< 座談会 >

創立100周年へ――  

  希望の橋を架ける

 


 

 

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広布の実践が最高の追善に
草の根対話で平和の潮流を
立正安国こそ仏法者の使命
師弟共戦で拡大の実証を!
報恩の心で常勝の凱歌
立正安国の大理想を掲げ前進
祈りと団結で常勝の前進を!
「核なき世界」へ連帯強く
師と同じ心で誓願の大道を
師弟こそ永遠の学会精神

 

 

 

 

<51> 広布の実践が最高の追善に
出席者:原田会長、森中教学部長、永石女性部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 間もなく「お盆」の時季です。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今年も会館等での法要は行わず、各家庭で勤行・唱題し、故人の冥福(めいふく)を祈念することになっています。
 永石 各地の墓地公園・納骨堂でも、納骨や墓参(ぼさん)の際の礼拝(らいはい)(どう)(室)での勤行法要は行いません。原則として、自由焼香(しょうこう)のみとなっております。
 大串 ここで、お盆や追善(ついぜん)回向(えこう)の意義について確認したいと思います。
 森中 はい。「お盆」とは、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」のことで、日本の風習です。釈尊(しゃくそん)の弟子・目連(もくれん)が、地獄に()ちた母を救うために供養したという逸話(いつわ)淵源(えんげん)とされています。日蓮大聖人は、「四条金吾(しじょうきんご)殿(どの)御書(ごしょ)(盂蘭盆由来御書)」や「盂蘭盆御書」などで、目連が法華経を実践したことが供養となり、父母が成仏できたことを強調されています。
 原田 「盂蘭盆御書」には、「自身仏にならずしては父母だにもすくいがたし」(御書1429ページ)とあります。大事なことは、自身が強盛(ごうじょう)な信心の実践に(はげ)むことです。それこそが、亡くなられた方々への真の供養となります。
 森中 そもそも「追善回向」とは、自らが妙法を実践する功徳、善根(ぜんこん)を、故人に(めぐ)らし向ける≠アとを意味します。つまり、自行化他の題目を唱え、広宣流布に励んでいる学会員の勤行・唱題こそが、最高の追善回向となっていくのです。
 大串 「御義口伝(おんぎくでん)」にも、「(いま)日蓮(にちれん)等の(たぐ)聖霊(しょうりょう)(とぶら)う時法華経を読誦(どくじゅ)し南無妙法蓮華経と唱え(たてまつ)る時・題目の(ひかり)無間(むけん)(いた)りて即身成仏(そくしんじょうぶつ)せしむ、廻向(えこう)(もん)()れより(こと)(おこ)るなり」(同712ページ)と説かれています。私たちが朝晩の勤行で実践していることです。
 原田 日蓮仏法では常盆(じょうぼん)≠ナあり、常彼岸(じょうひがん)≠ナす。すなわち、日々の私たちの信心の実践がそのまま、盂蘭盆会、彼岸会(ひがんえ)の意義を有しているのです。
 永石 VODの新番組「『広布の人生』こそ最高の回向」でも、故人への追善についての、池田先生のスピーチが紹介されています。
 原田 先生は、広宣流布に生き抜く人生の功徳は無量無辺であると語り、「その功徳を無量の先祖、無量の子孫、眷属(けんぞく)(めぐら)し向けていく。自身が仏道修行で得た福運を、(ちから)を、勤行・唱題の金色(こんじき)の光を回し向けていく。これが回向の本義である」と指導されています。いよいよ勇んで信心に励んでいきましょう。

学会は大聖人直結

 西方 一方、この時季になると、日顕宗(にっけんしゅう)は僧侶が(おが)まないと故人は地獄に()ちる∞塔婆(とうば)を立てないと成仏できない≠ネどとおどし、だまし、金(もう)けに躍起(やっき)になっていますが、大聖人の御書を(はい)せば、その悪辣(あくらつ)さは明白です。
 森中 大聖人は「四条金吾(しじょうきんご)殿(どの)御書(盂蘭盆(うらぼん)由来御書)」でも、「食法(じきほう)がきと申すは出家となりて仏法を(ひろ)むる人・(われ)は法を説けば人尊敬(そんけい)するなんど思ひて名聞名利(みょうもんみょうり)の心を(もっ)て人にすぐれんと思うて今生(こんじょう)をわたり」(同1111ページ)と厳しく破折(はしゃく)しています。
 仏法を食い物にする餓鬼(がき)≠ニは、衣の権威(けんい)を振りかざす、日顕宗の姿そのものです。
 原田 戸田先生も、痛烈に喝破(かっぱ)されていました。「坊主(ぼうず)は、人々を救うためにある存在だ。それを、御供養(ごくよう)といって、信者を金儲けの道具にし、何の贅沢(ぜいたく)に使ったのか。何の遊戯雑談(ゆげぞうだん)に使ったのか。仏法の本義から根本的に(あやま)った、腐った精神の奴らである。あまりにも情けない奴だ」と。創価学会は永遠に、御書根本、大聖人直結の清らかな信心を(つらぬ)いてまいりたい。
 森中 かつて、愛知学院大学の赤池憲昭名誉教授も、第2次宗門事件から十数年の流れを振り返り、学会は「世界的な規模で影響力をもっている」と述べた上で、あの事件があって「今の創価学会が築かれてきたように思う」「『日蓮大聖人の精神に帰れ』といった形で宗教を(とら)え直していく活力が、創価学会にはあったということでしょう」と語っていました。
 西方 そうした識者の声は数多くあります。青年部は、邪宗門(じゃしゅうもん)の卑劣な実態を糾弾(きゅうだん)する正義の言論戦を展開してまいります。

共感呼ぶ墓地公園

 大串 お盆を機に、創価学会の墓地公園を訪れ、学会への理解を深める方も多くいらっしゃいますね。
 永石 先日も、聖教新聞の愛読者が、新聞に掲載される墓園の写真に感動し、「一度訪れてみたい」と、富士桜自然墓地公園を見学されたそうです。自然に溶け込んだ墓園の美しさに、心が洗われるようだったと、感想を寄せてくださいました。
 西方 中部池田記念墓地公園を訪れた方も、「全ての墓石が同じ大きさであることに驚きました」と。ともすれば、大きさや高級さを競うような墓地とは全く異なる、学会の墓園の在り方に、強く賛同してくださったそうです。
 永石 管理の行き届いた園内の美しさ、スタッフの爽やかで温かな対応に感動したことが、入会の大きな動機となる方も少なくありません。
 原田 学会の墓園の基本理念は、「恒久(こうきゅう)性」「平等性」「明るさ」です。この理念の実現のため、誰よりも心を(くだ)かれてきたのが池田先生です。墓園に足を運んだ際も、職員に対し、「来た人に喜んでもらおうよ」と語られながら、色調を考え、色とりどりの花や木を植えよう≠ネど、具体的なアドバイスをされてきました。
 学会の墓園は、妙法の生死不二(しょうじふに)の原理を象徴(しょうちょう)する生命の宮殿(きゅうでん)≠ナす。世界宗教として大きく飛翔(ひしょう)を続ける学会において、墓園の存在意義は、今後さらに輝きを増していくに違いありません。

(2021. 8. 9. 聖教新聞)

 

 

