< 座談会 >

輝く創価の師弟城

 

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励ましこそ仏法者の振る舞い
希望と勇気を送る前進の音律
共感を広げる真心の友人葬
世界の同志と「大法弘通」の道を
勝利こそ弟子の報恩の証し
会場提供者の真心に深く感謝
「新・人間革命」を前進の力に
対話の大精神を今こそ継承
女子部は一人ももれなく幸福に
未来担う鳳雛と共に成長!

 

 

 

<31> 励ましこそ仏法者の振る舞い
出席者:原田会長、正木理事長、韮沢東北長、千田東北婦人部長、棚野青年部長、吉井女子部長

韮沢 「大震災からの一日一日、一月一月の歩みは、どれほど大変であるか。しかし、その『能忍(のうにん)()(しの)ぶ)』の信心によって、わが生命の大地に、永遠に揺るがぬ『幸福の根』が張られる。あまりに健気(けなげ)な東北の友に、希望の花、勝利の花よ、咲き薫れと祈りたい」――池田先生は先日も、東北に随筆を寄せてくださいました。
千田 東北の同志の幸福を、いつも祈り続けてくださっている先生への感謝は尽きません。心が折れそうになるたびに、負けでたまっか!≠ニ「不屈(ふくつ)のみちのく魂」を燃え上がらせることができたのも、この励ましがあったからです。
韮沢 必死の救援活動で極限状態のなか、2011年(平成23年)3月25日夜、突然鳴った私の携帯電話。「韮沢君、元気か」――声の(ぬし)は、池田先生でした。同志を思う師の慈愛(じあい)に、胸が熱くなりました。「しっかり題目をあげて、東北に大勝利の歴史を残しなさい」。今も、その力強い声は耳から離れません。
原田 大震災から間もなく2年2カ月です。学会は最後の一人が立ち上がるまで、一人に寄り添い、励ましを送り続けていきます。

誠実な行動に信頼

韮沢 東北の同志は、世界中から応援をいただき、着実に立ち上がっています。去る3月20日にも、南相馬市の原町文化会館で、感動的な入会勤行会が行われました。紹介者は、福島旭日(きょくじつ)県の地区部長です。震災で自宅からの避難を余儀なくされた時、地区部長のお父さんは闘病中で避難所生活は無理でした。そこで、周辺の家々にお願いをしたところ、ある一家が離れ≠提供してくれることに。お父さんは2カ月、そこで暮らし、体調を回復。地区部長は「父を助けてくれた恩返しを!」と誠実に仏法対話。この日、一家で入会したのです。
正木 「仏の(たね)法華経(ほけきょう)より(ほか)になきなり」(御書532n)です。先生も、「最高の善行(ぜんこう)とは、幸福の大法である、この仏法を教えることだ。宿命を転換し、幸福の道を切り開いていけるよう、人々を励ましていくことである」と言われています。まさに、妙法の功力(くりき)を語ることは、友人への最高の恩返し≠ニなるのです。
韮沢 報恩こそ仏法者の生き方です。振る舞いに、仏法の真髄が表れます。
 南相馬市から会津若松市に避難している副支部長は、雪が少ない浜通り地域からやって来たため、今年の大雪には苦労しました。それでも、皆が同じ苦労をしているだろう≠ニ毎日、自宅周辺の雪かきをしました。お世話になっている人たちに喜んでもらいたい≠ニの思いからでした。副支部長の誠実な行動には厚い信頼が寄せられ、この1年間で70人を超す人が聖教新聞を購読するようになりました。
吉井 楢葉町で被災し、いわき市に避難中の女子高等部員は自身の思いを詩で表現。本年3月11日、彼女の詩「故郷(ふるさと)」が、福島県主催の東日本大震災犠牲者追悼式で朗読されました。
千田 さらに、3月の「新生・東北総会」(第64回本部幹部会)で素晴らしい民謡を披露した秋田・鹿角市の未来部員は4月21日、「民謡民舞少年少女北東北大会」(中学生の部)に出場。見事優勝し、8月の全国大会出場を決めました(拍手)。

「チーム力」の公明

韮沢 東北健児は今、皆が「心の(たから)」を(いだ)いて、わが生命の旭日を昇らせています。第3秋田総県の総県副総合長は、縫製工場の社長です。不況のなか真剣に仕事に励んできました。そんな時、若者に絶大な人気を誇るアーティストの衣装を手掛けることに。サイズもデザインもバラバラの難しい発注でしたが、丹念にやり遂げました。本年も同じグループから注文があり、長年、地道に仕事と学会活動に挑戦してきたことが花咲いています。
吉井 秋田の華陽リーダーは銀行員です。契約社員での入社でしたが、懸命に努力し、正社員に。一昨年は、個人として社内表彰を受け、昨年はチームでも社内表彰に輝いています。
千田 岩手・二戸勇者圏の地区婦人部長は東京・荒川区の出身で、酪農農家に嫁ぎました。当初は苦労の連続でしたが、「今いる場所で勝つ!」と腹を決め、粘り強く頑張りました。その結果、昨年、岩手県代表として東北酪農青年女性酪農発表大会に出場し、優勝したのです。岩手中央酪農業協同組合の青年婦人会議委員長も務め、未入会の夫・義父も良き理解者に。娘さんも女子部本部長として活躍しています。
棚野 被災地では私たちが支援する公明党も復興に奔走(ほんそう)しています。公明党は震災からの半年で、766項目の政策提言をし、野党だった当時から政府を動かしてきました。議員歳費の削減による復興財源の充当や、二重ローン救済法を成立させ、復興庁と復興特区も創設しました。
正木 宮城県の村井嘉浩(よしひろ)知事は、被災地の問題は国任せではいけないが、地方だけでも解決できないとし、「頼りになるのが、国と地方の議員が一枚岩で被災者の支援に取り組む公明党の存在」と強調。「政党としての理念や哲学を共有しつつ議論を重ね、被災者の目線で細やかな対応を続けることが公明党の良さ」と語っています。
原田 他党にはない「チーム力」「ネットワーク力」を生かし、公明党はさらに復旧・復興に全力をあげてほしい。

(2013. 5. 6. 聖教新聞)

 

 

