< 座談会 >

皆が前進! 皆が人材!

 


 

 

<11>
<12>
<13>
<14>
<15>
<16>
<17>
<18>
<19>
<20>

青春の鍛えは一生の宝に
具体的な対策で感染を防止
自他共の幸福開く真心の対話
「研さん・熟読」が師弟共戦の力に
誓願の祈りで不屈の挑戦を
逆境も希望へと転ずる信心
知恵と慈悲で自分発の挑戦を
有意義で価値的な日々を!
強盛な祈りで価値創造の日々を
今こそ「真心」の声掛けを

 

 

 

 

<11> 青春の鍛えは一生の宝に
出席者:原田会長、永石婦人部長、西方男子部長、中原男子部大学校事務局長、大串女子部長、山口白蓮グループ委員長

 永石 全国の同志が「今こそ、新時代の二月闘争を!」と拡大に取り組んでいます。中でも新たに立ち上がった青年部の皆さんの活躍が目覚ましいですね。
 原田 池田先生は5日付の「心に御書を」で「(いま)日蓮()(たぐ)いの修業は妙法蓮華経を修行するに(なん)(きた)るを(もっ)安楽(あんらく)(こころ)()()きなり」(御書750ページ)との御文(ごもん)を通し、男子部大学校、白蓮(びゃくれん)グループなどで奮闘(ふんとう)する青年に「青春時代の鍛錬(たんれい)は一生の財宝(ざいほう)」と、エールを送られました。先生の胸中(きょうちゅう)には常に、後継(こうけい)の青年部の皆さんがいます。
 中原 「創価の道を最高の同志と恐れなく!」との先生の呼び掛けに呼応(こおう)するかのように、男子部大学校生が前進しています。
 大串 白蓮(びゃくれん)グループのメンバーも仕事、勉学、また任務に挑戦しています。
 山口 先生が全て見守ってくださっている。これほどの喜びはありません。
 原田 青年が拡大の先駆(せんく)を切ることは永遠に変わらぬ学会の伝統です。
 西方 「人材育成の要諦(ようてい)とは何か。それは、リーダーが成長し続けていることだ。人は触発(しょくはつ)があってこそ奮起(ふんき)する」(小説『新・人間革命』第29巻「常楽」の章)との指針(ししん)を胸に刻み、まず自身が率先して祈り、学び、折伏(しゃくぶく)に挑戦し、(はん)を示してまいります。
 原田 壮年、婦人も各地で青年部の勝利と成長のためと、応援してくださっています。心を合わせて拡大にまい進していきたい。

具体的な目標掲げ

 西方 男子部大学校では会合中心≠フ活動から、自宅や会館で共に勤行・唱題を行う「家勤(いえごん)運動」を重視し、励ましを送っています。
 中原 一人一人の課題や夢に合わせて具体的な目標を決め「何のために」「何をするか」を明確にするよう対話しています。先輩たちが丁寧に関わる中で納得が生まれ、友人への折伏(しゃくぶく)に挑戦し、弘教(ぐきょう)を実らせるメンバーも相次いでいます。
 原田 大事なことです。先生は、かつて青年に「悔いなき歴史を(つく)りゆくには、希望に燃え、具体的な目標を(かか)げて、強い祈りを(つらぬ)くことだ。そして祈りの通り、行動することである」と指導されました。
 中原 大学校生と懇談すると、関わってくれる同志の存在によって、大きく成長していることを感じます。今回、大学校を卒業する2期生からも多くのドラマが生まれています。
 西方 島根県の山間地域で奮闘するメンバーは、1期生だった育成責任者と共に、活動に挑戦してきました。自らの就職に悩む中、折伏(しゃくぶく)にも挑戦。友人の成長を願う祈りが通じ、晴れて御本尊流布を成就(じょうじゅ)。その中で、自らの就職先も決まり、信心の功徳を実感しています。
 中原 入会した友人も3期生として入校を決意。今、彼らはそろって座談会や活動に参加しています。その生き生きとした姿は過疎化、高齢化が進む地域にあって、希望の存在として光っています。
 永石 今、若者の孤立化が各国に広がっています。ローマ・ラ・サピエンツァ大学のツーツィー・グラツィア博士は、青年に「希望」を伝えることが大切であるとし、創価学会が「多くの人々に正しい生き方を示してきたという事実」や「どうすれば良き市民として社会に貢献できるかを教えて」いることを高く評価しています。
 原田 人間関係が希薄(きはく)になり、自分さえ良ければいい≠ニいう風潮がある現代において、学会の運動は、まさしく社会の灯台になっているのです。
 西方 男子部は、2月を「正義の大拡大月間」とし、折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)果敢(かかん)に挑戦しています。今月から各地で大学校の入卒式が行われています。この1年で大成長を遂げた2期生、新たな決意に燃える3期生と共に月間を走り抜いていきます。

共に祈り、行動を

 永石 白蓮(びゃくれん)グループの入卒式も今、各地でにぎやかに開催されていますね。
 山口 はい。先日参加させていただいた北海道の入卒式では、新規のメンバーがはつらつと決意を述べる様子が爽やかでした。皆が自分らしく仏法を語り、新たな挑戦を決意する姿に大きな触発を受けました。
 大串 リーダー率先の対話も光っています。先生が指揮を執られた「二月闘争」の舞台である東京・大田総区の班長は「白蓮(びゃくれん)の時代に折伏(しゃくぶく)の結果を」と真剣に祈る中、高校の時からの友人に真心の対話を重ね、先日、弘教(ぐきょう)が実りました。今、各地からそうした喜びの声がたくさん届いています。
 山口 白蓮(びゃくれん)では、メンバーと先輩が2人1組のペアになって励ましを送り、共に成長していく取り組みが各地で行われています。そうした中で、信心の歓喜(かんき)幾重(いくえ)にも広がっています。
 永石 真っすぐに信心に励む身近な先輩の存在は、何よりも心強いですね。
 大串 白蓮(びゃくれん)の活動を通して、信心(そく)生活の実証を多くのメンバーが残しています。「面接で白蓮(びゃくれん)での薫陶(くんとう)が生き、就職が決まりました」「職場での人間関係の悩みを乗り越えられました」などの声も聞きます。
 永石 先生は「『私は、一緒に悩み、祈ってくれたあの人のことを、生涯(しょうがい)、忘れない』『あの人がいたから、今の私の幸せがある』と言われる人になることです。それに(まさ)る、人間としての栄誉はありません」(『新・人間革命』第27巻「求道」の章)とつづられています。
 原田 共に祈り、共に行動する。そして「自分よりも立派な人材に」と願い、励ましを送る。この伝統を青年部の皆さんは受け継ぎ、さらなる人材の大城を築いていただきたい。

(2020. 2.17. 聖教新聞)

 

 

