< 座談会 >

広布の翼を天高く

 


 

 

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核兵器廃絶こそ青年の使命
皆が栄光凱歌の人間学の博士
体験分かち合い希望を共有
三世にわたる福徳と安穏を祈念
後継の育成が未来を創る
嘘を打ち破る正義の師子吼を
生命尊厳の世紀を切り開く
決めて 祈って 行動する
地域を照らす太陽の存在に
いまだこりず≠フ精神で弘教・拡大

 

 

 

 

<61> 核兵器廃絶こそ青年の使命
出席者:原田会長、寺崎SGI平和運動総局長、永石女性部長、沼倉女性部書記長、志賀青年部長

 永石 来たる9月8日は戸田先生が「遺訓(いくん)の第一」として「原水爆禁止宣言」を発表(1957年)されて65周年。学会の平和運動の永遠の原点の日です。
 原田 当時は、米ソの核兵器開発競争が激化(げきか)していた時代。戸田先生は核保有を正当化する論理に対し、「その奥に隠されているところの(つめ)をもぎ取りたい」として、全民衆の生存(せいぞん)の権利を(おびや)かす核兵器を使用する者は「()もの」と断罪。いかなる国も核兵器を使用することは絶対に許されないと強調されたのです。
 沼倉 この恩師の遺訓の実現のために、池田先生は走り続けてこられました。そして、この「9月8日」を選んで、平和への行動を起こしていかれました。
 原田 68年には、「日中国交正常化提言」を発表。さらに74年には、ソ連(当時)を初訪問してコスイギン首相らと会談し、緊迫化していた日ソ関係、中ソ関係を氷解(ひょうかい)させる歴史的な人間外交を展開されました。
 志賀 これまで先生が世界各国の指導者や識者と重ねられた平和の語らいは、実に、公式のものだけでも1600回を超えます。
 寺崎 先生は、核廃絶を目指す科学者の組織「パグウォッシュ会議」会長だったジョセフ・ロートブラット博士との対談でも「原水爆禁止宣言」に言及(げんきゅう)されています。博士は核兵器への対応には、法律的、道義的なアプローチがあり、後者が宗教者として戸田氏がなされたことで、戸田氏の行動は正しいと思います≠ニ語られていましたね。
 原田 どれほど重要な宣言(せんげん)であったか。池田先生は「私にとって九月八日は、来る年来る年、弟子として決意も新たに、平和を祈り、平和への対話を起こす日」とつづられています。私たちも師に連なり、平和のための行動を(つらぬ)きたい。

議論をさらに前へ

 寺崎 8月に国連本部で開かれたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議には、私たちSGI代表団も出席しました。核兵器の「先制不使用」の誓約(せいやく)等を求める池田先生の緊急提案(7月26日付)をもとに、関連行事の開催などに取り組み、多くの識者から賛同の声が寄せられました。
 原田 今回、残念ながら全会一致でつくる最終文書を採択(さいたく)できずに終了しました。しかし、会議の終盤まで、先制不使用の政策を核保有国に求める文言が文書案に残り、今日(こんにち)のリスクをいかに低減させるかという議論に影響を与えたことは間違いないと確信します。
 寺崎 私たちSGIは、この2カ月前に開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国(ていやくこく)会議にも代表団が参加。カザフスタン共和国、キリバス共和国、アメリカの核時代平和財団と、条約の現実化のための関連行事を共催(きょうさい)するなど、積極的に議論形成に努めてきました。
 永石 同会議と並行して行われた「ユース締約国会議」には、日本、オーストラリア、ドイツ、イギリス、イタリア、アメリカのSGI各国の青年部が参加し、ワークショップを共催。締約国会議で発表された「ユース声明」の起草(きそう)にも(たずさ)わり、一連の会議に大きく貢献(こうけん)しましたね。
 志賀 日本の青年部も、9月4日に神奈川の地で「青年不戦サミット」を開き、平和への誓いを新たにしました。引き続き青年が先頭に立って「核兵器なき世界」のための平和運動を活発に行い、市民社会の声をより強めていきます。
 寺崎 次回のNPT再検討会議は2026年の予定です。そこに向け、23年、24年、25年と準備委員会が開かれ、来年は核兵器禁止条約の第2回締約国会議も行われます。今後もSGIは、国連やNGOなどと連携(れんけい)、協力しながら、先制不使用の議論を含めて核軍縮への流れを継続して前に進め、リスク低減の取り組みに全力を挙げる決意です。

元気をもらう歌声

 沼倉 女性部はこの下半期から、全国津々浦々(つつうらうら)で、小単位の「グループ学習・懇談(こんだん)」に力を入れていきます。池田華陽会(かようかい)も含め、全女性部員が参加します。
 永石 「グループ」の目的は一人一人に光を当て、温かな励ましでお互いに信心の確信を深めていくことです。また「大白蓮華」の「(かがや)きのグループ学習」などを活用して、教学や学会精神を学び、発心と成長の場とすることにあります。
 沼倉 すでに開催された地域では、参加した池田華陽会メンバーから「(かた)くなく(やわ)らかい雰囲気で、懇談的に先生の指導を学べて良かった」「先輩方が祈って動いて、どう変わったのかという体験を聞けて感動した」等の声がありました。
 永石 先生は「少人数だから、『全員が主役』である。役職などの上も下もない。『(みな)で』という言葉を、最も現実的に実践(じっせん)できる」「地に足を着けた『自発能動』の励まし合いのグループこそが、広宣流布の推進と拡大の原動力である」とつづられました。私たちリーダーが率先して最前線に入り、心が(かよ)い合う充実の集いにしていきましょう。
 沼倉 きょう9月5日、女性部の「白ゆり合唱団」が結成60周年を迎えました。1962年の結成式で先生は「信心根本にして、仲良く団結して、立派な合唱団にしていただきたい」と期待されました。
 永石 団員の皆さんはその指針(ししん)を胸に、家事や育児、仕事、学会活動、そして練習と、三立∞四立≠ノ(いど)み抜いてきました。コロナ()になってからも、リモート合唱などを通じて希望を送り続けています。
 志賀 私も含め、多くの同志が、その歌声に元気を頂いています。団員の皆さんは、各地域でも模範の対話拡大を進めていますね。
 沼倉 あるメンバーは今春、結婚11年目で念願だったご主人が入会。3人のお子さんもパパに教えるんだ≠ニ目を輝かせ、勤行・唱題に励んでいるそうです。その勢いから、他のメンバーも立て続けに友人が入会を希望するなど、勇気の波動が広がっています。
 原田 素晴らしいです。御書には「(おん)哀楽(あいらく)をもって国の盛衰(せいすい)を知る」(新921・全88)と(おお)せです。明るい歌声が響くところに広布の歓喜(かんき)の前進があります。女性部の皆さんのますますの健康と活躍、ご多幸を心から祈ります。

(2022. 9. 5. 聖教新聞)

 

 

