< 座談会 >

創立90周年を勝ち開く!

 


 

 

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わが地域に 日本一の男子部を
一人ももれなく「幸福の太陽」に
「広宣拡大の勇者」「地涌の旗頭」
芸術が「結合の心」を育む
一人の本物の弟子が広布を実現
創価の師弟の祈りは必ず成就
学会は永遠に大聖人直結
師の行動から学び実践を
賢明な生活で健康、充実の日々
伸びゆく宝の人材に励ましを

 

 

 

 

<81> わが地域に 日本一の男子部を
出席者:原田会長、長谷川理事長、志賀青年部長、西方男子部長、中原男子部大学校事務局長

 中原 3年ぶり3度目の箱根駅伝本戦への出場を決めた、創価大学の快走に胸が躍りました。
 長谷川 チームとして初めて出場したのが2015年。1月2・3日にまた、創大生の姿が見られると思うと感無量です。
 原田 さらなる前進≠誓う創大生たちの奮闘を力強く応援していきたい。
 志賀 一方、全日本吹奏楽コンクールでは、「創価グロリア吹奏楽団」が2年連続の日本一≠ニなる金賞に輝きました。
 原田 これで13度目の栄冠です。学業や仕事をやり繰りしながらの創価の青年の躍動に、全国の同志が勇気をもらっています。

大学校生と絆強く

 西方 男子部では今、明年の7・11「男子部結成記念日」を目指し、全国で「3万世帯の弘教(ぐきょう)」を目標に、拡大に全力を挙げています。グロリア≠フメンバーの多くも拡大に先駆(せんく)しています。
 長谷川 小説『新・人間革命』第25巻「福光(ふっこう)」の章で、池田先生は、「学会の後継者(こうけいしゃ)として、青年時代に必ず身につけてほしいのは折伏(しゃくぶく)(りょく)だ。創価学会は、日蓮大聖人の御遺命(ごゆいめい)である広宣流布を実現するために出現した折伏の団体だもの。その後継者である青年たちが、弘教(ぐきょう)(だい)闘士(とうし)に育たなければ、学会の未来は開けない」と言われています。
 中原 男子部が命に刻む指針(ししん)です。
 原田 本年夏の青年部最高協議会に寄せたメッセージの中でも先生は、青年門下の南条時光に示された、「ただ(ほう)っておきなさい。梵天(ぼんてん)帝釈(たいしゃく)等のお(はか)らいとして日本国の人々が一度に信ずることがあるだろう。その時、私も、もとから信じていた、信じていた、という人が多くいるだろうと思われる」(御書1539ページ、通解)との御聖訓(ごせいくん)(はい)し、指導されました。「この『広宣流布は必ず成就(じょうじゅ)する』との()断言(だんげん)具現化(ぐげんか)していく地涌(じゆ)の指導者こそ、今の青年部である」と。
 長谷川 そのためにも、まず眼前(がんぜん)の一人の青年と語らい、(はげ)ますことです。勇気と希望を贈ることです。そして、魅力と活力(あふ)れる人材の城を築くことです。
 原田 先生は、忍耐(にんたい)強く下種(げしゅ)した人々が「私も、もとから信じていた、信じていた」と立ち上がる時代の到来を確信し、異体同心(いたいどうしん)の団結で創価の未来を赫々(かっかく)と照らしてほしいと、青年部に期待されています。師の思いに(こた)える弟子へ、ともどもに成長していきたい。
 西方 11月からは、全国の各方面で男子部大会を開催します。この日を目指し、大学校生を先頭に、折伏(しゃくぶく)の上げ潮を起こしていく決意です。
 志賀 大学校生が活躍している地域には、常に感動が生まれます。台風19号で被災した岩手県釜石市での、男子部「かたし隊」は、参加者の半数以上が大学校の1・2期生でした。
 原田 そうした新しいメンバーが他者のために献身(けんしん)的に行動していることを、多くの方が感嘆(かんたん)と感謝のまなざしで見つめています。
 西方 本年、大学校を卒業した1期生の多くが、創価班・牙城会の新時代1期生として活動しています。上半期の対話拡大の戦いにおいても、新しい力≠ニして各地で旋風(せんぷう)を起こしてくれました。
 中原 大学校2期生も奮闘しています。埼玉・川越のあるメンバーは病気のため、10年前まで家族とも離れ、引きこもっていました。4年前に、いとこの情熱に心を打たれて入会。男子部の先輩から、「自分はこうなりたい!」と具体的に祈っていこうと励まされ、就労支援の事業所に通うようになりました。
 志賀 本年4月には、35人もの友人や知人に真心の対話≠広げ、5月には人生初の御本尊流布を成就(じょうじゅ)。信心を始めて、大きく変わっていく息子の姿を見てきたお母さんも感動されているそうです。
 中原 大学校では現在、「家勤(いえごん)運動」と(しょう)し、大学校生と勝利長らが、日常的に自宅や会館で一緒に勤行・唱題を行うようにしています。共に祈り、共に行動していく中に、勝利の(かぎ)があると確信しています。
 原田 学会がここまで発展してきたのは、何よりも一人を大切にし、一対一の(きずな)を強めてきたからです。「人間の発心(ほっしん)(うなが)すものは、大きな会合よりも、むしろ、一対一の対話である」――小説『新・人間革命』第12巻「新緑(しんりょく)」の章に書かれている通りです。

小単位会合が大切

 西方 男子部ではまた、「部活・本部活」などの小単位の会合の定期開催と充実にも力を入れています。
 志賀 男子部が発展するために最も大切なことは、小単位の会合に主体的に参加するメンバーの増加です。そこで男子部では、「広布十傑(じゅっけつ)」運動と名付け、徹底した訪問・激励を通し、部や本部で10人の「本物の弟子」の誕生を目指しています。
 西方 10月22日付の聖教新聞では、その模範(もはん)として、部の活動者会に10人の友が(つど)う、大阪・交野の星田大桜部の活動の模様が紹介されました。
 長谷川 「男子部の日」として今も輝く「11・5」は、池田先生が弟子として戸田先生に(ちか)った「10万人の男子部の結集」(1961年)に淵源(えんげん)があります。
 原田 私もその場にいた一人です。この時の会合の模様を伝える聖教新聞の見出しは「世界広布への(だい)宣言(せんげん)」でした。つまり「10万人の大結集」が(そく)、世界広布への(とびら)を開いたのです。
 西方 ひるがえって現代において、部や本部で10人の精鋭(せいえい)が集うことは、地域や社会を変革する大きな力になると思います。「わが地域に、日本一の男子部を!」と誓い合い、皆で勇躍(ゆうやく)の前進をしていきます。

(2019.10.31. 聖教新聞)

 

 

<82> 一人ももれなく「幸福の太陽」に
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、大串女子部長、山口白樺グループ委員長