<12> 具体的な対策で感染を防止
出席者:原田会長、永石婦人部長、酒井ドクター部長、石川女性ドクター部長、志賀青年部長

 原田 新型コロナウイルス感染症について、政府の専門家会議は16日、「感染の早期」であり、「今後は国内での感染状況がさらに進行していくことが考えられる」と発表しました。
 永石 病状については、非常に軽症で、ほとんど症状がない方から、重症な肺炎を起こす方まで幅広くいるといわれています。流行を防ぐためにも、一人一人が意識を高くもって臨んでいくことが大切ですね。
 原田 そこで、感染症対策の基本を、ドクター部の皆さんと一緒に確認したいと思います。
 酒井 はい。まずは「手洗い」です。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前など、小まめに実践していきましょう。その際、爪は短く切っておくのが望ましいです。せっけんは「@手のひら」「A手の(こう)」「B指先・爪の間」「C指の間」「D手首」などにまで伸ばし、念入りにこするようにしてください。
 石川 アルコール消毒も効果があります。
 永石 また、「(せき)エチケット」も重要ですね。
 酒井 そうです。周囲に飛び散らないよう、「口元をおさえる」のがマナーですが、手でおさえるとウイルスが手に付着し、その手で周りのものに触れると、ウイルスの感染を広げることになりかねません。マスクがない時は、ティッシュやハンカチで口や鼻を覆い、とっさの時は、袖口で覆うようにしましょう。
 石川 マスクについては隙間がないよう、鼻まで覆うことが大切です。もしもマスクがない場合は、ガーゼやタオル等を代用品にすることもできます。インターネット等で、その作り方を見ることもできます。

「4日以上」は相談

 酒井 厚労省は17日、全ての都道府県に設置されている相談センターへの相談・受診の目安を発表しました。まず、相談・受診の前に心掛けておきたいのは、発熱等の風邪症状が見られた場合、「学校や会社を休み、外出を控える」ならびに「毎日、体温を測定して記録しておく」です。
 石川 もしも、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感(けんたいかん))や息苦しさ(呼吸困難)がある場合は、相談センターに連絡してください。
 酒井 また、高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患(しっかん)などの基礎疾患がある方、透析(とうせき)を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方は、重症化しやすいので、前記の症状が2日以上続く場合は、連絡することが示されています。
 石川 妊婦の方も念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに相談センターに連絡することが推奨(すいしょう)されています。
 酒井 なお、現時点では、新型コロナウイルス感染症ではない病気の方が圧倒的に多いため、インフルエンザ等の心配がある時は、通常と同様に身近な医療機関を受診してください。ともあれ、正確な情報をもとに、冷静に行動していただければと思います。

変毒為薬の実証を

 原田 専門家会議は対策の一つとして、テレワークや時差出勤を推奨(すいしょう)し、なるべく人混みを避けて行動するよう呼び掛けています。各社でも導入の動きが広がっています。また、不要不急な集まりを減らすことの検討も訴えています。
 志賀 そこで学会としても、会員の方々の安全と安心を最優先する観点から、当面、会館での会合は行わないことになりました。また、支部や地区などでの集まっての会合も行わないことになっています。
 永石 会合は行いませんが、各人が目標を決めて、題目をあげることはできます。事前に連絡を取り、お互いの体調を確認した上で、訪問・激励をすることもできます。電話・メール・手紙等で励ましを送ることもできます。ある婦人部の先輩は、「かねてから気に掛けていた方や、普段なかなか会えない方の所へ伺うことができます」と語っていました。
 志賀 悩んでいる友人との仏法対話にじっくりと励んでいくこともできます。
 原田 いまだかつてない状況ではありますが、御書には「大悪(だいあく)をこれば大善(だいぜん)きたる」(1300ページ)と(おお)せです。この御文(ごもん)は、大善(だいぜん)が起こるのをただ待っていればよい≠ニいうことではありません。どんな状況であっても、それを成長の好機(こうき)(とら)え、新たな前進を開始しよう!≠ニの力強い決意と勇気の実践を促されていると(はい)されます。
 志賀 御書を徹底して研さんするチャンスであり、小説『人間革命』『新・人間革命』を読み深める好機(こうき)でもあると(とら)え、取り組んでいきたいと思います。
 永石 池田先生は、「すべてを前進の活力に変え、希望につなげていくのが仏法なんです」「災害に遭ったならば、さあ、今が正念場だ。負けるものか。変毒為薬(へんどくいやく)するぞ! 信心の真価(しんか)を発揮するぞ!≠ニ、へこたれずに、勇んで挑戦を開始することです」(小説『新・人間革命』第16巻「羽ばたき」の章)とつづられています。
 原田 「どんな時も、未来へ、未来へと、希望を燃やし、力強く前進していくならば、それ自体が人生の勝利なんです。信心の証明なんです」(同)とも(しる)されています。私たちは毅然(きぜん)とした対応で、早期終息(しゅうそく)を祈っていきたい。そして、異体同心(いたいどうしん)の団結で一切を乗り越え、「変毒為薬(へんどくいやく)の実証」を示していきましょう。
 志賀 なお、新型コロナウイルスに便乗(びんじょう)した「詐欺メール」も確認されています。「マスクの無料配布」などとうたい、不正サイトに誘導するメールや、WHO(世界保健機関)の名をかたる詐欺(さぎ)もあるようです。どうか、くれぐれも注意してください。

(2020. 2.20. 聖教新聞)

 

 

<13> 自他共の幸福開く真心の対話
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 永石 「二月闘争」から「3・16」へ、一日一日が勝利のリズムを刻む大切な時です。
 長谷川 強盛(ごうじょう)な祈りを根本に学会活動の基本である、「一人」に真心を尽くす励ましに徹していきたい。
 原田 私も同志のお宅を訪問させていただいています。日頃の功労に、心からの感謝をお伝えするとともに、ますます健康で、ご活躍をと、お話ししています。お会いした方は「私たちも、私たちの立場で地域に励ましを送っていきます」と決意されていました。
 永石 婦人部の方々とお会いすると、純真(じゅんしん)な信心にこちらが感動し、学ばせていただくことが多いです。
 西方 私がお会いした男子部員も、皆が何としても弘教(ぐきょう)の結果で先生にお応えすると決意していました。
 大串 女子部のメンバーも、職場で実証を示しながら、友人に弘教(ぐきょう)が実った人など、生き生きと活動しています。
 西方 小説『新・人間革命』には山本会長が過密なスケジュールの合間を縫って個人指導に徹する姿が幾度も(えが)かれています。
 原田 第27巻「正義」の章では、三重を訪問した際、地域のリーダーのもとへ足を運ぶシーンがつづられています。その中で、同行した幹部に次のように語ります。「寸暇(すんか)を惜しんで、皆の激励(げきれい)に回ることです」「それが、幸せの花を咲かせ、組織を強化し、盤石(ばんじゃく)な創価城を築くことになります。ほかに何か、特別な方法があるのではないかと考えるのは間違いです」と。
 長谷川 会合と個人指導の比率を2対8に≠ニの指針もあります。今がそれを実践する機会とも考えられます。
 永石 訪問・激励を実践する上では相手の方へのこまやかな配慮が必要です。
 原田 事前に連絡を入れて、先方の状況、特に健康状態を確認した上で訪問することが大切です。今は手洗い、うがい、アルコール消毒、せきエチケットなど、ウイルス感染予防の対策をしっかりとっておかねばなりません。
 長谷川 その通りですね。先生は「訪問する際には、事前に連絡をして伺うなどのマナーも、当然、心掛けなければならないし、玄関先で会話をすませるなどの配慮も大切である」(同23巻「勇気」の章)とつづられています。
 永石 また、電話などを使って、励ますこともできます。こういう時こそ、知恵を出して工夫していきたいですね。
 原田 大変な時であればあるほど、地に足を着けて、一人一人をいかに励まし、希望と勇気を送っていくか。その基本に徹することが大事です。