<52> 草の根対話で平和の潮流を
出席者:原田会長、平和委員会 石渡議長、女性平和委員会 前多委員長、青年平和会議 山口議長、女性平和文化会議 小松議長

 原田 今月は終戦・被爆から76年です。各地や各家庭で、全世界の戦争犠牲者への追善(ついぜん)を行うとともに、不戦と平和建設への誓いを新たにしていきたい。
 山口 戦争体験者が減少する今こそ、不戦の精神を継承(けいしょう)する重要な分岐点との思いで、青年部としてコロナ()の今年も、広島、長崎、沖縄で3回にわたってオンラインの「戦争・被爆証言会」を開催しました。
 小松 8、9日には、伝統の「青年不戦サミット」をオンラインで開催し、皆で不戦の心≠確認し合いました。また、SGI国連事務所ジュネーブ連絡所のヘイリー・ラムゼイ=ジョーンズ所長が出席し、核兵器廃絶への取り組みの現状を報告しました。
 山口 参加した高等部員からは、「世界平和に貢献することが私たちの使命だと感じた」「主体者意識を持って、小さな行動から世界を変えていきたい」等の声が寄せられました。
 前多 女性平和委員会の取材をもとに制作された「平和への願いをこめて―広島・長崎 女性たちの被爆体験―」は、今年も特別番組として各地のケーブルテレビで放映されています。また、全国9会場で「平和の文化講演会」や「平和の文化フォーラム」をオンラインで開催し、反響を呼んでいます。
 原田 女性平和委員会では、「子どもの権利条約」国連採択(さいたく)30年に当たる2019年から「子どもの笑顔キャンペーン」として、子どもたちをあらゆる暴力から守るための啓発(けいはつ)活動にも力を入れていますね。
 前多 はい。昨年はコロナ禍でも推進できる方法を模索(もさく)し、条約の精神を根付かせるための「クイズ&アンケート」を実施。約2万人から回答を得ることができました。
 小松 日本では、19年に保護者等による子どもへの体罰が法律で禁止されました(20年4月施行)。しかしアンケートでは26.7%が「知らなかった」と回答しています。
 石渡 また、97%超が「子どもは、あらゆる暴力から守られなくてはならない」と認識していながら、しつけに体罰を容認する意見が25.7%ありました。
 前多 体罰は心身の発達等に悪影響を及ぼす可能性があることが科学的にも明らかになっています。この問題は、子育て中の保護者への支援も含めて社会全体で取り組んでいくべきことです。家庭、学校、地域が支え合い、子どもたちが(すこ)やかに成長できる社会を目指して、今後も啓発活動に努めていきます。

日本が「橋渡し」役

 石渡 本年1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。7月時点で署名国は86カ国、批准(ひじゅん)国は55カ国に達し、核兵器廃絶への機運が世界的に高まっています。
 原田 核兵器廃絶は、創価学会の社会的使命です。唯一(ゆいいつ)の戦争被爆国である日本が、自らも条約を批准できる状況をつくることを視野に、来年1月の締約(ていやく)国会議にオブザーバーとして参加すること、そして、核保有国および依存国と、非保有国との「橋渡し」役を(にな)って、核兵器廃絶へのリーダーシップを発揮することを念願します。
 小松 今後は条約の実効性を高めるため、その意義を広く普及していくことも課題です。SGIは本年、核兵器禁止条約の内容や意義を分かりやすく紹介するためのツールとして、スマートフォン等で閲覧(えつらん)できるスライドストーリーとハンドブックを制作しました。
 山口 本紙でも今、「青年部と共に今こそ学ぼう 核兵器禁止条約」を連載中です。一人一人が平和建設の主体者≠ニの自覚で学び深め、核兵器なき世界を求める青年の連帯を構築していきます。

恩師の遺訓が原点

 原田 学会の平和運動の原点は、戸田先生が1957年9月8日に発表した「原水爆禁止宣言」です。この恩師の遺訓(いくん)を胸に池田先生は、各国の首脳との対話など、平和活動の先頭を走り抜いてこられました。
 石渡 先生のリーダーシップのもと、学会は草の根の平和運動に取り組んできました。昨年まで推進された「ヒバクシャ国際署名」では、学会として61万筆超を提出。ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)と共同制作した「核兵器なき世界への連帯――勇気と希望の選択」展は、これまで21カ国90都市以上で開かれています。
 山口 またSGIは、NGOやFBO(信仰を基盤とした団体)等と共に市民社会の一員として、さまざまな国際会議に出席し、宗教間共同声明を発表するなど、宗教者の立場から議論に貢献。禁止条約の発効は、こうした市民や関係者の協働と地道な対応の取り組みが結実したものです。
 前多 アメリカ公民権運動のリーダーである社会活動家ジェームズ・ローソン氏は語っています。「正義の実現を目指す戦いにおける、一番の武器は対話です。一対一の真剣な対話こそが、人間に大いなる変革(へんかく)をもたらし、連帯を生み出すのです。そこから政治、経済へと変革の波を広げていくことができます」と。
 小松 そして、「シット・イン」運動(=飲食店などの白人専用の席に抗議の意を込めて座る運動)を通してアメリカ全土を動かしたのは街の人口の5%ほどの人たちだったとし、「ほんの一握りの人々の行動が、全世界の人の心を変える」と述べていました。
 石渡 「一人」が立ち上がり、次なる「一人」を励まし、連帯を広げる――まさに、日々実践する地道な対話運動こそ、平和の潮流(ちょうりゅう)をつくり、時代を変えていく力です。
 原田 インドのマハトマ・ガンジーは「()いことというものは、カタツムリの速度で動く」と言いましたが、私たちが目指す広宣流布(そく)世界平和への道も同じです。「たゆむ事」(御書1090ページ)なく努力を重ねる「漸進(ぜんしん)主義」の行動の先に平和がある。その確信を胸に草の根の対話に挑み続け、「平和と人道の世界」を目指す民衆の連帯を広げていきましょう。

(2021. 8.12. 聖教新聞)

 

 

<53> 立正安国こそ仏法者の使命
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、志賀青年部長、大串女子部長

 志賀 「凱歌(がいか)の秋」を目指し、この夏、全国の同志が、友好の拡大に全力を(そそ)いでいます。
 大串 公衆衛生を専門とする大学教授は語っています。社会疫学(えきがく)の観点では、豊かなつながりを多く持つ人、生きがいや使命感を持っている人ほど、状況の左右されず、幸福感が強まる。その意味で、学会の皆さんが日々、積み重ねている「励ましの力」「利他(りた)の行動」は、コロナ()の社会にあって希望であると。
 永石 「あの人は元気にしているかな」「この人はどうしているかな」――一人一人のことを思い、題目を送りながら、真心を込めて電話や手紙、訪問等で声を掛けていく。こうした行動の意義を証明する一つの例ですね。
 志賀 23日からは下半期のスタートとなる「座談会」が開催されます。地区こそ広布前進の(かなめ)です。感染防止対策を徹底した上で、この夏の友好拡大の模様などを大いに語り合い、にぎやかな集いにしていきましょう。
 原田 その際、大事になるのが、仕事などの理由で座談会に参加できない方への励ましです。ここに本年の勝利の一切の(かぎ)があるといっても過言(かごん)ではありません。一人一人に激励(げきれい)の手が届くよう、担当を明確にするなど、工夫をして取り組んでいきたい。

人々の苦悩を解決

 永石 このほど、SOKAチャンネルVODに新番組「原点 立正安国と創価学会」(18分)が追加されました。座談会などで活用していただけます。
 原田 日蓮大聖人の御在世(ございせ)の当時も、疫病(えきびょう)蔓延(まんえん)し、天災が続いていました。その中で執筆(しっぴつ)されたのが、「旅客(きた)りて(なげ)いて(いわ)く近年より近日(きんじつ)(いた)るまで天変地夭(ちよう)飢饉疫癘(ききんえきれい)(あまね)く天下に()ち広く地上に(はびこ)る牛馬(ちまた)(たお)骸骨(がいこつ)(みち)()てり」(御書17ページ)の一節から始まる「立正安国論」です。
 大串 大聖人の御一代(ごいちだい)弘法(ぐほう)は、「立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」といわれます。ここには、「(すべから)く一身の安堵(あんど)を思わば()ず四表の静謐(せいひつ)?(いの)らん者か」(同31ページ)とあります。
 永石 自身の幸福のみを願い、自己の世界にこもるのではなく、社会の安穏(あんのん)を祈り、人々の苦悩を解決するために行動してこそ、真の宗教者であるとの(おお)せですね。
 原田 池田先生は、「民衆の苦しみという現実こそが、仏法の出発点であり、苦悩からの解放こそが、仏法の目的である」と語られています。社会の惨状と民衆の苦悩を変革するため、行動を起こしていく。ここに学会の出発点があるのです。
 長谷川 社会の安穏(あんのん)を願い、周囲の人々を思いやる心は、必然的に、社会建設への自覚を(うなが)し、行動となります。だからこそ学会は、平和・文化・教育などの運動に(ちから)を注いできたのです。
 原田 民衆の幸福と世界の平和の実現のため、社会のあらゆる活動に積極的に関わっていく。この立正安国の精神を胸に、私たちは下半期も張り切って進んでいきたいと思います。