 長谷川 「創立の月」を迎え、全国の同志がいよいよの決意で拡大に、励ましの対話に走っています。「11・12」には「女子部の日」を迎えますね。
 原田 はつらつと広布に駆ける女子部の皆さんは周囲を明るく(ほが)らかにします。まさに創価の希望です。
 大串 ありがとうございます。部の日の淵源(えんげん)は1961年の同日に8万5000人が集った女子部総会にあります。小説『新・人間革命』第5巻「勝利」の章に詳しく(えが)かれています。
 山口 同章では「自分の幸福だけを追い求めるのではなく、友人など、他者の幸福のため、社会のために生きる人生にこそ、最高の歓喜と充実があり、そこに自分の本当の幸福もある」という絶対的幸福について、また、「幸福という宮殿(きゅうでん)を開くことができる唯一(ゆいいつ)(かぎ)は、自身の信仰しかない」と信心根本に生き抜く大切さを教えて下さいました。
 永石 この章で先生は、女子部が信仰と人生の「(しん)」を確立するために「全員が教学部員に」との真情をつづられています。この先生のご期待通り、「池田華陽会(かようかい)御書30編」の読了(どくりょう)運動は今、女子部の活動の根幹になりましたね。
 原田 師の慈愛(じあい)に包まれながら、「世界一の生命哲学」を学び、実践する皆さんが、世界一充実した青春を送っていることは間違いありません。
 山口 世界広布新時代を迎え、各国の女子部のメンバーも生き生きと前進しています。私たちも、海外の同志との交流を通して、多くの触発(しょくはつ)を受けています。
 大串 インドでお会いした女子部のリーダーは、毎日必ず『新・人間革命』を研さん。感動した場面をノートに書き写しているそうです。メンバー一人一人が師匠の心に触れることが、インド広布の原動力になっていると実感しました。
 原田 女子部の皆さんの、御書を学び、師匠(ししょう)の指導を求め抜く姿勢は全世界共通です。各国で、若い女性たちが平和と幸福の連帯を広げていることは、社会の希望です。これからも世界の華陽(かよう)姉妹と手を(たずさ)えて前進していってください。

「白蓮」の輪の中で

 永石 各地を訪れるたび、女子部の皆さんの活躍のエピソードを聞きます。その先頭を走っているのが、白蓮(びゃくれん)グループですね。
 山口 池田先生は本年、発刊された指導集『勝利の女王 白蓮グループ』の中で、私たちの日々の任務に対し「一回また一回、どれほど計り知れない『心の(たから)』を積んでいるか」と激励を送ってくださっています。
 長谷川 学会の会館を訪れるご友人の中には、白蓮(びゃくれん)グループの(さわ)やかなあいさつや、真心こもる対応に感動される方も多くいます。御書に「教主釈尊の出世の本懐(ほんかい)は人の振舞(ふるまい)にて(そうらい)けるぞ」(1174ページ)とある通り、仏法の極理(ごくり)は行動に表れます。
 大串 先生の万感の励ましを胸に「11・18」に向け、白蓮(びゃくれん)グループは「セレブレイト(祝賀)期間」を躍進(やくしん)しています。特に、各地の「新時代第1期」のメンバーが目覚ましい成長を遂げています。
 山口 専門学校に通う、東京のあるメンバーは、女子部の先輩や婦人部の方からの励ましを(かて)に、就職活動に挑戦。希望通りの企業の内定を勝ち取ることができました。その後、悩みを打ち明けてくれた友人を、白蓮(びゃくれん)姉妹が集い合う(はん)パーティー≠ノ招待。温かな歓迎に感動し、友人は入会を希望されました。
 大串 彼女は「白蓮(びゃくれん)に入り、友のために真剣に祈れる自分へと大きく変わることができました」と、喜々として語っていました。
 山口 リーダー率先の拡大も光っています。北海道のある地域では、班長全員が聖教新聞の拡大を達成できました。白蓮(びゃくれん)DAY≠ナは、班長自身が心に残った聖教新聞の記事を紹介。結果にかかわらず、挑戦することを大切にしながら、皆で仲良く活動しています。
 大串 私が先月、購読推進を実らせた相手のうちの一人は、大学生の時から対話を続けてきた友人です。今まで何度も断られてきたのですが、(あきら)めずに勇気を出して、聖教新聞を一緒に読みながら対話をすると、友人は初めて「読んでみたい」と言ってくれました。聖教新聞を通して、学会理解を深めてくれています。
 永石 真心が通じたのですね。先生は「(えん)する人に、朗らかに自信満々と語った分だけ、相手がどうあれ、その心の奥には、福智(ふくち)の光が届いています。仏の種が()かれています。いつの日か、花開き、実る日が、必ず来るのです」と、女子部の皆さんに語られています。
 原田 米エマソン協会元会長のサーラ・ワイダー博士は「私は、創価学会の女性たちに無限の希望を(いだ)いております。とりわけ、女性たちの助け合い、励まし合いに満ちた姿は印象的です」と語っています。世界の識者も創価の女性運動に共感し、称賛(しょうさん)する時代になりました。皆さんは堂々と仏法を実践し、(さち)の輪を広げていってください。

絶対無事故の祈り

 長谷川 空気が乾燥するこの時季は、火災が発生しやすくなります。今月9日から15日まで「秋の火災予防運動」の期間です。
 原田 消防庁では火災予防として「住宅用消火器」の設置を推奨しています。火災が発生した場合、消火器を使った初期消火の成功率は8割を超えるそうです。
 長谷川 電気ストーブなどの暖房器具にほこりや燃えやすい物が接触することで火災が発生するケースもあります。周囲の整理整頓を心掛けてください。
 原田 「絶対に火災を起こさない」との一念で、一切の油断を排していくことが大切です。日々、絶対無事故を祈念し、具体的な対策に努めていきましょう。

(2019.11. 4. 聖教新聞)

 

 

<83> 「広宣拡大の勇者」「地涌の旗頭」
出席者:原田会長、永石婦人部長、林地域部長、山ア地域部女性部長、志賀青年部長

 志賀 15日が「部の日」である地域部は、本年で結成45周年の佳節(かせつ)です。
 原田 「地域や近隣(きんりん)を大切にする」――これが学会普遍の指針(ししん)です。その先頭を走る地域部の皆さんに全国でお会いします。頭が下がるばかりです。
  1957年(昭和32年)10月、世界最初の人工衛星の打ち上げが成功した時のことです。前月に「原水爆禁止宣言」を発表された戸田先生は、壮大な宇宙のロマンに心を広げつつ、言われたそうです。「大事なのは足もとだよ。足が地に着いていなければ、現実の広宣流布はあり得ない。何があっても浮き足立つのではなく、妙法の(はた)(かか)げて、現実の大地に、しっかりと立つことだよ」と。
 原田 池田先生は、この指導通りに、地域という最も大事な大地に、最もしっかりと立ち、最も忍耐(にんたい)強く広宣拡大の(はた)(かか)げてこられた勇者、誉れの地涌(じゆ)旗頭(はたがしら)こそ、地域部であるとたたえられています。
 山ア 先生は常々、「わが家も、誇り高き地域部の一員です」と語られます。全てを分かってくださっている先生の励ましこそ、私たちの最大の喜びです。