寄り添い同苦する

 長谷川 御書には「一切衆生(しゅじょう)の同一苦は(ことごと)(これ)日蓮一人の苦と申すべし」(587ページ)とあります。日蓮仏法の実践(じっせん)の根幹は、目の前の一人に同苦し、真心からの励ましを送ることではないでしょうか。
 大串 仏法対話にも当てはまると思います。今、友人の方々が共感するのは、多くの学会員が、友の抱える不安、仕事や人間関係の悩みなどに耳を傾け、自分のことのように寄り添っているからだと思います。
 西方 私も友人との対話では、まず相手の話をよく聞き、その上で、自身の体験や仏法の法理を語り、勇気を送ることを心掛けています。
 原田 友の幸福と成長を祈り、寄り添い、語り抜く中で私たち自身の境涯(きょうがい)も大きく開けていくのです。自他共の幸福を築く折伏(しゃくぶく)実践(じっせん)に、(ほが)らかに挑戦していきたい。

高まる共感と期待

 大串 去る1月26日、SGIは発足から45周年を迎えました。
 原田 この間、池田先生の死身弘法(ししんぐほう)の闘争により、SGIの連帯は世界192カ国・地域に広がりました。今、世界中の同志が仏法の実践(じっせん)を通して自身の可能性を開き、地域や社会の柱として活躍しています。
 大串 聖教電子版にも世界203カ国・地域からアクセスがあるそうですね。時代が、世界が、創価の人間主義の哲学を求めていることを強く感じます。
 原田 世界宗教として発展する創価学会への共感と期待は、いっそう高まっています。私がお会いする一級の識者の方々も一段と池田先生の平和思想に理解を深め、学会が日本の柱として大きな存在感をもっていることに注目しています。
 西方 同志社大学大学院神学研究科で学んだ作家の佐藤優氏は近著(きんちょ)『世界宗教の条件とは何か』で、こう語っています。「五十年後、一〇〇年後の遠い未来を考えるなら、創価学会が現在の既成(きせい)仏教各派を凌駕(りょうが)するほど世界に広がって、新たな世界宗教になる」
 長谷川 佐藤氏は、確固たる宗教観、歴史観の上で、創価学会の運動を高く評価しています。非常に、説得力のある論説です。
 永石 米・モアハウス大学キング国際チャペルのカーター所長が(あらわ)した『牧師が語る仏法の師』という書籍(しょせき)があります。カーター所長は、池田先生との出会いを重ね、その学識、高潔な人格に深く感動。対談集や平和提言などを、さらに読み深めていったそうです。
 西方 カーター所長はつづっています。「私は、半世紀以上前にキング牧師を、三十年以上前にガンジーを、わが師と定めました。しかし池田会長の偉業を知った時、三番目の世界的な師匠に出会ったと叫びたい気持ちになりました」「池田会長のお手伝いをしたいと願っています」と。
 原田 分断や対立が深刻化する現代世界において、創価の人間主義の哲学は、宗教や思想を超えて人々を結び、共生の社会を築く希望の光源(こうげん)となっています。こうした時代を開いてくださった先生と共に前進できる誇りと喜びを胸に、平和と幸福の連帯をさらに広げてまいりたい。

(2020. 2.24. 聖教新聞)

 

 

<14> 「研さん・熟読」が師弟共戦の力に
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 大串 小説『新・人間革命』第30巻<下>のワイド文庫が、先日発売されました。これで、『新・人間革命』は、ワイド文庫としても完結しました。
 志賀 同巻には、「暁鐘(ぎょうしょう)(後半)」「()(どき)」「誓願(せいがん)」の3章が収録され、創価学会が権威(けんい)権力の宗門の鉄鎖(てっさ)を断ち切り、「(たましい)の独立」を果たし、世界宗教へと飛翔(ひしょう)していく歴史が記されています。
 長谷川 学会の精神の正史(せいし)がつづられた、小説『人間革命』『新・人間革命』の「研さん・熟読(じゅくどく)」こそ、師弟共戦の力であり、永遠にわたる広布前進の要諦(ようてい)にほかなりません。
 永石 「あとがき」の中で先生は、「小説『新・人間革命』の完結を新しい出発として、創価の同志が『山本伸一』として立ち、友の幸福のために走り、間断(かんだん)なき不屈(ふくつ)の行動をもって、自身の輝ける『人間革命』の歴史を(つづ)られんことを、心から念願している」と記されました。
 原田 株式会社トーハン代表取締役副社長の川上浩明氏は、「『新・人間革命』は堂々のフィナーレを迎えられましたが、物語は読者の胸に刻まれ、続きは読者自身の人生の中で(つむ)がれてゆくでしょう。それぞれに(いろど)り豊かな続編が読者の人生を飾り、また新たな対話につながりゆくことを確信しております」と語っていました。全くその通りだと思います。
 永石 ウズベキスタンの元文化・スポーツ大臣であるトゥルスナリ・クジーエフ氏は、「池田先生が半世紀にわたって執筆(しっぴつ)された『人間革命』『新・人間革命』は、他に(るい)を見ない人類の遺産です」と述べていましたね。
 長谷川 インド・創価池田女子大学議長のセトゥ・クマナン氏は、「小説『新・人間革命』には、世界中の若者たちを啓発(けいはつ)する力が凝結(ぎょうけつ)している」「人間主義の心にあふれた池田先生の世界≠学ぶ『テキスト』でもあります」との感動を寄せています。
 永石 先日の「声」の欄には、会合のないこの時に、御書や小説『新・人間革命』をしっかりと研さんしていきたいとの決意が掲載されていましたね。
 原田 「聖教電子版」や「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」などを活用している人も多くいます。思う存分に唱題し、大いに研さんに励みながら、価値ある一日一日を送っていきましょう。
 長谷川 御書に「わざはひも(てん)じて(さいわい)となるべし、あひかまへて御信心(ごしんじん)(いだ)()の御本尊に祈念(きねん)せしめ(たま)へ、何事(なにごと)成就(じょうじゅ)せざるべき」(1124ページ)と(おお)せです。先生は、この御文(ごもん)を通し、「妙法には無量無辺(むりょうむへん)(だい)功力(くりき)があります。いかなる災難も信心という心の大城(だいじょう)(おか)すことはできない。全ては永遠の幸福を開くための試練です。一番大変な時に、一番不屈(ふくつ)の勇気で民衆と社会を照らす。この地涌(じゆ)の創価の光を共に、共々に!」と指導されたことがあります。
 原田 第30巻<下>の中でも、「(わざわ)いも(さいわ)いに転じていけるのが信心です。風があってこそ、(たこ)が空高く舞い上がるように、苦難、試練を受けることによって、境涯(きょうがい)を大きく開き、幸福の大空に乱舞(らんぶ)していくことができるんです」とつづられています。大変な時だからこそ、私たちは社会の安穏(あんのん)を祈り、ともどもに励まし合って進んでいきたい。