<62> 皆が栄光凱歌の人間学の博士
出席者:谷川総合教学部長、原田教学部長、小泊女性部教学部長、石田男子部教学部長、井出池田華陽会副委員長

 原田 2018年6月以来、4年半ぶりに実施される「教学部任用試験(仏法入門)」(11月6日)へ向け、各地で申し込みを推進してくださり、本当にありがとうございます。
 谷川 先日の県長・県女性部長会でも確認があった通り、任用試験は本年下半期の最重要行事です。教える人も共に学び、共々に成長していく機会にしていきたいと思います。
 井出 池田先生は、「大白蓮華」8月号の「世界を照らす太陽の仏法」の中で、「教学は確固(かっこ)たる智慧(ちえ)の柱を築き、自在(じざい)に価値創造(そうぞう)していく原動力です。至高(しこう)の生命の法理を学ぶことは、歓喜(かんき)があり、必ず大きな人生の転機となる。そして、学んでいく人も、教えてくれる人も(みな)共に、栄光凱歌(がいか)の人間学の博士となっていくのです」と強調されています。
 小泊 私自身、中学生の時に受験した任用試験のことは鮮明(せんめい)に覚えています。勉強会には、老若男女(ろうにゃくなんにょ)の受験生が集まり、男子部の方が懸命(けんめい)に講義してくれました。中でも「依正不二(えしょうふに)」など、初めて学ぶ生命論(せいめいろん)に感動し、深遠(しんえん)な仏法哲理(てつり)(たも)つ喜びを実感したことが信心の原点になっています。
 原田 私もそうです。時間を()いて、真剣に教えてくださった方の姿は忘れられません。まさしく任用試験は、「人材育成」の絶好の機会となります。
 石田 今回、任用試験を受験することになったお孫さんと、同居している祖父母の方がいます。早速、一緒に勉強を始めたところ、「おじいちゃんとおばあちゃんは、池田先生に会ったことがあるの? 話を聞かせて」と言われ、信心の体験や喜びを語る機会となったそうです。任用試験は、「信心継承(けいしょう)」の場でもあると思います。
 谷川 試験に向けて勉強を始めた会友の方から「日蓮大聖人の仏法は、おすがり信仰(しんこう)≠竍(かみ)(だの)み≠ナはなく、唱題で自身と向き合い、幸せになっていく信仰なんですね」「750年も昔に、日蓮大聖人が『冬は必ず春となる』(新1696・全1253)という希望あふれる言葉を残されていたことを知り、深く感動しました」などの感想も寄せられています。任用試験を通じて、学会のことを知り、入会される方も多くいます。私自身も毎回、会友の方と一緒に研さんし、試験に挑戦しています。
 小泊 会友の時に任用試験を受験したヤング白ゆり世代のあるメンバーは、一人一人の生命に菩薩界(ぼさつかい)や仏界が(そな)わっているという「十界論(じっかいろん)」を学び感銘(かんめい)。入会を決め、以降も仏法の研さんに(はげ)み、現在は副白ゆり長として、生き生きと希望の対話を広げています。
 谷川 任用試験の申し込み締め切りは、10月2日です。翌3日からは、試験に関する教学講座がVODやSOKAnetで配信されます。会員・会友ともに一人でも多くの方が受験し、「人材育成」「信心継承(けいしょう)」「折伏(しゃくぶく)推進(すいしん)」の任用試験となるよう、全力で取り組んでいきましょう。

世界中の人を啓発

 原田 海外でも教学運動は活発です。本年は(すで)に、イギリス、ドイツ、韓国、マレーシアなどで教学試験が実施され、今後も北米、オセアニア、中南米、アフリカなどの世界各国で行われる予定です。
 石田 スペイン語版「御書」の総合監修(かんしゅう)者であるカルロス・ルビオ博士は、不確実な現代において「(学会の)皆さんの活動は世界中の人々に啓発(けいはつ)を与えるものであり、『希望』そのものです」と語られています。生命尊厳(そんげん)哲理(てつり)(かか)げる学会の教学運動は、世界の平和に寄与(きよ)すると、識者から高く評価されています。
 小泊 日本の女性部では「皆で語り 皆で学び 皆が創価の幸福博士に!」とのモットーのもと、「グループ学習・懇談(こんだん)」に地道に取り組んできました。少人数で共に御書を(はい)し、和気あいあいと語り合う中で、「実践の教学」を確認し合っています。
 井出 今後は、池田華陽会(かようかい)をはじめ、女子部から移行した方々も積極的に参加していきます。
 谷川 御書根本の励ましのネットワークは、いかなる時代の変化にも揺らぐことのない、平和と幸福の確かな連帯となります。喜びあふれる、にぎやかな行進を心から応援しています。
 井出 現在、行われている第3回「華陽カレッジ」では、任用試験の範囲である「一生成仏抄(じょうぶつしょう)」の「深く信心を(おこ)して、日夜朝暮(ちょうぼ)にまた(おこた)らず(みが)くべし。いかようにしてか磨くべき。ただ南無妙法蓮華経と(とな)えたてまつるを、これをみがくとはいうなり」(新317・全384)との一節を研さんしています。
 小泊 スライドや寸劇(すんげき)など、工夫を()らして行っている地域もあり、青春時代に「世界一の生命哲学」を学び、「何があっても負けない人生」の土台を築きゆくことほど、素晴らしいことはありませんね。
 石田 男子部でも、大勢(おおぜい)の「新たな人材群」が任用試験に挑戦する予定です。また、中部や中国方面、熊本総県などの各地で、新鮮な発想の教学運動が展開され、「新たな行学(ぎょうがく)闘士(とうし)」が続々と誕生しています。

自身の「発迹顕本」

 原田 来たる9月12日は「教学部の日」です。1271年(文永8年)の同日、日蓮大聖人は「(たつ)(くち)法難(ほうなん)」に()われ、「日蓮といいし者は、去年九月十二日子丑時(ねうしのとき)(くび)はねられぬ。これは魂魄(こんぱく)佐土国(さどのくに)にいたりて」(新102・全223)と(おお)せの通り、「発迹顕本(ほっしゃくけんぽん)」を()げられます。
 これ以降、大聖人は末法の御本仏(ごほんぶつ)としての御立場に立たれ、末法万年の民衆(みんしゅう)のために、御本尊を御図顕(ごずけん)されていきます。
 谷川 池田先生は、「大聖人は、『勇気』の本地(ほんじ)御姿(おすがた)を示すことで、発迹顕本を万人(ばんにん)に示された。この大聖人の『勇気』の御心を、自身の決意として、あらゆる困難に莞爾(かんじ)として立ち向かっていくことが、今度は私たちの発迹顕本につながる」と教えてくださっています。苦難(くなん)試練(しれん)に立ち向かう「勇気の信心」で、一人一人が広布に生き抜き、自身の「発迹顕本」に挑戦していきましょう。

(2022. 9. 8. 聖教新聞)

 

 

<63> 体験分かち合い希望を共有
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、西方青年部長、先ア女子学生部長

 西方 このたび、青年部長の大任を拝命(はいめい)しました。絢爛(けんらん)たる世界広布の未来を開くべく、師弟不二の心で戦い抜いていく決意です。
 原田 池田先生が皆さんの活躍を心から期待し、見守られています。私たちも青年部の成長を真剣に祈り、清新な決意で広布拡大に挑戦していきましょう。
 永石 女性部も全力で応援し、共に成長していきます。来週からは各地で座談会が行われます。今週の「励まし週間」で訪問・激励に徹し、一人でも多くの方が参加できるよう取り組んでいきたいと思います。
 西方 最近は感染症対策を徹底した上で、徐々(じょじょ)に会館や個人会場などで開催する地域も増えていますね。男子部の会合でもそうですが、皆さん口をそろえて、「顔を合わせると元気になる」と語っています。
 長谷川 東京のある地区では、対面で座談会を開き、皆で励まし合う中で折伏(しゃくぶく)が進み、今年4人の新入会者が誕生。すでに地区で7人の方が任用試験の受験を決意しているそうです。
 先ア 池田先生は語られています。「どんなに地味で、地道であろうとも、毎月の座談会を積み重ねている限り、わが学会は前進する」「座談会こそ、『人間をより強くし、より()くし、より(かしこ)くする』世界宗教の真価が発揮(はっき)される広場だ」と。
 原田 学会は創立以来、人材育成と広布拡大の原動力の場として、座談会を最も大事にしてきました。先行き不透明な社会だからこそ、皆で集い、励まし合い、共に信心の確信を(いだ)いて前進していきたい。