学会は間違いない

  「悩みのない人生がないように、何の課題もない地域など、どこにもあるまい。それでも、わが郷土を、御書の御指南(ごしなん)の通りに『よきところ・よきところ』(御書1183ページ)と一念を定め、皆で知恵を出し、(はぐく)んでいくのだ。その快活な挑戦を続ける中で、事実の上でも、必ずや『三変土田(さんぺんどでん)』して、『よきところ』へ転換していける」――私たち地域部が命に刻む先生の指導です。
 山ア 地域部に女性部長制が設けられて5年となりますが、先生の指導を胸に、女性の町会長や商店街の理事長、PTA会長らが多数誕生しています。
 永石 本年の地域部の首都圏大会で活動報告をされた方々の話も、素晴らしかったと聞きました。
 山ア 一人は、地域の区長を務め、区長会の副会長や、街の自主防災会の会長などをしてきたパワフル≠ネ女性です。
 永石 その方は、15年前からボランティアグループも立ち上げ、福祉施設やサロンなどで、歌、舞踊、マジックなどを仲間の皆さんと一緒に披露されているそうですね。
 原田 公明党の町議を4期16年務め上げた方です。私も話を伺いながら、深く感銘しました。
 永石 他にも、自治会の福祉部で部長をされている方は、夏祭りの無事故・大成功を願い、自治会長と相談して、学会の男女青年部十数人に手伝いをしてもらっていると聞きました。
 志賀 青年部は炎天下の中、設営や交通整理、場内アナウンスなどで奮闘。初めて携わった行事の後、長老の役員から、「ずっと見ていたけれど、学会の青年は(かげ)の仕事に徹して本当に立派だ。その姿に学会が間違いないと確信できた」と称賛(しょうさん)されたそうですね。
 山ア 以来13年。青年部の活躍は続き、今年からは企画も任されているそうです。その様子を見た他の自治会の役員から、「活気があって楽しそうだから、私も参加したい」と言われるまでになりました。
 原田 地域活動といえば、鹿児島の奄美の戦いも有名です。小説『新・人間革命』第27巻「激闘(げきとう)」の章では、草創(そうそう)期に誤解と偏見(へんけん)弾圧(だんあつ)があった中、広布が大きく進んだ理由は、「学会員一人ひとりが、大きく地域に貢献(こうけん)してきたこと」であると記されています。
  そこには、「地域のために何もしなければ、口でどんなに立派なことを言っても、誰も信用してくれません」、学会員は「模範的に地域の人びとのために身を粉にして働いてきました。地域広布が進んでいる支部などに行くと、ほとんどの方が、集落の区長や、農業委員、民生委員、PTA、消防団、老人クラブ、婦人会などの役員として活躍しております」との鹿児島の同志の言葉も紹介されています。
 原田 まさに地域部の姿そのものです。このことを通じ、先生は、「『仏法(そく)社会』です。これからは、『広宣流布(そく)地域貢献(こうけん)』と考えるべきでしょう」と結論されているのです。
  勇気百倍の指針(ししん)です。私たちは大いなる希望に燃え、これからも、地域のために尽くしていく決意です。

広布の礎は座談会

 志賀 さて、15日を中心に、各地の会館では、「七五三」の記念勤行会が開催されます。
 原田 子の成長、孫の成長は、少子化の時代にあって、関わってきた全ての人の喜びとなります。
 永石 当日は、未入会のお子さんをはじめ、両親、祖父母の方々も参加されます。池田先生の創作童話アニメの上映などを通し、学会の理念などに触れるいい機会ともなります。
 原田 未来を担う宝の子どもたちの成長と幸福を皆で祈念する勤行会にしていければと思います。
 永石 また、間もなく、「座談会週間」が始まります。5日付の「新時代を築く」でも紹介をされていますが、広宣流布の根本(こんぽん)は、「一対一の対話」と「座談会」です。
 志賀 一人と会い、一人と語らい、共に信心の歓喜(かんき)に燃えて立ち上がる。ここに変わらざる広布拡大の方程式があります。
 原田 さまざまな理由から座談会に参加できない方もいます。そうした方々にこそ、リーダーは心を砕き、訪問・激励に励んでいきたい。その積み重ねの中に、広布の伸展(しんてん)があります。「励まし週間」などを活用し、リーダーは一人でも多くの友と会えるよう、努力をしていきましょう。

(2019.11. 7. 聖教新聞)

 

 

<84> 芸術が「結合の心」を育む
出席者:原田会長、永石婦人部長、東京富士美術館 五木田館長、志賀青年部長、大串女子部長

 志賀 東京富士美術館(八王子市)で開催中の「ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華(せいか)――大様式の形成と変容」展が好評ですね(明年1月19日まで)。
 五木田 多くの方々に足を運んでいただき、心から感謝申し上げます。今回の展覧会は17世紀から19世紀にかけて、そして印象派誕生前夜に至る多様なフランス絵画を公開しています。
 原田 私も観賞しましたが、名品の数々に圧倒されました。学術監修を務めた大野芳材氏(美術史家)も「フランス独自の絵画が生まれ、発展してきた流れを見ることができるまたとない機会=vと期待を寄せている通りですね。
 志賀 展示作品のうち、約3分の1が日本初公開だと聞きました。フランスでも、なかなか鑑賞することのできない作品も多く展示されているそうですね。
 原田 今回、初来日≠ニなる、ヴァトーの「ヴェネチアの(うたげ)」などが大きな見どころですね。
 五木田 はい。洗練された色彩が実に見事な作品です。中心の女性と男性の表情やしぐさにも自然と目がいきます。二人が歩み寄り、これからダンスが始まるような躍動感が伝わってきます。この作品について、ルーブル美術館名誉総裁・館長のピエール・ローザンベール氏も「間違いなく18世紀フランス美術の主要作品に数えられる」と称賛(しょうさん)しています。
 永石 女性画家のヴィジェ・ルブランが(えが)いた「ポリニャック公爵(こうしゃく)夫人」の肖像(しょうぞう)も素晴らしいですね。花のブーケが付いた麦わら帽子など、ファッションも本当にすてきです。
 五木田 所蔵されているヴェルサイユ宮殿美術館でも非常に人気のある作品の一つです。
 大串 絵画に(えが)かれた服装の美しさなど、女性ならではの視点で鑑賞するのも楽しみ方の一つですね。
 五木田 ええ。この画家は王妃(おうひ)マリー・アントワネットの友人であり、ファッションにも当時の流行が色濃く反映されています。今回、この両作品は特別に写真撮影が可能です。多くの来館者が「記念撮影」されている姿をお見掛けします。
 大串 スマホで特設サイトを開けば、声優の本名陽子さんによる音声ガイドを持参のイヤホンで聞くこともできますね。
 五木田 西洋画は宗教や思想など、その時代の影響を大きく受けています。(えが)かれている人物の服装や持ち物、全体の構図にも深い意味が込められています。
 永石 「キッズルーム」も併設されていますので、子育て世代の方々からも、安心して来館できると喜びの声が届いています。