22世紀を照らす人

 志賀 3月は「未来部希望月間」です。入学・卒業、進学・進級を控える大事な時期です。こういう状況ですので、細かい配慮をしながら、(たから)の未来部を応援していきたいと思います。
 大串 「少年少女きぼう新聞」の連載「春夏秋冬ほがらかに」の3月号の中で先生は、「学会の『人間革命』の運動は、平和を願う人々から、かけがえのない世界市民の連帯として注目され、期待されています。その(あと)()ぐみなさんこそ、21世紀の(おお)舞台で活躍し、22世紀まで照らしていく(たから)の人です」と呼び掛けられています。
 原田 学会創立100周年のその先を開くのは、今の少年少女部員です。未来部員を励まし、(はぐく)むことがどれほど大切か。
 志賀 「未来ジャーナル」の連載「誓いの明日(あす)へ――日蓮門下(もんか)を語る」では、「日蓮大聖人が立宗(りっしゅう)宣言(せんげん)された時も、また創価学会が創立された時も、自然災害や争いなど、民衆は不安と苦悩の渦中(かちゅう)にありました。最も大変な冬の時代≠ノこそ、人々の新たな春≠断固(だんこ)と勝ち開く! ここに、創価の(ほま)れの原点があり、使命があります」と訴えられています。
 原田 「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)です。人々の新たな春≠開くため、私たちは友に励ましの声を届け、不屈(ふくつ)の創価の道を歩んでいきたい。

火災を起こさない

 大串 3月1日から7日までは、春の「全国火災予防運動」の期間です。
 長谷川 火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり、火災予防の取り組みを学び、発生を防ぐことを目的にしたものです。
 永石 住宅火災を防ぐためには、「3つの習慣・4つの対策」が大切だと言われますね。
 志賀 ええ。「寝たばこをしない」「ストーブは燃えやすいものから離れた位置で使用」「ガスこんろなどのそばを離れる時は必ず火を消す」――これが「3つの習慣」です。
 原田 「住宅用火災警報器の設置」「寝具、衣類、カーテンからの火災を防ぐために防炎品を使用」「住宅用消火器等の設置」「お年寄りや身体の不自由な人を守るための隣近所の協力体制」――これが「4つの対策」です。無事故で充実した日々を送るためにも、一切の油断を排し、万全の備えをしていきましょう。

(2020. 2.27. 聖教新聞)

 

 

<15> 誓願の祈りで不屈の挑戦を
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 長谷川 新型コロナウイルスの感染被害が広がっています。2月24日には、政府の専門家会議が「これから1〜2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と、見解を示しました。
 志賀 同会議は「これから取るべき対策の最大の目標は、感染の拡大のスピードを抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすこと」とも述べています。
 永石 一般的な感染の仕方は、くしゃみ、(せき)などの「飛沫(ひまつ)感染」、また感染者がウイルスの付いた手で触れたものを他の人が触り、その手で口や鼻に触れ、粘膜から感染する「接触感染」といわれます。
 大串 大事なのは一人一人の注意と対策ですね。具体的な感染症対策については、2月21日付の聖教新聞「医療」のページでも詳しく紹介されていましたね。
 長谷川 石けんやアルコール消毒液などを使用した「手洗い」や「(せき)エチケット」など、基本的なことを日常的にしっかり励行していくことが大切です。
 原田 25日には新型肺炎の流行抑制(よくせい)に向け、政府が基本方針を決定しました。日本国内では患者の小さな集団が見つかっているが、大規模な感染拡大が認められている地域があるわけではない、と分析し、感染を広げないために「集団が次の集団を生み出すことを防止することが極めて重要」と強調しています。
 志賀 そして、国民・企業・社会に対しては、正確な情報提供、手洗い・(せき)エチケット等の徹底、風邪症状が見られる場合の休暇取得や外出自粛を改めて呼び掛けています。
 大串 26日には、多数が集まる全国的なスポーツ・文化イベントについては大規模な感染リスクがあるとして「今後2週間は、中止、延期、規模縮小等の対応を要請する」と発表しました。
 志賀 この要請を受けて、コンサートやスポーツイベントなどの中止・延期が相次いでいます。
 大串 さらに27日に首相は「多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える」として、3月2日から春休みに入るまで、全国の小・中学校、高校や特別支援学校を臨時休校にするよう要請すると発表しました。

「抜苦与楽」の実践

 志賀 こうした政府等の対応の方針転換を踏まえ、学会として2月28日に以下の決定をし、会員の皆さんにお伝えさせていただきました。まず「会合」についてです。これまで「当面、3月中旬まで中止」としていましたが「3月末」まで延長されました。この期間、会館での会合は行わず、支部や地区をはじめ少人数での会合も行いません。
 長谷川 これに伴って、3月中旬以降に予定していた以下の会合も中止になります。
 @15日(日)を中心とする「未来部の日」の諸行事
 A3月度の「座談会」
 B20日(金・祝)を中心とする会館での「春季彼岸勤行法要」
 また、「誓願(せいがん)勤行会」「春季フリー研修」も中止とします。
 原田 次に「訪問・激励(げきれい)」についてです。これまで、リーダー率先で推進してきましたが、「3月15日まで自粛」となりました。これは、2月24日に政府の専門家会議により「感染を拡大させるリスクが高いのは、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境」であることが新たに示されたことを受けての判断になります。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
 永石 直接会うことはできませんが、電話や手紙、ラインなどのSNSを活用することはできます。婦人部のリーダーは電話を中心にした激励(げきれい)を行っています。私も今、電話等で「お子さんはお元気ですか?」「親御さんの体調はいかがですか?」など、ご家族の状況に心を配りながら声を掛けるようにしています。
 長谷川 大切なことは、相手に寄り添う姿勢ですね。地域の功労者の方やご病気の方に電話で激励させていただく機会があります。その場合、まず、相手のお話に耳を傾けることを心掛けています。そのことで、今、抱えている悩みなどを語ってくださり、対話がいっそう深まることを実感しています。
 原田 私も、電話や手紙を使って励ましと御礼(おんれい)を伝えています。不安が社会を覆う時だからこそ、祈りを根本に知恵を絞り、リーダーが率先して友の心に希望を送り続けてまいりたい。
 永石 日々の聖教新聞でも、池田先生の温かな指導に触れることができます。
 原田 1日付の「四季の励まし」では「たとえ会えなくても、電話の一言で、目の前の壁が破れることもある。一通の置き手紙が、その人の人生を変える場合だってある。相手の言うことに、じっと耳を傾ける。じっくりと話を聞いてあげる。それだけで、スッキリする。心が軽くなる場合が多い。聞いてあげること自体が、仏法で説く慈悲の実践、『抜苦与楽(ばっくよらく)(苦を抜き、楽を与える)』の『抜苦』となるのだ」と。
 永石 今、婦人部は各地で、これまでにない題目をあげ、新型コロナウイルスによる感染被害の一日も早い終息を真剣に祈っています。また、宿命と戦う同志や入会を希望している友の幸福を祈っています。
 原田 池田先生はかつてこう指導されています。「人生も社会も、激しい変化の連続だ」「しかし、すべては未来の勝利の因と確信し、一日また一日、『人間革命の黄金の日記』を、心晴れ晴れと(つづ)ってまいりたい」と。工夫をすれば、御書拝読(はいどく)や小説『人間革命』『新・人間革命』の研さんもしっかりでき、日々、成長することができます。今こそ、誓願(せいがん)の祈りで不屈の挑戦を貫く時です。

壮年部結成記念日

 長谷川 こうした中、3月5日に結成記念日を迎えるのが壮年部です。
 原田 大変な時だからこそ「黄金柱」の使命は大きい。今こそ地域の、職場の、一家の柱として雄々(おお)しく立ち上がってまいりたい。
 長谷川 先生は、壮年部への指針として「漠然(ばくぜん)とした曖昧(あいまい)な祈りではなく、『(まと)』を明確に定めることだ」「毎朝毎晩、朗々(ろうろう)たる音声(おんじょう)で、明快に強盛(ごうじょう)に祈り抜き、祈り切っていくのである」と教えてくださったことがあります。
 原田 私たちは、社会の安穏(あんのん)を強く祈り抜き、変毒為薬(へんどくいやく)の実証を示していきましょう。