気迫と力量が勝負

 西方 先生は小説『新・人間革命』第13巻「北斗(ほくと)」の章で、「座談会を開いたならば、友人も会員も、納得させ、歓喜(かんき)させ、発心させずにはおくものかという、中心者の気迫(きはく)と力量が勝負になる」とつづられています。
 原田 さらに、@新来者を連れてきた人には、心から尊敬の念をもって激励するA座談会は当日だけでなく、結集を含め、事前の準備によって決まるB担当する幹部は、成功を真剣に祈り、決意と確信をもって(のぞ)むCリーダーの社会性ある、常識豊かな振る舞いが大事D会場提供者に礼を尽くす、などを教えられています。
 永石 重要な指針(ししん)ですね。座談会の参加者が増えている地区の話を聞くと、例えば、座談会の成功のために同盟(どうめい)唱題≠行ったり、地区・ブロック幹部がペアを組んで訪問・激励を積み重ねたりと、団結の祈りと行動が光っています。
 先ア また座談会では、「体験」を積極的に語り合っていきたいですね。一人一人が学会活動して、どう変わったのか≠ネど、ありのままの真実を語り合うことが大切だと思います。
 永石 本紙の「青年想U」に掲載(けいさい)された総合未来部長の体験も素晴らしかったですね。初めは信心に反発していたものの、両親の姿や創価家族の温かさに触れて発心し、全てに「意味」を見いだす前向きな生き方を継承(けいしょう)できたという体験に、「希望を持てた」「学会員であることに誇りを持って頑張ります」など、数多くの反響が寄せられました。
 西方 沖縄のあるリーダーも、一家の経済苦、自身と息子の(やまい)などの困難を前にして、折伏をやり切る中で全てを克服(こくふく)。会社では3年連続でトップセールスマンとなるなど、宿命転換を果たした揺るがぬ確信を胸に、今年も2人の友人に弘教(ぐきょう)を果たしました。
 長谷川 座談会で聞く体験には、その人にしかない悩みや、試練を越えた物語があります。アメリカSGIでは、自らの体験を人々に伝える時、それを「語る」ではなく「分かち合う」と言うそうです。共に(なみだ)し、喜び、たたえ合う。そして触発を受け、勇気と希望を共有するというのです。
 原田 先生はアメリカの歴史学者ハーディング博士との対談で、「人間とは、過去を共有し、ともに現在を生き、ともに未来を志向(しこう)する存在です。自分にも大切な物語があるように、他者にも大切な物語がある。『対話』を通した、こうした相互理解の土台があってこそ、民主主義に、生きた血が流れ通っていくのではないでしょうか」と座談会の意義を語られています。
 長谷川 政治学者の姜尚中(カンサンジュン)氏も本紙のインタビュー(9月3日付)で、学会員のように、「中間集団」に居場所を持ち、普段からいろいろな人と語り、交流し合えることの大切さを指摘し、そうした中間集団が苦悩を抱える人を救い上げていく役割を持っていると語っていました。座談会は、まさにそうした触れ合いの場ではないでしょうか。
 西方 社会全体に閉塞感(へいそくかん)(ただよ)う今こそ、私たち青年が率先して一対一の対話にまい進し、「自分は変われる」「無限の可能性がある」という希望の哲学を広く訴えていきます。

秋の交通安全運動

 原田 さて、9月21日から30日は「秋の全国交通安全運動」の期間です。この機会に今一度、交通安全への意識を高め、できることから始めていきましょう。
 先ア 全国の交通事故死者数は減少傾向にあるものの、最近は歩行中の事故が増えています。
 長谷川 特にこの時期は季節の変わり目でもあり、日没(にちぼつ)の時間が早まります。道路を横断する際は左右をよく確認し、夕方以降は反射材用品を身に着けるなど工夫したいと思います。
 永石 自動車や自転車であれば、ライトを早めに点灯し、スマホや携帯電話の「ながら運転」は絶対にやめましょう。自動車乗車中の後部座席のシートベルトの着用やチャイルドシートの使用も徹底していきたいですね。
 原田 御書に「さきざきよりも百千万億倍(ひゃくせんまんおくばい)御用心(ごようじん)あるべし」(新1590・全1169)とあるように、油断を排して用心に用心を重ねていきたい。「小事が大事」と、聡明(そうめい)に行動していくのが仏法者の生き方です。皆で無事故の声掛けを励行(れいこう)し、充実の日々を送っていきましょう。

(2022. 9.15. 聖教新聞)

 

 

<64> 三世にわたる福徳と安穏を祈念
出席者:原田会長、永石女性部長、山中教宣部長、西村女性部教宣部長、梁島(やなしま)男子部長

 梁島 このほど、男子部長の大任を(はい)しました。師匠・池田先生に安心していただける「新しい広布拡大の歴史」を断じて築きゆくため、身を()にして戦ってまいります。
 原田 先生は、男子部の新出発に当たり、「妙法を(たも)(ぎょう)ずる君たちは、真正(しんせい)の師子王となって、邪悪(じゃあく)を破る正義の師子吼(ししく)仏種(ぶっしゅ)を植える勇気の師子吼を(はな)ち、慈折(じしゃく)広布の先陣(せんじん)を開いていってくれたまえ!」と呼びかけられました。
 全男子部員が大きく成長し、難攻不落(なんこうふらく)のスクラムを築き、新たな勝利の時代を開きゆくことを強く念願しています。
 永石 青年が躍動(やくどう)する姿は、皆の心を鼓舞(こぶ)します。女性部も、10月の全国幹部会の大成功を祈り、共に前進していきます。
 原田 秋の「彼岸(ひがん)」に際し、広宣流布の途上で逝去された全同志に、改めて追善回向(ついぜんえこう)の題目を送らせていただきます。
 新型コロナの感染予防のため、本年も会館での「彼岸法要」は行いませんが、各家庭で、先祖代々の三世にわたる福徳(ふくとく)安穏(あんのん)を祈念していきたいと思います。
 西村 日蓮大聖人は、「目連尊者(もくれんそんじゃ)が法華経を信じまいらせし大善(だいぜん)は、()()(ほとけ)になるのみならず、父母、仏になり(たも)う。(かみ)七代・(しも)七代、上無量生(むりょうしょう)・下無量生の父母等、存外(ぞんがい)に仏となり給う」(新2026・全1430)と(おお)せです。妙法を信受(しんじゅ)した功徳(くどく)によって、多くの人々を成仏させていくことができると断言されています。
 原田 日蓮仏法における「追善回向(ついぜんえこう)とは、自分自身が仏道修行で積んだ功徳を、先祖や故人に(めぐ)らし()けることです。故人が信心していなくとも、私たちが広布に(はげ)む中で積んだ功徳は、先祖代々、子孫末代まで(つつ)んでいくのです。
 永石 そもそも私たちは、彼岸の時だけでなく、日々の勤行・唱題で、(えん)する故人へ追善の祈りをささげています。その意味で、「(じょう)彼岸」の実践をしています。
 西村 先生は、「題目の(ちから)(はか)り知れない。ただ一遍(いっぺん)でも(えん)する生命を成仏へ(みちび)く大功徳があると、御本仏(ごほんぶつ)は示されている。最愛の家族との別れは悲しい。しかし、生死(しょうじ)を超えて妙法で結ばれている。霊山(りょうぜん)浄土(じょうど)はいずこにあるか。唱題し、広布に(はげ)む家族の胸の中にある。常に一緒である」と強調されています。
 原田 私たち自身が、一家、一族を妙法の光で照らす「太陽」となっていけるのです。ゆえに、法のため、人のため、社会のための日々の学会活動に全力で取り組むことが大切です。

宗門は現代の化石

 山中 一方、彼岸(ひがん)の時期などに、御書にない邪義(じゃぎ)で、墓参者や高齢者へ悪質な勧誘(かんゆう)を繰り返すのが、日顕宗(日蓮正宗)です。
 彼らは、故人を(しの)ぶ遺族の心情につけ入り、坊主を呼んで追善(ついぜん)しなければ、先祖は成仏しない∞塔婆(とうば)を立てないと追善回向(えこう)できない≠ネどと邪義を吹聴(ふいちょう)しています。
 梁島 「(そう)葬送(そうそう)儀礼(ぎれい)(かか)わらない」というのが釈尊(しゃくそん)遺言(ゆいごん)です。仏教の本義です。葬儀などを金もうけに利用する坊主は、大聖人の教義に違背(いはい)した「食法(じきほう)がき」(新1514・全1111)です。
 永石 また大聖人ご自身が、師である道善房(どうぜんぼう)が亡くなった際、塔婆を立てていません。道善房のために(したた)められた「報恩抄(ほうおんしょう)」では、妙法を(ひろ)め、一切衆生(しゅじょう)救済(きゅうさい)していくことが師への報恩である≠ニ明言されています。
 山中 「創価新報8月号」の特集に、こうした大聖人の御精神とかけ離れた宗門の実態の一端(いったん)が記されています。たとえば日顕宗の坊主が昨年、夫を亡くしたばかりの女性に、「亡くなったご主人が地獄で苦しんでいる」などと耳を疑う暴言を吐きました。非常識かつ冷酷(れいこく)無慈悲(むじひ)そのものです。
 梁島 親の生前戒名(かいみょう)の代金で理不尽(りふじん)な要求をのまされ、愛想を尽かして脱講(だっこう)した方の声なども掲載されています。
 また最近、寺の金を横領して懲役3年の実刑判決を受けた坊主や、酒気帯び運転で事故を起こし現行犯逮捕された坊主などもいます。あきれた正体が浮き彫りになっています。
 山中 大聖人の御遺命(ごゆいめい)に違背して腐敗(ふはい)堕落(だらく)し、広布破壊(はかい)謗法(ほうぼう)(おか)した宗門は、信者数が「C作戦」発動前から96%も減少。今も脱講者(だっこうしゃ)が相次いでいます。
 梁島 かつてアメリカの宗教学者が日顕宗について、「現代の化石≠フ道をたどるしかない」と語っていましたが、まさにその通りの姿です。