ユイグ氏との友情

 五木田 富士美の開館は1983年。開館時に開催された「近世フランス絵画展」に大きく尽力されたのが、ルーブル美術館の絵画部長等を歴任した20世紀を代表する美術史家の故ルネ・ユイグ氏です。今回の展覧会にはユイグ氏の貢献(こうけん)に対するオマージュ(敬意(けいい))が込められています。
 原田 ユイグ氏といえば、第2次世界大戦中に、約4000点のルーブルの絵画をナチスから守った一人として知られる、美術史上の偉人(いじん)です。ユイグ氏は、池田先生と生涯にわたる友情を結ばれました。だからこそ、先生が創立された富士美に尽力してくださったのです。
 志賀 ユイグ氏と先生は対談集『(やみ)(あかつき)を求めて』を出版されていますね。私も読み、大変に感銘(かんめい)を受けました。
 大串 子息であるフランソワ=ベルナール・ユイグ氏も「東京富士美術館の発展に貢献することは、父にとっても幸せなことだったはずです。生前、何度も東京富士美術館への高い評価を口にしていました」と語られていましたね。
 原田 先生は、多忙な世界広布の旅の中でも、早くからルーブルなど多くの一流の美術館を視察されていました。富士美が全世界の美術館と連携し、庶民が一流の芸術に触れる機会を提供できているのも、先生の長年のご構想と、世界規模で結ばれた文化・芸術の交流があってこそです。
 五木田 今回の展覧会の来館者からは「作品を間近で見て、その人物が目の前にいるような印象を受けました」「解説を通して、鑑賞の仕方が変わりました」との声も頂いています。
 永石 ある婦人部の友人の方は、小説『新・人間革命』を学ぶ集いで研さんした、第4巻「大光」の章を思い出したそうです。同章には、ナチスの蛮行(ばんこう)(えが)かれており、「あの時代に命懸けで美術品を守ったユイグさんと、平和のために行動される池田先生に相通じるものを感じました」と語っていました。
 五木田 今回の展示ではフランスだけでなく、イギリスやドイツなどからも名品が集結しています。「対立」や「分断」がクローズアップされる時代にあって、「結合」の心を(はぐく)むことが美術館の役割であり、富士美の使命もそこにあると確信します。
 原田 池田先生は「本物の芸術には、どこかに必ず『(せい)なるもの』『大いなるもの』『永遠』が表れている」と語られています。今回の展覧会も一流の美術作品を通して、心を豊かにする最良の契機(けいき)になることでしょう。ぜひ、多くの方々に直接、足を運んでいただきたいと思います。

御供養の志に功徳

 志賀 今月、広布部員会が各地で行われます。
 永石 広布部員の方々は広布への深き「(こころざし)」で参加してくださいます。皆さまが大きく福運を積みゆかれるよう、こまやかな励ましを送っていきましょう。
 原田 御書には「法華経を供養(くよう)する人は十方の(ぶつ)菩薩(ぼさつ)供養(くよう)する功徳(くどく)と同じきなり」(1316ページ)と(おお)せです。仏意仏勅(ぶっちょく)の世界広宣流布にまい進する創価学会に供養する功徳は計り知れません。リーダーは、一切無事故を強く祈り、心を配ってまいりましょう。

(2019.11.14. 聖教新聞)

 

 

<85> 一人の本物の弟子が広布を実現
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 永石 「十一月十八日! この日は (われ)らの 決意の誕生日!」「世界平和を誓い 祈りゆく わが創価の 創立の日である」――池田先生は「11・18」を迎え、このように()まれたことがあります。
 原田 学会は今、名実ともに宗教界の王者≠ニなり、一大平和勢力として、各界から大きな期待を寄せられています。
 西方 読売新聞では「11月の日程」として、さまざまな行事予定が報じられる中、「18日 創価学会創立記念日」とありました。
 大串 総本部のある信濃町では、地元の商店振興会の方が、「世界聖教会館完成 祝11・18」と書かれた三色旗≠町の各地に掲揚(けいよう)してくださっています。
 原田 全国、全世界の同志の大奮闘のおかげで、お元気な池田先生・奥さまと共に、晴れわたる大勝利の「11・18」創価学会創立記念日を迎えることができました。本当におめでとうございます。
 長谷川 この日を(しゅく)し、待望(たいぼう)の「創価学会 世界聖教会館」が開館しました(1〜3面に詳報)。広布にまい進し、見事な聖教拡大に挑戦してくださっている全ての皆さまに、心からの感謝を申し上げます。
 永石 総本部の玄関口≠ニなる「創価学会 総合案内センター」もオープンし、多くの会員の皆さまをお迎えしています。来館された方から早速、喜びの声が届いています。
 原田 「見違えるような発展を続ける総本部と同じように、私も成長を続けていきます!」と語る同志も多くいます。全ては、不撓(ふとう)の闘争で今日の大発展の基盤を築いてくださった池田先生のおかげです。私たちは、先生の「会員第一」の精神をわが心とし、さらなる世界広布の推進に力を尽くしてまいりたい。

青年の躍動に感嘆

 長谷川 「創価勝利の年」の一年も、青年を先頭に、世界中で素晴らしい拡大の歴史が刻まれました。
 西方 小説『新・人間革命』の最終回では、21世紀開幕(かいまく)の2001年「11・18」を記念する本部幹部会の模様が描かれています。席上、先生は、「一人の本物の弟子がいれば、広宣流布は断じてできる」との指針を示されました。
 大串 先日訪問したインドの皆さんは口々に、「アイ アム ザット ワン ディサイプル」と叫んでいました。これは、「その一人の本物の弟子は私です」との意味です。小説を自身に()てられたメッセージ≠ニ(とら)え、「一人の本物の弟子」となって、インド広布を実現しようと本気で取り組んでいたのです。
 西方 国連の予測では、インドは2027年ごろ、世界最多の人口になるとされています。そのインドで今、学会は大発展を続けているのです。メンバーの数は、この5年で3倍以上になっています。
 原田 御書に「()は東より()ず日本の仏法の月氏(がっし)へかへるべき瑞相(ずいそう)なり」(589ページ)と(おお)せです。池田先生が東洋広布の道を開き、共戦の同志の大奮闘によって、日蓮大聖人の未来記は実現したのです。仏法史上、未聞(みもん)の快挙です。
 西方 私がインドで出会った男子部員の中には、個人折伏(しゃくぶく)を40世帯も50世帯も成就(じょうじゅ)している方がいました。自分の組織を1年で2倍に拡大したという女子部員もいました。
 永石 インドの同志は、日頃から時間を見つけては唱題に挑戦しています。新本部の落成へ、メンバーが一丸(いちがん)となり、120億遍の題目を達成したほどです。
 大串 先生の思想も本当によく勉強していて、日本のメンバーが自己紹介すると、「その地域のことは、小説『新・人間革命』の〇〇の章に描かれていますね」と即座に返答するメンバーに何人も会いました。
 原田 インドもそうですが、どの国に行っても、各界の識者が感嘆(かんたん)するのは、学会は青年が多い∞青年が立派に成長し、躍動(やくどう)している≠ニいうことです。
 長谷川 草創(そうそう)期、戸田先生が、あるラジオ局のインタビューで、「創価学会に青年が多いのはなぜか」と質問されたことがあります。戸田先生は、「それは哲学が深いからである」と明快に答えられました。それが今、世界中で証明されているのです。本当に感動的なことです。
 原田 「()の国の仏法は貴辺(きへん)にまかせたてまつり(そうろう)ぞ」(御書1467ページ)です。先生にお会いしたことのない青年たちが各国で、仏法に出あい、先生の思想と行動を学び、「先生ならどうされるか」を心で問いながら、地涌(じゆ)の使命に生き抜いています。私たちも今こそ、「わが地域の広宣流布を自身が必ず成し遂げてみせる!」と決意し、さらなる拡大、さらなる人材育成に励んでいきたい。

全員が「宝の人材」

 長谷川 各地では今、新しい人事が進められ、新たなスタートを切っている地域も多くあります。「人事の交代は、これまでの人と、これからの人の両方が一段と成長する。一段と(ほが)らかになる。そして一段と勝利を決していけるようになる。これが大事だ」と先生は言われています。
 永石 「新しい人も、交代する人も、全部、新しい使命であり、任務であると思って、張り切って戦っていきなさい。一切が、仏になるための仏道修行である。新しく戦っていく人も、若々しく、断じて勝利して、仏になっていくんだ」とも指導されています。
 原田 新たな立場に就く方も、そうでない方も、全員が大切な宝の人材です。学会は、広布のためにたゆまず人材を育成していくのです。皆が清新な決意で、学会創立90周年の明「前進・人材の年」へ勢いを増して進んでいきましょう。