(2020. 3. 2. 聖教新聞)

 

 

<16> 逆境も希望へと転ずる信心
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 大串 先日、フィリピンの名門学府である国立・中央ミンダナオ大学から池田先生に「名誉教育経営学博士号」が授与されました。
 永石 同大学のデリヘ学長は、先生の平和・文化・教育の分野における世界的な貢献をたたえています。創価の人間主義の思想と行動に大きな期待が寄せられていることを強く感じます。
 長谷川 また、ブラジルSGIのイケダヒューマニズム交響楽団は、サンパウロ市立劇場で行われた「天皇陛下誕生日祝賀会」で、記念演奏を行いました。これは、同イベントを主催した、ブラジルの日系団体の要請によるもので、現地のSGIメンバーが社会で信頼を勝ち得ていることを象徴しています。
 西方 私も、動画を見ました。演奏の様子は、NHKでも紹介されていましたね。
 大串 聖教新聞を開くとこうした海外の同志のはつらつとした活躍の姿に出会えます。希望に満ちた笑顔に元気が湧いてきます。
 原田 各地の同志は良き市民たれ≠ニの先生の指針(ししん)を胸に、社会に貢献し、友情と信頼の輪を広げています。私たちも地域に根差し、信心(そく)生活、仏法(そく)社会の実証を示していきたい。

日蓮仏法は常彼岸

 西方 間もなく「春分の日」です。学会として例年、この日を中心に「春季彼岸勤行法要」を行っていますが、先日発表された通り、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本年は中止となりました。各ご家庭で行うことになります。
 長谷川 現在、各地の墓地公園、納骨堂でも感染防止のため、当面の間、礼拝(らいはい)(どう)(室)内での勤行法要を中止し、各自で自由に焼香をしていただいています(納骨受け付け、納骨・墓参は対応)。
 原田 今年はやむを得ず、こうした形になりましたが、いずれにせよ広布に進む家族、同志の勤行・唱題は御聖訓(ごせいくん)に照らし、必ず最高の追善(ついぜん)回向(えこう)となります。
 永石 日本では春分と秋分の前後を「彼岸(ひがん)」と呼び、墓参や先祖供養(くよう)を行いますが、これは仏教の本義に基づくものではなく、あくまで日本独特の風習です。
 長谷川 御書に「彼岸(ひがん)」という言葉はありますが、その意味は修行の果てにたどり着く悟りの境涯(きょうがい)≠フことです。先祖供養(くよう)で用いられた箇所(かしょ)はありません。
 原田 私たちは毎日の勤行・唱題で、先祖への追善(ついぜん)回向(えこう)を行っています。日蓮大聖人の仏法においては、毎日が彼岸(ひがん)=Aいわば「常彼岸(じょうひがん)」ともいえます。
 永石 御書には、「(いま)日蓮等の(たぐ)聖霊(しょうりょう)(とぶら)(とき)法華経を読誦(どくじゅ)し南無妙法蓮華経と唱え(たてまつ)る時・題目の光無間(むけん)(いた)りて即身成仏(そくしんじょうぶつ)せしむ」(712ページ)と明確に説かれていますね。
 長谷川 つまり、「回向(えこう)」とは自らの功徳・善根(ぜんこん)を他者に(めぐ)らし向ける≠アとです。妙法を唱え、(ひろ)めていく功徳は自分だけではなく、故人にも(めぐ)らし向けることができるのです。
 原田 その上で、学会は「随方毘尼(ずいほうびに)」(仏法の本義にたがわない限り、地域の習俗や時代の風俗に従うべきであるという考え)の観点から、春と秋の彼岸(ひがん)を一つの節目に、信心を深め、仏縁(ぶつえん)を広げる機会として追善(ついぜん)供養(くよう)を行っています。
 西方 なお、日顕宗(にっけんしゅう)の坊主は相変わらず僧侶が(おが)まなければ故人は成仏できない≠ネどと騒いでいますが、これは御書のどこにも書かれていない、大聖人の仏法とは無縁の邪義(じゃぎ)です。
 原田 私たちは大聖人の(おお)せのまま、広宣流布の大道を歩むことが自他共の成仏につながることを深く確信し、日々、自行化他の実践に挑戦していきましょう。

真心込めた声掛け

 大串 3月11日で、東日本大震災から9年を迎えます。
 原田 犠牲者の方々に(ねんご)ろに追善(ついぜん)回向(えこう)申し上げるとともに、被災地の復興を真剣に祈念してまいりたい。
 長谷川 東北の皆さまは、本当によく頑張っておられます。今日まで、筆舌に尽くせぬご苦労があったことと思います。不撓不屈(ふとうふくつ)の東北(だましい)に、私たちは勇気をもらいました。
 永石 あの大震災から半年後の2011年9月1日、池田先生は小説『新・人間革命』「福光」の章の連載を開始されます(第25巻所収)。師の励ましに東北の皆さんが、どれだけ奮い立たれたことでしょうか。
 西方 同章には「唱題によって、大生命力が、わが身に満ちあふれるならば、何があっても負けずに、どんな事態をも、悠々と乗り越えていくことができる。したがって、われら創価の同志には、克服できない苦境など絶対にない」とつづられています。
 永石 東北の同志の方々は先生の指導の通り、唱題を根本に復興へと力強く歩んでこられました。その姿に、苦難に直面した時こそ、ひたむきな信心の実践が大切であると教えていただきました。また、震災を機に防災・減災、自助・共助の考え方が広まり、防災会議への女性参画の増加など、防災意識が高まりました。
 長谷川 次元は違いますが、日本社会は新型コロナウイルスの感染で、先行きが見通せない状況です。こんな時だからこそ、朗々(ろうろう)たる唱題で、満々たる生命力を湧き出していきたい。
 永石 今、私たちにできることは、会員同志のみならず、地域の方々、友人等に電話でも、LINEでも「お元気ですか」「ご家族はいかがですか」と真心込めた声掛けを行うことではないでしょうか。
 原田 先生は3日付の「新時代を築く」で「我らには、どんな逆境も、変毒為薬(へんどくいやく)できる信心がある。大変な時こそ、仲良く励まし合い、全てを希望の方向へ転じ、価値創造していくのだ」と、エールを送ってくださいました。師弟一体の祈りを貫き、断じて困難を乗り越えてまいりたい。

(2020. 3. 9. 聖教新聞)

 

 

<17> 知恵と慈悲で自分発の挑戦を
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 大串 3日付の「新時代を築く」の中で、池田先生が教えてくださったことがあります。それは戦時下、牧口先生が「はがき」を通し、折伏(しゃくぶく)をされていたことです。
 西方 牧口先生は、「大誠実の文面で、信心は最大最善の人生の法則≠ナあり、生命の安全地帯≠ナある。共々に素晴らしい人生を生きていこうよと、学会への入会を力強く勧められた」のです。
 大串 それから18年、相手の方は入会されます。いかなる時も、一人を大切にし、創意工夫して仏縁(ぶつえん)を結んでいかれた牧口先生の闘争に深く感銘しました。

