、1951年(昭和26年)4月20日の創刊以来、1万7000号を数えた。
 いま、社会で確固たる地歩を占めている。
杉本 他紙にはない聖教新聞の魅力に、多くの友人が注目しています。
 「世の中は暗く、嫌なことだらけなのに、聖教新聞はどうして、笑顔いっぱいの写真が多いのかと不思議に思います。明るい紙面を見ると元気になるので、購読を続けています」と語っている方もおられます。
正木 「池田名誉会長の人生観などを勉強し、切り抜いて保存しています。聖教新聞は、良い生き方を教えてくれる新聞ですね。これからも愛読します」という方もいらっしゃる。
原田 聖教新聞を購読してくださる方々、友人に購読を推進してくださる皆さん、そして毎日毎日、配達してくださる「無冠の友」の皆さんに、心から厚く御礼を申し上げます。
棚野 いま新聞業界をめぐる環境は大変に厳しいが、聖教新聞も情報社会に合わせた発展を続けている。
 その柱が、今年4月に内容が新しくなった公式ホームページ「SEIKYOnet(セイキョウネット)」です。
熊沢 そうですね。
 とくに海外のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーが本当に喜んでいると聞きました。
佐藤 リニューアル後、真っ先に寄せられた反響の声は、北欧ノルウェーの方からだった。
 「SEIKYOnetは私にとっての最大の支え」と言われていた。
正木 これまで130カ国・地域の方々が、ホームページを閲覧されている。これも、世界広布の広がりを表す一事じゃないか。
 「日本中、世界中の人に読ませたい」との戸田先生の構想通りになっている。
杉本 また、今回のリニューアルで大好評いただいているのが「音声配信サービス」です。
 聖教新聞に掲載された池田先生のスピーチ、随筆が、ナレーターの朗読で聞けるようになっています。
熊沢 とくに目の不自由な方、そのご家族などから、大きな喜びの言葉が寄せられています。
 ある壮年は「今までは目の不自由な方に、皆で先生の指導を読んでお伝えするしか方法がありませんでした。今回のサービスが始まり、その方はじっと耳を傾け、涙を流しながら先生の指導を聞いておられます。どれほど勇気をいただいたでしょうか」と述べておられます。

俗悪誌は部数激減

原田 聖教新聞への期待は、内外ともに大きい。
 創刊からの59年間、自ら執筆を続け、発展に全力を尽くしてくださっているのが池田先生だ。
正木 先生にとって聖教新聞は、師弟不二(ふに)の言論闘争の主戦場です。
 いまも小説『新・人間革命』や随筆、長編詩などを通して、戸田先生との師弟の絆、現代に生きる仏法の智慧を教えてくださり、全国・全世界の同志に励ましを送り続けてくださっている。
杉本 御書にも「仏は文字に()って衆生を()(たま)うなり」「()し文字を離れば何を(もっ)てか仏事(ぶつじ)とせん」(153n)とあります。
 このたび発刊された聖教新聞「特別号」も活用しながら、仏法の生命哲学、学会の理念をより力強く広めていきたいですね。
佐藤 正義と真実の言論ほど強いものはない。
 その一方で、まったくのデタラメを並べては学会を誹謗(ひぼう)・中傷してきた一部の俗悪週刊誌はいま、どうなっているか。部数激減の憂き目に遭っている。
棚野 事実無根の記事がもとで、裁判で断罪されたという報道もたびたび目にする。
 廃刊・休刊になった雑誌も多いな。
正木 「言論の自由」と「言論の暴力」は、まったく違う。
 根拠なきデマは、民主主義の敵だ!
熊沢 ウソやデマを並べたって、もう国民が相手にしません。見抜かれています。
 戸田先生がおっしゃったように、「(しん)なき言論、煙のごとし」です。
原田 その通りです。われわれは聖教新聞を手に、破邪顕正(はじゃけんせい)の言論戦を威風堂々(いふうどうどう)と展開していきたい。
 勇気と希望と幸福を社会に送っていこう!

(2010. 9.23. 聖教新聞)

 

 

<35> 学会の役職は会員第一の責任職
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

正木 いま、広布の最前線で新しいリーダーが誕生している。
 皆、張り切って拡大の先頭に立っている。どの地域を回っても、さわやかな決意に満ちあふれていた。
佐藤 この秋、青年部も各地で新進気鋭のリーダーが、清新の誓いをみなぎらせて躍り出ている。
 一人一人が「創価青年学会」の主役だ。学会創立80周年を荘厳する勝利へ、勇躍前進していきたい。
棚野 かつて新しい役職を受けたとき、先輩から「任命から3カ月が勝負」だと言われた。
 確かに戦いはスタートダッシュで決まる。
熊沢 そうですね。池田先生は「組織は、生命体である。前進するか、停滞するか。人の心、とくに中心者の一念で大きく変わっていく」と語っておられます。
 まず目標を決め、誰よりも祈り抜き、率先して行動し抜くことです。
杉本 その通りです。この「決めて、祈って、行動する」というリズムを、先生は「勝利の方程式」と表現しておられます。
 新任の方だけでなく、全員が「いよいよ」の決意で立ち上がっていきたいですね。
原田 さらに、新出発に当たって大事なことは、「団結」の二字であると先生は指導してくださっている。
 「心を合わせることだ! 祈りを合わせることだ! 力を合わせ抜くことだ! もちろん、役職によって、表舞台に登場する人、陰で戦う人など、担うべき役割はさまざまであろう。しかし、皆が、尊き地涌(じゆ)の戦士である。皆が、広宣流布に生き抜く平等な『一兵卒(いっぺいそつ)』である」とおっしゃった。
正木 御本尊の前では老若男女も、役職も年齢も経験も関係ない。本当に尊いのは、「広宣流布を進めよう」「一人でも多くの人に妙法を弘めよう」「友情を深めていこう」と行動している人だ。
 一人一人がその気概をもって立ち上がれば、いかなる壁も打ち破れる。リーダーは断じて、同志を心から大切にすることだ。
棚野 そうですね。間違っても、リーダーは絶対に威張ってはいけない。傲慢であってはいけない。
 皆さんの奮闘に感謝し、謙虚に意見を聞き、最大に尊重していくことが大切ですね。