学会の墓園に賛嘆

 西村 学会には現在、全国20カ所に墓地公園・納骨堂があり、多くの方が来園しています。彼岸(ひがん)の期間も、原則として礼拝堂での勤行法要は行えませんが、焼香(しょうこう)納骨(のうこつ)の受け付け、墓参を行っています。
 原田 学会の墓園の基本理念の第一は、永遠の生命観に立脚(りっきゃく)し、安定した質の高い維持、管理を行う「恒久(こうきゅう)性」です。そして第二は、皆が仏性を(そな)えているという平等観に立ち、墓の大小を競うような風潮(ふうちょう)(はい)した「平等性」。第三は、妙法の生死不二(しょうじふに)の原理を象徴(しょうちょう)する、親しみやすい「明るさ」です。
 山中 この三つの理念に賛同し、学会の墓園を「自然と共に生きて、何十年も先まで、地域に根差し続け、一種の文化に発展する景観(けいかん)(の先駆(せんく)的存在)」とたたえる識者もいます。
 西村 緑(ゆた)かな眺望(ちょうぼう)、美しく整備された施設、職員・スタッフの(さわ)やかな対応などには、信心をしていない墓参者や地元住民の方々からも賛嘆(さんたん)の声が寄せられています。
 永石 「園内がいつもきれいに整備され、来客があった時などは、ぜひ見てもらいたい≠ニ案内している地域の(たから)です」「地域に開かれた学会の墓地公園は、地域の誇りです。これからも共に発展していきたい」と語る地元の名士もいます。
 原田 学会の墓園は「永遠の広布旅、師弟旅の象徴(しょうちょう)」と池田先生は言われています。仏法が()く「永遠の生命」「生死不二」を体現する墓園の存在は、ますます輝きを放っています。

(2022. 9.19. 聖教新聞)

 

 

<65> 後継の育成が未来を創る
出席者:原田会長、山口未来本部長、石田女性未来本部長、井上少年部長、押金少女部長

 原田 はじめに、このたびの台風で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を真剣に祈念してまいります。
 山口 私も題目を送っていきます。さて、いよいよ秋本番。未来部員にとっては勉学やスポーツに(はげ)み、多くの友と友情を(はぐく)みながら成長していく時です。私たちも全力でエールを送っていきたいと思います。
 石田 今夏の「未来部躍進(やくしん)月間」では、未来本部長、未来部担当者の方々の多大なご尽力(じんりょく)により、創価ファミリー大会や各種研修会などを大成功で終えることができました。
 井上 少年少女部も、「きぼう作文コンクール」「少年少女希望絵画展」「E−1グランプリ」等、多くのメンバーが挑戦の日々を送りました。ご家族をはじめ、(いん)(よう)に応援してくださった皆さまに心から御礼(おんれい)を申し上げます。

一個の人格として

 押金 9月23日は、少年少女部の結成記念日です。
 山口 高等部、中等部に続き、広布の未来を展望して池田先生が提案され、1965年のこの日、各地で結成の集いが行われました。以来57年、先生は激務(げきむ)の合間を()って少年少女部員と会い、一人一人を「一個の人格」として尊重(そんちょう)し、励ましてくださいました。
 原田 世界各国を訪問した折もそうです。未来の希望である少年少女の成長を願い、同じ目線に立って語りかけ、ある時は手品を披露されたり、ピアノを弾かれたり、皆の心に深い思い出をつくってくださいました。さらには、20を超える創作童話・物語の執筆(しっぴつ)をはじめ、折々のスピーチ等で数多くの励ましを送られています。
 井上 かつて、先生が関西少年少女合唱団と記念撮影された際、一人の少女部員が「きょうは本当にありがとうございました!」と元気にお礼を言いました。先生はニッコリほほ笑み、胸に手を当て、深々と一礼を。その後、先生は未来部幹部に言われました。一人の(とうと)い人格に対して最敬礼(さいけいれい)したんだ。私はいつも、その気持ちで未来部のみんなと向き合っているんです≠ニ。
 原田 まさに、「法華経の命を()ぐ人なればと思うなり」(新1590・全1169)の精神です。年齢や立場ではなく、法華経の命、つまり生命尊厳(そんげん)哲理(てつり)を持ち、人々のため、社会のために尽くしゆく後継(こうけい)の人を大切にする――これこそ「学会の心」です。それを、先生は(みずか)らの振る舞いを通して示し続けてくださっているのです。
 山口 一人一人の未来部員を(たから)の人≠ニして接していく。この師の心をわが心として、後継を育成していく中に学会のさらなる発展もあります。
 押金 未来部員にとって、信心の先輩の激励は成長の(かて)になります。私がお世話になった未来部担当者の方々は、卒業後も励まし続けてくださり、大きな心の支えになっています。
 石田 私も中等部時代に初めて池田先生にお手紙を書いた時、思いがけず先生からご伝言を頂き、当時の幹部がわざわざ家を訪ねて伝えてくださいました。一人の中学生のために、そこまでされる師匠と創価家族の真心にお応えできる人になりたいと決意したことが原点になっています。
 原田 「後世(こうせい)(おそ)るべし」です。未来部の一人一人は、私たちの想像を超える力と無限の可能性を秘めています。それを信じ、励ますのが私たちの役目です。信心の確信、学会の温かさ、そして師匠をもつ人生の喜びを、折に触れて語り抜いていきたい。

信心の語らい深く

 井上 全国の少年少女部員と語らう中で、日々の勤行・唱題に挑戦しているメンバーのきっかけを聞くと、ご両親などの励ましが大きいことを感じます。
 押金 千葉の少女部員は学校での悩みに直面する中、今こそ信心で乗り越えよう≠ニ家族一丸で唱題。祈り続けると、何事にも負けずに自分らしく挑戦しよう≠ニ心が変わりました。本を読んだ感動や思いを短い文やイラストで表現した「POP」の全国コンテストでは、3万3000点の応募の中で「イラスト賞」を受賞。祈る中で得た結果に題目の確信を深め、明るく前進しています。
 井上 18日に行われた少年少女部「結成の日記念大会」での活動報告も素晴らしかったです。1054グラムで生まれた少年部員は、生後すぐに体内で出血。交換輸血で一命を取り留めたものの、水頭症(すいとうしょう)による障がいや甲状腺(こうじょうせん)の治療が続きました。家族と唱題に励む中、小学3年の時に医師から寛解(かんかい)の診断を。今では、地域の合唱団のリーダーとして元気に挑戦の日々を送る様子に感動が広がりました。
 押金 ほかにも、日々、題目を唱える中でCM出演を勝ち取ったメンバーや、スポーツの全国大会で活躍するメンバーなどもいます。
 原田 大人が思う以上に子どもたちは、信心のことを深く受け止めています。親や家族が他者の幸福を願って活動に励む姿、また苦難(くなん)を信心で勝ち越えた姿なども目に焼き付けています。たとえストレートに伝わらないように思えても、信心の原点と確信と素晴らしさをありのままに語っていくことで子どもたちの心に深く刻まれていきます。
 山口 その意味で、座談会や本部幹部会などの信仰体験や広布拡大の歓喜(かんき)の報告に、未来部員が直接触れる機会をもつことは大切ですね。「大白蓮華」の巻頭言(かんとうげん)や御書の拝読(はいどく)を担当することで、未来部員が主体的に楽しく参加している地域も多くあります。
 石田 今週は「座談会の週」です。未来部員も元気に参加できるよう呼びかけていきたいと思います。また、訪問・激励したご家庭に未来部員がいる際には、一言でも、真心(まごころ)込めた声かけをしていきましょう。
 原田 少子化が進む時代だからこそ、ますます「一人」が大切になります。「伝持(でんじ)の人」(新610・全508)がいてこそ、妙法は万代へ広がっていきます。使命ある一人一人が、広布のバトンを受け継ぎ、大きく成長できるよう、全力で祈り、励ましを送っていこうではありませんか!