「絆」を強め広げた

 原田 2002年から03年頃にかけて、世界各地で新型肺炎(SARS)が猛威を振るいました。この時、大勢の人が集まる会合を長い期間、開くことができなかった香港、台湾などのSGIメンバーは、皆で工夫し、電話等で連携を取り合いながら、同志や友人に希望を広げていきました。
 永石 「名字の言」(2月21日付、3月1日付)でも紹介されていましたね。各家庭では、「1・2・3運動」を実践したそうです。「1」は、1日に「1時間」以上の唱題。「2」は、1日に「20分」以上の御書の拝読(はいどく)ならびに学会指導の研さんです。
 原田 そして「3」は、1日に「3人」以上の友を電話で励ましていくことです。SARSの影響で、多くの方が外出を控えていたため、これまでなかなか連絡を取ることができなかったメンバーや友人と心を通わせ、じっくりと電話で語り合うことができたそうです。そのおかげで、これまで以上に(きずな)を強め、広げられた≠ニ香港のリーダーは振り返っています。
 永石 子どもに、しっかり勤行を教えることができたとの声もありましたね。
 長谷川 6日付の聖教新聞では「親子で学ぶ創価の心」と題し、(たから)の未来部への池田先生の指針が掲載されていました。早速、「今こそ負けじ(だましい)で前進を止めない! と親子で工夫して勉強に取り組んでいます。また、この時を未来の力に変えていきたいと考え、毎日、『希望対話』の読み聞かせを始めました」などの反響が届けられています。
 原田 先生は、「わが同志は、あらゆる苦境(くきょう)に負けずに、力強く、尊い地域貢献(こうけん)、社会貢献を続けている。御聖訓(ごせいくん)には、『(みょう)とは蘇生(そせい)()なり蘇生と申すはよみがへる義なり』(御書947ページ)と厳然(げんぜん)と示されている。妙法には、決して行き詰まりがない。たとえ今は苦しくとも、法のため、人のため、社会のために戦い抜く。その行動と歴史は、あとになるほど輝きわたっていくものだ」と言われています。
 長谷川 また、「苦労した分、自分が強くなる。大きくなる。深い人生を歩んでいける。苦労は全部、(たから)に変わる。これが信心の世界である。目先ではない。『冥益(みょうやく)』という、計り知れない大功徳に包まれるのである」とも語られています。
 原田 この時、香港にある創価幼稚園は、2カ月近くも休園を余儀なくされました。しかし、同園の教員の方々は、園児のことを深く思ってくださる池田先生のお心を(たい)し、子どもたちのためにできることはないか≠ニ考え、皆で知恵を絞ります。そして、家庭で学習ができるよう、ビデオCDをつくり、園児の家庭に送ったのです。
 大串 小説『新・人間革命』第23巻「未来」の章に、その時の教員の方々の奮闘の姿が記されていますね。
 永石 ビデオCDには、物語の読み聞かせや、図工、歌、体操、英語、中国語の学習指導があり、まるで幼稚園に通っているような環境が整備されました。
 大串 さらにビデオCDでは、教員の一人一人がカメラに向かって手を振り、子どもたちに語り掛けるシーンもありました。
 西方 この試みは大変に好評で、何度も何度も見て、学習に励む子どもが多くいたそうです。また、こうした幼稚園の対応は香港社会でも評判で、新聞にも大きく取り上げられました。

VOD番組を送付

 原田 「知恵と慈悲(じひ)の自分発の挑戦」によって、社会に希望を送ることができた創価の友の実証です。日本でも今、「自分発の挑戦」を心掛け、小説『新・人間革命』を毎日、1章ずつ学び直している方や、メンバーに毎日、激励(げきれい)の手紙を書いている方がいます。
 長谷川 1日に3人、電話で励ましを送る方や、社会の安穏(あんのん)と友の幸福を祈り続けている方もいます。
 永石 ある県の婦人部リーダーは、学会のYouTube公式チャンネルで公開されている「VOD番組」を、LINEでメンバーや友人に送信し、励ましを届けています。
 長谷川 特に、「体験」を取り上げた番組は、大きな共感が寄せられ、心から喜ばれていますね。中には、入会を決意した方もいると聞きました。
 西方 男子部でも先日、初めての試みとして、YouTubeの生配信を利用した「御書講義」を実施しました。
 原田 全国で非常に多くの友が視聴し、「学会の新たな歴史を開く挑戦」と大好評でしたね。
 西方 間もなく広宣流布の誓願(せいがん)の記念日である「3・16」を迎えます。この日は、後継(こうけい)の弟子が広布の一切の責任を(にな)い、立ち上がる日でもあります。
 原田 今、日本だけでなく世界中の友が、新型コロナウイルスの感染拡大と戦っています。こういう時だからこそ、私たちは、いや増して強盛(ごうじょう)な信心に立ち、皆に勇気と希望を送る「自分発」の挑戦を続けていきたい。一日も早い終息(しゅうそく)へ、今できることに全力で取り組んでいきましょう。

(2020. 3.12. 聖教新聞)

 

 

<18> 有意義で価値的な日々を!
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 長谷川 新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。学会としても、20日付の聖教新聞で伝えられた通り、4月19日まで「会合中止」「会館閉館」及び「訪問・激励(げきれい)自粛」を、延長することになりました。
 西方 4月5・6日に予定されていた「教学の日」の部別御書講義については、今回のみ森中教学部長の講義をSOKAnetで視聴できるようになります。12日の「未来部の日」を中心に予定されていた「創価ファミリー勤行会」も中止となります。
 長谷川 広宣流布大誓堂(だいせいどう)での「誓願(せいがん)勤行会」も、5月6日まで中止となります。5月に予定されていた「婦人部総会」は延期となります。なお、すでにお伝えしていますが、4月の本部幹部会についても開催を見送り、中継も行いません。ご理解とご協力を何とぞよろしくお願いします。
 西方 感染拡大の終息へ今、専門家や医療従事者の方々をはじめ、皆が力を合わせて対応しています。公明党も政府に先駆けて1月27日に対策本部を設置。各種団体からのヒアリングも実施し、それらを踏まえて3回の緊急提言を政府に申し入れました。
 原田 政府の「専門家会議」は、専門家の知見と根拠(こんきょ)に基づいた政策判断や情報発信を推進する観点から公明党が政府側に設置を求め、実現したものです。
 西方 今月10日発表の緊急対応策第2弾などの政府の施策(しさく)にも公明党の提案が大きく反映されました。例えば1.6兆円規模の手厚い資金繰り支援策です。これは、経営への影響を受けている中小企業・小規模事業者を支援する措置です。
 永石 臨時休校で、子どもの世話のために仕事を休んだ保護者に向け、休業補償の申請受け付けも3月18日に始まりました。これについて、公明党はフリーランスや非正規労働者の方も支援できるよう、政府に提言し、実現させています。
 長谷川 新たな経済政策についても山口代表は「さまざまな意見を聞き、今一番、傷んでいるところ、困っているところに、しっかり手が行き届くような対策を公明党として考えていきたい」「インパクトのある効果的な対策をまとめ上げたい」と力説しています。
 原田 公明党には人々の健康、暮らしを守るため、大きく手を打ち、どんどん政策を実現してほしい。こんな時だからこそ、ネットワーク政党の本領発揮がいっそう求められています。