尊貴な仏道修行

原田 学会が目指すのは広宣流布である。一人一人の幸福である。
 ゆえに学会の役職は、広宣流布を進め、皆さんの幸福のために尽くす責任を担うことである。
佐藤 先生は、役職についてこう指導されています。
 「学会の役職は『責任職』である。『広布拡大』を自らの使命と定め、強敵(ごうてき)と戦い、同志を守り抜く、勇者の紋章なのである。ゆえに、役職を受け、その責任を遂行する学会活動は、(なんじ)自身の人間革命を成しゆく尊貴(そんき)()仏道修行となるのだ」と。
正木 自分の時間を削って広宣流布のため、友のために戦うことが、どれほど尊い聖業か。その行動は、すべて自らの成長と福徳へと変わっていく。
 御聖訓に「人のために火をともせば・()がまへあきらかなるがごとし」(御書1598n)とある通りです。
杉本 同志を思うからこそ、私たちは毎日、心から題目を唱えることができます。日蓮大聖人は「深く信心を(おこ)して日夜(にちや)朝暮(ちょうぼ)(また)(おこた)らず(みが)くべし」「(ただ)南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを(これ)をみがくとは()うなり」(同384n)と仰せです。
 その祈りを通して自らの生命も錬磨(れんま)されます。広布のために戦えることは、本当に幸福なことです。
熊沢 池田先生が日々、同志の報告を聞いてはメッセージや伝言を贈り、聖教新聞などを通して励まし続けてくださることが、どれほどありがたいことでしょう。
 リーダーは、こうした先生の振る舞いから、一人を大切にする心、皆に尽くす心を、しっかりと学び、実践していきたいですね。
原田 御書には、「末法(まっぽう)に入って法華経(ほけきょう)(たも)つ男女の・すがたより(ほか)には宝塔(ほうとう)なきなり」(同1304n)とあります。
 大聖人は、広宣流布のために健気に行動する門下を、真心から大切にされ、励まし抜かれた。同じように、リーダーが会員第一に徹し抜けば、広布の組織はますます発展していく。

信徒蔑視の日顕宗

佐藤 一方、大聖人の御心を踏みにじり、僧俗(そうぞく)差別、信徒蔑視(べっし)邪義(じゃぎ)(ろう)してきたのが日顕宗だ。
 第2次宗門事件では、「あたかも僧俗がまったく対等の立場にあるように言うのは、信徒としての節度・礼節をわきまえず、僧俗の秩序を失うものである」などと開き直っていた。
棚野 法主だった日顕自らが、「民衆、民衆って言う奴ほどバカなんだ」「本当の仏の教え、仏智(ぶっち)というものは、一般民衆が分かるはずがないんですから、ボンクラどもが千人万人おるよりも、仏様一人のお考えの方が正しいんです」などと、とんでもない暴言を吐いていた。
 末法の民衆救済のために命を賭して戦われた大聖人の御精神など、微塵もない。
正木 末寺坊主も信者のことを、供養を運んでくる道具、金づるぐらいにしか思っていない。
 そんな冷酷無慈悲な坊主に愛想を尽かし、脱講する人が相次いでいる。
熊沢 大聖人は悪侶の典型を「猟師(りょうし)()(ほそ)めにして鹿(しか)をねらひ(ねこ)(つめ)(かく)して(ねずみ)をねらふが(ごと)くにして在家(ざいけ)俗男(ぞくなん)俗女(ぞくにょ)檀那(だんな)をへつらい・いつわり・たぼらかす」(同556n)と仰せです。
 まさに日顕宗の坊主のことですね。
正木 20年前の「C作戦」自体、(ころも)の権威で信徒を隷属(れいぞく)させようとした謀略だ。
 しかし、そんな広布破壊の黒い企みが、うまくいくはずがない。
原田 五逆罪(ごぎゃくざい)の中で最も重い、()和合僧(わごうそう)の大罪を犯した。その現証(げんしょう)は厳しい。
 日顕宗は信者がかつての98%もいなくなったという、細々とした弱小教団に転落した。最高裁で8度、日顕自身が2度も断罪されている。
佐藤 われわれは、哀れな醜態をさらしている日顕宗を悠然と見下ろして、日蓮大聖人の仰せ通りに進んでいくのみです。
 世界一の師匠のもと団結も固く、皆で讃え合い、励まし合いながら、にぎやかに幸福の直道(じきどう)を歩んでいきたい。

(2010. 9.27. 聖教新聞)

 

 