(2022. 9.22. 聖教新聞)

 

 

<66> 嘘を打ち破る正義の師子吼を
出席者:西方青年部長、梁島男子部長、川原男子部大学校事務局長、林池田華陽会委員長、先ア女子学生部長

 西方 11月6日に実施される「教学部任用試験(仏法入門)」の申し込みが、10月2日までと迫ってきました。青年部も受験の推進(すいしん)に全力を挙げています。
  私は新入会の池田華陽会(かようかい)メンバーと研さんをする予定です。また、友人が受験できるよう、対話を重ねています。
 先ア 出題範囲の「開目抄(かいもくしょう)」に「(われ)ならびに()が弟子、諸難(しょなん)ありとも(うたが)う心なくば、自然(じねん)に仏界にいたるべし」(新117・全234)との一節があります。多くの同志が胸に刻み、人生の苦難(くなん)を勝ち越える原動力としてきた御文(ごもん)です。私も決意新たに学んでいます。
 梁島 池田先生は「仏法は最極(さいごく)の生命哲理(てつり)であり、激動(げきどう)乱世(らんせい)を照らす希望の英知の光です。学べば学ぶほど、人生の幸福勝利の(とびら)を広々と開いていける」と言われています。この希望の哲学を学ぶ運動は今、世界中で展開されています。
 西方 信心を深め、勝利の人生をつかむための任用試験です。会員・会友ともに一人でも多くの方が受験できるよう、さらに力を入れていきましょう。

逸脱行為などない

 先ア 「創価新報」9月号に、フランスの宗教法の権威(けんい)であるグザヴィエ・デルソル弁護士へのインタビュー記事が掲載(けいさい)され、反響を呼んでいます。
  ここでは、フランスにおける宗教を(めぐ)る歴史などを通しながら、同国での「セクト」の意味について説明されています。
 先ア そして、2006年のフランスの国会報告書で、創価学会にはいかなる逸脱(いつだつ)・違法行為も存在しない≠ニ明記されていることや、行政府が学会はセクトではない≠ニ公的文書で記していることなどが紹介されています。
  デルソル弁護士は、創価学会の実践は、「日蓮仏法の典礼(てんれい)執行(しっこう)する純然(じゅんぜん)たる宗教」であるとも強調しています。
 川原 日本では、昨今の世界平和統一家族連合(旧統一教会)の問題のこと寄せて、40年も前のフランスの話を持ち出した週刊誌がありました。しかしそれらは、(すで)に公式に否定されており、いかに事実無根(むこん)であるかが、よく分かるインタビューになっています。
 梁島 そもそも1983年、フランスで第1次「国会セクト報告書」が作成されました。驚くことに、学会に言及(げんきゅう)した部分は、フランスの一人の脱会者(だっかいしゃ)狂言(きょうげん)を検証することなく鵜呑(うの)みにした内容でした。
 川原 しかも報告書には、セクトを定義する「明確な基準」など全く存在していませんでした。フランスにおいて伝統的でない外来の宗教は全部、セクトと決めつけるといった、安易な手法で作成されたものでした。それゆえ(のち)に、フランス国内で大きな批判に(さら)されています。
 梁島 しかし当時、フランスの日刊紙や週刊誌は、何の検証もせずに報告書を()れ流す′`で、学会への中傷(ちゅうしょう)報道を行いました。それに対してフランスSGIは名誉棄損(めいよきそん)裁判を提起(ていき)し、次々と勝訴(しょうそ)しました。これは、「表現の自由」なかんずく「報道の自由」を手厚く保護するフランスにおいて「(きわ)めて(まれ)なこと」だと、デルソル弁護士は語っています。
 西方 これらの裁判では、報告書における学会への言及(げんきゅう)部分は、「いかなる真面目な調査もなされてはおらず」「十分な具体的事実を指摘(してき)できてはいない」等と糾弾(きゅうだん)されました。そして記者や新聞社の首脳に、訂正記事を命じたり、損害賠償命令を(くだ)したのです。
 川原 その後も第2次、第3次と同報告書が()まれていきますが、2006年、最後となった第4次国会報告書では、「創価学会は、その教義においても、事実関係においても、いかなるセクト的逸脱(いつだつ)該当(がいとう)する行為は存在しない」と明確に記されています。
 梁島 この意義をデルソル弁護士は、「創価学会には、何ら批判できるような教義を含んでいないと『議会』が認めた」重要な指摘(してき)であると断言しています。

社会を照らす哲学

 西方 当然のことながら以降は、いかなる国会の報告書でも、学会に関する言及(げんきゅう)はなくなり、「セクト」と同一視(どういつし)される教団と見なされていません。たとえば、フランス政府が設置したミビリュード(省庁間セクト的逸脱(いつだつ)行為監視取締り委員会)の歴代会長は、2008年、11年、13年と3度にわたり一貫(いっかん)して、「創価学会にはセクト的逸脱行為で提訴(ていそ)されたようなことは一度もない」と明言しています。
 川原 15年には、フランスで最も重要なチャンネルの一つである国営第2チャンネルの情報番組「テレ・マタン」で、有名キャスターが、創価学会はかつてセクト視されたこともあったが、今は違う≠ニ発言しました。デルソル弁護士は、「このことは、かつてのフランスSGIに対する批判が、臆測(おくそく)(もと)づいた明らかに根拠(こんきょ)のないものであったということの証左(しょうさ)です」と明快に言われています。
  今、世界中で、生命尊厳(そんげん)哲理(てつり)(かか)げる学会の運動に期待が高まっています。フランスの著名(ちょめい)な神学者で、仏教の専門家でもあるデニス・ジラ博士も、人々の「連帯の心」「他者を思いやる想像力と真摯(しんし)さ」を涵養(かんよう)し、「慈悲(じひ)」の思いを(はぐく)む「日蓮仏法は、地球規模(きぼ)の危機にある社会を()らす、希望の哲学である」と言われています。
 先ア 最近も9月17日に、パリ郊外にあるシャルトレット創価仏教センターで、地元の人たちを(まね)いた集いが開催され、好評を(はく)しています。
 梁島 これまでも、悪らつな意図(いと)をもった退転者と一部のメディアからのデマによる学会攻撃がありました。これは、「跡形(あとかた)も無き虚言(そらごと)なり」(新1568・全1153)「そねみ(そうろう)人のつくり事」(新1574・全1157)と御聖訓(ごせいくん)(おお)せ通りの構図です。それらは法廷でも厳しく糾弾(きゅうだん)されたりしてきました。
 西方 真実は真実です。必ず正義は証明されます。青年部は今が「対話拡大の好機(こうき)」と定め、「邪悪(じゃあく)を破る正義の師子吼(ししく)」を(はな)ち、「学会の真実」を堂々と語り広げていきたい。

(2022. 9.26. 聖教新聞)

 

 

<67> 生命尊厳の世紀を切り開く
出席者:原田会長、永石女性部長、玉井学術部長、栗原副学術部長、小賀田(おがた)青年学術者会議議長

 永石 学術部は本年、9月27日に結成60周年、10月1日に「部の日」50周年と、幾重(いくえ)にも意義深き年を迎えますね。
 玉井 はい。このたび、重要な佳節(かせつ)を記念し、指導集『知性の宝剣(つるぎ)』が完成しました。学術部の歴史や使命について、また池田先生の折々の指導や大学講演等が収録され、順次、各地のメンバーに配布されます。
 栗原 池田先生は「発刊に寄せて」の中で、「わが学術部こそ『不変(ふへん)真如(しんにょ)()』、いわば万人を幸福へと導く常住不変の真理と、『隨縁(ずいえん)真如の()』、すなわち真理に基づきながら、刻一刻(こくいっこく)と変化する事象に対応する智慧(ちえ)とを(あわ)せ持つ『創価の普賢菩薩(ふげんぼさつ)』であります」と、学術部の使命を示してくださいました。
 原田 今、コロナ()やウクライナ情勢などで混迷を深める危機の時代にあって、生命尊厳(そんげん)哲理(てつり)を根底に、「(あまね)く」理論を(きわ)め、「(かしこ)く」智慧を発揮(はっき)し、未来への確かな進路を照らしゆくのが学術部といえます。ますますの決意で頑張っていただきたい。
 小賀田 私は今月、青年学術者会議議長の任命を受けました。指導集を真剣に学びながら、青年学術者の使命を深く自覚し、「創価の普賢菩薩」として成長していく決意です。

