27日前半へ

 

 つぎの発車は12時37分の463M岡山行きで入線まで時間があり、改札口へ行って途中下車印を押してもらってから7番線へまわる。ちょうど昼時なので、ホームの売店であなごめし(700円)とお茶を2つ買う。しばらくして12時17分に赤穂線経由の232Mが到着。これが折返し463Mになる。岡山まで行く電車は、11時38分の459Mの次がこの電車なので思ったより人が乗ってくる。さっそく駅弁の包みを開き食べていると、12時24分に757T、12時31分に3637Mが到着。車内がかなり混んできたところで発車である。
 私の前には兄妹らしい2人連れが腰をおろした。駅弁を食べ終わったところで2人連れの男性の方が声をかけてきた。「旅行ですか?」と聞かれ、そのことから話がはずんだのであるが、彼曰く「一目で鉄道ファンであることがわかった」とのこと。大きいカバンにカメラといういでたちからそう判断したらしい。この2人は科学万博からの帰りで、徳島県鳴門市に住んでいるそうだ。
 山陰本線は瀬戸内海沿いを走りずっと海が見える、といった私のイメージとはまったく違い、電車は山の中を走る。熊山駅で貨物列車退避のため5分停車。ここで2人の写真を撮り、名刺を渡して相手の住所なども聞いておく。お互いに名乗らないのもしぶくていいのだがちょっと寂しすぎる。というより、自分が人恋しくなっているのかもしれない。
 しばらくしてやっと山の中を抜け、平野らしきところを走り、14時07分岡山着。次に乗るのは14時15分の広島行き。久武兄妹に電車の中で知り合ったという少年を紹介されて(というより頼まれて?)、久武兄妹と別れ、少年と共に広島行きの停まっているホームにおりる。
 少年は気持ち悪そうにしているので心配したが、本人が大丈夫というのでそのまま電車に乗る。電車は4両編成で、車内は混んでいて席はなし。かわいそうだったが少年の持っているトランクに座らせておく。少年の話によると、私と同じ大垣行きに乗り久武兄妹と知り合ったが、一睡もできなかったとか。新倉敷で車内がすき、2人でボックス席に移る。先客が1人いたが土地の人らしい。少年の名は桑原といい、福山へ帰るのだという。
 広島行きは4両編成で、岡山を出たときは少ない両数だと思っていたが、だんだんとすいてきて一時は半分以下にまでなった。福山に15時14分停車。桑原少年と別れる。
(右写真は瀬戸内海ごしにのぞむ本四連絡橋因島大橋)
 15時41分糸崎着。5分停車。ジュースを買って席に戻る。同じボックスに座っていた人はなかなか降りる様子もないので「どちらまで?」と聞いてみる。するとここでまた話がはずむ。その人は成人だと思っていたが、実は中学3年で山岡といい、埼玉から来て長崎のほうをまわるらしい。今日は、博多か鳥栖で駅ネ(駅の待合室などで寝る)ということだ。
 電車は三原をすぎると山の中へ入っていく。セノハチ越えで有名な八本松を16時38分に発車すると、瀬野へ向かって下ってゆく。はっきりと下っているのがわかり、信越本線の軽井沢〜横川の碓氷峠以来である。そして海田市で呉線を合わせ、定刻より1分遅れで17時10分に広島へ到着。
 予定ではこの先17時10分発の岩国行きに乗り、横川で乗り換えて古市橋へ17時34分に着くはずだったが、広島へ着いた時はすでにベルが鳴り終わるところであった。しかたなく17時30分の可部行きに乗ることにし、山岡君に付き合っていったん広島駅前に出る。そこで写真を2〜3カット撮りホームへ戻る。
 山岡君の乗る17時25分発小郡行き557M(左写真左の電車)は3番線、私の乗る可部行き747M(左写真)は4番線から発車するので、跨線橋の上で山岡君と別れる。17時30分広島発の電車はロングシートであるが、ドアの両側に灰皿がついている。17時52分に古市橋着。駅の人に途中下車印を頼むと「そんなもんない」と言われてしまった。

 今日は広島に泊まり、明日の朝早くの電車で西へ向かう予定なのであるが、なぜ古市橋へ来てしまったかというと、ここに専門学校の同級生である河野氏の自宅があるのである。
 駅前に交番ぐらいあるだろうと思っていたがそんなものはない。公衆電話はあったがいきなり行って驚かそうと思っているから住所だけを頼りにする。駅のわきにある看板に目的の地名と矢印を見つけ、その方向に向かって可部線の線路沿いに可部方向へ歩く。ガソリンスタンドの近くまで来ると目的地らしいとわかったが、住所が地図と若干違うのでこの先がわからない。しばらくウロウロしていたが、通りかかったおばさんに聞いてみた。そのうちおばさんの知り合いのような女性も通りかかる。話によると、このあたりは最近住所表示が変わったとかで、昔の住所を言ってみた(ってその住所しか知らないが)。あとからの女性は集金している途中のようで、もう少し行ったところにあるマンションの3階に河野という人が住んでいると教えてくれ、そこへ行ってみる。マンション1階の郵便受けの目的の部屋に確かに「河野」と出ている。エレベーターで3階に上がってみるが、やっと探し当てた部屋はいくらベルを鳴らしても返事がない。しかたがないので(来たぞという)写真を撮り、帰ることにした。
 通りに出るとバス停があったのでバスで広島駅まで戻ろうと思ったが、時間になってもバスは現れない。やむなく古市橋駅へ戻る。時刻表の巻末で今夜泊まるホテルを見つけ電話予約をし、街中を見てみたいと思ったのでタクシーに乗ることにした。駅のそばにタクシー乗り場があったのだが、いつになってもタクシーは現れず。そこの看板に書いてあった「第一タクシー」に電話をすると、黒塗りのタクシーがやってきた。若い運転手に「ホテルやまと」とその位置を言うと、車はすごい勢いで走り出した。運転手によると、夕方で道路が混んでいるので時間がかかるかもしれないとのことであったが車はスイスイとすすみ、メーターが2170円を指した頃ホテルに到着。
 今夜の夕食であるが、ひとりで店に入るのがにがてなので駅弁にしようと広島駅へ出かける。広島駅に入るとちょうど「あさかぜ2号」が、広島−東京編成を連結しているところであった。あさかぜが停車しているホームで駅弁を買いホテルに戻る。
 風呂に入ろうと湯を入れている間に河野氏へ電話をしてみる。今日は27日、河野氏はいるかどうか。東京に行ってしまったかと思ったが実家にいた。お好み焼きが食べたいと言うと、こっちに出てくるという。そこでホテルのロビーで待ち合わせ、広島駅ビルの4階にある「麗ちゃん」というところに連れて行かれる。てっきりお好み村へ行くと思ったので少々ガックリ。でもこの店は私の落胆を裏切ることになる。やっぱり地元の情報が一番ということか。
 店内はカウンター式で、座ると目の前が鉄板である。メニューの「スペシャル」を頼むと、そばとうどんのどちらがいいか聞かれる。そばを選ぶと向こうの鉄板で焼き始め、それが皿にのってやってくる。ソースは一応ぬってあるが、目の前にもあって自由につけられる。かなりボリュームがあって美味い。
 食後ホテルのロビーで少し話をする。河野氏は明日広島市内を案内してくれるかもしれないとのことで、このロビーに8時待ち合わせとした。河野氏を広島駅に送っていき、戻ってから風呂に入り駅弁を食べてから就寝。

 

翌日(8月28日)へ

 

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