(2019.11.18. 聖教新聞)

 

 

<86> 創価の師弟の祈りは必ず成就
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 大串 「11・18」創立記念日を祝賀する本部幹部会が盛大に開催されました。
 永石 朝方までの冷たい雨を吹き飛ばす大晴天の中、創立90周年の明「前進・人材の年」へ新たな決意で晴れ晴れと出発することができました。
 志賀 聖教電子版では、本部幹部会の模様をその日のうちに配信。65カ国・地域から集い合った同志の喜びに満ちた表情、会合の様子が世界中へと発信されました。
 大串 現在、聖教電子版には世界の201カ国・地域からアクセスがあるそうですね。まさに広宣流布は世界同時進行です。
 長谷川 創価の父、牧口常三郎先生の殉教(じゅんきょう)から満75年の11月18日。私たちは、自らの師弟誓願(せいがん)成就(じょうじゅ)へ向け強盛(ごうじょう)に祈り、行動していきたい。
 原田 池田先生は本部幹部会のメッセージの中で、「よき師と・よき檀那(だんな)(よき弟子)と・よき法と()(みつ)寄り合いて(いのり)成就(じょうじゅ)し国土の大難(だいなん)をも(はら)ふべき者なり」(御書550ページ)との御文(ごもん)を通して、「妙法と共に広布の大誓願(せいがん)(つらぬ)く創価の師弟に、成就(じょうじゅ)できない祈りはありません」と述べ、異体同心(いたいどうしん)の団結でいよいよの大前進をと呼び掛けてくださいました。
 長谷川 次なる目標は、先生の第3代会長就任60周年となる「2020年5月3日」です。
 原田 合言葉は「(みな)が前進!」「(みな)が人材!」です。一人一人が弘教(ぐきょう)拡大に挑戦するとともに、真心の励ましに徹し抜き、わが地域に盤石(ばんじゃく)の人材の大城を築いてまいりましょう。

冬の対策を万全に

 永石 この秋、世界聖教会館のオープンを未曽有(みぞう)の聖教新聞の拡大でお祝いしようと、全国の同志の皆さまが懸命に取り組んでくださいました。
 原田 部数の大幅な拡大を果たすことができました。本当にありがとうございます。聖教新聞という(さち)の便り≠地域の一軒一軒に届けてくださっているのが、尊き無冠(むかん)の友の皆さまに他なりません。
 長谷川 いよいよ寒さが厳しい季節になります。降雪や、路面の凍結も発生します。具体的な工夫をしながら、絶対無事故の配達に努めていただきたいと思います。
 志賀 今、各地で配達員の皆さまが無事故を啓発(けいはつ)し合う、支部ヒヤリハット配達員会が行われています。
 永石 配達員会ではVODを視聴します。そのうち、新作番組「さあ、冬の準備を始めましょう!」では、専門家の解説を交え、冬場の配達の注意点などについて確認しています。
 長谷川 配達の前日には、翌朝の天気、最低気温等の予報をチェックすることが大切です。降雪や路面凍結などに備えることができます。
 大串 配達の前の準備運動も推奨(すいしょう)しています。簡単な運動でも、こわばった筋肉がほぐれ、「これから寒い外に出るんだ」という切り替えにもなるそうです。
 永石 配達員のための交通安全パンフレットには、取り外して掲示できる「冬の無事故配達5カ条」も付いていますね。「滑りやすい場所に注意」「安全最優先! 配達に集中!」など具体的なポイントについて記載しています。配達前の確認に、活用してください。
 長谷川 「(あわ)てず」「油断せず」「無理をせず」を心掛け、体調が悪い時、天候不順の時などは決して無理せず、無事故第一の配達に努めるようお願いします。
 原田 日々、聖教新聞を届ける一歩一歩が、わが地域に学会理解の輪を広げる尊き行動です。全国各地で、真心の献身(けんしん)を続けてくださっている「無冠(むかん)の友」の皆さま、そして、ご家族の健康・無事故を真剣に祈念してまいりたい。

公明党が結党55年

 大串 私たちが支援する公明党が、去る11月17日、結党から55年を迎えました。
 原田 結党当時、日本の政界は左右の勢力が不毛な対立に明け暮れ、国民不在≠フ状況が続いていました。そうした中、公明党は創立者・池田先生が示された「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との立党精神を掲げ、庶民のための政治を推進していきました。
 志賀 当時の既成(きせい)政党が目を向けなかった福祉などの分野で具体的政策を進めていったのが公明党です。
 原田 自民党の要請を受けて連立政権に参画してから20年。公明党は政治の安定と改革の(かなめ)としての役割を果たしています。
 志賀 教育の分野でも、公明党の長年の主張が反映されています。
 永石 先月、消費税率引き上げに合わせて開始した幼児教育・保育の無償化も公明党のリードで実現。私立高校授業料の実質無償化も来年度から始まります。
 志賀 11月18日付の読売新聞の世論調査では、現内閣の政策で「評価できると思うもの」との質問に対し、一番多かった回答は、まさしく「子育て支援や教育の無償化」でした。
 永石 公明党の主張で実現した軽減税率についても、朝日新聞の調査で、約60%の人が「評価する」と回答しています。
 志賀 一橋大学教授の中北浩爾氏は、公明党の存在意義が「大衆とともに」との立党精神にあることを示し「庶民に力を与え、平等な社会をつくる役割を地道に果たしてきた」と述べています。
 長谷川 政治評論家の森田実氏も「(結党以来)公明党は少しもぶれることなく中道政治を貫き、日本の政治の安定に寄与してきました」と指摘(してき)。こうした評価はますます高まっています。
 原田 公明党の議員は立党精神を胸に刻み、国民の安心のため、日本と国際社会の安定のために、どんどん国民の声を政治に反映してもらいたい。

(2019.11.21. 聖教新聞)

 

 

<87> 学会は永遠に大聖人直結
出席者:原田会長、永石婦人部長、末定儀典部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 学会創立記念日を祝賀する、本部幹部会・SGI総会の中継行事が各地で感動を呼んでいます。
 大串 「創価学会 世界聖教会館」もオープンし、幾重(いくえ)にも喜びが広がっていることを感じています。
 永石 明「前進・人材の年」は、池田先生の第3代会長就任60周年、そして学会創立90周年という輝かしい年です。
 原田 「(みな)が前進!」「(みな)が人材!」を合言葉に、池田門下が総力を挙げて、「折伏(しゃくぶく)」と「人材」の拡大を成し遂げ、この佳節(かせつ)を勝ち飾ってまいりたい。