<32> 希望と勇気を送る前進の音律
出席者:原田会長、正木理事長、清水信越長、杉本婦人部長、木下信越男子部長、吉井女子部長

杉本 きょう9日は「音楽隊の日」です。1954年(昭和29年)5月9日、雨天の中、音楽隊は初めて出動し、広布に戦う同志を鼓舞(こぶ)しました。
正木 米アイダホ大学のガイヤ名誉教授は「宗教は、芸術や音楽を通して、その精神を人々に最良の形で伝えていくことができる」と語っています。音楽で信仰の喜びを表現する「音楽隊」は、創価グロリア吹奏楽団、関西吹奏楽団、創価ルネサンスバンガードなど、師弟共戦で日本一≠フ団体となりました。
杉本 「友を励まさずにはおかない!」との大情熱の演奏は、聞いている人の胸を熱くします。本部幹部会の中継行事では、感動で涙する同志が多くいます。
原田 法華経の会座(えざ)に登場する妙音菩薩(ぼさつ)は、苦悩渦巻く娑婆(しゃば)世界で、(たえ)なる「天の曲」を(かな)でながら、人々に限りない希望と勇気を届けます。まさに音楽隊は現代の妙音菩薩です。
吉井 このゴールデンウイークも音楽隊・鼓笛隊が各地のイベントに出演し、素晴らしい演奏に喝采(かっさい)が送られていました。
正木 ブラジル、韓国、香港など世界約30カ国・地域に広がった音楽隊の前進の音律(おんりつ)は「民衆音楽の旗手(きしゅ)」として輝いています。
原田 来春には、首都圏の音楽隊・鼓笛隊の新たな活動拠点となる「総合文化センター」が、東京・東大和市に完成の予定です。
 池田先生手作りの音楽隊・鼓笛隊が、これからも多くの人に勇気と希望を送る存在となっていくことを、願ってやみません。
木下 信越でも、音楽隊の友は活躍しています。練習、仕事、学会活動……全てをやり抜く中で(つちか)った強き信念は、社会でも光り輝いています。
 信越音楽隊書記長は、食品サンプルを製造する会社に勤務しています。グループリーダーを任されている彼は昨年、東京スカイツリーの足元に広がる商業施設への出店で大活躍。勤務する工場が社内表彰を受け、個人としても表彰されています。常に職場で高い評価を受ける彼の原動力こそ、音楽隊での薫陶(くんとう)です。

試練こそ成長の時

清水 先生は小説『新・人間革命』第26巻「奮迅(ふんじん)」の章の連載を開始してくださいました。ここでは、1978年(昭和53年)2月19日、信越広布史に輝く第1回「信越男子部幹部会」の模様も(つづ)ってくださる予定だと(うかが)っています。
木下 先生はあの日、寒風をはねのけて東京の立川文化会館に集った信越男子部に、有名なホイットマンの詩「さあ、出発しよう! 悪戦苦闘をつき抜けて! 決められた決勝点は取り消すことができないのだ」
(富田砕花訳)を贈ってくださいました。暗雲を突き抜けた、その先に、広布と人生の凱歌(がいか)は輝く!=\―これこそ、信越の永遠の指針です。
正木 大聖人は門下に対し「日蓮の弟子と名乗る人々は、一人も臆する心を起こしてはならない」(御書910n、通解)と(おお)せです。ピンチの時こそ、心が負けないことです。勇気を出すことです。大きな試練こそが、自身の成長、人間革命の時なのです。

「信心は即社会」

清水 信越の友は、師の指針を胸に人生の山坂を乗り越えてきました。35年前の幹部会で、司会を務めたメンバーの次男は今、長野第5総県で圏男子部長をしています。父たちと同じく、拡大の結果で師匠に(こた)えてこそ、信越男子部だ!≠ニ腹を決め、本年2月に弘教を達成。見事に、35周年の佳節(かせつ)荘厳(そうごん)しました。
木下 厳しい冬の間、友人のもとへ足しげく通い、御本尊流布を達成した長野第1総県の男子部本部長もいます。彼は長野県坂城町の自宅から、友人が住む新潟県上越市まで、雪道を通い続けました。
清水 「どんな悪戦苦闘も師弟の(ちから)で乗り越えてみせる!」――師から教わった信越の(たましい)が、後継の青年部に受け継がれていることがうれしくてなりません。
 35年前の幹部会で先生は戸田先生の指導を通し、「信心は(そく)社会であり、信心は即人生であるが(ゆえ)に、それぞれの分野、地域においても、事実の上でトップとしての実力、信頼、人間完成への証明をしていかなければならない」とも言われました。だからこそ、社会でも実証を示そうと、信越は奮闘してきました。
木下 8年前の入会当初は、人と話すのが苦手で、まともに相手の目を見ることさえできなかった新潟・十日町圏の男子部副部長は、周囲から「学会に入って、信じられないほど成長した」と驚かれています。
 営業の中心として奮闘してきた彼は、3月に突然、会社が倒産したにもかかわらず、その仕事ぶりを高く評価していた他社からすぐにスカウトされました。
吉井 長野第5総県の女子部本部長は水産物を扱う会社に勤務。彼女は本年3月、女性で初めて社内の重要なポストを任されました。異例の若さでの昇進でしたが、「あなたの姿から教わることが多い」と信頼され、学会理解も大きく広げています。
清水 昨年夏、池田先生は、長野研修道場での30回目の研修に出席してくださいました。「信越は人材輩出(はいしゅつ)の偉大な地涌(じゆ)の天地」との師の期待を胸に、これからも、後継の青年と(とも)に進んでいきます。
原田 広宣流布は人材育成の流れで決まります。皆が師弟共戦の心を燃やし、永遠に崩れぬ創価の人材城を築いていきたい。

(2013. 5. 9. 聖教新聞)

 

 

<33> 共感を広げる真心の友人葬
出席者:原田会長、正木理事長、平山中部長、杉本婦人部長、棚野青年部長、近松中部女子部長

原田 全国儀典(ぎてん)部長会を3月に開催し、あらためて「友人葬」の意義について、確認し合いました。
正木 友人葬は、日蓮大聖人の仏法の本義(ほんぎ)に基づいた葬儀であり、広宣流布のために戦う学会員の祈りこそが、最高の追善(ついぜん)です。
原田 儀典部の皆様の日頃の尽力のおかげで、大きな共感が広がっています。心から感謝申し上げます。
平山 形骸化(けいがいか)、商業化した葬式仏教≠ゥら脱却し、仏教本来の葬儀を目指すのが学会の友人葬です。
近松 参列した多くの友人からも「さわやかで、すがすがしい新時代にふさわしい葬儀ですね」「友人が友人を真心で(いた)(とむら)う姿に、胸を打たれました」「儀典長の言葉に感動しました。私も、友人葬で送ってもらいたい」等と、賛同の声が寄せられています。
正木 そもそも釈尊は「葬儀などの儀式は在家(ざいけ)で行いなさい。僧侶は仏道修行に専念しなさい」と遺言(ゆいごん)しています。また、御書のどこにも、大聖人が信徒の葬儀に関わられたという記述はありません。坊主が祈らなければ、地獄に()ちる≠ネどという日顕宗の脅し文句もありません。全くの邪義(じゃぎ)です。
棚野 そんな邪法の坊主に祈られたら、かえって迷惑ですよ(笑い)。
原田 私たちは、友人葬を通じ、さらに創価の宗教改革の道を堂々と進んでいきたい。ここで再度の確認となりますが、友人葬では香典は必要ありません。その場合、お清めの席への参加も控えるべきです。故人の成仏を願う真心の題目こそ、何よりの供養となります。また儀典部の方など導師への謝礼も要りません。これが学会の原則です。
正木 地域の伝統や風習もあるかと思いますので、よく相談しながら、進めていってもらいたい。
杉本 ともあれ大切なのは信心です。大聖人は最愛の家族を失った婦人に「いきてをはしき時は生の仏・今は死の仏・生死(しょうじ)ともに仏なり、即身(そくしん)成仏と(もう)す大事の法門これなり」(御書1504n)と仰せです。
棚野 池田先生は、この御文を通し、「亡くなられたご家族やご友人方も、必ずや力強い追善回向(えこう)の題目の光に赫々(かっかく)と包まれ、守られていることは、絶対に間違いありません。後継の皆様が仲良く(ほが)らかに、何ものも恐れずに勝ち進んでおられる、この晴れ姿こそ、亡き家族・亡き同志が見事に成仏なされている最大の証明なのであります」と語られました。生きている私たちが自行化他(じぎょうけた)の実践を貫き、広布に戦うことこそ、無上の追善となるのです。