<36> 仏法西還は人類史の壮挙
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

棚野 10月2日、池田先生の初の平和旅から50周年を迎える。今日(こんにち)の世界192カ国・地域に広がるSGI(創価学会インタナショナル)の原点となる記念日だ。
佐藤 わずか半世紀で、日蓮大聖人の仏法が全世界に広がった。仏教史だけでなく、人類史をも画する大壮挙(そうきょ)だ。宗門が750年かかってもできなかったことを、学会が50年で成し遂げたのだ。
原田 すべて池田先生のおかげである。大聖人の仏法西還(せいかん)の未来記を実現され、一閻浮提(いちえんぶだい)に妙法の種を植えてくださった。不惜身命(ふしゃくしんみょう)の闘争に感謝してもしきれない。
正木 妙法を弘めるだけではない。平和のために各国の首脳や知性と会見してこられた対話の軌跡も、かつてない壮大なスケールだ。
杉本 世界の大学・学術機関から池田先生に贈られた298もの名誉学術称号も、その多くの授章理由のなかで世界平和への先生の功績を讃えておられます。
熊沢 イギリスの名門グラスゴー大学ではJ・フォーブス・マンロー博士が、「池田氏ならびに学会の運動の価値――そこには国際主義が深く根づいております。1970年代から1980年代にかけて、創価学会は世界的団体となり、初代SGI会長となった池田大作氏は、世界平和に身を捧げられています」と語っておられました。
原田 イタリアの最高学府ボローニャ大学のロベルシ=モナコ総長も、「世界の『文化』に尽くし、『民衆』を守っておられる尊敬すべき方」と讃えておられた。
 半世紀にわたる先生の世界的な平和行動を、各国の碩学(せきがく)がこぞって讃嘆(さんたん)されている。
杉本 50年前、誰が192カ国・地域の世界広布の姿を想像できたでしょうか。
佐藤 1960年(昭和35年)10月2日に出発された池田先生の初の海外指導を、当時の聖教新聞は「世界広布の第一陣」と報じました。聖教に「世界広布」の大きな文字が躍ったのは初めてでした。
 それまでも先生は「世界広布」とおっしゃっていましたが、聖教の編集部は大きな見出しにはしませんでした。それほど「世界」という言葉が、まだ実感できなかった時代だったようです。

「30年後を見よ!」

棚野 若き日から先生は、世界広布を見つめ、準備しておられた。25歳当時の日記には、こう書かれています。
 「溌剌(はつらつ)と、団結して、学会を、日本の、世界の、学会にすることを夢みているのだ。それが、取りもなおさず、吾々(われわれ)全学会人の幸福に通ずると確信するからだ」
 「世界は、激しく動く。(いま)だ、学会は、世界にとって、(ちり)の如き存在かも知れぬ。(しか)し、十年、二十年、(いな)、三十年後を見よ。必ずや大聖人の大生命哲学が、輝き渡ることであろう。それまで、戦わねばならぬ。それまで、進まねばならぬ」
正木 草創期の方も、若き日の池田先生の話に驚いたとよく語られる。日々の生活の悩みに耳を傾け、丁寧に信心指導をされるとともに、未来に目を向けた世界広布の展望を語られる。こんな夢と希望とスケールの大きな話をする青年がいるのか、と感動したといいます。
佐藤 先生の期待通り、いまSGIの先頭を走るのは青年だ。アメリカでは7月、ロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、ハワイの4会場で青年文化祭を開催し、この半世紀で最高の結集となる3万1000人が参加。しかも全米で500人の新地区リーダーが誕生し、活動者が昨年秋から3倍に増えた。
熊沢 フィリピンの女子部では支部ごとに友好総会を開催。全土で女子部員と共に、その1.5倍もの友人が参加してくれ、幸福のスクラムを広げました。
杉本 素晴らしい前進ですね! 戸田先生が「新しき世紀を(つく)るものは、青年の熱と力である」と訴えられた通りです。
 池田先生も「創価学会は、永遠に『青年創価学会』である。青年の躍動する創造的生命それ自体が、『創価』の象徴なのだ」とおっしゃっています。
原田 青年部が元気であればこそ、創価の前進は加速する。壮年部・婦人部もこれまで以上に青年を讃え、励まし、育てていきたい。

海外でも断罪続き

棚野 世界に広がった学会とは対照的に、日顕宗は海外でも散々なありさまだ。
佐藤 韓国では「偽装寺院」事件ほか、外国為替(かわせ)管理法違反や出入国管理法違反で処罰を受けている。坊主が強制出国させられた。
熊沢 ブラジルではサンパウロの一乗寺(いちじょうじ)を乗っ取ろうと画策して大失敗。不法占拠を続けていた坊主が「強制退去処分」を受け、連邦最高裁判所からも断罪されました。
正木 仏法者である以前に、人間としてあってはならない不法行為ばかりだ。これが宗教者のやることかと皆があきれ返っている。
棚野 そもそも坊主が海外に行ったところで遊んでばかりだ。
 法主(ほっす)だった日顕自身、親修(しんしゅう)と称しながら、ファミリーを連れて豪華観光旅行を繰り返した。2003年にフランスに行った時もセーヌ川下り、古城めぐりなど観光三昧で、7日間の滞在中、法務はたったの5時間。あきれてものが言えない。
佐藤 フランスから帰国してわずか6日後、日顕はシアトル事件をめぐるデマで最高裁に断罪された。その2カ月前にもニューヨークから帰ってきた直後に、改革僧侶への名誉毀損発言により最高裁で負けている。
正木 海外で遊んで帰るたびに敗訴。まったくみっともない。大聖人から叱られている姿であり、厳しい仏罰(ぶつばち)だ。
杉本 1993年(平成5年)のスペイン親修では法要の勤行中に居眠りをして、笑われていました。
佐藤 世界広布の熱意も行動も、まったくないじゃないか。坊主の妻帯に厳しい台湾にも、わざわざ女房同伴で行って、現地のマスコミに「花和尚(はなおしょう)破廉恥(はれんち)坊主)と侮蔑(ぶべつ)されていたな。
原田 「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」の有名な一節に、「一身(いっしん)安堵(あんど)を思わば()四表(しひょう)静謐(せいひつ)?(いの)らん者か」(御書31n)とある。世界平和も、世界広布も大聖人の御遺命(ごゆいめい)だ。それを現実に成し遂げたのは池田先生であり、学会である。
正木 もはや正邪は決着がついた。学会のみが仏意仏勅(ぶついぶっちょく)の団体であることは、火を見るよりも明らかだ。先生と共に世界広布の大道を歩める喜びを胸に、日々の活動に勇んで取り組んでいきたい。