執念ある方が勝つ

 長谷川 さて、かつて池田先生が、有名な「桶狭間(おけはざま)の戦い」について指導されたことがあります。それは、27歳の若き織田信長が、今川義元に大逆転で勝利し、天下統一への出発点となった戦いです。
 大串 この時、今川の軍勢は2万余。信長の軍勢は、10分の1である2000であったといわれています。圧倒的に不利な状況の中で、なぜ信長は勝つことができたのか。
 原田 それはまず、「(いくさ)(のぞ)む信念が、信長勢の方が上」であったからです。この戦に敗れれば、国土、妻子、一族郎党(ろうとう)の全てを失ってしまう。信長は、こうした引くに引けない立場にありました。だから強かったのです。このことを通し、先生は、「勝負は、執念(しゅうねん)のある方が勝つ」と強調されています。
 長谷川 そして信長は、籠城(ろうじょう)などの「守りの態勢(たいせい)」ではなく、あくまでも(みずか)ら打って出て、断固、陣頭に立って戦う「攻めの姿勢」を(つらぬ)きました。信長は自らの目で、また前線からの情報をもとに、敵の動きを冷静に確認し、迅速(じんそく)に行動しました。
 志賀 「『攻め』の行動が、時をつかむ。『勝利のチャンス』を開く」――これは、どんな戦いにあっても不変の方程式ですね。青年部は、その先頭に立ってまいります。
 長谷川 広宣流布は仏と()熾烈(しれつ)な闘争です。「権門(ごんもん)をかっぱと(やぶ)りかしこへ・おしかけ・ここへ・おしよせ」(同502ページ)との御聖訓(ごせいくん)を通し、先生は「この、徹底した広宣流布の攻撃精神こそ、学会精神である」と指導されています。
 志賀 黙っていれば、真実がうそに(おお)い隠されてしまいます。青年部は、このことを片時(かたとき)も忘れず、うそや悪と徹底して戦い、毅然(きぜん)快活(かいかつ)に、そして明晰(めいせき)に真実を叫び抜いていきます。
 大串 池田先生はいつも、「ひとたび戦いを起こすならば、大情熱を燃やし、敢闘(かんとう)しようではありませんか!」と呼び掛けてくださいます。
 永石 さらに、「広宣流布のために、自分の限界に(いど)み、(から)を破っていくなかで、境涯(きょうがい)は大きく開かれていきます。それが、広布の新しき拡大になります。自らの限界を破ってこそ成長があり、力は増すんです」とも教えてくださっています。大事な指導です。
 原田 いざというときに、いかなる「一念」で戦いに(のぞ)むのか。これが決定的に重要です。私たちの戦いは、広宣流布という、人類の平和と民衆の幸福のための大闘争です。ゆえに絶対に勝たねばなりません。
 さあ、創立100周年までの勝負の10年を開く、大事な1年の総仕上げです。私たちは、強盛(ごうじょう)な祈りを根本(こんぽん)に、立正安国の信念を(つらぬ)き、固き団結で偉大なる凱歌(がいか)の歴史をつづっていこうではありませんか。

(2021. 8.19. 聖教新聞)

 

 

<54> 師弟共戦で拡大の実証を!
出席者:原田会長、谷川壮年部長、永石女性部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 明24日は、池田先生の入信記念日です。1947年(昭和22年)の8月14日、先生は東京・大田区での座談会で、戸田先生と初めて出会われました。この時、戸田先生は「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」を講義し、「この世から一切の不幸と悲惨(ひさん)をなくしたい」と語られます。
 大串 戦後の混乱の中、正しい人生を求めていた池田先生は、その10日後に入信。広宣流布の道、師弟不二の道を歩み始められます。
 原田 「8・24」は峻厳(しゅんげん)な広布史が刻まれた日です。当時、学会員は実質500人から600人でした。それが、戸田先生の不二の弟子である池田先生の不屈(ふくつ)の大闘争によって、192カ国・地域へと大発展した。
 先生はかつて「御書に照らし、()の勢力から嫉妬(しっと)され、憎悪(ぞうお)され、迫害されることは、日蓮仏法を真実に(ぎょう)じている何よりの証拠である」「だからこそ、創価学会の三代の師弟は、本物なのである。ここに創価学会の永遠の根本(こんぽん)軌道(きどう)がある」と教えてくださいました。私たちは師弟の誓いも新たに前進しましょう。
 谷川 「8・24」は「壮年部の日」でもあります。小説『新・人間革命』第23巻「敢闘(かんとう)」の章には、「8・24」の師弟のドラマを通し、壮年部への期待がつづられています。「彼(山本伸一)は、全壮年部員が、自分と同様に、師弟共戦の誓いを立て、生涯(しょうがい)、広宣流布の大目的に生き抜いてほしかった」と。
 原田 同章には、29周年となる入信記念日を迎え、個人指導に全力を(そそ)いだ山本伸一が、「八月二十四日――この日に、会員のお宅を回ることができた。一番大事なことができた」と語る場面が(えが)かれています。「8・24」は、決意の日であり、実践(じっせん)の日なのです。
 谷川 意義深き「部の日」を目指し、壮年部は励ましの連帯をさらに広げ、各地で記念の集いを開催するなど、意気盛んです。「凱歌(がいか)の秋」へ、拡大の大波を起こしてまいります。

励ましの絆を強く

 西方 コロナ()で社会が激変する中、職場で、地域で奮闘(ふんとう)を重ね、実証を示している壮年部の皆さんの姿は、私たち男子部にとって模範(もはん)の存在です。
 永石 聖教新聞の「壮年部のページ」の投稿コーナー、「直球勝負 @伝言板」でも、仕事や地域貢献(こうけん)、学会活動に、工夫を重ね、誠実に真剣に取り組む様子が、躍動感をもって伝えられていますね。
 大串 先日、東京・中野区の支部長の投稿に、毎日の聖教新聞の感想を、SNSを活用して交換し合う「私のイチオシ」交流を支部でスタートしたとありました。素晴らしいですね。
 原田 地道な訪問・激励を行い、支部のオンラインの集いに40人近くの壮年が参加した、神奈川・海老名市の支部長の投稿もありました。慣れないスマホに悪戦苦闘(あくせんくとう)しながら、「こんな時代だからこそ、壮年同士でつながろう!」と(きずな)を強め、前進している姿は、周囲に勇気を送っています。
 谷川 壮年部3モットーの一つに、「生涯(しょうがい)求道(きゅうどう)の壮年部」とあります。世田谷区のある本部では、3年間にわたって、『新・人間革命』の勉強会を、壮年部で毎月開催。今年、晴れて終了を迎えました。この間、目覚ましい人材拡大を()げてきたそうです。

新たな友人づくり

 永石 拡大に(いど)む壮年の勇姿(ゆうし)は、いつも地域に大きな波動を起こしています。
 大串 戦うお父さんの姿に感動し、自身も挑戦しよう()決意する女子部の声も聞きます。
 谷川 大阪・摂津市の副県長は、地道に対話に励み、地元で200人に(およ)ぶ学会理解者を(はぐく)んでこられました。支部長や本部長を歴任し、仕事が多忙(たぼう)な中でも、PTA会長などを務め抜き、誠実に近隣(きんりん)貢献(こうけん)してきました。青少年指導員は20年続けています。
 原田 こうした方こそ学会の(たから)です。ベテランの壮年が、新たな活動者育成に励むエピソードも届いています。埼玉・八潮市の副県長はこの夏、熱中症、感染症の対策を十分に行い、地道に家庭訪問に歩かれました。特に、若い地区部長や創価長(ブロック長)と一緒に回るそうです。「学会の温かさを届けに行くんです」と語る通り、同志の話に耳を傾けていく中で今、対話に挑戦する友が増えてきていると聞きました。
 永石 宮城の同志から(うかが)いましたが、利府町の壮年の方は、ここ10年ほど、ご夫妻で全国を舞台に友好拡大に()けています。今年もすでに東京、秋田、青森、北海道へは実際に足を運び、電話交流も含め、千葉、福岡、大分とさらに親交を広げているんだそうです。一人一人の友人や親戚、そして新たな出会いを大切にしたい≠ニ祈りを定め、新たな友人づくりにも積極的に励み、創価の友情の輪がダイナミックに広がっています。
 原田 対話の根本(こんぽん)は、自他共の幸福を願う祈りです。池田先生の言葉にも、「『思いやり』とは『思いを()る』、つまり思いを他の人まで差し向けることである。慈愛(じあい)()せることである。思いを遠く遣った分だけ、わが心は広がる」とあります。仏縁(ぶつえん)を拡大した分だけ、私たちの境涯(きょうがい)は無限に広がります。朗らかに対話に励んでいきましょう。
 西方 壮年の皆さんの豊富な人脈こそ、広宣流布の推進(すいしん)力であることを、今まさに実感しています。
 谷川 創立100周年へ、学会の勝利を決するのは壮年部です。その決意で勇んで進んでいきたい。
 原田 池田先生は創立80周年の折に、壮年部に対し、「大事なのは『今』である。壮年が立ち上がるのだ。どこまでも自分らしく、変わらぬ情熱で、若々しい心で、広布に進んでいけば、後輩も自然とついてくる」「広布のため、同志のために、たとえ自分はどうなっても、『この私の姿を見てくれ!』という戦いを、青年の胸に残していくのである」と呼び掛けられました。広布の黄金柱として、栄光の未来へ、堂々たる挑戦を共々に誓い合い、総立ちとなって戦いましょう。