日本の葬儀に革命

 永石 11月28日は、学会が世界宗教へと大きく飛翔(ひしょう)する節目となった(たましい)の独立記念日≠ナす。
 西方 1991年のこの日、日顕宗(にっけんしゅう)は「創価学会破門通告書」なる文書を送付してきました。すなわちそれは、永遠に日蓮大聖人直結(ちょっけつ)の正義の学会が、邪教と化した宗門と決別したことを意味しています。
 原田 大聖人の(おお)せ通りに、不撓(ふとう)の闘争によって、現実に広宣流布を進めてきたのは、創価三代の会長であり、それに(つら)なる学会の同志です。
 西方 宗門は、その池田先生の偉大な平和行動と、学会の大発展に嫉妬(しっと)していました。宗門の暗躍(あんやく)の狙いは、創価の師弟の分断であり、卑劣な檀徒(だんと)づくりだったのです。
 原田 しかし、学会員は(みな)、宗門の「破和合僧(はわごうそう)」の謀略(ぼうりゃく)を鋭く見破り、池田先生を中心とした鉄の団結で、一切の障魔(しょうま)を打ち破っていきました。当時、115カ国・地域だった創価の連帯は、今や192カ国・地域に発展。一方、宗門の信徒数は往時(おうじ)の2%にまで激減し、その後も衰亡(すいぼう)し続けています。
 末定 小説『新・人間革命』第30巻「誓願(せいがん)」の章にも詳述(しょうじゅつ)されている、この「第2次宗門事件」以降、学会が推進し、多くの方から共感を集めているのが、大聖人の教えの本義(ほんぎ)(のっと)って行う「友人葬」です。
 原田 そもそも、葬儀で僧侶が(おが)まないと故人は成仏できない≠ネどという考えは、大聖人の仏法とは全く無関係の邪義(じゃぎ)です。御書には「故聖霊(しょうりょう)()の経の行者なれば即身(そくしん)成仏(うたが)いなし」(1506ページ)と(おお)せです。故人の生前の信心によって、成仏が決まると示されているのです。
 末定 戒名(かいみょう)についても本来、受戒(じゅかい)名・出家名として生前に名乗ったものであり、大聖人の時代に死後戒名(かいみょう)などはありません。後代(こうだい)につくられた慣習(かんしゅう)であり、当然、成仏とは全く関係ありません。
 原田 こうした事実を踏まえ、学会が行っているのが友人葬です。友人葬に参列した、ある学会員でない方は、「葬儀はともすれば、ただ悲しみに包まれ、陰々滅々(いんいんめつめつ)としたものになりがちですが、学会の友人葬は、さわやかで明るく、次の生≠ヨの希望さえ感じました。学会の前向きな死生観(しせいかん)がよく現れていますね」と語っていました。このような評価の声は、年々多くなっています。
 末定 11月30日に「部の日」を迎える儀典(ぎてん)部をはじめ、儀典に(たずさ)わる全ての人にとって、これほどうれしい声はありません。先日私は、90歳を過ぎて亡くなられた方の儀典長を務めました。6人の娘さん、20人近くのお孫さん・ひ孫さんの全員が立派に信心をされ、追善(ついぜん)の題目で故人を送った葬儀は、本当にすがすがしく、まさに「生も歓喜(かんき)、死も歓喜」の哲理(てつり)を現しているように感じました。
 永石 ある学者は、学会が友人葬を始めた頃、「日本の葬儀に革命的ともいえる変革をもたらすもの」「時代を先取りしているだけに、一部、旧思考の人びとから反発されるかもしれないが、これが将来の葬儀となり、定着することは明らかである」「三百年かかって日本に定着した檀家(だんか)制度を、わずか三十年で、もう乗り越えようとしている学会の発展とスピードは奇跡的である」などと語っていましたね。
 末定 私は今、年間で10回ほどの葬儀を担当していますが、まさに、この言葉の通りの時代になっていると実感します。
 原田 なお確認ですが、現代において、近親者のみの「家族葬」や、火葬だけの「直葬(ちょくそう)」などで、家族・親族の代表が導師を務める場合も、仏法の本義に照らせば、妙法の最高の追善(ついぜん)回向(えこう)になります。全てが「友人葬」の意義にかなった葬送(そうそう)儀礼(ぎれい)です。
 末定 真心の唱題こそが最高の追善(ついぜん)となります。友人葬を執り行う場合は、「会員からの儀礼的な香典は必要ない」というのが、基本的な考え方です。当然、参列する会員への「精進(しょうじん)落とし(通夜振る舞い)」や「会葬(かいそう)御礼(おんれい)」の品は必要ありません。
 西方 友人葬の場合、「儀典長」への謝礼も不要ですね。
 末定 はい。先日、私が儀典長を務めた葬儀は、祭壇(さいだん)は簡素なものでしたが、参列した同志の力強い題目によって、とてもさわやかな葬送(そうそう)となりました。

VOD大いに活用

 大串 今、SOKAチャンネルVODの新作である女子部の信仰体験「微笑みのカウンセラー」が大きな反響を呼んでいます。
 永石 「師の真実を(つづ)った『人間革命』」や「学会活動は究極の幸福の軌道(きどう)」「七つの(かね)を高らかに」など、池田先生のスピーチを収録した番組も新たに加わり、各地から感動と決意の声が届けられています。
 原田 未就学児や小学校低学年の児童を対象としたアニメのシリーズ番組「げんきのスイッチ」もスタートし、話題です。
 大串 こうした番組は、モバイルSTBでも視聴が可能です。ぜひ、インターネットを通じてダウンロードしてください。
 原田 災害対応を訓練するための番組も用意されています。年末に防災訓練などを実施する地域は、ご活用ください。

(2019.11.25. 聖教新聞)

 

 

<88> 師の行動から学び実践を
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 本年も、いよいよ師走を迎えます。
 長谷川 一年の締めくくりに当たり、改めて自身が年頭に掲げた目標の達成に向けて、最後まではつらつと走り抜いていきたい。
 永石 さまざまな課題はあるかもしれません。しかし、広布のために尽くした労苦は、すべて自身の成長の因となり、福運になっていきます。
 原田 若き日より、池田先生の戦いも「前進また前進」の連続でした。私たちもまた「自分の前進こそ、世界広布の前進」との確信に立ち、悔いの残らない戦いで総仕上げし、明年に向けて勢いを加速してまいりましょう。

世界で研さん運動

 永石 12月2日には、1964年の同日、先生が小説『人間革命』の執筆(しっぴつ)を沖縄の地で開始されてから55年の佳節(かせつ)を迎えます。
 原田 小説『新・人間革命』も合わせ、世界広布の指揮を執られながらの、半世紀以上にわたる壮絶な執筆闘争でした。海外訪問や地方指導の際にも小説の構想を練り、原稿用紙に向かわれる日々でした。体調を崩されてペンが握れず、口述をテープに吹き込み、執筆されたこともありました。その偉業に感謝の思いは尽きません。
 長谷川 『新・人間革命』第9巻「衆望(しゅうぼう)」の章には、執筆開始当時の真情がつづられています。「どんなに苦しむことになったとしても、偉大なる師の思想と真実を、自分が書き残していく以外にないという使命感と喜びが、彼の胸にたぎっていた」と。改めて、一人一人が真剣に学び、自身の血肉にしていきたい。
 永石 先生のライフワークである小説『人間革命』『新・人間革命』には、世界の識者からも称賛(しょうさん)と共感の声が寄せられています。
 大串 インド文化国際アカデミーのロケッシュ・チャンドラ理事長は「『新・人間革命』は、『価値創造の人生』へ、(たましい)(つばさ)を広げることを(うなが)す『目覚め一書』です。池田先生は人類の精神に、生命の讃歌(さんか)を呼び起こしているのです」と語っています。
 長谷川 ケニア作家協会のヘンリー・インダンガシ会長は『新・人間革命』は「世界の十大小説」の一つであると強調し、「20世紀から21世紀にかけて、失われる恐れのある人間主義の真髄(しんずい)を、文学に回復することに成功した」と述べています。
 永石 今、世界中の同志が、師匠(ししょう)から直接、指導を受ける思いで『新・人間革命』を学び、前進の(かて)にしています。
 大串 SGIのメンバーと語ると、必ず『新・人間革命』研さんについての話題になります。
 西方 ある国のリーダーは、地域の集いで、『新・人間革命』の中の山本伸一会長から学び、行動し、その結果、自身がどのように成長し、実証を示すことができたのかを皆で語り合っているそうです。
 原田 一度も先生とお会いしたことのないメンバーが『人間革命』『新・人間革命』を通して、仏法の哲理(てつり)や創価の師弟の真実を学び、それを自身へのメッセージと(とら)えているのです。そして、自らが人間革命した姿で周囲に希望を送っています。まさに世界広布の新時代が到来していることを感じます。
 大串 今月からスタートした聖教電子版では、『人間革命』全12巻と、『新・人間革命』全30巻の内容を検索できるサービスが好評です。
 西方 例えば、仕事で悩む友を励ましたい時にテーマ検索で「職場での実証」を選択します。すると「大聖人が『(おん)みやづかいを法華経とをぼしめせ』(御書1295ページ)と(おお)せのように、自分の仕事を信心と思い、仏道修行と思って挑戦していくことです」(『新・人間革命』第24巻「灯台」の章)等の指導に出あうことができます。
 大串 自分が住んでいる方面・県を検索すれば、わが地域の広布史、師弟の原点を学ぶこともできます。
 原田 広布のあらゆる活動について、その要諦(ようてい)がつづられているのが『新・人間革命』です。皆が師弟の道を学び、自らの人間革命に挑戦できるよう、リーダー率先で研さん・熟読(じゅくどく)に励んでいきたい。