(2010. 9.30. 聖教新聞)

 

 

<37> 使命の舞台で歴史を創れ
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

棚野 「離島部の日」を10月7日に迎えます。
 北海道から沖縄まで、全国の約240の島々で毎日毎日、離島部の皆さんは、はつらつと広布と友好の拡大を進めておられます。
正木 旧習深い地域も少なくない。伝統信仰も根強い。そのなかで学会員として生き抜くことは、いかに大変なことか。
 学会への無理解が強かった草創期は、まさに岩に爪を立てる思いで戦ってくださった。
原田 そうです。台風、地震、火山噴火など大自然の猛威にさらされることもある。船便などの交通事情から、聖教新聞の配達も容易ではない。そうした環境で、「わが島を『正義の勝利島』に! 池田先生の名代(みょうだい)として頑張ろう」と朗らかに活動に取り組んでくださっている。
 本当に尊い姿です。地道かつ偉大な行動を、日蓮大聖人もさぞかし讃嘆(さんたん)されているに違いない。
正木 離島は「広宣流布のモデル」だ。わが愛する地域で、どれだけ広布を進められたか、同志の偉大な足跡が島の広布史そのものである。
 そして今日(こんにち)、各地で地元の名士の方々が、聖教新聞を購読し、本部幹部会の中継に参加してくださるほど、信頼を勝ち得ている。すべて同志の大奮闘の賜物(たまもの)です。
熊沢 島ごとに開かれる「離島友好の集い」も年々、友人の参加が増え、にぎやかですね! 深い深い友情を結んでおられます。

「真剣な一人」こそ

杉本 離島部の日の淵源(えんげん)は、1978年(昭和53年)10月7日でした。
 学会本部で第1回の離島本部総会が行われ、全国約120の島々から代表が集ってこられました。
佐藤 一つの島は、いわば一つの国である。太陽が昇れば、地球が明るくなる。同じように、使命に生きる人間が一人立てば、地域を幸福と歓喜の光で満たしていくことができる=\―池田先生は学会の金看板≠背負って生きる離島の同志を心から激励してくださった。
棚野 そして日蓮大聖人が佐渡島で(あらわ)された「開目抄(かいもくしょう)」の一節(いっせつ)(われ)(なら)びに()が弟子・諸難(しょなん)ありとも(うたが)う心なくば自然(じねん)仏界(ぶっかい)にいたるべし」(御書234n)を引かれ、大確信をもって広布一筋に歩むことを念願された。
熊沢 また、先生は離島部の皆さんに贈られた随筆で、次のように綴っておられます。
 「いかなる苦難があろうとも、師も弟子も不動の信心で戦い抜くならば、必ず必ず金剛不壊(こんごうふえ)の勝利者の大境涯(きょうがい)を開いていけるのだ。大聖人は、佐渡という離島において、この大原理を師子吼(ししく)成され、末法万年尽未来際(まっぽうまんねんじんみらいさい)へ示し残してくださったのである」と。
原田 どの島でも、「不動の信心で戦う一人」「真剣な一人」がおられたからこそ、いま、勝利の実証が輝きわたっている。
 これこそ、離島はもとより、すべての地域に共通する、広布拡大の根本だ。
杉本 同じく大聖人が佐渡で(したた)められた「諸法実相抄(しょほうじっそうしょう)」に、「日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と(とな)へしが、二人・三人・百人と次第(しだい)に唱へつたふるなり、未来も(また)しかるべし」(同1360n)と(おお)せの通りですね。
正木 厳しい環境のなかで戦っている離島の方々を大切にし、激励を重ねてこられたのが池田先生です。
 今年7月にも、小説『新・人間革命』の「敢闘(かんとう)」の章で、鹿児島・奄美群島の喜界島を取り上げられた。一人の婦人が、筆舌に尽くせぬ苦労のなか、地域で友情を広げる大感動のドラマだった。
熊沢 掲載当時、喜界島の皆さんの喜びは大変なものでした。さらに全国に住む喜界島出身者からも感動の声が寄せられました。
原田 そうです。
 離島部の方の活躍は、その島だけにとどまらず、全国への波動になる。
杉本 日本全体が少子高齢社会ですが、とくに離島は深刻です。
 そのなかで離島の青年部員は地域のために尽くそうと行動しています。学会の青年たちが積極的に行事に参加してくれて、本当にありがたい≠ニ語る行政関係者もおられます。学会の青年は島の希望です。
棚野 私も今年3月、奄美大島を訪問させていただいた。仕事面や経済面で大変ななか、青年部も自身の宿命転換と人間革命をかけて、懸命に戦っている。
 偏見や中傷のなかで奄美広布を進めてきた草創の大先輩の思いを継承し、青年が新時代をつくろうと決意に燃えていました。
佐藤 青年が後継の誓いを新たにし、拡大の実証を示してこそ創立80周年を荘厳することができる。
 全国で弘教(ぐきょう)と対話拡大に走り抜きます!
熊沢 婦人部ではいま、グループ長・副グループ長の署名が進められていますね!
杉本 そうです。信濃町の学会本部、イギリスのタプロー・コート総合文化センター、アメリカのワシントンDC文化会館、インドの創価菩提樹園の4カ所に永久保管されます。
 先日、聖教新聞に各会館の写真が掲載されました。「美しい場所への永久保管に、喜びいっぱいです! 皆で折伏にも聖教の購読推進にも、御書の研鑚にも熱を入れて取り組んでいます」と波動が大きく広がっています。
原田 この秋はヤング・ミセスのトップランナー大会も全国で開催されている。女子部・池田華陽会(かようかい)の対話拡大も素晴らしい。
 リーダーは、地域に根を張って友情の輪を広げてくださっている女性を、心から大切にすることだ。尊き活動に感謝していきたい。