(2021. 8.23. 聖教新聞)

 

 

<55> 報恩の心で常勝の凱歌
出席者:原田会長、永石女性部長、広崎総兵庫長、、大野木総兵庫女性部長、宮口総兵庫男子部長、米澤総兵庫女子部長

 宮口 兵庫の同志は今、10・15「兵庫の日」を目指して、立正安国の祈りと行動を(つらぬ)き、勇気の対話拡大に走り抜いています。
 広崎 本年は「兵庫の日」30周年の佳節(かせつ)を迎えます。1991年10月15日、池田先生は完成間もない兵庫池田文化会館を初訪問され、「秋空に 大関西の 城高し」「勝ちにけり フラワーロードの 晴れの城」と()んでくださいました。
 大野木 この時、兵庫の同志は日本一≠フ聖教拡大で先生をお迎えしました。「すごいね、兵庫は」「日本一だね!」との師の万感の激励(げきれい)を胸に、そこから常勝兵庫≠フ新たな歴史が開かれていったのです。
 原田 翌16日の兵庫県総会で先生は、御聖訓(ごせいくん)通りに広布を進める創価の師弟の精神について指導され、「いかなる戦いも、『断じて勝つ』ことである」「まず自らが、勝って『正義』を明かすことである」とスピーチされました。
 大野木 この師匠の期待、弟子の誓いが、4年後の阪神・淡路大震災においても不屈(ふくつ)の復興≠()げる原動力になったと、多くの同志が述懐(じゅっかい)しています。
 米澤 今の兵庫があるのは、池田先生の絶え間ない励まし、そして全国・全世界の同志の支えのおかげです。報恩感謝の心を燃やして、いかなる戦いも断じて勝つ≠ニ一念を定め、立正安国の常勝の凱歌(がいか)(とどろ)かせていきます。

歴史は私が開く

 永石 兵庫女性部は、10・15までのモットーを「グループで勝つ! 家族で勝つ! 一対一の対話で勝つ!」として、こまやかな励ましで幸の連帯を広げているそうですね。
 大野木 はい。特に力を入れているのが、小単位のグループでの励ましです。この夏、オンラインなども活用して多くの地域で集いを開催し、近況(きんきょう)や悩みなどを語り合いながら共に前進してきました。
 永石 家族で勝つ! 対話で勝つ!≠ニいうことも、とても大事な心意気ですね。
 大野木 神戸市中央区の女性部副本部長は、一昨年に肺がんのステージ4と診断され、余命半年の宣告を受けました。それでも絶対に負けへん!≠ニご主人と息子さんと強盛(ごうじょう)な祈りを開始し、抗がん剤治療の副作用にも負けず、電話や手紙も使って対話に奔走(ほんそう)。半年後の血液検査では、なんと全ての項目が正常値に。発症してから4人を入会に導き、今も元気に広布の活動に邁進(まいしん)しています。
 原田 壮年部も「100勇士大会」と(めい)打ち、今週末を中心に各本部で「壮年大会」を開催するそうですね。試練の今だからこそ、「一人も置き去りにしない」との思いで声掛けすることが、どれほど相手に勇気と希望を送ることになるか。
 宮口 男子部でも今、「大学校生の育成」に重点を置き、懇談・激励に力を注いでいます。「広宣流布とは何か」「何のための学会活動か」など、納得のいくまで語り合う中で、家庭訪問や対話に挑戦する大学校生が続々と誕生。中央神戸総県では活動者が倍増した地域もあり、対話拡大の大波が起こっています。
 米澤 女子部はこの上半期、1万人を大きく超える対話を広げることができました。日々、女性部の先輩方と連携(れんけい)を密にしながら、リーダーが若いメンバーと一緒に行動する中で勇気の連鎖が生まれ、皆が自分史上最高≠フ対話拡大に挑戦しています。
 原田 頼もしい限りです。兵庫では、周囲に()われて町内会長や自治会長などの役職を(にな)い、地域貢献(こうけん)尽力(じんりょく)している方が数多くおられるのも立派です。
 広崎 ありがとうございます。例えば、尼崎市に住む80歳の壮年は、自治会長を4年、老人会長を16年務め、その間、県知事から表彰も。「一生(むな)しく(すご)して万歳(ばんさい)()ゆること(なか)れ」(御書970ページ)との御文(ごもん)を胸に、今も大きく地域に信頼の輪を広げています。
 大野木 向こう三軒両隣(さんげんりょうどなり)と言いますが、兵庫は向こう十軒両十軒≠フ勢いで、あらゆる垣根(かきね)を越えて地域の(きずな)を強めています。
 永石 先生は「一人が、十人の本当の友人をつくっていこう! そこに実質的な広宣流布がある」とご指導されたことがあります。この指針(ししん)を胸に、友好拡大に先駆ける兵庫の皆さんの姿に勇気を頂きます。
 広崎 75回目の兵庫指導(2000年2月)の折、先生は「『最も不幸な人』に光を当て、『最も苦労している人』のために尽くしていく。そして『最も善良な庶民の真心を踏みにじる邪悪(じゃあく)』とは徹底して闘争する。これが、21世紀へ(げん)として継承(けいしょう)すべき『創価学会の原点』である」と、重要なご指導をしてくださいました。
 原田 まさに、私たち池田門下の根本の(たましい)です。どうか、使命深き兵庫の皆さんは、「兵庫が勝てば、関西が勝つ。関西が勝てば、全国が完勝する」との先生のご期待を胸に、常勝兵庫の歴史は私が開く≠ニの思いで、仲良く(ほが)らかな大前進をお願いします。

財務の推進に感謝

 永石 今、地区部長や地区女性部長をはじめ、リーダーの皆さまが広布部員の継続確認と新規申し込みを推進してくださっています。誠心誠意(せいしんせいい)の取り組みに、心から感謝申し上げます。
 広崎 兵庫におきましても、「関西池田記念大講堂」の建設発表の喜びとともに、真心で推進していただき、衷心(ちゅうしん)より御礼(おんれい)申し上げます。
 原田 毎日、本当にありがとうございます。日蓮大聖人は、御供養(ごくよう)(こころざし)が「日本国の法華経の題目を(ひろ)めさせ(たも)う人に(あた)れり」(御書1241ページ)と(おお)せです。コロナ()の影響で大変な状況の中、広布のため≠ニの尊き赤誠(せきせい)が、大きな功徳となって花開くことは間違いありません。無事故で、歓喜(かんき)にあふれ、全ての方が幸福境涯(きょうがい)を開く財務となりますよう、私も真剣に祈ってまいります。

(2021. 8.26. 聖教新聞)

 

 