「訪問型」にも警戒

 長谷川 年の瀬に向けて、何かと(あわ)ただしくなります。くれぐれも無事故で過ごしていきましょう。
 西方 年々、手口が巧妙化する特殊詐欺の被害も後を絶ちません。最近では、「訪問型」の詐欺も目立つそうです。
 長谷川 例えば、警察官や銀行協会を名乗り、「あなたのキャッシュカード(銀行口座)が不正に使用されています」などと電話をかけ、その後、(にせ)の警察官などが自宅を訪問し、キャッシュカード等をだまし取ってしまう手口があげられます。
 西方 「銀行口座の情報が漏れています。運用停止手続きのために、暗証番号を教えてください」などと言って、あらかじめ暗証番号を聞き出す場合もあるそうです。
 原田 警察庁も、「警察官や金融庁職員などが、暗証番号を聞いたり、メモに書かせたりすることは絶対にありません」と注意を呼び掛けています。
 永石 特に狙われやすいのが高齢者です。家庭内で「暗証番号を他人に絶対に教えない」といった基本的なことを確認し合いましょう。不審な電話や訪問があったらすぐに家族に相談するよう、日頃から家庭で具体的な対策について話し合っておくことが大切です。
 原田 「自分は大丈夫」との油断を排していきたい。賢明な判断、具体的な防止策で、自分や家族を被害から守っていきましょう。財務の振り込みも始まります。絶対無事故を強く祈るとともに、こうした犯罪被害に巻き込まれないよう、厳重注意の呼び掛けを行ってまいりたい。

(2019.11.28. 聖教新聞)

 

 

<89> 賢明な生活で健康、充実の日々
出席者:原田会長、永石婦人部長、酒井ドクター部長、平栗白樺会委員長、志賀青年部長

 原田 学会創立月の11月――インドのジャイプル・ナショナル大学が21日に、池田先生の卓越(たくえつ)した平和貢献をたたえ、名誉博士号の授与式を行いました。
 志賀 22日には、ゼビア大学から「世界平和の先駆者(せんくしゃ)」との理由で、名誉経営学博士号が贈られました。ここは、カトリック教会のイエズス会によって創立された大学です。
 永石 二つの大学からの相次ぐ受賞、本当にうれしく思います。聖教電子版でも速報配信されていて感動しました。記事を読み、その意義の深さを感じています。インドの同志にとっても、大きな喜びであり、誇りであると思います。
 志賀 生命尊厳(そんげん)の仏法の哲理(てつり)を基調に展開している創価学会の運動が、先行き不透明な社会にあって、確かな希望の光となっている証左(しょうさ)でもありますね。
 原田 名誉学術称号は、大学等が厳格な授与規定に基づき、厳正な審査を経て決定するものです。名門・国立デリー大学からなど、インドでは18の知性の宝冠(ほうかん)≠ェ先生に贈られています。心からお祝い申し上げ、弟子として先生の平和行動に続いていきたいと深く決意しています。

目的を明確にして

 永石 現在、明年の目標等を決める「地区討議(とうぎ)」が各地で行われています。
 志賀 有名な御聖訓(ごせいくん)に、「(ねがわ)くは()が弟子等・大願(だいがん)ををこせ」(御書1561ページ)とあります。先生はこの御文(ごもん)(はい)し、「夢を持ち、大いなる目標に向かって進む人は、自分も強く大きくなる。生きる喜びがある。洋々(ようよう)たる未来が開けていく」と語られています。
 原田 人は目標があってこそ、挑戦の意欲が湧き、成長することができます。先生は、「わが胸に大目的の柱を打ち立てるのだ」とも言われています。広宣流布、そして自身の人間革命と宿命転換のための目標であることを心に刻み、有意義な「地区討議(とうぎ)」を行っていきましょう。

「がん検診」を受診

 永石 いよいよ冬本番です。本日はドクター部・白樺(しらかば)会の代表を交え、「冬の健康対策」について語り合っていきたいと思います。
 酒井 はい。まずは、例年より早く流行期に突入したといわれるインフルエンザについてです。対策としてはやはり、ワクチンの接種です。高齢者にいたっては、死亡のリスクを82%も減少させることができるとの調査結果もあります。
 平栗 高齢者や乳幼児は重症化する危険もあるため、本人はもちろん、同居者もワクチンを接種するようにしましょう。
 酒井 疑わしい場合はすぐに受診し、インフルエンザと診断されたら、医師の指示に従い、外出を控え、安静にしてください。周囲への感染を防ぐためにも厳守してください。
 原田 また、寒い冬に起こりやすいのが、「ヒートショック」です。入浴時に亡くなる方は、年間で1万7000人もいると伺ったことがあります。
 酒井 急激な温度変化による、血圧の大きな変動が、その原因です。@入浴前に脱衣所や浴室を暖めるA湯温は41度以下で時間は10分までが目安B浴槽から急に立ち上がらないC食後すぐの、またアルコール摂取後の入浴を控えるD精神安定剤・睡眠薬などの服用後は入浴を避けるE入浴前に同居者へ声を掛け、見守ってもらう――これらが防止の方法です。
 原田 屋内外の温度差にも意識を払ってください。先生は「寒い時に外出するさいには、『これから寒い外に出るんだ』と、はっきり意識してから出ることである」と指導されています。
 平栗 着込みすぎで汗をかき、かえって風邪をひくことがないよう、温度調整のしやすい衣服を着ることをお勧めします。
 酒井 冬も忘れてならないのが「水分補給」です。粘膜を潤し、ウイルスの侵入を防ぐなど、乾燥した今の時期に効果的です。
 平栗 水を飲まないと血液がドロドロの状態になります。寒くなると脳卒中や心筋梗塞の危険性が増えますが、さゆなどは、その予防になります。定期的に水を飲むようにしましょう。
 永石 冷えは万病のもと≠ニいわれます。特に、「手首」「足首」「首」の三つの「首」を温め、「体を冷やさない」ことも大切ですね。
 原田 マフラーをしたり、寝る時も首にタオルを(ゆる)くまいたりすることがよいとの話です。太い動脈がある首を温めることは、体全体を温めることにつながると聞いています。
 酒井 他にも、日本人の死因の第3位である「肺炎」を防ぐため、65歳以上の方は必ず、肺炎球菌ワクチンを接種してください。
 志賀 このワクチン接種は、公明党が公費助成を進めてきました。
 平栗 冬になると血圧も上がりやすくなります。「高血圧」は自覚症状がないまま進行し、突然、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。減塩、肥満の解消、運動習慣、節酒が対策です。喫煙も大いに影響します。それでも高い場合は、治療が必要です。
 酒井 最後に、どうか必ず「がん検診」を受診してください。基本的に住んでいる市区町村で受けることができます。胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮(けい)がんは罹患(りかん)率が高い一方、早期発見により死亡率を下げることができます。
 平栗 実は、この座談会での「検診に行こう!」との記事を読み、病院に行った方が、がんを早期に発見し、治療することができたそうです。引き続き、皆で声を掛け合い、受診を進めていきましょう。
 原田 先生は、「『自分だけは平気』『信心しているから大丈夫』といった過信があってはならない。信心をしているからこそ、油断なく、賢明(けんめい)に生きていくのである」と教えてくださいました。健康であってこその広布の人生であることを命に刻んでまいりたい。