「ひったくり」警報

正木 一点、皆で注意したいことがある。いま、各地でひったくりの被害が後を絶たない。「ひったくり警戒警報」を出して、注意を呼び掛けている県もあるほどだ。
 しかも、警視庁によれば、被害者の約93%が女性という。
佐藤 そうです。1日の時間の流れで見ると、18時から20時に被害が急激に増え、最も多いのは20時から22時です。
 つまり、夜の会合の前後が、最も危険な時間帯となります。
杉本 ですから、@暗い夜道はなるべく一人で歩かないA道を歩くときは車道側の手で鞄を持たないB必要以上に現金や貴重品を持たないC自転車のカゴにはひったくり防止用のネットやカバーを取り付ける――など、具体的な工夫が大事ですね。
原田 ともかく、女子部の皆さんには、午後10時までに帰宅する「10帰(テンキ)運動」を徹底してもらいたい。
 これからも日々、日没の時間が早くなる。男性のリーダーは、婦人部・女子部の帰りが夜おそくならないよう、くれぐれも配慮をお願いしたい。
棚野 われわれは、信心しているからこそ、ますます賢明に、知恵を働かせていくことですね。
 油断を排し、絶対無事故で勝利の毎日を送りたい。

(2010.10. 4. 聖教新聞)

 

 

<38> 地球を包む仏法の生命哲学
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、佐藤青年部長、棚野男子部長、熊沢女子部長

棚野 待望していた小説『新・人間革命』の連載が、10月1日付の聖教新聞から再開されました!
杉本 第24巻がスタートしました。大変うれしいことに、章のタイトルは「母の(うた)」です。
 物語の舞台は、1976年(昭和51年)8月で、フランスの作家アンドレ・マルロー氏との対話が描かれました。そして、池田先生作詞の「母」に曲がつけられ、発表されたことを通し、お母様との思い出なども紹介されるとうかがいました。
正木 今回の連載再開にあたっての心情を、池田先生は「随筆 我らの勝利の大道」<「人間革命」と我が人生>に綴ってくださっている。
 「『人間革命』という希望の大哲学を、誰よりも生き生きと、神々しく示してこられたのは、広布の母たちに他ならない」
 「最も偉大なのは、最も苦労をしながら、妙法流布に生き抜いている母である。悩める人、苦しむ人がいれば同苦し、真剣に祈り、励ましてくれる。まさに経文に(おお)せの『如来(にょらい)()(ぎょう)ずる』尊き姿である。この母たちの人生ほど、高貴にして希望光る足跡は、どこにもあるまい」と。
杉本 連載再開を喜ぶ声が、婦人部の方はもちろん、全国の同志から寄せられています。
 「待ちに待った連載が開始され、とてもうれしいです! 婦人部の集いでは、皆で聖教新聞を持参して、読み合わせて決意を深めています」
熊沢 「『新・人間革命』を読むことから、一日の勝利が始まります。その日その日の言葉を、生活の指針としています」とおっしゃる方もいます。
佐藤 いよいよ、80周年の11・18「創価学会創立記念日」の当日には、『人間革命』と『新・人間革命』をあわせて、6000回を迎える。
原田 すでに新聞連載小説としては、日本一の回数となっているが、また一つ、新たな金字塔が打ち立てられることになる。
 65年(昭和40年)の元日付の連載開始以来、足かけ45年。私は聖教新聞の記者時代、第1巻から第3巻まで担当させていただいた。世界への平和旅、会員一人一人への励ましなど大変な激務の合間をぬって、一枚一枚、生命をぶつけるようにして執筆してくださった。弟子として心から慶祝と感謝を申し上げたい。

命を削る言論闘争

棚野 月刊誌「潮」の評伝「民衆こそ王者――池田大作とその時代」でも、「『人間革命』の奔流(ほんりゅう)」とのテーマで連載が続いてきました。
 先生が、『人間革命』を執筆される言論闘争とともに、世界広布の指揮を執ってこられたドラマが鮮烈に綴られています。
杉本 先ごろ発売された11月号もそうです。
 インドのパール判事、20世紀最大の歴史家トインビー博士、「経営の神様」といわれた松下幸之助氏、ローマ・クラブの創設者ペッチェイ博士、そしてブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁など、『人間革命』を軸にして世界の識者が結ばれていく史実に、圧倒されます。
佐藤 ともあれ、池田先生は小説を通して、「真実の師弟の道を示し、人類の幸福と平和のために、広宣流布の流れを永遠ならしめたい。そして、その原動力たる創価学会を恒久化する方程式を明確に残さんと、今日も私はペンを執り続けている」と、述べておられます。
 私たち青年部は、先生が命を削る思いで執筆を続けてくださっている一言一句(いちごんいっく)を、わが生命に刻みつけていきたい。
正木 『新・人間革命』第22巻の単行本も、今年の創立記念日に発刊されます。出版界からも、絶大な期待が寄せられている。活字文化の興隆に果たされる池田先生の貢献は、計り知れない。
熊沢 『人間革命』『新・人間革命』をはじめ、池田先生の著作は、世界42言語で発刊され、海外出版は1200点にものぼります。まさに全地球を包む、壮大な規模です。
佐藤 先日の訪中の際も、中国のリーダーの方々が口々に、先生の著作への感動を語っておられることに驚きました。世界各国の国家指導者や識者も愛読されている。
棚野 ある方が、アメリカ・ハーバ−ド大学の高名な教授だったジョージ・キスタヤコフスキー氏の研究室を訪問したときの話を聞いたことがある。
 教授は、池田先生の名前を聞いた途端、びっしりと本が詰まった書棚からトインビー対談≠取り出し、感想を語り始めた。その本にはさまざまに書き込みがされていて、深く読み込んだ形跡があったそうだ。それもまだ80年代のことです。