<56> 立正安国の大理想を掲げ前進
出席者:原田会長、永石女性部長、志賀青年部長、樺澤学生部長、林女子学生部長

 志賀 かつてない困難に直面する中、多くの同志が、感染防止対策を万全に講じながら、智慧(ちえ)と勇気を()き出して、社会の安穏(あんのん)を願い、(はげ)ましの輪を広げています。
 原田 そうした方々に会うたびに感動を禁じ得ません。日蓮大聖人は、流罪の渦中(かちゅう)であった佐渡の地で、大難(だいなん)の中でも信心を(つらぬ)く弟子、とりわけ女性門下をたたえて(おお)せになりました。「(あなた方は)日蓮よりも強盛(ごうじょう)な信心であると聞いた。これは(まった)くただ事ではない。教主釈尊(しゃくそん)が、あなた方一人一人のお心に入り()わられたのではないかと思えるので、感涙(かんるい)(おさ)えがたい」(御書1126ページ、通解)と。
 志賀 さらに、どんな乱世(らんせい)にあっても、諸仏(しょぶつ)よ、諸天(しょてん)よ、わが弟子を断じて守り(たま)え≠ニ御祈念(ごきねん)されています。御本仏(ごほんぶつ)の深いお心が(はい)されます。
 原田 いかなる困難があろうと立正安国の大理想を(かか)げ、勇敢(ゆうかん)に対話に(はげ)む同志、なかんずく女性部、そして部としての総仕上げに(いど)む女子部の皆さんを、大聖人は必ずや御照覧(ごしょうらん)であり、たたえられないはずがないと確信いたします。
 永石 池田先生は、戸田先生との初の出会いから74年となる今月14日、総本部の恩師記念会館で、全国・全世界の同志の福徳(ふくとく)・健康と無事安穏(あんのん)、さらには水害や新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息(しゅうそく)を奥さまと共に深く祈念してくださいました。
 原田 私たちは、この先生の祈りに呼吸を合わせ、同志が一人も残らず、無事安穏(あんのん)であり、幸福であるよう、まさに「湿(しめ)れる木より火を(いだ)(かわ)ける土より水を(もう)けんが(ごと)く」(同1132ページ)、強盛(ごうじょう)に祈っていきましょう。

「新しい力」を結集

 樺澤 21世紀の広布の人材山脈≠築くため、1962年(昭和37年)8月31日、池田先生は男女学生部の代表に、「御義口伝(おんぎくでん)」の講義を開始してくださいました。現在、「学生部の日」として輝く、私たちの原点です。
 原田 私はありがたくも、「御義口伝」講義の受講生として、先生の言々句々を命に刻む機会を得ました。学会の、そして世界の大指導者に育ちゆけ!≠ニ願い、峻厳(しゅんげん)な講義をしてくださった先生の姿は今も脳裏(のうり)に焼き付いています。
  先生はこの時、「御書は身口意(しんくい)三業(さんごう)(はい)すのだ。大聖人の(おお)せの通りに生き抜こうと心に誓い、口に出して人にも語り、わが身で具体的に実践(じっせん)し、身読(しんどく)していくことが大事だ」と言われたと(うかが)っています。学会の根本である「実践(じっせん)の教学」を学生部に打ち込んでくださったのです。
 樺澤 この夏、私たちは「対話拡大」と「教学研さん」を(はしら)に、「新しい人材」を育て、「新しい力」の結集に全力を(そそ)いでいます。特に、29日に開催した伝統の「教学実力試験」では、「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」などを学び、広布誓願(せいがん)(たましい)継承(けいしょう)を誓っています。
  「信心、学会活動は、若い時代に、自分としてやるべきことは、すべてやった。ここまでやった。悔いはない≠ニ言えるように、頑張ることです」――9・9「女子学生部の日」の淵源(えんげん)となった懇談(こんだん)会での先生の指導です。この指針(ししん)先駆(せんく)の使命を、「女学座談会」などを通して確認しています。
 永石 「言論の勇者となって、学会を守り、民衆を守っていくことは、最高学府に学んだ皆さんの責任であり、使命です」「これからは、女性が言論の潮流(ちょうりゅう)を、世論をつくる時代です」
 先生は、こうも教えてくださっています。
  都内の国立大学に通うメンバーは、「がんの治療薬をつくりたい」との夢をかなえるため、勉学と日々の学会活動に挑戦。このほど、大学院への合格を勝ち取り、さらに中国の名門・清華(せいか)大学の修士課程も取得できる「ダブル・ディグリー」プログラムにも合格しました。
 原田 各地で知勇兼備(ちゆうけんび)の人材群が躍り出ている報告を(うかが)っています。「大学で学ぶのは、大学に行けなかった人に奉仕し、貢献するため」――学生部の永遠の指針を胸に、新たな民衆勝利の潮流(ちょうりゅう)を起こしゆくことを期待しています。

日頃の備えが大切

 志賀 9月1日は「防災の日」です。98年前の関東大震災が、その由来です。
 個人でできる事前の対策としては、@ライフライン(水道や電気など)の停止や避難生活に備えた備蓄品の用意A地震等に備え、家具類の転倒や落下の防止策の点検B津波、大雨、土砂崩れなど、災害時の避難を想定C災害用伝言ダイヤル(171)等、安否確認方法を家族で決めておく、などが挙げられます。
 原田 日頃の備え≠ェ、いざというときに自身や家族、大切な友を守ります。先生は、「信心しているからこそ、模範(もはん)となるよう十分に注意し用心していく。それでこそ守られる」と語られています。賢明(けんめい)な行動を心掛けていきましょう。
 永石 近年、気候変動による豪雨などの影響で、自然災害が激甚(げきじん)化・頻発(ひんぱつ)化しています。こうしたことを踏まえ、「防災・減災」を「政治の主流」にと訴え、対策の強化を推進してきたのが公明党です。
 樺澤 たとえば、2019年の台風19号による記録的大雨では、多くの堤防で決壊(けっかい)越水(えっすい)が相次ぎました。私が住んでいる地域でも避難勧告が発令されました。しかし、利根川下流域では八ッ場(やんば)ダムが、荒川では第一調節池が、神田川では環七の地下調節池があったおかげで、大きな被害が出ませんでした。
 志賀 これらは全て、公明党が推進してきたものです。特に八ッ場ダムは、当時、政権を担っていた民主党が建設を一時停止しました。あのまま建設が中止されていたら、どうなっていたか。国民の命を守ることが政治の最大の責務です。公明党は、これからも現場第一で、国民のための政治を推進してもらいたい。

(2021. 8.30. 聖教新聞)

 

 

<57> 祈りと団結で常勝の前進を!
出席者:原田会長、永石女性部長、岡本総大阪長、徳渕総大阪女性部長、竹本関西青年部長、堀関西総合女子部長

 竹本 今年は「大阪の戦い」から65周年の節目(ふしめ)です。1956年(昭和31年)5月、若き池田先生の指揮のもと、大阪支部は1カ月で1万1111世帯の折伏(しゃくぶく)を達成。「常勝」の原点が築かれました。
 徳渕 そしてその2カ月後、マスコミが「まさか≠ェ実現」と驚嘆(きょうたん)した、大阪地方区の参院選での勝利が飾られたのです。
 永石 戸田先生は、池田先生を大阪に送られるに当たって、「大作、関西に行ってくれ! 関西がどうなるかで、広宣流布の五十年先、百年先の学会が決まってしまうからだ。絶対に負けられぬ戦いだ。関西に広布の一大拠点(きょてん)を作ってくれ給え!」と語られました。
  この不二の師弟の闘争が描かれている、小説『人間革命』第10巻「一念」の章は、私たちも未来部時代から何度も学んできました。
 原田 同章の連載は77年9月に始まり、同巻の発刊は翌78年の11月。池田先生の会長辞任の半年前のことです。邪悪(じゃあく)宗門(しゅうもん)(そう)らによる謀略(ぼうりゃく)(うず)巻く中で、先生は「大阪の戦い」について記してくださったのです。
 永石 「大阪の戦い」は、最も勝利が(あや)ぶまれた戦いでした。そして、逆風に次ぐ逆風の中で道を切り開いてきた闘争です。
 原田 先生は、「法華経とは将軍学(しょうぐんがく)」であり、御本尊と信心に一切がかかっているとの決心で戦いに(のぞ)まれました。まさに、億劫(おくごう)辛労(しんろう)を尽くした一念で戦っていかれたのです。そして関西の同志に「(いか)なる世の(みだ)れにも各各(おのおの)をば法華経・十羅刹(じゅうらせつ)・助け(たま)へと湿(しめ)れる木より火を(いだ)(かわ)ける土より水を(もう)けんが(ごと)強盛(ごうじょう)に申すなり」(御書1132ページ)との御聖訓(ごせいくん)を通し、関西の会員一人一人の強盛な祈りから、全てを始めなければならないと語られます。