(2019.12. 2. 聖教新聞)

 

 

<90> 伸びゆく宝の人材に励ましを
出席者:原田会長、長谷川理事長、網本中国未来本部長、生島(おじま)信越女性未来本部長、松野未来部長(高等部長兼任)、榎本女子副未来部長(女子中等部長兼任)

 松野 先月、行われた「未来部E−1グランプリ」の様子が聖教電子版や学会公式インスタグラムで配信され、感動を広げています。
 原田 私も動画を視聴しました。英会話の寸劇に取り組む未来部員の、はつらつとした表情からも、純粋な思いが伝わってくる、素晴らしい内容でした。
 榎本 東北代表の福島県・本宮市の女子未来部チームは、台風19号の甚大(じんだい)な被害の影響で地元の学会の会館が使えず、一般の施設で練習を重ねました。その生き生きした姿などを通し、施設の関係者にも、理解と友好が広がったそうです。
 松野 今回も6000を超えるチームがエントリーするなど、多くの未来部員が世界広布の主体者としての自覚を深めることができました。
 原田 池田先生は2日付の随筆「創価の陣列(じんれつ)に力あり」の中でも、E−1グランプリに触れてくださいました。「伸びゆく世界市民たちは、何と凛々(りり)しく、何と心豊かに、何と聡明(そうめい)に育ってくれていることだろうか! この(とうと)き心の大地に、私たちはさらに希望の励ましを注いでいきたい」と。
 松野 先生の温かな真心、大きなご期待に、自身の使命の重大さを改めて感じました。私たちも、未来部の一人一人を全力で励まし抜いていく決意です。
 長谷川 今月は22日まで「未来部勝利月間」ですね。
 網本 中国方面の5県でも、各地で「少年少女きぼう合唱祭」が行われるなど、(たから)の未来部育成に全力で取り組んでいます。
 生島 月間では、特に試験本番を目前にした受験生はもちろん、そのご家族に対しても、心を配っていきたいと思います。
 榎本 私が受験生の時も、成績が伸び悩み、不安を抱えていた時期がありました。そんな時、未来部担当の方や地域の創価家族の皆さんの応援が心の支えとなって、勉強と唱題に挑戦し抜くことができ、創価高校に合格。この経験が大きな信心の原点になりました。
 原田 今は、受験生にとって大切な時期です。特に、会場提供者のお宅に受験生がいる場合、この期間だけ別の会場で会合を行うことを検討したり、終了時間を厳守し、(すみ)やかに解散したりするなど、最大限の配慮をしていきましょう。

主体性を引き出す

 生島 信越では、新潟、長野の両県ともに担当者の皆さんが「一人でも多く、未来を(にな)後継(こうけい)の人材を」と真剣に祈り、寄り添い続けています。
 原田 未来部員の成長や活躍の(かげ)には、必ずといってよいほど、担当者の皆さんの粘り強い励ましがあります。本当にありがとうございます。
 生島 長野の上田圏では毎年、会館で「未来部文化祭」を企画しています。ここでは、同じ会館を共に利用する上田南圏も参加し、未来部員が撮影した写真、絵画、研究発表の成果を会館に展示します。会館を訪れる、ご家族からも喜びや感謝の声が届いています。
 長谷川 未来部員たちも、会館に「行くのが楽しみ」「また来たい」と思えるようになったそうですね。大切なことです。
 生島 上田圏では、中・高等部の中核となるメンバーの育成にも力を入れています。会合の打ち合わせや、会合での司会や導師を中・高等部のリーダーが行うことで、皆の主体性を引き出し、活気が生まれています。中高生の集いには毎回、25人ほどが集まり、皆、元気いっぱいです。
 網本 中国方面では近年、中等部メンバーへの激励(げきれい)に力を入れています。今年は、5県全てで中等部総会を開催しました。
 榎本 私も広島での集いに参加しました。中でも、いじめや不登校を乗り越えた体験をもつ青年部の担当者の方が、先生の『青春対話』『未来対話』を通してメッセージを送る企画が大きな感動を呼びましたね。
 網本 「あなたが自分で自分を見捨ててしまっても、私は見捨てない」――先生の心が中等部員の心に真っすぐ届き、涙を浮かべているメンバーもいました。
 榎本 総会を目指し、メンバーへの訪問・激励に取り組まれたと聞きました。当日は、担当者の方も含め約1000人が集い、熱気に満ちていました。
 網本 当日、会合に参加できないメンバーのためにも、事前に「記念署名(しょめい)」として、一人一人の「決意」を記入してもらったところ、全メンバーの6割以上が記してくれた地域もありました。
 原田 人材育成に近道≠ヘありません。リーダーが直接、足を運び、声を掛けた分だけ、後継(こうけい)の友の成長があります。
 松野 先生は、学会創立100周年には、今の未来部のメンバーが「(みな)、『勝利の旗の走者』として、21世紀の前半を走り抜く主役」だと言われています。
 原田 まさに未来部員こそ「法華経の命を()ぐ人」(御書1169ページ)です。これからも一人一人に全力で励ましを送ってまいりましょう。

陰徳は必ず陽報に

 長谷川 今、各地で今年最後の統監(とうかん)が行われています。12月22日には「統監(とうかん)部の日」を迎えます。
 原田 改めて、地域広布を(かげ)で支えてくださっている統監(とうかん)部の皆さまに、心から感謝を申し上げます。
 長谷川 統監(とうかん)部の皆さまの尊い労作業があってこそ、広布は伸展(しんてん)し、また、メンバーへの励ましも具体的になっていきます。
 原田 統監(とうかん)部の重要性について、小説『人間革命』には、こうつづられています。「このような(えん)の下の仕事こそ、まさに、陰徳(いんとく)を積む仕事です。誰に知られなくとも、広宣流布の中枢(ちゅうすう)の仕事であることは、間違いありません。陰徳(いんとく)は、必ず陽報となって(あらわ)れます」(第10巻「一念」の章)。これからも、一枚のカードは、一人の生命≠ニの心で、尊い聖業(せいぎょう)に取り組んでまいりましょう。

(2019.12. 5. 聖教新聞)