恩師の偉業を宣揚

杉本 今回、42言語目となった出版は、イラン出身の平和学者マジッド・テヘラニアン博士と先生の対談集『21世紀への選択』のアラビア語版でした。
原田 すごいことです。アラビア語は、イスラム文化圏のアラブ諸国の共通語であり、国連公用語でもある。これで中東を中心に、より深く先生の著作が広がっていくことになる。
佐藤 翻訳は、エジプト・カイロ大学のムハンマド・セリーム教授が手掛けてくださった。同大学のアジア研究センター所長等を歴任し、いまはクエート大学でも教壇に立っておられる方だ。
 「私は二人の対話、なかんずく池田博士のおかげで、イスラムと仏教という非常に重要なテーマに目を向けることができた」と語り、同書が現代世界の抱える諸問題を解決する「対話の推進力」になることを期待されていた。
原田 戸田先生は戦後まもなく、師匠・牧口先生の偉大な哲学を世界に広めたいと『価値論』を再版し、世界の約50カ国420を超える大学・学術機関に寄贈された。
 そしていま池田先生は、恩師・戸田先生の偉業を宣揚し、人類に普遍性をもった日蓮仏法の生命哲学を広げておられる。
熊沢 トインビー博士は、小説『人間革命』の英語版に序文を寄せて、このように記されました。
 「戦後の創価学会の興隆は、単に創価学会が創立された国だけの関心事ではない。池田氏のこの著作が、フランス語や英語に翻訳されている事実が示すように、創価学会は、既に世界的出来事である」と。まさにこの通りです。
正木 広宣流布は、世界同時進行である。世界のSGI(創価学会インタナショナル)の同志と共に、自らの地域で責任と使命を担って、妙法を語っていくことだ。
 「(ちから)あらば一文一句(いちもんいっく)なりともかたらせ(たま)うべし」(御書1361n)である。地道な活動のすべてが世界広布の拡大に直結すると確信し、日々の語らいに励んでいこう!

(2010.10. 7. 聖教新聞)

 

 

<39> 真の友情深める語らいを
出席者:原田会長、正木理事長、金沢総東京長、杉本婦人部長、金田総東京男子部長、熊沢女子部長

原田 11月18日の「創価学会創立記念日」まで1カ月余りとなった。今年は5月3日に池田先生の会長就任50周年を迎えた。そして「11・18」は創立80周年の佳節である。
 池田門下として、師匠の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の大闘争に心から感謝申し上げ、一人一人が成長し、幸福になり、戦いきった姿で師匠に勝利をご報告する時だ。
熊沢 先生は、全学会員の勝利と幸福を日々、祈り、見守ってくださっています。こんな偉大な師匠のもとで戦えることは、どれほどありがたいことでしょうか。
正木 昨年から取り組んできた「わたしの創立80周年運動」も、いよいよ総仕上げです。
 それぞれが立てた目標、誓いをいま一度、振り返り、決意を新たにして進んでいきたい。
杉本 その意味で今月の座談会は大切ですね。
 創立記念日を前に皆で集い、祈り、これまでの取り組みを讃え、団結して対話拡大に打って出る大事な場となります。
金沢 総東京では今月から来月にかけて、「創立80周年記念 ブロック総会」を盛大に開催します。地域の友人も招いて、学会家族の輪を広げる温かな集いにしていきたい。
金田 男子部は折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)奔走(ほんそう)するなかで、友人と共に座談会に参加するメンバーが多くいます。
熊沢 女子部も、壮年部・婦人部の皆さんにも応援をいただきながら、友情の拡大を進めています。
正木 対話の拡大、聖教新聞の購読推進、そして座談会に友人と参加することなど、日々の学会活動は多岐にわたる。だがそれらは、決してバラバラのものではない。
 すべては、日蓮大聖人の大生命哲学を(ひろ)め、厚い信頼を結びゆく、広宣流布の戦いである。
杉本 友人といっても、本当にさまざまです。近所の知り合いの方もいれば、学生時代の同級生、職場の同僚や先輩・後輩、子どもが通う学校の保護者の方などもいます。それぞれの趣味や関心、共通の話題も違います。
金沢 それだけに、「あの人には聖教新聞、あの人にはグラフSGIを贈呈し、あの人はブロック総会にお誘いしよう」など、相手の目線に立って心を尽くしていきたい。

「尊敬し合うこと」

熊沢 池田先生は世界の識者と語り合われた経験から、次のように指導されています。
 「世界は広い。人類は多彩である。語り合うことは、学び合うことである。知り合うことである。そして、尊敬し合うことである」と。
原田 相手が自分と異なる立場や考え方を持っていたとしても、語らいの中で互いに高め合ってこそ対話だ。先生の言葉にある「合う」という姿勢が、きわめて大事である。
 目の前の「一人」に対して、どれだけ尊敬できるか、それだけ大切に思えるか、どれだけ幸福を祈れるかだ。
金田 戸田先生が「折伏すれが信用が残る」とおっしゃった通りです。私もこれまで、何人もの友人に仏法の偉大さを語ってきましたが、語りきった友人は皆が、大切な親友となっています。
正木 そうです。それだけに、決して一方的になってはならない。
 池田先生が言われている通り、「対話という鏡に照らされて、人は他者(たしゃ)を知り、自分を知る。対話が、自己の殻を破り、境涯(きょうがい)を拡大する」のだから、友人の存在こそ自分を高めてくれる宝だ。
熊沢 「鏡に(むか)って礼拝(らいはい)()(とき)(うか)べる(かげ)(また)(われ)を礼拝するなり」(御書769n)です。
 相手を尊敬した分、互いの友情が深まります。
杉本 理解者づくりといっても、相手を思う心が振る舞いに表れます。
 日ごろのあいさつや何気ない語らいから、誠実に誠実を重ねていくことが大切だと感じます。