何のための学問か

 栗原 学術部の第1回総会(1970年11月)で池田先生は、メッセージとして自作の詩「熱原の三烈士(さんれつし)」を贈られました。
 小賀田 そこには、熱原の法難(ほうなん)殉教(じゅんきょう)していった農民信徒の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の姿がうたわれていました。小説『新・人間革命』第15巻「蘇生(そせい)」の章には、先生がこの詩を学術部に贈った理由について、「真実の人間の偉大さとは何かを、考えてほしかったからであった」とつづられています。
 栗原 そして、「人間の偉大さは、学歴や社会的な地位、肩書などによって決まるのではない」「人びとの幸福のため、法のために、どれだけ献身(けんしん)し、勇敢(ゆうかん)に戦い抜いたかによって決まる」と強調されています。
 玉井 全学術部員が命に(きざ)むべき重要な指針(ししん)です。私も、何のための学問なのか≠常に自身に問いながら、祈り、探究(たんきゅう)し、広布の活動にも一歩も引くまいと挑戦を重ねています。
 小賀田 そして72年10月1日発行の「大白蓮華」誌上(しじょう)で、池田先生を中心とした、てい談「生命論」が開始されました。それが「学術部の日」の淵源(えんげん)です。
 原田 てい談の連載は、後に『生命を語る』として出版。その結びに先生は「(仏法の)雄大(ゆうだい)な生命観をすべての人々の胸中(きょうちゅう)に息づかせていくことこそが、()める現代文明を蘇生させ、来たるべき二十一世紀を、生命躍動(やくどう)、生命勝利の世紀としていくカギになると確信し、今後もその至高(しこう)なる作業をつらぬいていくことを誓い合っておきたい」とつづられました。
 栗原 また先生は第1回「学術部の日」の記念会合に際し、こう呼びかけられています。「妙法の学術者たる皆さんの祖国≠ヘ(そく)学会であり、民衆の大地であります。その全民衆の幸福と世界平和のために、すべての学問を生かしてほしい」。そして「仏法の生命論を根底にした人類の幸福と平和へ直結する『創価文化』の興隆(こうりゅう)(たく)したい」と。
 原田 まさに、学会という「民衆の大地」と「学問探究の世界」との不断の往復作業の中でこそ、すべての知識が人間のための生きた知恵(ちえ)≠ニなり、人格が(きた)えられていく。人間のための真の学問を志向する学術部こそ、生命尊厳の世紀を切り開く存在であることを示されたのです。

正義と勝利の連帯

 永石 先生の深き期待と使命を胸に、学術部の皆さんは、各研究分野の第一線で活躍しています。また、各種のセミナーやシンポジウムで講師を務めるなど、まさに「民衆の大地」に創価の人間主義の思想を大きく広げていますね。
 玉井 平和学を専門とする私も、留学生やさまざまな学者らと語らう機会がありますが、創価の平和運動への理解と期待が深まっていることを日々感じます。
 原田 学術部のメンバーも寄稿(きこう)している本紙連載「危機の時代を生きる」シリーズには、読者から「学術的な視点から仏法の素晴らしさや、学会活動の必要性がよく伝わる内容」など、毎回多くの反響が寄せられているそうです。
 玉井 今年7月に掲載された大学教授の壮年メンバーは、その記事を友人に送り、対話。理解を深めた友人は任用試験の受験を決意したとの、うれしい報告を聞きました。
 永石 最近は、仏法の生命哲学(てつがく)に関心を深めている方が本当に多いですね。
 玉井 また、群馬の壮年メンバーは、創価学園で(つちか)った負けじ(だましい)を燃やし、大学院で医学博士号を取得後、大学教員となり医学科ベストティーチャー賞を受賞。育児放棄(ほうき)の原因に関する論文が海外の著名(ちょめい)研究誌に掲載され、新聞各紙でも報道されました。昨年から大学の学科長に就任し、学会組織でも支部長として奮闘(ふんとう)しています。
 栗原 女性学術者も各地で活躍しています。神奈川の白ゆり長は、母親の介護と大学教員としての仕事を両立しながら一昨年に経営学の博士号を取得。3期連続で成績優秀者となり、今月もビジネス雑誌に自身の論文が掲載されるなど、信心根本に前進しています。
 永石 青年学術者会議のメンバーも、陸続と、見事な実証を示していますね。
 小賀田 大手建設機械メーカーで研究開発に(はげ)み、約40億円の売り上げに貢献(こうけん)して昨年、社長賞を受賞した人もいます。ほかにも、人工衛星の開発や認知症の治療法の解明に挑むメンバーなど多彩(たさい)です。その多くが、県・本部・部などでリーダーを(にな)い、広布にまい進しながら頑張っています。
 原田 頼もしい限りです。御聖訓(ごせいくん)に「この(きょう)の広宣流布することは、普賢菩薩の守護(しゅご)なるべきなり」(新1085・全780)と(おお)せです。世界広布新時代の今、「創価の普賢菩薩」たる学術部の使命はいやまして大きい。民衆のため≠ニの原点を胸に「正義と勝利の連帯」をさらに築いていってください。

(2022. 9.29. 聖教新聞)

 

 

<68> 決めて 祈って 行動する
出席者:原田会長、永石女性部長、西方青年部長、梁島男子部長、林池田華陽会委員長

 西方 新たな青年の連帯の拡大を誓う「全国男子部幹部会」を大成功で開催することができました。8・9・10日に、全国の会館等で放映されます(会場と時間は各県・区で決定)。
 梁島 私自身、先週、青年世代の友人に7年越しの弘教(ぐきょう)(みの)らせ、男幹≠迎えることができました。友は「人と人の(きずな)を大切にする学会に魅力(みりょく)を感じる」と語っていました。男子部はこのほど、「新時代の山本伸一」とのスローガンを発表しました。不二の力で、必ずや歴史転換(てんかん)先陣(せんじん)を切ってまいります。
 西方 広布の未来を展望し、各部一体の取り組みを進める三重男子部では、3月の青年部幹部会で、部平均3を超える弘教(ぐきょう)を達成。大学校5期生の全員が対話拡大にも挑戦しています。その(いきお)いのままに、今回の男幹≠ノも、一人でも多くの友が参加できるよう、全力を挙げています。
 原田 各地から今、そのような頼もしい話を聞きます。青年が成長すれば、広布の水かさは必ず増していきます。多くのメンバーが男子部幹部会に参加できるよう、応援していきたい。