全員が共戦の勇者

 永石 先生は、「私は全生命をなげうって、断じて勝ってみせるとの決心であった」とも述懐(じゅっかい)されています。そして、徹底して、一人また一人と懇談(こんだん)、対話を重ねていかれました。
  当時を知る草創(そうそう)の先輩も、先生は大阪の全会員と会われたのではないか≠ニ語るほどの戦いでした。
 竹本 実際に、約半年間で8000人の友に会い、励まし、1日で25会場ほどを回られたこともあった。自転車は3台も乗りつぶされたと聞きました。
 原田 だからこそ、関西の隅々(すみずみ)まで、祈りと団結で勝つ≠ニの決定(けつじょう)した一念が伝播(でんぱ)していったのです。
 岡本 大激闘(げきとう)を終え、関西本部に戻られた後も、先生は深夜まで机に向かわれました。当時、先生から激励(げきれい)のはがきや手紙を頂いた同志が数多くいらっしゃいます。私も拝見(はいけん)したことがありますが、一文字一文字のほとばしる勢いに、心が震える思いがしました。
 原田 先生は関西の同志全員を共戦の勇者に!≠ニ戦われました。随筆には、「必ずや、計算以上の人間の(たましい)の、不可能を可能にしゆく(ほのお)が燃え移っていくことを、確信した」とつづられています。
 岡本 関西は先生が築いてくださった広布の錦州城(きんしゅうじょう)です。この師恩に(ほう)ずるため、私たちは立正安国の「凱歌(がいか)の秋」へ、勝利の前進をしてまいります。

不屈の大闘争心で

 徳渕 大阪の同志は、今再びのまさかが実現≠ヨ、「大阪の戦い」を体現する自分史上最高の闘争を誓い、感染症対策に万全に取り組みながら、家庭で、地域で、職場で、限界突破の奮闘(ふんとう)を重ねています。
 岡本 (さかい)総県のある壮年は、コロナ()で仕事に大打撃を受けました。先輩の励ましに腹を決め、近隣(きんりん)への誠実な対話に歩きました。15年以上、地域役員を務めてきたことで周囲の信頼も厚く、学会理解の輪が大きく広がりました。仕事にも必至で取り組み、新規事業のめどが立ち、ご夫妻で功徳を実感する日々です。
 原田 地域に根を張ったリーダーが関西各地で活躍していますね。コロナ()の中で、自身のことのみならず、友の幸福を祈り戦う姿は模範(もはん)と光っています。
 永石 池田先生はかつて「関西の友には皆に、『自分でやる!』、そして『自分がやる!』という(たましい)が光っている」と、みなぎる広布への責任感をたたえられていましたね。
 徳渕 その手本が錦宝会(きんぽうかい)多宝会(たほうかい))の先輩方です。新大阪総県の支部副女性部長は、間もなく80歳。今年は、電話や手紙を中心に800人との対話に、はつらつと挑戦されています。先日もお孫さんを通じて知り合った方に、『新・人間革命』の書籍(しょせき)を紹介するなど、若々しく活動する生涯(しょうがい)青春の姿に感動します。
 岡本 新たなメンバーが次々と立ち上がり、活躍していくのも、「大阪の戦い」以来の伝統です。
  女子部でも、西大阪総県の部長が4月の就任以来、電話やSNSを駆使(くし)し、すでに100人を超える友人に仏縁(ぶつえん)を拡大。新たなメンバーとの(きずな)も強め、波動を起こしています。
 竹本 常勝大阪総県では壮年・女性部の方々と青年育成について協議する「支部スクラム会議」をオンラインで定期開催。そうした中、男子部で、初めて会合に参加したメンバーや、対話拡大に挑戦できたメンバーが数多く誕生し、地域を大いに盛り上げています。
 徳渕 池田先生は月刊誌「パンプキン」7月号の中で、「私は逆境と戦う大阪の青年たちと語り合ってきました。――悲観や感傷(かんしょう)に流されて、弱腰(よわごし)になったら、力は出ない。笑うが勝ちだ。大変であればあるほど、笑い飛ばして、みんなを喜ばせていくのだ」とつづられています。
 岡本 このような時代だからこそ、私たち大阪はますます意気盛んです。
 原田 先生は、「『不屈(ふくつ)の大闘争心』が、学会精神であり、関西魂である。関西が立てば、東京が立ち、全国が立つ。まさに『世界の関西』である。関西こそ、学会の『心臓』であり、私の命を置いた場所である」とまで言われています。どうか、いよいよ聡明(そうめい)に、快活に、創立100周年を開く本年秋の戦いに断じて勝利していきましょう。

(2021. 9. 2. 聖教新聞)

 

 

<58> 「核なき世界」へ連帯強く
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、西方男子部長、大串女子部長

 西方 男子部は今、立正安国・立正安世界を誓い、創価の若きスクラムを広げています。全国で行っている「男子部大学校生大会」でも、勇気の拡大と「信心(そく)生活」の実証の活動体験が相次いでいます。
 大串 女子部も、コロナ()の今だからこそと、希望と励ましの対話で仏縁(ぶつえん)を拡大しています。9月からは白蓮(びゃくれん)グループも、「セレブレイト(祝賀)期間」(11月18日まで)を勢いよくスタートしました。
 長谷川 池田先生は、「大白蓮華」9月号の「巻頭言(かんとうげん)」で呼び掛けられています。「さあ、全創価家族が()いも若きも、今再び、燃え(さか)地涌(じゆ)の青年の心で、あの友この友を、希望と充実と幸福の大行進に(いざな)いながら、広布の山を共々に登りゆこう!」と。
 永石 そのご指導のままに女性部も、「11・18」を目指して、感染防止をしながら智慧(ちえ)と勇気を()き出し、地域に信頼と友情の輪を広げています。東京・北区の支部女性部長は長年、地元の女性防火チームの一員として貢献(こうけん)。はつらつと活動する姿に、地域の青年部も行事役員等を進んで(にな)うようになりました。彼女は今春、周囲に()されて町会役員にも選ばれ、活躍されています。
 長谷川 お(となり)の足立区には、コロナ禍になった昨年2月から、一日も欠かさずリレー同盟(どうめい)唱題≠行っている地区があると(うかが)いました。高齢化が進む団地の中で、一人も置き去りにしない≠ニの思いで皆の健康長寿と無事安穏(あんのん)を祈り、こまやかな声掛けを徹底して、新たな活動者が次々と誕生しているそうです。
 原田 北区をはじめ東京の皆さんは、明春の「城北池田記念講堂」の完成を目標に張り切って挑戦しておられますね。ともかく、創価の同志は皆、偉大な使命を()びて(おど)り出た地涌の菩薩(ぼさつ)です。だからこそ「自他彼此(じたひし)の心なく水魚(すいぎょ)(おもい)()して」(御書1337ページ)、一人も残らず真心の励ましを届けていきたい。そして(ほが)らかに、「凱歌(がいか)の秋」へ前進していきましょう。