平和と調和の象徴

近松 中部池田記念墓地公園の来園者が4月28日、500万人を超えました。1990年(平成2年)の開園から23年、墓地公園は、仏教の永遠の生命観に立脚した「平和」と「調和」の象徴≠ニ、地域の方々にも親しまれています。
平山 日顕宗の寺の墓地から中部墓園に改葬された方からは、「全く手入れをされていない墓地で心配だったが、これで安心です」「何もしてくれない寺に愛想が尽きた。学会にお世話になりたい」などの声が寄せられています。
原田 邪宗門と決別し、学会はいよいよ民衆仏法を本格的に世界に広める時代に入っています。正邪は厳然(げんぜん)です。池田先生と共に、御本仏の御遺命(ごゆいめい)通りの世界広布の道を、ますます元気に進んでいきたい。
 ところで先日、出席させていただいた中部の代表幹部会での活動報告には、皆が感動していましたね。
平山 愛知・渥美圏の圏女子部長の話ですね。5人きょうだいの次女として育った彼女は、一家を襲った病魔や経済苦を両親と共に乗り越え、和楽の家庭を築きました。プロ野球選手として活躍する弟と、さらに師弟の道を喜び勇んで進んでいきたいと語っていた姿には胸を打たれました。
近松 愛知・昭和勇城(ゆうじょう)区には2008年の入会以来、教育関連の企業で2年連続全国一の営業成績を上げた女子部員がいます。突如、襲ってきた大きな苦難にも信心根本に立ち向かい、勝ち越えた姿は、友の希望と輝いています。

心と心を結ぶ対話

平山 岐阜正義県の壮年本部長は33年前の入会当初、人と話すのが苦手でした。そんな自分を変えたいと信心に励み、今では、出会いは人生の宝。一瞬の出会いで人生は変わる≠ェモットーに。そうして築いた友情の絆は、日本のみならず、ネパール、ブラジル、フィリピンなど世界に広がっています。これこそ彼の信心の実証です。
杉本 古代ローマの哲学者キケロは「人生より友情を除かば、世界より太陽を除くにひとし」と語っています。まさに友情は、人生を豊かにしてくれます。
正木 大乗仏教では「四摂法(ししょうほう)」という「人への接し方」を説いています。@布施(ふせ)=思想的、精神的にも応接し、相手の不安を取り除き、勇気を与える。A愛語(あいご)=思いやり、慈悲(じひ)のある言葉で対話をする。B利行(りぎょう)=相手の利益になることをする。C同事(どうじ)=相手と一緒になって行う、です。
 学会の対話運動は、こうした他者を尊重する人間関係の構築ともいえます。
原田 ゆえに学会には無縁社会≠ニいわれる現代での活躍が期待されます。地域に友情と信頼のネットワークを広げる学会の運動は、人と人、心と心を結びます。さあ、誇り高く対話を広げていきましょう。

(2013. 5.13. 聖教新聞)

 

 

<34> 世界の同志と「大法弘通」の道を
出席者:原田会長、正木理事長、安田沖縄総県長、杉本婦人部長、伊計沖縄総県青年部長、吉井女子部長

吉井 5月19日は、創価学会の常住(じょうじゅう)御本尊が(したた)められた記念日です。1951年(昭和26年)5月3日、第2代会長に就任された戸田先生は、広宣流布の「金剛不壊(こんごうふえ)の大車軸」として、真っ先に創価学会常住御本尊の授与を請願されました。
杉本 日蓮大聖人は「日蓮がたましひをすみにそめながして・かきて(そうろう)ぞ信じさせ(たま)へ」(御書1124n)と(おお)せのように、御自身の仏の生命を御本尊として(あらわ)されました。そして全人類の成仏の道を開く「法華弘通(ぐつう)のはたじるし」(同1243n)として、御本尊を認められたのです。
吉井 学会の常住御本尊は、向かって右肩に「大法(だいほう)弘通慈折(じしゃく)広宣流布大願(だいがん)成就(じょうじゅ)」、左に「創価学会常住」と認められています。
安田 大聖人の大誓願(だいせいがん)である「大法弘通慈折広宣流布」を、仏意仏勅(ぶついぶっちょく)の創価学会が必ず成就していくことを峻厳(しゅんげん)に刻印された、まことに甚深(じんじん)脇書(わきがき)です。
原田 その通りに、学会は大聖人の御遺命(ごゆいめい)たる世界広宣流布の大願を立てて実践し、今日のように、その基盤を築いてきました。本年11月18日に完成する総本部には、この学会常住の御本尊が御安置(ごあんち)されます。
正木 戸田先生は、創価学会は「世界でただ一つ、末法の正法正義(しょうほうしょうぎ)(ひろ)めゆく折伏の団体である」と宣言されました。世界広布の本陣たる総本部の完成へ、さらなる平和と友情の拡大に打って出ていきましょう。

題目に勝る力なし

伊計 今、小説『人間革命』第2版が続々、刊行されています。64年(同39年)12月2日、池田先生は「愛する沖縄を世界一の立正安国の宝島に!」と願い、沖縄の地で、この『人間革命』の執筆を開始してくださいました。一昨年の12月2日、学会に入会した地域の有力者がいます。「心こそ大切」の仏法哲学に感銘したその壮年は、入会以来、毎月、聖教新聞の拡大を成し遂げています。家族も入会に導いた壮年は「一生涯、学会、先生と(とも)に生きていきます!」とりりしく語っていました。
原田 私も各界の識者の方と語らう機会がありますが、皆が仏法を基調とした学会と池田先生の哲学に共感を示しています。語れば語るほど、学会の正義は伝わる。これが実感です。
伊計 沖縄宮古県の県男子部長は昨年7月、交通事故に遭い、一時は意識不明の重体となりました。医師からは「社会復帰は厳しい」と言われましたが、今こそ信心で立ち上がる時と決意し、「法華経に(まさ)る兵法なし」を掲げ、必死にリハビリに挑戦。見事な友好拡大も達成し、念願の社会復帰を果たしました。
正木 題目に勝る(ちから)はありません。尽きることのない生命のエネルギーを満々と発揮できるのが題目です。その現証である信仰体験は、学会の真実を伝える最大の(ちから)となります。