動画サイトが好評

 永石 こうした大変な状況にあっても、日々、聖教新聞を届けてくださる「無冠(むかん)の友」の皆さまに、感謝の思いは尽きません。
 原田 池田先生は3日付の「新時代を築く」で「何があろうと決然と(のぼ)旭日(きょくじつ)(ごと)く、日々たゆまず聖教新聞を配達してくださっている(とうと)(とうと)き『無冠(むかん)の友』へ、心より感謝を込めて、健康と無事故をひたぶるに妻と祈念しております」と大激励してくださいました。私たちも配達員の方々の健康と無事故をいっそう真剣に祈っていきたい。
 長谷川 先生は苦境に立つ友に相次いで、真心から励ましを送られています。
 原田 11日付の随筆では「(われ)(なら)びに()が弟子・諸難(しょなん)ありとも(うたが)う心なくば自然(じねん)に仏界にいたるべし、天の加護(かご)なき事を疑はざれ現世の安穏(あんのん)ならざる事をなげかざれ」(御書234ページ)との御文(ごもん)を通し、「創価の師弟は、諸難(しょなん)の連続の中にあって、この(おお)せを『まことの時』に断じて忘れず貫き通してきた。だからこそ、一人ひとりが『自然(じねん)に仏界』を勝ち開いてきたのだ」と大確信で進むよう、エールを寄せてくださいました。
 大串 また、「若き地涌(じゆ)の勇者たちが世界の友と手を(たずさ)えて、強く(かしこ)(ほが)らかに『黄金の時代』を開いていくことを、私は信じている」ともつづられました。
 西方 青年部は師匠(ししょう)の限りない期待を胸に、工夫して信心錬磨(れんま)の日々を送っています。男子部では「YouTube」(限定公開)を活用した「LIVE講義」が好評です。
 大串 女子部では「池田華陽会(かようかい)御書30編」の研さんに挑戦し、読了(どくりょう)を果たした喜びの声も届いています。また、1月を中心に行われたロマン総会に参加した友人などに、電話やLINEを通じて、励ましを送っています。入会を希望する方も多く生まれています。
 永石 自宅で過ごす時間が増えています。ファミリー座談会を開いて、信心継承(けいしょう)の語らいをしているご家庭もあります。
 原田 このような時に合わせて、学会として、公式YouTubeチャンネルを充実させ、いつでも、どこでも楽しめる番組を配信しています。
 永石 親子で楽しめるよう、VODに収録されている「げんきのスイッチ」「仏教ものがたり」も公開されています。とても好評です。

正確な情報で行動

 長谷川 一方で、新型ウイルスへの不安に便乗した新手(あらて)詐欺(さぎ)も横行しています。マスクの入手が困難な状況に乗じ「マスクを無料で送付する」などとメールを送りつけ、URLをクリックさせようとするものなど、手口は巧妙です。
 大串 さまざまな情報がインターネット等に飛び交っていますが、中には、特定の生活必需品が品薄になっている、などの不正確な情報もあります。
 原田 政府の発信など正確な情報に基づいた行動を心掛けることが大切です。
 西方 学会の組織においても注意が必要です。作成した人が分からない動画等が、人づてに送られてきても、転送しないでください。また、個人や組織で作成した動画等を、LINEなどで拡散しないよう、お願いいたします。それらを不特定多数の人が閲覧できるブログやツイッター、フェイスブック等に投稿しないことも改めて確認しておきたいと思います。
 原田 まだ先行きが不透明ですが、だからこそ、信心の(ほのお)を燃やし、有意義で価値的な日々を送ってまいりましょう。

(2020. 3.21. 聖教新聞)

 

 

<19> 強盛な祈りで価値創造の日々を
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、西方男子部長、大串女子部長

 長谷川 政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象地域を全国に広げることを決めました。
 原田 感染された方の一日も早い回復を祈るとともに、感染によって亡くなられた方々とご遺族に、お悔やみ申し上げます。また、医療従事者の方々の献身(けんしん)に心から敬意を表します。
 西方 感染防止の観点から、この座談会もオンラインの会議システムを活用して行っていきます。
 長谷川 今日4月20日は聖教新聞の創刊記念日です。感染拡大が深刻化する中で、「毎朝届く聖教新聞こそが信心の希望の灯です」との声が、多く寄せられています。
 原田 大変な状況の中、聖教新聞の配達に携わる「無冠(むかん)の友」のお一人お一人に心から御礼(おんれい)申し上げます。配達員の皆さまの健康と絶対無事故を真剣に祈念するとともに、支えてくださっているご家族にも深く感謝申し上げます。
 永石 配達員の皆さま、本当にありがとうございます。地震から4年の熊本では支部婦人部長が、配達中に毎朝会う、花を手入れされている近隣の方に、先日の日曜日(4月12日)に初めて声を掛け、思い切って聖教新聞をお渡ししたそうです。その方は「四季の励まし」を、その場で読むと、表情がぱっと明るくなり「素晴らしい内容ですね」と。次の日も、改めて「感動しました」と語り、心通う対話ができるようになったそうです。
 原田 自身が感動した記事を、他の人にも「伝えたい」という真心が届いたのですね。
 永石 会合等の自粛の中で、心が晴れない日々が続いていたそうですが、今回の出来事を通し、「無冠(むかん)の友として先生の心を届ける喜びを実感しました」と生き生きと語っていました。
 原田 御書に「陰徳(いんとく)あれば陽報(ようほう)あり」(1178ページ)と(おお)せの通り、(かげ)で広布に尽くす無冠(むかん)の友の方々の福運は計り知れません。ご苦労をお掛けしますが、どうか、その大確信で尊い使命の道を歩んでいただきたいと思います。

大切な人≠守る

 永石 今、各地では、コロナウイルス感染の一日も早い終息を、世界中の同志と共に祈り抜く日々です。同盟(どうめい)唱題≠したり、ご家族で一緒に朝晩の勤行・唱題を心掛けたり、御書や先生の著作をじっくり研さんしたりと、今までできなかったことに、工夫して取り組んでいます。また、家にいても電話などを使って励ましのネットワークを広げることができます。
 長谷川 ともかく今は、できる限り「家にいること」です。人と人との接触機会を8割削減すれば2週間程度で感染抑制(よくせい)ができる≠ニ言われています。
 西方 学会青年部としても「stayhome(ステイホーム)プロジェクト」を推進しています。ツイッターのアカウント等を活用して、若者が不要不急の外出を控えること≠懸命に呼び掛けています。
 大串 正しい情報が賢明(けんめい)な行動を(うなが)します。それが、大切な家族、友人をはじめ周囲の人を守ることにつながっていきます。
 原田 池田先生は2日付の「新時代を築く」に「創価の青年たちが、目に見えないウイルスとの戦いに、(するど)き知性と洞察(どうさつ)力、深き共感力と持久力をもって挑み、スクラム固く価値創造してくれている。何と頼もしいことか」とつづられました。新たな発想で、新たな価値を生み出す青年部の戦いに期待しています。