広布拡大の転換点

  10月9日は、池田先生が「山口開拓指導」を開始された日です(1956年<昭和31年>)。
 原田 「まさか≠ェ実現」した「大阪の戦い」に続き、戸田先生は池田先生に「大作、転機の先駆(さきが)けとして新たな広布の開拓を頼む!」と言われました。池田先生は即座(そくざ)に「はい。やらせていただきます!」と返答されます。この師弟の呼吸から、広布拡大の「転機」と輝く「山口開拓指導」が始まったのです。
 永石 先生はこの時、わずか3カ月で会員世帯数を約10倍にするという、爆発的な拡大を達成しました。その模様は、小説『新・人間革命』第11巻「転機」の章や、VOD番組「山口開拓闘争 広布拡大の『転機』」に詳述(しょうじゅつ)されています。
 梁島 男子部は今、広布の新たな「転換点」を構築すべく、拡大の闘争(とうそう)に打って出ています。改めて「山口開拓指導」における先生の戦いに学んでいきます。
 西方 後に先生は山口での闘争の要諦(ようてい)を三点にわたり、振り返られています。その第一は「勝利への()るぎなき一念」です。「私は、広宣流布の拡大の師匠(ししょう)・戸田先生の直弟子である。ならば、拡大できないはずがないではないか!」――このように(みずか)らを(ふる)い立たせ、戦いに(のぞ)まれました。
 原田 「御義口伝(おんぎくでん)」に「一念に億劫(おくごう)辛労(しんろう)()くせば、本来無作(むさ)の三身念々に()こるなり。いわゆる南無妙法蓮華経は精進行(しょうじんぎょう)なり」(新1099・全790)と(おお)せです。池田先生は、「この日蓮大聖人の御指南(ごしなん)のまま、『必ず勝つ』という師弟不二の一念で祈れば、無限の智慧(ちえ)()く。仏に(ひと)しい力が(みなぎ)る。そこから(ほとばし)る確信の対話は、一人ひとりの生命を()り動かし、仏性を呼び()まさずにはおかないのだ」と強調されています。
 永石 第二は「祈りを合わせる」ことです。「広宣流布」という大願(だいがん)に心を合わせる。深き同志愛で、苦楽(くらく)を分かち合い、励まし合い、題目を送り合っていくことの大切さを教えてくださっています。女性部の私たちも、いつも心している重要な指針(ししん)です。
 原田 第三は「電光石火のスピード」です。スピードとは「リーダー率先(そっせん)」の(あか)しです。先生は、山口に滞在(たいざい)していない時も、悩んでいる友を思い浮かべ、電話や手紙で間断(かんだん)なく励ましを送られました。どうすれば、あの友を勇気づけられるか∞この友の奮起(ふんき)(うなが)すことができるか=\―時を(のが)さず、迅速(じんそく)に行動し続けたのです。
 梁島 「決めて」「祈って」「行動する」という勝利の鉄則を(つらぬ)かれ、先生は広布史に残る金字塔(きんじとう)を打ち立てられたのですね。
 永石 なかなか対話が実らず、悪戦苦闘する方に、「必ずできる。我らは民衆を救うために来た地涌(じゆ)菩薩(ぼさつ)ではないか」とも励ましを送られています。皆が、この確信に立ち、(おく)さず堂々と仏法を語り抜いたからこそ、歓喜(かんき)のドラマの連鎖(れんさ)が起こり、歴史的な拡大が成し遂げられました。
 原田 この維新(いしん)回天(かいてん)の地・山口では先月、世帯の200%に迫る聖教拡大を達成しました。さらに12月の「SOKAユースフェスタ」を大成功させるため、男子部と青年世代の女性部が集う「ユース座談会」を、支部を中心に10月と11月に開催します。
 梁島 中には、支部10人の男子部が集結する地域もあります。中国方面では創立100周年を目指して、この座談会を継続し、鳥取、島根をはじめ、広島では「レポカフェ」、岡山では「ユースミーティング」と(めい)打ち開催されます。
 原田 先生は「『草の根』の戦いがいちばん強く、いちばん尊いのである。これをやりぬいているから、学会は強い。学会は負けない」と言われています。私たちも「山口開拓指導」の精神のままに、新たな広布の開拓(かいたく)に挑んでいきたい。

人間のための宗教

  ジャーナリストの田原総一朗氏が「今、宗教が()たすべき役割」を語った、聖教新聞9月24日付の「危機の時代を生きる」が反響を呼んでいます。
 西方 氏は、変化を続ける時代にあって、人間が生きていく上で「(じく)となるべきものが宗教であったはず」と語り、「宗教のための人間」か「人間のための宗教」かという視点(してん)の大切さを訴えられていました。
 永石 さらに、「創価学会は世界でも発展を続けている」と語り、「(各国のメンバーが学会に入会した理由は)信仰(しんこう)したことで成長できたという自己変革(へんかく)体験、つまり『人間革命』の経験です。それを成し遂げた歓喜(かんき)が、信仰の手応えとなっているようでした」と述べていました。
  苦難(くなん)や逆境にひるむことなく、励まし合って立ち向かっていく中に、学会の真価(しんか)発揮(はっき)されていくとも語っていましたね。
 原田 「危機の時代」にあって、学会の使命は、ますます重要になっています。私たちは誇りと喜びを胸に、自信をもって、広布の道を歩んでいきたい。

(2022.10. 3. 聖教新聞)

 

 

<69> 地域を照らす太陽の存在に
出席者:原田会長、永石女性部長、原田磨勝利島部長、肥後勝利島部女性部長、西方青年部長

 永石 10月7日は「勝利島部の日」です。北海道から沖縄まで、全国の約230の島々で、部の皆さんは意気揚々(いきようよう)と地域広布と友好拡大を進めています。
 肥後 8月に勝利島部女性部長の任を(はい)して以来、感動するばかりなのは、多くの方が自治会や町内会、婦人会や消防団などでなくてはならない存在(そんざい)≠ニして(かがや)いていることです。
 原田(磨) 地域で信頼されている方は本当に多いです。中には10人以上に本紙の長期購読を推進(すいしん)している方や、毎月新たな購読推進をしている方もいます。
 肥後 特に東京・八丈島の皆さんは、地道に対話を重ね、地域に貢献(こうけん)する中、模範(もはん)の聖教拡大の歴史を残してきました。兵庫・家島(いえしま)をはじめ多くの島々でも、学会理解の輪が大きく広がっています。
 原田 かつての離島(りとう)は、旧習深い地域が多く、学会への偏見(へんけん)誤解(ごかい)により、村八分などの弾圧(だんあつ)を受けたこともありました。しかし、今や全国に新時代のモデル≠ニなっている広布伸展(しんてん)の島が数多くあります。
 原田(磨) 勝利島部の「部の日」の淵源(えんげん)は、1978年10月7日、全国から約120の島の代表が学会本部に(つど)って行われた第1回「離島本部(後の勝利島部)総会」です。
 西方 その模様(もよう)を含めた勝利島部の歴史は、小説『新・人間革命』第28巻「勝利島」の章に、詳しく記されていますね。
 原田 総会の席上、池田先生は「一つの島というのは、見方によれば、国と同じ」であり、「自分が、この島の(はしら)となり、眼目(がんもく)となり、大船(たいせん)となるのだとの決意に立つことが大切」と強調されました。そして、太陽が(のぼ)れば地上すべてが明るくなるのと同様に、一人一人が太陽の存在となるよう期待されました。
 永石 また先生は、日蓮大聖人が「一閻浮提(いちえんぶだい)広宣流布」を大宣言(せんげん)されたのは、離島の佐渡であったことから、「離島こそ広宣流布の先駆(せんく)の天地」と呼びかけられています。
 原田 振り返れば、先生が世界広布の第一歩をしるされたのもハワイであり、SGIの誕生(たんじょう)もグアムでした。つまり、世界広布の大道は島から開かれ、島の一歩前進の歩みが世界へも伝わっていったのです。それは日本における、沖縄や奄美大島(あまみおおしま)などの先駆(せんく)の戦いを見ても一目瞭然(いちもくりょうぜん)です。

青年の活躍が光る

 肥後 離島でも少子化の波は深刻ですが、地域や職場で創価の青年による奮闘(ふんとう)が光っています。東京・新島(にいじま)の池田華陽会(かようかい)メンバーは、かねてから対話を重ね、座談会や華陽カレッジなどにも参加した友人が先日、入会を決意し、今月中に御本尊を授与される予定です。
 西方 新島は小さな島ですが、今年は3世帯の御本尊流布が実り、男子部大学校生も輩出(はいしゅつ)。教員である部長が学校で高い業績評価を得るなど、若い力、新しい力が躍動(やくどう)し、歓喜(かんき)の波動が広がっています。
 永石 9月に池田先生の来島55周年を迎えた香川・小豆島(しょうどしま)でも、6人の大学校生が奮闘(ふんとう)しているそうですね。離島の青年部には地域の発展のために行動する人が多く、学会の若い人たちが積極的に行事に参加してくれて、本当にありがたい≠ニ評価する行政関係者の声も聞きます。
 肥後 未来部員も元気です。鹿児島・喜界島(きかいじま)の女子高等部員は、所属の吹奏楽部が昨年と今年に県で上位入賞し、彼女は2年連続で個人表彰(ひょうしょう)も。現在、生徒会長としても奮闘しています。また、沖縄・石垣島の男子中等部員は、バスケのU15(15歳以下)の県代表に選ばれました。彼も生徒会長として模範の文武両道を貫いています。
 永石 若い世代の活躍は、島の皆さんにとって、希望≠サのものですね。
 原田(磨) 壮年部も負けていません。北海道の天売島(てうりとう)に住む副本部長は、写真家として活動しながら自然保護活動を精力的に展開。写真を使った執筆(しっぴつ)・出版、SNS等を通し、天売島の魅力を発信する灯台として幅広く活躍しています。
 原田 皆さんが、どれほど努力し、汗を流し、今日の基盤(きばん)を築かれてきたか。池田先生は語られています。「私は、離島にあって、周囲の人たちに信心を反対されながらも、着実に信頼を勝ち取り、広宣流布の道を開いてこられた方々こそが、真正の勇者であり、真実の勝利王であると思っています。学会のいかなる幹部よりも、強盛(ごうじょう)な信心の人であり、創価の(だい)英雄(えいゆう)です」と。
 西方 また学会は、離島支援、教育支援の一環(いっかん)として、小・中学校への優良図書贈呈(ぞうてい)を長年にわたり行ってきました。
 原田(磨) 今年も、長崎、広島、香川、鹿児島、東京の小・中学校に贈呈(ぞうてい)し、多くの生徒や児童から喜びの声が届いています。子どもや若者たちの笑顔と成長ほど、うれしいものはありません。未来の(たから)≠フために、引き続き取り組んでいきます。