恒久平和のために

安田 本年、西表島から初の創価学園生が誕生し、大きな話題となりました。実は、この時、島の同志と一緒になって喜んでくれたのが、中学校の校長先生でした。この校長には、池田先生との忘れ得ぬ出会いがあったそうです。
伊計 74年(同49年)2月、八重山諸島を初訪問した池田先生は、学会として初めての図書贈呈(ぞうてい)を西表島の中学校に行いました。実はこの時、図書を代表して授与された生徒会長が、40年近くの歳月を経て、母校の中学校の校長になっていたのです。
安田 その時の出会いを今も鮮明に覚え、誇りにしている校長先生は、大勢の人たちの前で、この出会いの様子を感動的に語り、自分の学校から創価学園生が誕生したことを、何よりの喜びとされていました。
伊計 沖縄からは今、多くの創価大学生も誕生しています。大いに学び、池田先生と共に、世界平和に貢献する人材へ成長することを願っています。
安田 5月15日は、沖縄の本土復帰の日。池田先生は復帰5年前の67年(同42年)、本土復帰を求める提言を発表されました。
杉本 提言について、琉球大学の東江康治(あがりえやすはる)名誉教授は、「空理空論ではなく、地に足のついた、しっかりした内容です。『沖縄の思い』そのものであり、池田会長は、日本を代表する『沖縄に対する良識』といえる」と評価しています。
伊計 先生の本土復帰の叫びは、沖縄の同志の大いなる(ちから)となりました。小説『新・人間革命』には、「(提言は)沖縄に何度も足を運び、その現状を見て、さまざまな人びとと対話を重ねるなかで、練り上げてきたものであった。核も、基地もない、平和で豊かな沖縄になってこそ本土復帰である――それが、沖縄の人びとの思いであり、また、伸一の信念であった」と(つづ)られています。
原田 「一番苦しんだ人が一番幸せに!」――この信念のもと、沖縄の友の幸福を祈り、世界に輝く「幸福の島」の建設のために奔走(ほんそう)されてきたのが、池田先生です。琉球大学の旗を持たれ、「恒久(こうきゅう)平和のための戦いを起こそう」と、沖縄の同志にエールを送ってくださったこともあります。
安田 「広布先駆の息吹(いぶき)となりゆけ! 全学会の推進力と立ち上がれ!」と先生は沖縄に期待を寄せられています。少子高齢化の日本で、沖縄は、子どもの数が増加し、人口も増えています。沖縄には無限の可能性がある。この確信で、青年の島♂ォ縄から、広布模範(もはん)の新たな人材の拡大をしていきます。

(2013. 5.16. 聖教新聞)

 

 

<35> 勝利こそ弟子の報恩の証し
出席者:原田会長、正木理事長、金沢総東京長、杉本婦人部長、橋元男子部長、長田総東京女子部長

杉本 今、小説『新・人間革命』「奮迅(ふんじん)」の章では、広布第2章の「支部制」のスタートについて、(えが)かれています。
金沢 この広布第2章に入って、池田先生がまず取り組まれたこと。それは、強固な「本陣・東京」の構築でした。
長田 はい。今からちょうど40年前のことです。その模様は、小説『新・人間革命』第17巻「本陣」の章に詳しく書かれています。
金沢 東京各区での記念撮影や、兄弟会の結成、友の激励など、先生は、広布第2章という大切な佳節(かせつ)の開幕にあたり、東京を戦いの舞台にされました。
正木 先生は(つづ)られました。「『広布第二章』とは、仏法を基調とした本格的な社会建設の時代の開幕であり、『新しき開拓』を意味する。開拓とは、新たなる挑戦であり、死闘によってのみ切り開くことができる(いばら)の道である。これまでと同じ考えで行動をしていたのでは、開拓など、できようはずがない。それは(すで)惰性(だせい)であり、戦わずして敗れていることになる」
金沢 まさしく、新たな開拓の(はん)を、先生は東京で示されたのです。「本陣が堅固(けんご)であれば、広宣流布の勝利は開ける!」――これこそ、40年たった今も変わらない大東京の使命です。
橋元 勝ってこそ真の弟子。勝利こそ師匠への報恩(ほうおん)(あか)しです。青年部は戦いの先頭に立ち、突破口を開いていきます。
原田 御聖訓には「今まで生きて()りつるは()の事にあはん(ため)なりけり」(御書1451n)とあります。本陣は勝ってこそ本陣です。総本部が完成する東京に、断じて勝利の旗を打ち立てましょう。

政治を庶民の手に

杉本 さて、東京都議会議員選挙が近づいてきました(6月14日告示、23日投票)。学会は、58年前の1955年(昭和30年)4月、都議選を含む統一地方選挙から、政治を庶民の手に取り戻す戦いを始めました。
原田 都議会公明党は、庶民の熱誠(ねっせい)に応え、多くの実績を残してきました。まず、何といっても、都政の浄化です。かつての都議会は、「なれ合い」と「金権」が横行。65年には、議長選を巡る贈収賄事件で逮捕者が出るなど、都議会は腐敗(ふはい)堕落(だらく)していました。そこで、都民のため、生活者のための政治の実現へ、立ち上がったのが公明党でした。
正木 公明党は直ちに議会を解散し、都政を刷新するよう求めました。しかし、保身に躍起な他党議員は、聞く耳を持ちませんでした。それでも、都民からの信頼を回復し、クリーンな都政を実現するため、公明議員は一歩も引きませんでした。その結果、最終的に都議会は解散し、出直し選挙が行われたのです。今も都議選が、統一地方選とは違う時期に行われているのは、この理由からです。
長田 庶民のための政治の実現。口で言うのは簡単ですが、本当に実行してきたのは公明党だけです。
 隅田川し尿不法投棄の問題、児童手当の制定、老人医療費の負担軽減、小・中学校の完全給食など、「現場第一主義」を貫く公明党は、都民の生活に役立つ実績を多く積んできました。
原田 政治家は国民の公僕(こうぼく)です。国民のために働くのが政治家の使命です。
橋元 その通りです。先日も、公明党の実績の一つである東京都職員の通勤定期代削減について、私の友人が言っていました。
 かつて都職員の定期代は、1カ月単位で支給されていました。それを公明党は6カ月単位に変更し、年間約34億円も節約したのです。「どの会社もしている当たり前のことじゃないか。今までなぜ、誰も手を付けなかったのか。公明党はさらに庶民感覚の政治を実現してもらいたい」と。