烈々たる大師子吼

 西方 9月8日は、学会の平和運動の原点となった、戸田先生の「原水爆禁止宣言」発表の日です(1957年)。
 原田 当時、高校生だった私もその場に参加しました。「それ(原子爆弾)を使用したものは悪魔であり、魔ものであるという思想を全世界に広めることこそ、全日本青年男女の使命であると信ずる」――戸田先生は核兵器の魔性を暴き、その廃絶を訴え、後継(こうけい)の青年たちに託されたのです。まさに烈々(れつれつ)たる(だい)師子吼(ししく)でした。
 長谷川 その遺訓(いくん)を真剣に受け止め、核兵器廃絶への潮流(ちょうりゅう)を起こしてこられたのが池田先生です。イデオロギーの(こと)なる世界の指導者たちと胸襟(きょうきん)を開いた対話を続け、平和と友情の連帯を築いていかれました。
 永石 先生には83年に「国連平和賞」が贈られましたが、その感謝状には、「国際緊張の緩和(かんわ)並びに軍縮、特に今日(こんにち)の最重要課題である核軍縮の推進のために、建設的な提言を行ってきた」とあります。
 西方 また、「国連の広報活動に対して、あなたの指導のもとに行われた学会並びにSGIの多大な貢献は、国連の目的と理想への一般市民の支持を強化する力強い援助となった」ともありました。
 原田 実際、青年部が核廃絶への1000万署名運動を行い、先生自らが署名簿を国連事務総長に手渡してくださいました(75年)。また、82年には国連本部で「核兵器――現代世界の脅威」展を国連広報局、広島市、長崎市と協力して開催しました。この折にも先生は、第2回国連軍縮特別総会に寄せた「軍縮および核兵器廃絶への提言」を学会代表団に託し、国連事務総長に届けられたのです。
 大串 その後も先生は人間主義の行動を(つらぬ)かれ、83年から毎年、平和提言を重ねられています。また、学会・SGIは今日に至るまで、各国で核廃絶を訴える展示や、署名活動、平和意識調査、戦争・被爆体験の継承(けいしょう)活動など、草の根の運動を展開してきました。
 永石 この8月も、コロナ禍の中、SGIとICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が共同制作した「核兵器なき世界への連帯――勇気と希望の選択」展のバーチャル展示会が、メキシコ創価学会のホームページで開幕しましたね。
 原田 平和こそ仏法者の社会的使命であり、核兵器の禁止と廃絶は創価の師匠(ししょう)から弟子が受け継ぐ誓願(せいがん)です。先生自らが示してくださったように、生命尊厳(そんげん)の思想を(かか)げた「誠実」「真剣」な対話の積み重ねによってこそ、平和の思潮(しちょう)の水かさは増していきます。一人一人が心を結ぶ友好対話をさらに広げていきたい。

戦争被爆国の使命

 大串 世界では今、今年1月に発効した核兵器禁止条約が、核兵器廃絶への機運を高めています。SGIは条約の発効に向けて、ICANが主催したカリブ海地域の促進会議への協力をはじめ、条約の普遍化(ふへんか)のためのデジタルツールをICANと共同制作するなど、これまで多くの団体と協働しながら市民社会の一員として取り組んできました。
 永石 ICANのベアトリス・フィン事務局長も「SGIは主導的な役割を果たしてきました」と評価し、「引き続きSGIと協力を深め、さまざまな活動に取り組んでいきたい」と語っていましたね。
 西方 同条約について公明党は、中長期的に日本も批准(ひじゅん)できるような安全保障環境を創出(そうしゅつ)していくべきだと、一貫(いっかん)して主張しています。
 長谷川 先月5日には、広島市で与野党の代表が参加しての討論会(核兵器廃絶日本NGO連絡会主催)が開かれ、公明党の山口代表は改めて、来る締約(ていやく)国会議に日本政府がオブザーバーとして参加するよう強調しました。
 原田 唯一(ゆいいつ)の戦争被爆国である日本には、国際社会に対して核廃絶を訴える権利があり、果たすべき使命は極めて大きい。学会としても引き続き、市民社会の一員として(こころざし)を同じくする団体等と連携を強め、「核なき世界」への運動に力強く取り組んでまいります。

(2021. 9. 6. 聖教新聞)

 

 

<59> 師と同じ心で誓願の大道を
出席者:原田会長、森中教学部長、小泊女性部教学部長、西方男子部長、大串女子部長

 大串 750年前に起きた「(たつ)(くち)法難(ほうなん)」(1271年9月12日)は、日蓮大聖人の御生涯(ごしょうがい)における最大の法難です。
 西方 これは、大聖人によって、邪悪(じゃあく)な正体を(あば)かれた(そう)結託(けったく)した幕府の権力者らにより、不当に()らえられ、斬首(ざんしゅ)の危機に直面された大難(だいなん)です。
 森中 教学部は、大聖人が「竜の口の法難」に()われ、「発迹顕本(ほっしゃくけんぽん)」を()げられた、この日を「部の日」としています。今回は、「発迹顕本」について学び合っていきたいと思います。
 小泊 大聖人は、法難後の佐渡の地で、「日蓮といゐし者は去年(こぞ)九月十二日子丑(ねうし)の時に(くび)はねられぬ」(御書223ページ)と(おお)せです。斬首はされていませんが、「頸はねられぬ」と述べられているのです。それは、これまでのお立場から離れられたことを示していると(はい)されます。
 森中 さらに、「魂魄(こんぱく)・佐土の国にいたりて」(同ページ)と続けられています。これは、宇宙(うちゅう)と自身を(つらぬ)真理(しんり)である妙法を覚知(かくち)し、本来、生命に(そな)わる慈悲(じひ)智慧(ちえ)と勇気にあふれる(ほとけ)境地(きょうち)を、凡夫(ぼんぷ)の身のままで確立されたことを(あらわ)しています。御本仏(ごほんぶつ)・日蓮大聖人としての「発迹顕本」です。
 大串 この「竜の口の法難」を機に、大聖人は末法の御本仏として、御本尊を御図顕(ごずけん)されます。生命にも(およ)ぶ大難を勝ち越えられ、万年の民衆救済(きゅうさい)の大道を開かれたのです。
 小泊 大聖人の大慈大悲(だいじだいひ)は、民衆一人一人が地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)の使命に目覚め、実践し、御自身と同じように、仏の境涯(きょうがい)を開いていくことに(そそ)がれます。わが発迹顕本に続け≠ニの御真情(ごしんじょう)とも拝せられます。
 西方 大聖人は、「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(同1360ページ)と言われました。実際、打ち続く迫害の苦難の中で、四条金吾をはじめとした、不退の真の日蓮門下≠ェ育っていきます。
 原田 現代において、大聖人の仰せ通りの実践をされてきたのが、「創価三代の師弟」です。大難にも不惜(ふしゃく)の闘争を(つらぬ)かれ、日本はもとより、世界への広宣流布の大道を開かれました。
 大串 池田先生は、「発迹顕本を私たちの実践(じっせん)の上でとらえれば、永遠なる(ほとけ)の願いの継承(けいしょう)者としての自覚に立ち、不屈(ふくつ)の挑戦を開始することといえましょう。一個の人間が、仏と同じ誓願(せいがん)の大道を力強く歩み出す。この不惜(ふしゃく)の民衆の連帯が、立正安国の大闘争を起こし、仏国土を建設し、平和な楽土(らくど)を実現していく。ここに、日蓮仏法の発迹顕本の深義(じんぎ)があると拝せるのではないでしょうか」と言われています。
 小泊 日本も世界も激動の時を迎えています。しかし、そのような時だからこそ、使命の天地で、広布の闘志(とうし)を燃やして挑戦を開始していく。自身の信心を深め、境涯(きょうがい)を開いていく。これが弟子の発迹顕本であると思います。
 原田 私たちは今こそ、「(われ)(なら)びに()が弟子・諸難(しょなん)ありとも(うたが)う心なくば自然(じねん)に仏界にいたるべし、天の加護(かご)なき事を(うたが)はざれ現世(げんせ)安穏(あんのん)ならざる事をなげかざれ」(同234ページ)の一節をかみ締め、祈り抜き、励まし抜き、進んでいきたい。

「御書新版」を発刊

 西方 本年は、大聖人の御聖誕(ごせいたん)から(かぞ)えで800年ともなります。これを慶祝(けいしゅく)し、11月18日には、いよいよ「日蓮大聖人御書全集 新版」が発刊されます。
 大串 御書はこれまで、英語、スペイン語、フランス語など10言語以上で刊行されています。今年も、タイ語版や、台湾での新刊が発刊されています。
 原田 人類の宿命転換のための仏法の大光(たいこう)は、世界中を照らしています。韓国やニュージーランドなどでは本年、教学試験を実施しています。
 小泊 日本の女性部は、「グループ学習・懇談(こんだん)」を通し、学び合い、励まし合いながら、池田門下の誇りも高く、立正安国の対話に(ほが)らかに挑戦しています。
 原田 継続は力です。40年以上にわたり、小単位のグループで、実践(じっせん)の教学を学ぶ運動は、女性部の人材育成の基盤となり、大いなる前進の原動力となっていますね。