庶民の「声」を形に

 長谷川 日本経済も深刻な打撃を受け、外出自粛に伴う売り上げの急減など、多くの事業者が窮地(きゅうち)(おちい)り、家計にも甚大(じんだい)な影響を及ぼしています。
 西方 公明党の山口代表は15日、安倍首相と会談し、「先が見通せずに困っている国民に励ましと連帯のメッセージを送るべきだ」「国民の苦しみや影響を政治が敏感に受け止めなければならない」と強調。早急に、所得制限なしで国民1人当たり10万円を一律(いちりつ)給付するよう強く求めました。翌16日にも、改めて電話で要請しました。
 大串 山口代表の要請にはSNS上でも幅広い人々から「それでこそ公明党」「今こそ庶民の声を形にしてほしい」などの期待の声が、かつてないほど広がりました。一律(いちりつ)給付は、かねて公明党が一貫して訴えてきた政策でもあります。
 西方 山口代表の要請を受け、首相は「全ての国民に一律(いちりつ)10万円の給付を行う方向で与党で検討する」と表明。そして、17日の記者会見で「国民皆で連帯して(新型コロナウイルスを)乗り越えることにおいて、1人10万円を配ることが正しい」と述べたのです。
 大串 今は、国民が結束して危機に立ち向かう時です。所得制限をもうけると給付を受ける人と受けられない人が生まれ、国民を分断しかねません。その意味からも、評価する声が多くあります。
 永石 「国民の声が届いて、本当によかった」との喜びを多く聞きます。収入が減り、日々の生活費に困っている人も多くいます。家庭を守っている方、感染リスクを背負いながら医療、販売、物流などの現場で働く方をはじめ、全ての人の苦労と閉塞感に寄り添う給付金として、安心と連帯が広がることと思います。
 原田 今、世界は第2次世界大戦以来ともいうべき試練に直面しています。公明党は、国民が求める政策をスピード第一で実行してもらいたい。
 西方 中小企業・小規模事業者や個人事業主への支援策も、公明党が次々と提言し、政府の「緊急経済対策」にも、さまざまに盛り込まれています。
 原田 公明党には他党にはない「大衆とともに」との、創立者が示された永遠の指針(ししん)がある。今こそ総力を挙げて、この未曽有(みぞう)の危機に立ち向かってほしい。

(2020. 4.20. 聖教新聞)

 

 

<20> 今こそ「真心」の声掛けを
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長、志賀青年部長、大串女子部長

 志賀 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、「不要不急の外出を控える」「人との接触を8割削減する」「3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避ける」など、各地で全力の取り組みが実施されています。
 大串 青年部としても、医学者とのオンライン会議を開催し、「若者の意識と行動の変化」などを訴え、「stayhome(ステイホーム)(=家にいよう)プロジェクト」を推進しています。
 原田 そこで今回は、公衆衛生を専門とするドクター部の意見を参考にしながら、「今、私たちができること。すべきこと」を確認したいと思います。
 長谷川 まず、専門家が強調しているのは、「正しい情報をもとに行動する」ことです。厚労省の発表によれば、今回のウイルスの致死率は、季節性インフルエンザに比べ、相当程度高いと考えられています。一方、罹患(りかん)しても約8割は軽症で経過すると報告されています。また、国内では最近、約6割の感染経路が特定できておらず、日常生活の中での感染リスクが増大しています。
 志賀 先日、感染者の「濃厚接触者」の定義が、「発症の2日前から1メートル以内で15分以上接触した人」などと改められました。自分は無症状感染者かもしれない≠ニの意識を、より強くもつことが求められています。
 長谷川 WHO(世界保健機関)は、若者・中年層も重症化するリスクがあるとも指摘しています。こうした事実を知り、聡明(そうめい)対峙(たいじ)していくことが大切になります。
 大串 長引く外出自粛による不安を口にされる方も多くいます。
 原田 運動不足で、心身に不調をきたす場合もあります。難しい状況の方もいるかもしれませんが、家の中でのラジオ体操など、日々の生活において、可能な範囲で工夫をし、運動不足を解消していきましょう。

バランスよい食事

 永石 「人とのつながり」の機会が少なくなって、「精神的な疲労が増えているように感じます」と訴える方もいます。
 長谷川 こういう時だからこそ、不安や孤独を一人で抱えず、誰かに相談していけるといいですね。「人とのつながり」の断絶は、できるだけ避けることが望ましいと専門家も述べています。
 原田 私たちは、これまで(つちか)ったネットワークを生かし、電話や手紙、携帯電話の「メール」等を活用して、積極的な声掛けをさらに強く実践していきたいと思います。
 長谷川 特に、高齢で1人暮らしの方には、「体調に変化はないか」「困っていることはないか」など、気を配っていきたいですね。今ほど、「励まし」が求められている時はないと痛感します。
 永石 また、商店街やスーパーの混雑も問題視されています。買い物には、できる限り、一人で、すいている時に行くよう、心掛けたいと思います。
 志賀 ウイルスを防ぐため、免疫力を高めることも強調されています。
 原田 一般的に、「栄養バランスのよい食事」「適度な運動」「十分な睡眠」が重要だといわれます。「楽しく笑う」ことも、体内の免疫細胞を活性化させるといわれていますね。

信仰は無限の希望

 大串 医療従事者の方々は今、わが身も(かえり)みず、人々の命を守るため、必死に働いてくださっています。その肉体的・精神的な疲労は計り知れないと思います。
 永石 先日、ある白樺会(しらかばかい)のメンバーから次のような声が届けられました。
 「病院では慌ただしい日々が続いていますが、聖教新聞を通じて、池田先生が励ましを送ってくださり、地域の同志からもしっかりと食事は取れている?≠ネどと温かい言葉をいただいています。危険と隣り合わせの恐怖はありますが、一番不安なのは、患者さんとその家族です。家族と面会もできず、患者の方々は孤独を感じています。私たち白樺の使命は、寄り添い、励ましを送ることです。先生・奥さまをはじめ、皆さまの応援と祈りを感じながら働いているので、勇気が湧いてきます。ぶれない心で、創価の看護を実践し続けます」と。
 私たちは、慈愛(じあい)の看護の使命に徹する、尊き白樺の皆さまをはじめ、医療従事者の方々に題目を送っていきたいと思います。
 原田 先生は、(やまい)に苦しんでいる人のために尽くそうと、看護の仕事を選んだこと自体、菩薩(ぼさつ)の心の人たちなんだ≠ニたたえられています。医療従事者の皆さまの献身(けんしん)の行動に深く感謝し、日々の健康を真剣に祈念(きねん)してまいります。
 また、仕事や生活の不安を抱えているかもしれない人に対し、連絡しても忙しいのでは≠ニの遠慮もあるかもしれませんが、配慮をしながら、「希望の灯」をともす「励ましの声」を届けていきましょう。
 長谷川 ある方は、遠くに住む親戚に電話をし、近況を確認し合ったそうです。「久しぶりに声を聞けて、元気をもらった」と言われ、電話をして本当に良かったと語っていました。
 永石 「返事を待つのが楽しいから」と友人や知人に手紙で近況を伝えている方もいます。多くの同志が智慧(ちえ)を湧かせ、「自分発」の挑戦をされています。
 原田 先生は15日付の「心に御書を」で、「(あい)(かま)えて、相構えて、心を(ひるがえ)さず、(妙法を)一筋(ひとすじ)に信じていくならば、現世(げんせ)安穏(あんのん)後生善処(ごしょうぜんしょ)となっていくのである」(1528ページ、通解)との御文(ごもん)(はい)し、「信仰(しんこう)とは無限の希望だ。どんな逆境(ぎゃっきょう)をもはね返せる。一つ一つ祈り抜き、変毒為薬(へんどくいやく)智慧(ちえ)涌現(ゆげん)するのだ」とつづられています。
 友に会えないつらさはありますが、私たちは「今こそ正念場(しょうねんば)」との自覚で、感染予防策を順守していきたい。そして一日も早い終息を強く祈り、皆の力で必ずや、この危機を乗り越えていこうではありませんか。

(2020. 4.23. 聖教新聞)