立党精神の堅持を

正木 政治は結果です。誰が庶民のために働いているのか。私たちは、それをしっかり見ていきたい。
 公明党は喫緊(きっきん)の課題である景気・経済にも全力で取り組んでいます。たとえば、特別借換(かりかえ)制度を創設し、中小企業の資金繰りを支援。就職支援のためのセンターを開設し、延べ100万人が利用、8万人超の就職をサポートしました。
長田 東京23区では、公立の小・中学校の普通教室の冷房を完備。子どもの医療費も中学3年生まで完全無料化しています。都営バスのノンステップ化も100%実現しました。
杉本 最近、都内の駅では、ホームドアを、よく見掛けるようになりました。あれも、公明党の実績です。転落防止に効果的と評判で、今後さらに拡充される予定だそうです。
金沢 また、財政の「見える化」によって判明した約1兆円の隠れ借金≠、わずか2年でほぼ解消。活用できる基金≠1兆円も積み増しし、東日本大震災後の緊急の財政需要にも即応できました。
正木 都の外郭団体の数を半減させ、都の職員数もピーク時の4分の3にまで減らすなど、都庁のスリム化も進めています。
長田 元東京都副知事の青山?(やすし)・明治大学大学院教授は、「いまや日本で、一人ひとりの人間に根ざして政策をつくっていく政党は、公明党しかない」と評価しています。
原田 公明党は、「大衆とともに」との立党精神を片時も忘れることなく、さらに改革を断行してもらいたい。それでこそ、私たちは胸を張って支援できる。

(2013. 5.20. 聖教新聞)

 

 

<36> 会場提供者の真心に深く感謝
出席者:原田会長、正木理事長、金沢総東京長、杉本婦人部長、橋元男子部長、長田総東京女子部長

原田 広布の会場は、地域の宝城(ほうじょう)です。日頃、お世話になっている提供者の皆さまに、この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。
橋元 牧口先生も戸田先生も、そして池田先生も、広布の会場の提供者でした。だからこそ、その労苦(ろうく)に深く感謝し、たたえておられます。
杉本 池田先生は、「会場として使用される同志の家は、仏道修行の宝処(ほうしょ)であり、人材育成の道場である。地域広布の灯台であり、民衆勝利の(だい)宝城(ほうじょう)である」と(つづ)られています。
正木 皆が勢いよく前進している時だからこそ、リーダーは、いつも(かげ)で支えてくださっている方々への細かな配慮を忘れてはいけません。
原田 ここで具体的に確認しておきたい。
 まず、会場提供者に礼を尽くし、会合の終了時間は厳守して、清潔な使用、電気・水道などの節約を心掛けたい。
 また、近隣の迷惑にならないよう、唱題の声にも十分注意したい。この点は、会場だけでなく、各人の自宅でも、時間等を考え、隣家への配慮を忘れないようにしたい。
正木 さらに、会場の周辺では、私語を慎むことです。もちろん、喫煙で迷惑を掛けるようなことがあってもいけません。路上駐車や駐輪のマナーについても、気をつけたいと思います。
杉本 日蓮大聖人は、「教主(きょうしゅ)釈尊の出世(しゅっせ)本懐(ほんかい)は人の振舞(ふるまい)にて(そうらい)けるぞ」(御書1174n)と(おお)せです。忙しい日々ですが、常識豊かな行動で、聡明に友好の輪を広げていきましょう。

近隣に信頼と友好

金沢 さて今、東京では、目黒区、世田谷区、荒川区、豊島区、町田市を先頭に、全力の戦いが続いています。
長田 足立区、墨田区、中野区、新宿区、大田区をはじめ、各区の友も、「新たな人間革命の歴史」を綴ろうと、奮闘しています。
金沢 目黒総区の地区幹事は、区営住宅に住んで43年。面倒見の良さは抜群で、「困っていることを解決してくれる人」と評判です。30年以上にわたって消防団員を務めるなど、街の発展のために黙々と働いてきました。本年は、自治会長にも就任。地域の大半の方々が学会の理解者にもなっています。
杉本 足立総区の婦人部副本部長は、12年前から町会役員を任されています。30年前に引っ越してきた当初、地縁の色濃い地域には、学会への偏見(へんけん)がありました。しかし、彼女が喜び勇んで街のために献身する振る舞いに、皆の心が変化。今では、神社の氏子(うじこ)総代も良き理解者となり、副本部長のご主人も一緒に町会役員を務めています。
原田 仏法は(そく)社会です。学会員の笑顔がはじければ、地域は明るくなります。妙法が栄えれば、地域も繁栄します。近隣の方々と、信頼、友好を結び、地域と一体で発展するなかに、広宣流布の確かな前進があります。これからも、わが地域を「和楽(わらく)の町」「繁栄の(みやこ)」にと祈り、行動していきましょう。
橋元 世田谷総区には、視覚障がいを抱えながらも、明るく友好拡大に取り組むニュー・リーダーがいます。時に同志の協力を得つつも、前向きに歩む姿は、多くの友に勇気を送っています。新たな仕事も決まり、報恩感謝の心で、断じて勝利の人生を歩み抜こうと決意しています。
長田 中野総区の女子部部長は仕事が忙しく、思うように学会活動の時間がとれません。しかし、お父さまを亡くした彼女を見守り(はぐく)んでくれた学会家族への感謝から、一歩も引かずに挑戦を重ねています。往復3時間の通勤を利用し激励のメールを送り、休日に部活を開催。御書を通しての励ましに、活動者が増加しています。

自身の歴史を綴れ

金沢 先生はかつて、四つの御文を通じ、東京の勝利の要諦(ようてい)を示されました。
 第一に、「()れ仏法と申すは勝負をさきとし」(同1165n)を拝し、必ず勝つと決めた弟子が勝つということ。第二に、「月月・日日につより給へ」(同1190n)の精神を忘れることなく、(たゆ)みなき前進と、恐れなき勇猛心(ゆうみょうしん)が大切であること。
橋元 さらに第三に、「声仏事(ぶつじ)()す」(同708n)であり、声を出すことが、善縁(ぜんえん)の拡大であること。
 そして最後に、「教(いよい)(じつ)なれば(くらい)弥よ(くだ)れり」(同339n)を通し、妙法という最極(さいごく)の法は絶対の真実であり、いかなる人も救い、絶対の幸福境涯(きょうがい)に導くことを強調されたのです。
長田 さらに、東京への万感の思いをも綴ってくださっています。
 「東京が勝てば、それは皆の勝利だ! 私の勝利だ! ゆえに東京は断じて勝たねばならない。勝つことが東京の使命であり、宿命であり、責任なのだ。さあ、我らの本陣・大東京の友よ! 断固として戦い、勝ち抜け! 自身の偉大なる歴史を綴れ!」
杉本 創価の正義を烈々と叫ばれた、(ほのお)の東京大会が開かれたのは7月12日です。この日は、池田先生の香峯子夫人の入信記念日でもあり、「総東京婦人部 幸福・勝利の日」です。婦人部は、この日を目指し、鉄の団結で、必ずや師弟完勝の旗を打ち立ててまいります。
正木 全ては信心の戦いです。朗々(ろうろう)たる題目で、満々たる仏の生命を湧き立たせて、師子の心で前進したい。
原田 未来永遠にわたる、師弟勝利の本陣・大東京の建設へ、一丸(いちがん)となって進んでいこう。

(2013. 5.23. 聖教新聞)

 

 