日顕宗は仏罰厳然

金沢 さて今月12日は、日蓮大聖人が一閻浮提(いちえんぶだい)総与(そうよ)の大御本尊を()図顕(ずけん)された日(1279年<弘安2年>)であり、13日は東京・大田の地で()入滅(にゅうめつ)された日(1282年<同5年>)である。
金田 大聖人が大御本尊を(あらわ)されたきっかけは、弟子の闘争だった。
 日興上人が駿河(するが)地方を中心に圧倒的な折伏を展開され、それに恐れをなした悪侶(あくりょ)と権力者が農民の門下を迫害したのである。
熊沢 「熱原(あつはら)法難(ほうなん)」ですね。殉教した三烈士を含め、弾圧を受けた全員が正法(しょうほう)護持(ごじ)し抜きました。
金田 そうです。それを機縁(きえん)とし、大聖人は「出世(しゅっせ)本懐(ほんかい)」を遂げられた。
 妙法の拡大に徹した青年の闘争が、末法(まっぽう)万年への広宣流布の歴史を開いたとも言える。
原田 そして、大聖人の御遺命(ごゆいめい)のまま、その御本尊を全世界に流布(るふ)してきたのは学会である。
 牧口先生、戸田先生、池田先生の創価三代の死身弘法(ししんぐほう)があってこそだ。
正木 学会を深く理解していた59世(ほり)日亨(にちこう)法主も言われている。
 「御本尊様も本当に日の目を見たのは、学会が出現してからだ。学会のお陰で御本尊様の本当の力が出るようになった」と。
杉本 「法華経(ほけきょう)を二人・三人・十人・百千万億人・(とな)(つた)うるほどならば妙覚(みょうかく)須弥山(しゅみせん)ともなり(だい)涅槃(ねはん)大海(たいかい)ともなるべし」(同288n)という大聖人の御確信の通りです。
 池田先生のもと、世界広布は怒涛(どとう)の勢いです。
原田 片や、日蓮大聖人の魂を忘れ去り、堕落しきった日顕宗はどうか。
 法主だった日顕自身が、こともあろうに大御本尊を「偽物(にせもの)」と断定していたことが明らかになった。
金田 法主が、自分の宗派の本尊を否定する。おまけに、他宗の禅寺に墓を建てる。
 そんな宗教が、いったいどこにあるんだ!
金沢 しかも「C作戦」で学会を切った日顕は、御本尊を信徒支配の道具≠ノした。さらに、御本尊には法主の「開眼(かいげん)」が必要などと騒いでいるが、大聖人は御書で一言もそんなことをおっしゃっていない。
 「法華経の題目は一切経(いっさいきょう)(たましい)・一切経の眼目(がんもく)」(同1060n)であり、南無妙法蓮華経の御本尊それ自体が眼目である。その御本尊の仏力(ぶつりき)法力(ほうりき)は、われわれの信力(しんりき)行力(ぎょうりき)によって顕現(けんげん)するのだ。
正木 御本尊は、大聖人が「一念三千(いちねんさんぜん)()らざる者には仏・(だい)慈悲(じひ)(おこ)し五字の(うち)に此の(たま)(つつ)末代(まつだい)幼稚(ようち)(くび)()けさしめ(たま)う」(同254n)との大慈大悲(だいじだいひ)で、末法の全民衆の幸福を願って、顕されたものである。
 日顕は、それを自らの欲のために利用した。これほどの悪事はない。仏罰(ぶつばち)厳然(げんぜん)だ!
原田 大聖人正統の学会は、永遠に「御本尊根本」だ。朝晩の勤行・唱題を勝利のリズムとして、強き祈りと確信の行動で創立80周年を勝ち飾ろう!

(2010.10.11. 聖教新聞)

 

 