立正安国への実践

 西方 SOKAチャンネルVODの番組「原点 立正安国と創価学会」(18分)を学習している地域も多くあります。
 森中 ここでは、御書新版に基づき、御文(ごもん)が紹介されています。さらに大聖人が直接、時の実質的な最高権力者である北条時頼(ときより)に会い、諌暁(かんぎょう)をする様子も(えが)かれています。この場面について書かれた御書も、御書新版に新たに収録されています。ともあれ、「立正安国論」は、「一対一」の対話形式で展開されています。一人の心に正義の(はた)を打ち立てることを、「立正安国」の究極の方途(ほうと)として示されているのです。
 原田 ええ。だからこそ、私たちも、眼前の一人の友と心を(かよ)わせ、勇敢(ゆうかん)に誠実に対話していきたい。そもそも、「立正」とは、正法の流布を基盤に、生命尊厳(そんげん)、人間尊敬(そんけい)哲理(てつり)を人々の胸中(きょうちゅう)に確立し、社会の基本原理にしていくことです。社会を構成する一人一人の意識を変え、精神土壌(どじょう)を変革していくことが、「立正」の実践です。
 森中 「安国」とは、社会の繁栄と平和の建設です。これには、民衆が「三災七難」に苦しむことのない安穏(あんのん)な国土の実現も含まれています。まさしく、この現実の娑婆(しゃば)世界に仏国土を建設することです。
 原田 「立正安国」を考える上で大切なのは、「立正」と「安国」の関係です。「立正」とは「安国の根本条件」であり、「安国」とは「立正の根本目的」であるといえます。
 「創価の師弟」は、「この世から悲惨(ひさん)の二字をなくす」との信念で、民衆の幸福と、平和で安穏な社会の実現を目指して、祈り戦ってきました。これが学会精神です。さあ、立正安国の「凱歌(がいか)の秋」へ、いよいよの前進の時です。

(2021. 9. 9. 聖教新聞)

 

 

<60> 師弟こそ永遠の学会精神
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、志賀青年部長、大串女子部長

 大串 VODの新番組「三代の師弟こそ永遠の(いしずえ)」(2006年3月の本部幹部会での池田先生のスピーチ)を視聴した多くのメンバーから、感動と決意の声が届いています。
 志賀 私も、創価の師弟こそ、日蓮大聖人の正統であるとの(ほま)れに(ふる)い立ちました。
 原田 大聖人の御生涯(ごしょうがい)迫害(はくがい)の連続であられました。「猶多怨嫉(ゆたおんしつ)」「悪口罵詈(あっくめり)」等の経文(きょうもん)の通り、大難(だいなん)は4度、その他の難は数を知らず、卑劣(ひれつ)讒言(ざんげん)などを受け続けられました。しかし、全民衆のため、「一度もしりぞく心なし」(御書1224ページ)と、正法を弘通(ぐつう)してくださいました。
 長谷川 大聖人は御書の(いた)る所で、釈尊(しゃくそん)滅後(めつご)、法華経にある通りの大難を受けたのは、大聖人お一人であり、大聖人がおられなければ、仏説(ぶっせつ)(だい)虚妄(こもう)となると述べられています。
 永石 池田先生は御書を通し語られます。「『正義の師』とは、だれか? それは三類の強敵(ごうてき)と戦い、身命(しんみょう)()しまず、妙法を唱え広めている人である。つまり、法華経の通りに『難』を受けているかどうか。それを大聖人は、最大の眼目(がんもく)とされた」と。
 長谷川 そして、現代において、その蓮祖(れんそ)の闘争を受け継ぎ、一身に難を受け、広布の道を切り開いてこられたのは、牧口先生、戸田先生、池田先生の創価三代の会長です。
 原田 創価学会はなぜここまで大発展したのか。それは、三代の会長の不惜(ふしゃく)身命の闘争があったからです。そして学会員が師弟の信心と異体同心(いたいどうしん)の団結で、幾多(いくた)苦難(くなん)を勝ち越えてきたからです。先生は、「難を乗り越えて、仏になれる。『難こそ誉れ』。これが仏法者である」「苦難に打ち勝った人が真の勝利者である。これが真実の学会の同志の姿である」と強調されています。
 長谷川 私たちは、永遠に創価の三代の会長を「正義の師」と(あお)ぎ、「師弟の(たましい)」を守り抜いてまいりたい。そこに、学会の限りない発展の根幹があります。
 原田 今、未曽有(みぞう)の困難の時代にあって、広宣流布のため、自他共の幸福のために、まい進されている同志の皆さまの奮闘(ふんとう)を、御本仏(ごほんぶつ)照覧(しょうらん)されていることは間違いありません。この試練を断固と勝ち越え、未来に燦然(さんぜん)と輝き渡る、広布史の新たな一ページを刻んでいきましょう。

治療薬承認を推進

 長谷川 新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にありますが、医療体制はいまだ厳しく、19の都道府県で緊急事態宣言の期間が延長されました。引き続き、日常生活で、感染症対策を十分に行っていきたいと思います。
 永石 この(かん)も公明党は、8月20日、27日に政府に対し緊急要請を実施。臨時医療施設の増設や必要な人材の確保など、現場の意見を聞きながら、国や自治体に相次いで具体的に提案し、奔走(ほんそう)しています。
 大串 医師や看護師が常駐し、酸素投与などを行うことができる、酸素ステーションの拡充も進められています。これは、東京都では都議会公明党が昨年9月から、いち早く設置を要請してきたものです。
 永石 このような臨時医療施設で抗ウイルス薬・レムデシビルの投与が可能と明確になったのも、公明党が、8月20日の緊急要請や25日の国会質問で提言したためです。これにより、肺炎の症状がある中等症患者が迅速(じんそく)で的確な治療を受けられるようになりました。
 志賀 そもそもレムデシビルが国内初の新型コロナ治療薬として承認されたのは、昨年3月に医師でもある公明党の参院議員が国会質問で取り上げたことから始まります。東京都の新型コロナ対策のアドバイザーを務める国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、「同治療薬の承認を同党(公明党)が推進したことは、もっと広く知られて良い」(月刊誌「潮」2020年11月号)と述べています。
 原田 公明は、20日の緊急要請で、軽症・中等症患者向けの新薬ロナプリーブを用いた「抗体カクテル療法」を外来などでも行えるよう提案し、実現しました。この治療法は今、各地の医療現場で高い効果が確認されています。
 志賀 例えば都内の医療機関で同療法を受けた患者のうち、95%の患者の症状が改善されました。専門家も「非常に高い有効性が期待できる」としています。

3回目も無料化を

 大串 ワクチンの接種も進んでいます。9月13日現在、1回以上接種者が63%、2回完了者が50%を超えました。累計(るいけい)接種回数は世界第5位です。
 永石 厚労省の試算によれば、ワクチン接種によって65歳以上の高齢者について、7〜8月の感染が10万人以上抑制(よくせい)され、死者も8000人以上減少させた可能性があるとのことです。
 原田 現在接種されている海外ワクチンの確保は、昨年7月、公明党参院議員の質問に対し、公明党の衆院議員である厚労副大臣が「予備費の活用を含めて果断(かだん)に進める」と答弁したことが契機(けいき)となって一気に進みました。これについて、北海道医療大学の浅香正博学長は、「二人の質疑応答が日本を救ったと言っても過言(かごん)ではありません」(公明新聞8月1日付)と語っていました。
 志賀 接種費用を無料化させたのも公明党です。現在検討されている「3回目」も、国の負担で無料接種とすることを求め、政府の前向きな返答を得ています。
 長谷川 公明党は新型コロナの予防、検査、治療と、さまざまな側面で手を打ってきました。政府の分科会の前身である専門家会議の設置(昨年2月)も、重症化の兆候(ちょうこう)が分かるパルスオキシメーターの宿泊・自宅療養での活用もそうです。
 大串 唾液(だえき)検体(けんたい)とし、安全で簡便(かんべん)に行えるPCR検査も、集団感染の対応に当たっていた、長崎大学の河野茂学長から公明党の議員に連絡があり、実現へと動きだしたものです。
 原田 こうしたことも、公明党が与党の中でリーダーシップを()ったからできたことです。生命尊厳(そんげん)(かか)げる公明党は、国民に安心・安全を届ける政策を、さらにスピード感を持って実現していってほしい。

(2021. 9.16. 聖教新聞)