<37> 「新・人間革命」を前進の力に
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

正木 2013年「総本部」完成の年を勝利で飾ろうと、全国の同志が対話拡大に奔走(ほんそう)しています。大切な時だからこそ、確認しておきたいことがあります。
 それは、聖教新聞に連載中の『新・人間革命』にこそ、勝利の要諦(ようてい)が示されているということです。
吉井 はい。日々、聖教新聞を読むなかで、その思いを強くしています。
原田 池田先生は、「会えない全国の会員と対話する思いで書いている」と、執筆の心境を述べられています。たとえ、小説の舞台が三十数年前であっても、そこに示されている指導原理は、ことごとく現在の私たちの信仰の(かて)となり、未来への指標となります。
杉本 「勇将(ゆうしょう)」の章では、会合について、具体的に書かれていました。
 「会合では、何を打ち出すのかという、テーマを明確にしていくことが大切です。参加者が、いろいろな話があったけど、何をすればいいのかわからない≠ニ思うようでは失敗です。たとえば、弘教(ぐきょう)拡大≠ニ機関紙の購読推進≠打ち出すとするなら、『これから行うことは、この二つです』と、明快に言うことです。あれもやろう、これもやろうと並べ立て、十も二十にもなってしまえば、結果的に、何も示さなかったのと変わりありません。(まと)を絞ることです。
正木 リーダーが心すべき指導です。会員の皆さんは、時間をこじあけ、真剣な思いで会合に集ってくださいます。だからこそ、幹部は事前に話す内容をよく考え、会合に(のぞ)まなければなりません。綿密に打ち合わせをし、「会合の(はしら)」をはっきりと伝えなければいけません。
杉本 よし! 今日から、○○に取り組もう!≠ニ、皆が決意できる会合を開いていくことですね。
吉井 先生は、さらに指導されています。
 「幹部が同じ話にならないように、ある人は体験を通し、ある人は御書を(はい)して、なんのための活動か∞なぜ、そうするのか≠訴えていくんです。幹部は、納得と感動を与えていくことです。それには、自分が活動の意味をよく理解し、さあ、やるぞ! 率先垂範(そっせんすいはん)だ≠ニいう気迫に満ちていなければなりません」
原田 御書や体験を通し、納得と感動を与える。これは、幹部自身が行学(ぎょうがく)の実践に打ち込んでいなければ、できません。(みずか)ら率先して学び、実践する。これこそリーダーの要件です。

「小事」の積み重ね

吉井 また、先生は「奮迅(ふんじん)」の章で、次のようにも(つづ)られています。
 「物事を進めるには、大綱が決まったら、一つ一つの事柄に対して、いつ、どこで、誰が、何を行うのかなどを、具体的に検討していくことが肝要である。活動の推進にあたって、あいまいさを残しておけば、そこから破綻が生じてしまう。こまやかな漏れのない対応、小事(しょうじ)の完璧な積み重ねのなかに、計画の成就(じょうじゅ)があるのだ」
杉本 毎週の地区協議会では、こうした具体的な協議が極めて重要です。たとえば、皆を励ますために、一人一人がどう動くのかなど予定を明確にすることです。そして、次の協議会で、その結果を確認する。そうした地道な積み重ねが、確かな広布の前進となります。
棚野 ともあれ、本年は、『新・人間革命』の連載開始から20年。「大切な同志の一人一人に捧げる思いで、また二百年後、三百年後の地涌(じゆ)の友に贈る思いで、懸命に書き続けている」との師の(たましい)がみなぎる小説です。
橋元 「今回の戦いは、『新・人間革命』と(とも)に勝った!」――皆が、そう胸を張って言えるような、痛快な勝利劇を綴っていきましょう。

クールビズを励行

原田 さて、先日、政府は、今夏の節電、省エネについて、具体的な数値目標は設定しないものの、「できる限りの節電をお願いしたい」と述べていました。これに伴い、学会としても引き続き、各会館における節電を行っていきます。
棚野 特に本年は、電力の使用がピークに達する会合の時間を意識した取り組みに重点を置いています。
橋元 具体的には、会場の大きさに応じて、会合開始の30分〜2時間前を目途に、半分程度の空調を稼働させる「半開(はんかい)事前運転」です。これは、いわゆるピークカット≠ノ大きな効果があるとされています。
正木 そうです。役員の皆さまには大変に苦労を掛けますが、よろしくお願いします。
橋元 それとともに、会議室、玄関、廊下などでは、できる限り室温を28度程度にすることも呼び掛けています。
棚野 もちろん、過度に節電を意識して、事故や病気があってはいけませんので、可能な範囲で推進していただければと思います。
杉本 照明についても、必要のない電気は点灯せず、使用していない部屋の電気もこまめに消灯するなどし、電力の消費を削減していきましょう。
正木 ノーネクタイや上着なしで過ごす夏の軽装「クールビズ」を学会としても励行しています。これも、節電対策の一環です。
原田 ともかく、「心にふかき・えうじん(用心)あるべし」(御書1176n)です。信心をしているからこそ、聡明な振る舞いが大切になります。小事が大事と肝に銘じ、豊かな知恵と堅実な行動で、充実の毎日を進んでいきましょう。

(2013. 5.27. 聖教新聞)

 

 

<38> 対話の大精神を今こそ継承
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

原田 本年は、池田先生とトインビー博士との2度目の対談から40年。20世紀最大の歴史家との(たましい)の対話によって広がった世界の識者との対談集は今、60点を超えています。しかも、その多くが世界各国の言語に翻訳されています。
吉井 現在、海外の42言語で先生の著作が発刊され、その数は1400点を超えています。
棚野 出版不況といわれる時代にあって、快挙ではないでしょうか。まさに、世界に(さん)たる偉業です。
橋元 最近、翻訳された言語だけでも、ウクライナ語、マレー語、ギリシャ語、ルーマニア語、マケドニア語などがあります。いかに、先生の思想と哲学が、世界中から求められているかを物語っています。
杉本 たとえば、インドのナラヤナン元大統領は、自身のスピーチについてSGI(創価学会インタナショナル)会長の著作からアイデアを引き出している≠ニ語っていました。
吉井 南アフリカのマンデラ元大統領が、獄中生活の中で先生のエッセーを読み、啓発を受けていたことも有名な話です。