一人立つ精神こそ

 西方 勝利島部は、地域広布の縮図(しゅくず)でもあります。「勝利島」の章で先生は、こうつづられました。「小さな島では、一人の人の影響が極めて大きい。一人の決意、姿(すがた)、振る舞いが、広宣流布を決定づけていく。そして、一つの困難の壁を破れば、一挙に学会理解が進むこともある」と。
 原田(磨) さらに、「わが地域の広宣流布は、わが手で成し()げるしかない。それが、自分の使命である――そう自覚した同志が、次々と誕生したことによって、離島広布は加速度的に進んできたのだ。これは、いかなる地域にあっても、永遠不変の原理といってよい」と指導されています。
 原田 「一人立つ精神」こそ出発点であり、その精神を一人また一人と伝えていく人材育成こそ、広布拡大の直道(じきどう)です。御書に「その(くに)の仏法は貴辺(きへん)にまかせたてまつり(そうろう)ぞ」(新1953・全1467)と(おお)せです。私たちも今いる場所で、広布を(たく)された地域の幸福責任者との自覚を一層(いっそう)強め、人々を照らす希望の灯台となっていきたい。

(2022.10. 6. 聖教新聞)

 

 

<70> いまだこりず≠フ精神で弘教・拡大
出席者:原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、梁島男子部長、先ア女子学生部長

 永石 11月の教学部任用試験に向け、各地で仏法研さんの波が広がっています。その中で多くの方が、人類救済(きゅうさい)の大法を確立され、不惜身命(ふしゃくしんみょう)で妙法を(ひろ)め抜かれた日蓮大聖人の崇高(すうこう)御生涯(ごしょうがい)を学び、決意を新たにしています。
 長谷川 今月の13日は、大聖人御入滅(ごにゅうめつ)の日です(1282年<弘安(こうあん)5年>)。大聖人は晩年(ばんねん)身延(みのぶ)(山梨)で諸御抄(しょごしょう)の御術作と弟子の育成・教化に当たられました。未来永遠のため、完璧(かんぺき)な総仕上げをしていかれたのです。
 先ア 御入滅の1カ月余り前には身延を離れられます。池上(東京・大田区)までは、約200キロにおよぶ道のりであり、病身の大聖人には決して楽なものではありませんでした。
 原田 しかし大聖人は、行く先々で門下を励まされました。最後の最後まで、妙法への信心の灯をともしていかれたのです。「命限り有り、()しむべからず。ついに願うべきは仏国なり」(新1283・全955)と(おお)せの通り、令法久住(りょうぼうくじゅう)のために戦い抜かれました。
 梁島 池上(てい)へ向かう途中には、伊勢(いせ)法印という学僧(がくそう)法論(ほうろん)(いど)んできました。この時、大聖人は多くの年配の門弟がいる中で、若き日目上人(数え年で23歳)に問答を命じました。
 原田 日目上人は、堂々たる論陣(ろんじん)を張り、完膚(かんぷ)無きまでに相手を破折(はしゃく)し、勝利しました。有名な「池上問答」です。大聖人は、若き後継(こうけい)の弟子を、現実の言論戦(げんろんせん)の中で(きた)え、薫育(くんいく)されたのです。このことについて池田先生は、「弟子の晴れやかな勝利の姿に、盤石(ばんじゃく)なる未来を確信されたに違いない」と語っています。
 長谷川 また9月25日には、池上の地で病身をおして門下に立正安国論(りっしょうあんこくろん)を講義されたと伝えられています。万年にわたる民衆の幸福を何よりも願われた大聖人は、御入滅(ごにゅうめつ)のその時まで、弟子たちに「広宣流布の大願」を訴えられ、「立正安国の戦い」を(たく)されたのです。
 原田 「(いくさ)やむことなし」(新600・全502)、「いまだこりず(そうろう)」(新1435・全1056)の精神を(つらぬ)かれた御生涯(ごしょうがい)でした。この大聖人の峻厳(しゅんげん)(たましい)を受け継ぎ、現代社会において妙法を(ひろ)めているのが創価学会です。私たちは、大聖人の御遺命(ごゆいめい)である世界広宣流布へ向け、さらなる前進を続けていきたい。

新たなサイト開設

 梁島 10月14日には、青年世代のための新たなウェブサイト「soka youth media」がオープンします。
 先ア ここには、時事問題などを仏法の視座(しざ)から論じる「オピニオン」や、学会についての質問に分かりやすく答える「Q&A」、日常の学会活動に役立つ「仏法を学ぶ」のコーナーなどが設けられる予定です。
 梁島 毎月の「座談会御書」も青年世代向けに解説します。多様性の時代における青年ならではの主張、デマや誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)を打ち破る正義の論陣(ろんじん)などを大いに展開し、ありのままの学会の姿を社会に伝え、納得と共感の輪を広げゆくサイトにしていきます。
 永石 9月8日に発売された『ワールド セイキョウ』の第3弾(税込み250円、本社刊)が好評で、9月度の「月間ベストセラー」(日販、トーハン調べ)に輝きました。
 先ア 特に、世界的ジャズ奏者のハービー・ハンコックさんが、学会への入会のきっかけや信仰(しんこう)体験、池田先生との出会いの思い出、音楽などについて語る「スペシャルインタビュー」は圧巻(あっかん)で、大きな反響を呼んでいます。
 永石 「友人と一緒に読みました。世界的音楽家の『宗教観』を知ることができ、本当に感動しました」「多くの方々の体験談が掲載されていて、勇気をもらいました」などの感想が寄せられています。
 長谷川 『ワールド セイキョウ』は、このほど増刷され、書店や聖教ブックストア、通販サイトなどで、待つことなく購入できるようになりました。大いに活用していただければと思います。

功徳の体験を語る

 原田 明年のテーマが、「青年・凱歌(がいか)の年」と決まり、いよいよ本年の勝利を決しゆく時です。来週は、友人も(まね)きながら「座談会」を開催し、「折伏(しゃくぶく)弘教(ぐきょう)」「聖教拡大」「人材拡大」の勢いを加速していきましょう。
 梁島 池田先生は、「全幹部が(いさ)んで座談会に参加し、信心の確信あふれる、和気あいあいとした座談会を開催していくならば、弘教の輪は必ず広がっていきます」「牧口先生も、戸田先生も、座談会で不幸に泣く人びとと同苦し、広宣流布の戦いを起こされた」と強調されています。
 原田 いうまでもなく、座談会は学会の最重要行事です。この期間は、座談会が最優先となります。心と心が通い合い、参加した全員が「来て良かった!」と喜び合える集いにしていきたいと思います。
 永石 先生は「座談会」について、「どれだけの人が功徳(くどく)の体験を語れるかが勝負です。功徳の体験を披露(ひろう)できる人は、歓喜(かんき)しているし、生命が躍動(やくどう)している。それに全参加者が感応(かんのう)し、歓喜(かんき)波及(はきゅう)していくから、座談会全体が希望にあふれ、結果的に盛り上がる」とも言われています。
 長谷川 日頃(ひごろ)から、リーダーが地道な訪問を重ね、同志と心を結ぶ交流をしている地区は、そうした体験が数多く生まれ、活力ある座談会を行っていますね。
 原田 とりわけ重要なのは、リーダーが同志と直接会って、顔と顔を合わせた「一対一の対話」「一人一人への(はげ)まし」を続けていくことです。今週の「励まし週間」などを活用した、事前の訪問・激励(げきれい)によって、「座談会」の成否(せいひ)は決まります。「民衆が(つく)る平和の集い」であり、「大きな希望と幸福が光る」座談会を、元気いっぱいに繰り広げ、仲良く(ほが)らかに、新たな人材育成の金波を起こしていきましょう。

(2022.10.10. 聖教新聞)