<40> 後輩を自分以上の人材に
出席者:原田会長、正木理事長、金沢総東京長、杉本婦人部長、金田総東京男子部長、熊沢女子部長

熊沢 今月18日、民主音楽協会(民音)が創立記念日を迎えますね。
金田 そうです。いまや日本を代表する音楽・文化団体です。とくに、1963年(昭和38年)以来、47年の歴史で海外103カ国・地域と交流を果たしてきたスケールの大きさ、多彩さが際立っています。
正木 海外の芸術家からも評価が高い。英国ロイヤル・オペラの制作総責任者であるイレイン・キッド氏は(たた)えている。
 「庶民が目を向けることのない世界の文化に対して、池田先生が民音を設立されたことによって、庶民が目を向ける扉が開かれた」と。
金沢 こうした各国の芸術団を招聘(しょうへい)した公演とともに、民音の大きな特色となっているのが「学校コンサート」だ。創立者の提案で73年(同48年)に始まり、約3800校で123万人を超える生徒・関係者が鑑賞してきた。
原田 この学校コンサートがきっかけで、音楽の道を志すようになった子どももいる。
 未来を担う子どもたちに、一流の芸術をプレゼントする――地道にして、偉大な事業だ。学校関係者はもちろん、多忙な公演の合間で出演してくださる芸術家の皆さんも、民音の理念に深く共感されている。
金沢 東京・信濃町にある「民音音楽博物館」も盛況です。世界にニュースを配信するCNNテレビも、「だれもが気軽に音楽にふれられることが人気の秘密」と紹介。日本はもとより海外からも音楽家・識者が来館されている。
杉本 この館内には、16世紀のチェンバロや18世紀の古典ピアノなど、数々の名器が飾られています。
 しかも展示されているだけではなく、その音色を聴くことができ、歴史と深みのある音楽芸術の世界に触れることができます。
熊沢 いま聖教新聞では、池田先生とジャズサックス奏者のウェイン・ショーターさん、ジャズピアニストのハービー・ハンコックさんによる鼎談(ていだん)「魂の人間讃歌」が連載されています。そのハンコックさんが、30年以上にわたり実際に使っていたグランドピアノも、民音音楽博物館に展示されています。
正木 これも世界の宝≠ニもいえる、大変に貴重なものだ。そのほかにも海外の珍しいオルゴールや、民族楽器なども多数、展示されている。
原田 また、「音楽ライブラリー」も併設され、大変に優れたコレクションを有している。
杉本 そうです。CDやレコード、DVDなどの録音・映像資料は12万点、楽譜は4万5000点、音楽書は3万5000点もあり、民間では日本最大級の音楽専門図書館です。
熊沢 各地の学校や大学のオーケストラ・吹奏楽のクラブ関係者も、楽譜を求めて来館しています。
金沢 音楽に興味がある人も、そうでない人も、誰もが楽しめるのが、民音の魅力です。
 世界最高峰の振付家ジョン・ノイマイヤー氏も、こうした幅広い民音の事業に讃辞を惜しみません。
 「経済至上主義で行き詰る現代文明。今こそ民音のような深き哲学と強き意志、堅実な実行力が必要であると思えてなりません」
 「世界の人々を励まし、人類の幸福のために行動される民音創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長とともに、私も、世界平和への道を力強く進みたい」と語っておられました。
原田 壮大な文化事業を支えてくださる民音推進委員、賛助会員の皆さんに、心から感謝申し上げます。

地道な祈りが結実

正木 いま座談会を回ると、各地で青年部の元気な姿を見る。少子化の中でも一騎当千の人材として、一人一人が輝いている。
金沢 総東京でも後継の青年部が先頭に立ち、弘教(ぐきょう)拡大を猛然と進めている。
金田 皆が自身の心の壁を打ち破り、池田先生にお応えしようと対話に走っています。
 先日も、江戸川太陽区のある男子部の部長が10年来の対話を実らせて、友人が入会しました。
杉本 すごいですね! 本当に地道な祈りがあったんでしょうね。
金田 友人は当初、学会に対して根拠もなく悪いイメージをもっており、信心の話に反発していた。しかし部長は彼の幸福を願い、10年間、あきらめず、折に触れて語り抜いた。そして他の男子部員も一緒に友人を励まし、座談会にも出席してくれました。
 病気などの悩みを抱えていた友人は「こんなに温かい人たちが見守ってくれるなら、俺も頑張る」と決意し、先月、御本尊を受持(じゅじ)しました。

「人づくり」が使命

原田 近年、新しく入会した多くの青年も、周囲の真心の激励を受けて、「今度は自分が友人に仏法を(ひろ)めよう」と決意し、弘教に挑戦している。
金田 はい。総東京でも入会まもないメンバーが新風を巻き起こしています。
 山梨・甲府南圏のニュー・リーダーは、4年前に入会しました。仕事に行き詰って悩んだとき、男子部の先輩の激励に一念発起。昨年は青年部教学試験3級に合格。さらに創価班大学校に入校して、仕事でも活動でも勝利しようと立ち上がりました。誰よりも早く職場に出勤するよう心掛け、深い信頼を勝ち得てきました。先月には弘教も達成しました。
正木 素晴らしい。
 学会は、いわば「人づくり」の団体でもある。職場や地域で信頼される人材を育て、皆が各分野で活躍することで、よりよき社会をつくっていく。そこに大きな学会の使命がある。
原田 新入会の皆さん、そして未来部・青年部を大人材へと育成することが、広宣流布の間断なき前進への必要条件だ。
金沢 池田先生は「学会の人材育成の伝統は、後輩を、新会員を、新しい同志を、『自分以上の人材に』と願い、心を砕いていくことである」とおっしゃっています。
杉本 そのために、一緒に祈り、一緒に語り、一緒に行動することですね。その思いと時間をかけた分、必ず人材は育ちます。
原田 日蓮大聖人は四条金吾(しじょうきんご)へのお手紙で、こう(おお)せだ。「殿(との)御事(おんこと)をば・ひまなく法華経(ほけきょう)釈迦(しゃか)(ぶつ)日天(にってん)に申すなり()(ゆえ)は法華経の(いのち)()ぐ人なればと思うなり」(御書1169n)と。
 広布を担う後継者の成長と勝利を願い、全身全霊で励まされた大聖人のごとく、リーダーは全同志のことを祈りに祈り、心を尽くしていきたい。
金沢 池田先生は「正義は勝ってこそ、正義となる。本陣は勝ってこそ、本陣となる。見栄や格好などかなぐり捨てて、広宣流布のために、ひたぶるに戦い抜いてこそ、大東京は、未来永遠にわたる、師弟勝利の本陣となるのである」と語られた。
 われわれ総東京が、人材育成、広布拡大、地域友好で先駆(せんく)し、堂々たる勝利の実証を築いていきたい。

(2010.10.14. 聖教新聞)