友情と平和の連帯

杉本 聖教新聞でも報道されていましたが、先日、南米アルゼンチンでスペイン語圏最大の本の見本市である「ブエノスアイレス国際ブックフェア」が開かれ、池田先生の著作が紹介されました。
吉井 ここでは、ノーベル平和賞受賞者のエスキベル博士との対談集『希望の(ちから)』(邦題『人権の世紀へのメッセージ』)が取り上げられました。
橋元 エスキベル博士は、アルゼンチンの軍事政権に対して、命を()して戦った「人権の闘士」です。
棚野 博士は1995年(平成7年)、池田先生との初の出会いの折も、「私は以前からSGI会長の著作を読み、お目にかかるのを楽しみにしていました」と語っていました。
吉井 ブックフェアには、その博士が(みずか)ら会場に足を運び、先生との思い出を述懐(じゅっかい)されていました。いわく、「池田博士がどれほど偉大な人物かを知るには一度お会いするだけで十分でした」「私の人生の師匠は池田博士です」と。
原田 博士の言葉は、先生が対話によって、世界に友情と平和の連帯を広げてきた証左(しょうさ)です。弟子の私たちは、その対話の大精神を受け継いでいきたい。
正木 エスキベル博士の信念の叫びに、こうあります。「青年よ、傍観者になるな! 参加者になれ。人生のドラマの主体者になれ。そして歴史の主役になれ。不正を見抜く批判力をもて。動き、そして人々と連帯せよ」
棚野 青年部は、創価の真実を大いに語り、日本中に正義の連帯を広げていきます。

百人が一歩の前進

原田 ライフスタイルの多様化に伴い、生活の時間帯も変化し、会合に参加したくてもできないという方の声を聞きます。多忙な活動の中だからこそ、リーダーは、そうした方々への配慮を忘れてはいけません。
正木 池田先生は先日も、「水面だけが波立っているのを見て、全体が動いていると錯覚」してはいけないと戒められ、「組織の最前線の一人ひとりが自覚を新たにして、行動を起こしてこそ、本当の広宣流布の前進がある」と強調されています。
棚野 「一人が百歩前進するよりも、百人が一歩前進を!」――かつて先生が言われたように、一人一人の「使命の人材」が総立ちになってこそ、新たな勝利は開かれます。最も重要なのは、最前線の同志の活力です。そのためにも、リーダーはメンバーのもとへ小まめに通い、話をよく聞くことです。
杉本 たとえば、高齢の方で、なかなか会合に出られない人もいます。また、病気や仕事など、さまざまな理由から、会合に参加できない人もいます。そうした人たちの中には、苦難に直面している方もいるかもしれません。その人たちにとって、話のできる相手がいることは、どれだけの力になるか。
正木 だからこそ、会合に参加できない人に、いかにして会って励ましを送り、新たな決意で立ち上がってもらうか――ここに、リーダーは力を注いでもらいたい。眼前(がんぜん)の一人を励ます以外に、広布の前進はないからです。
橋元 たしかに、じっくり懇談すると、会合に出席できないメンバーの中にも、新たな人材がいる≠ニ実感することが多くあります。
杉本 御金言には、「大海の一滴(いってき)の水には、そこに流れ込む一切の川の水が(おさ)まっている」(御書944n、趣意)とあります。「一人」が大切です。悩める一人に光を当て、全魂(ぜんこん)で激励し抜いていく。これこそが、脈々と受け継がれてきた学会精神です。
原田 大勢の前で話すことが、リーダーの役割ではありません。「一人」のために(てっ)して祈り、行動してこそ、真のリーダーです。
正木 ともあれ、広宣流布は総力戦です。副役職の友をはじめ、皆の(ちから)を結集したところが勝ちます。正義の民衆の連帯ほど偉大なものはないからです。時代を動かす力は、こうした強い(きずな)にあるのです。
原田 創価の連帯の拡大は、信頼と友情の拡大です。世界の平和と社会の繁栄のためには、この善の連帯を広げるしかありません。仲良く朗らかに堂々と前進し、心通う友好の対話を大きく広げていこうではありませんか!

(2013. 5.30. 聖教新聞)

 

 

<39> 女子部は一人ももれなく幸福に
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

吉井 4年前の6月4日、池田先生・奥様は、全女子部員の願いに応え、創価女子会館を初めて訪問してくださいました。その日の感動は、今も忘れることができません。
杉本 この日は現在、「世界池田華陽会(かようかい)の日」となり、世界中の女子部が、師弟不二の信心を確認する原点の日となっています。
原田 先生は当日、「女子部 永遠の五指針(ししん)」――「(ほが)らかな幸福の太陽たれ」「世界一の生命哲学を学ぶ」「何があっても負けない青春」「正義と友情の(はな)の対話を」「永遠に師弟勝利の(もん)を開く」を発表されました。
正木 そしてまた、題目について、「朗々(ろうろう)と、伸び伸びと、前へ前へ、水が流れていくような題目こそ、『勝利のリズム』である。白馬(はくば)が大草原を走っていくような、清々(すがすが)しい音律(おんりつ)が大事である」と具体的に指導されました。
 さらに、「女子(おなご)は門をひら(開)く」(御書1566n)の一節を通し、広宣流布の「希望の門」を開く女子部の皆さんの活躍を祈ってくださったのです。
吉井 先生の深い慈愛(じあい)に、皆が新たな決意で立ち上がった瞬間でした。
正木 2008年3月16日「広宣流布記念の日」50周年の佳節(かせつ)には「池田華陽会」が結成。同年9月には、SGI(創価学会インタナショナル)の国々も加わり、世界池田華陽会となりました。
吉井 日本では、本年の3月に6期生が誕生。一人一人が師に立てた誓いを果たして、学会創立100周年を迎えていきます。

人生の基礎を作る

原田 華陽会は1952年(昭和27年)10月21日、戸田先生のもとで結成された女子部の人材グループです。名称には、「華のように美しく、太陽に誇り高くあれ」との願いが込められています。
杉本 戸田先生はこの日、「愛と慈悲の違い」や「結婚」などについて、参加者の率直な質問に答えられながら指導されました。
正木 その後は、『二都(にと)物語』や『若草(わかくさ)物語』『小公子(しょうこうし)』などの小説を題材にして、人生、生活、経済、思想、文化などの多岐にわたる問題について、語らいました。女子部員にとって、仏法の視座(しざ)から語る戸田先生の言葉は、妙法流布に生きる誉れと誇りを、あらためて喚起するものとなりました。
原田 戸田先生の逝去後は、池田先生が華陽会を薫陶(くんとう)されます。まさに華陽会には、師弟の(たましい)が深く打ち込まれているのです。
杉本 その名を(かん)した「池田華陽会」の前進を、誰よりも喜ばれ、見守ってくださっているのが、池田先生です。池田華陽会歌「華陽の誓い」も、師弟の合作により生まれた曲です。
棚野 先日の本部幹部会でも、先生は、「女子部時代の信心修行は 長き人生の (さち)の 完全なる基礎(きそ)作りである」との揮毫(きごう)を紹介してくださいました。
吉井 今、この指針を心に刻み、皆で前進しています。「女子部は、一人ももれなく幸福に!」――師の期待を深く抱きしめ、一日一日、勝利の青春を歩んでいきます。

他党にはない原点

橋元 さて、東京都議選が間近(まぢか)に迫りました。「一人の声を実現してきた」公明党には、都議会でも、たくさんの実績があります。
棚野 そうです。たとえば、目黒区の都議会議員は、一人の「内部障がい」を抱える方との出会いから行動を開始しました。
杉本 「内部障がい」とは、外見は健常者と変わらないにもかかわらず、身体の内部に障がいがあることをいいます。
橋元 その方は、電車などで優先席に座ろうとすると、周囲から白い目で見られたり、障がい者用の駐車スペースに止めにくいなどの悩みがありました。
棚野 その声を聞いた都議はすぐに、「ハート・プラスマーク」と呼ばれる、内部障がい者のための「マーク」の普及に奔走(ほんそう)。初めは、冷ややかな態度を取っていた都政も、都議の真剣な訴えに耳を傾けるようになり、今では、都庁舎や目黒区庁舎などで「マーク」が掲示されるようになりました。
橋元 世田谷区では、都民の熱願だった、小田急線の開かずの踏切≠ェ、都議の尽力により、全て解消されました。計画から30年以上。頓挫(とんざ)しかかっていた事業でしたが、都民のために絶対に実現せねばならない!≠ニの都議の執念が実を結び、今春、念願の完成となりました。さらに、京王線の区内23カ所の踏切の解消へ動き出しています。
正木 世田谷区ではまた、産後4カ月未満の子育てをサポートする、全国初の「産後ケアセンター」の開設を主導した都議もいます。「専門職によるサポートが欲しい!」との切実な声を現実にした政策には、政府も注目し、来年度からモデル事業がスタートします。その模様は、5月26日付の読売新聞の1面トップでも報道されました。
棚野 他にも、荒川区の防災対策、豊島区の防犯対策、町田市のがん対策など、都民の要望を真摯(しんし)に受け止め、政策として実現した都議の話を多く聞きます。
橋元 それでこそ、公明党です。私たちも支援のしがいがあります。
原田 一人の声から政治を変える――これが、他党にはない公明党の歴史、原点です。これからも、公明党議員は、庶民の生活を守るため、改革の先頭を走り抜いてもらいたい。

(2013. 6. 3. 聖教新聞)

 

 

<40> 未来担う鳳雛と共に成長!
出席者:原田会長、正木理事長、杉本婦人部長、棚野青年部長、橋元男子部長、吉井女子部長

橋元 今月7日は、高等部の結成記念日です。「10代、20代は、堅固(けんご)な人生の土台を築く時」と、よくいわれますが、今、その言葉の重みを深く実感しています。
吉井 堅固な人生の土台を築くとは、高等部の皆さんでいえば、たとえば、勉強やクラブ活動、読書など、目の前の課題に全力で取り組むことですね。
橋元 その目標に向かって、どれだけ努力ができるか。(あきら)めずに挑戦を続けられるか。自分に負けないでいられるか――そうした訓練が、その後の人生を大きく左右します。
正木 池田先生は高等部の結成式で語られました。「世界の指導者を見ると、多くは、十代、二十代で、人生の哲学、思想、信念をもち、それを貫いて、三十代、四十代で、偉大な仕事を成し遂げております。青春時代に、生き方の骨格をつくり、さらに完成させていくところに、確かな人生の道があります。その意味から、諸君も、信心に励み、題目を唱えきって、最高の生命の哲学である仏法を、人生の根本の思想にしていっていただきたい」
杉本 学会の未来は、後継の人材の存在に、かかっています。私たちは(とも)に成長する≠ニの心で、育成の聖業(せいぎょう)にあたっていきましょう。
原田 1966年(昭和41年)1月、全国高等部員会に出席された先生は、高等部員の要望に応じて、汗だくになりながら、何曲も学会歌の指揮を執られました。「何でもやります!」と言われる姿に、後継者育成にかける先生の気迫を学びました。私たちも、この先生の心をわが心にして、鳳雛(ほうすう)たちの成長のために、全力をあげていきたい。

何としても幸せに

杉本 6月10日は、「婦人部の日」です。
正木 戸田先生が会長に就任され、まず結成されたのが婦人部でした。
原田 そこには、戦争によって、最も過酷な運命を強いられた婦人たちに、「何としても幸せになってもらいたい!」との戸田先生の願いが込められていました。
棚野 結成式では、家庭の問題や子どもの病気など、生活に直結した身近な質問に答えられながら、婦人部の皆さんの苦悩の打開へ、真剣に励まされます。
吉井 そして、テーブルの中央にあった、大輪(たいりん)の白ゆりの花を見ながら、記念の和歌を贈られたのです。
「白ゆりの/香りも高き/集いかな/心の清き/友どちなれば」
正木 日蓮大聖人は、厳然(げんぜん)と宣言されています。「日本国の一切(いっさい)女人(にょにん)(たす)けんと(がん)せる(こころざし)は・すてがたかるべし」(御書1313n)と。
原田 女性が幸福になってこそ、家庭も地域も社会も明るくなります。創価学会は、永遠に、女性が生きる喜びに包まれ、輝いていくための団体です。
杉本 池田先生・奥様と共に、「歴史を開く 幸福勝利月間」を大前進していきます。

庶民のために奔走

吉井 前回の座談会でも話題になりましたが、東京都議選が近づいています。
棚野 庶民のために奔走(ほんそう)する公明党は、足立区、墨田区、中野区、新宿区、大田区などでも、都民に誇る多くの実績があります。
橋元 だからこそ、公明党には、識者も大きな期待を寄せています。
原田 その第一の理由が、政策を真ん中に軌道修正させる「バランサーとしての役割」です。バランサーを果たす政党の存在によって、より多くの民意を吸い上げられる=i姜尚中(カンサンジュン)氏)と言われる通り、公明党は、今の政治に絶対不可欠な存在となっています。
正木 第二に、チーム力への期待です。地方議員の数が最も多い公明党は、市区町村から都道府県、国会議員までの3000人が一丸(いちがん)となって働きます。公明党はチームワークで大きな実績を上げている=i森田実氏)と言われる通り、網の目のように張り巡らされたネットワークにより、他党にはまねできない政策を実現しています。
棚野 第三に、生活者のための政治を断行できることです。何といっても議員が庶民目線=i田原総一朗氏)と言われる通り、しがらみのない公明党は、真っすぐに庶民の声を受け止め、政治に反映できます。
橋元 そうです。公明党は、政治の原点である人々の命と暮らしを守るため、防災や医療でも、数々の政策を実現してきました。
棚野 東京では、震災時の応急活動や避難に必要な、都内の緊急輸送道路などに架かる橋の7割超を耐震化。3年後には、ほぼ完了する予定です。
吉井 全国で初めて、帰宅困難者対策条例も制定。さらに、防災には女性の視点が重要との観点から、都防災会議への女性委員の登用も進めています。
杉本 都立病院に高度ながん医療を導入し、小児医療の充実も図っています。
正木 一時の風や人気に左右されることなく、どの党の議員が、私たちのために真剣に働いているのか。有権者は、見抜かなければならない。特に、生活に密着した地方議会の場合は、なおさらです。
原田 都議会公明党は、これまでの豊富な実績と、命と暮らしを守る公約を大いに語り、都民が望む正しい政治の実現へ、さらに全魂(ぜんこん)を注いでもらいたい。

(2013. 6. 6. 聖教新聞)