8月30日前半へ

 

 駅へ戻ったが、まだ改札は行なわれていない。14時頃改札が始まり、2番ホームへ移動する。14時07分、京都方向から5両編成の旧型客車が推進運転で入線。下関方向からは、下関を5時45分に出た824列車が入線する。こちらは50系客車3両に荷物車であった。532列車と824列車はほぼ同時に停車する。
 これから乗る532列車はDD51に引かれた5両編成で、最後尾の1両は荷物車である(左写真)。2両目左側に席をとった後、ホームへ出てかにずし2個とお茶、ジュースを買い求めた。

 14時25分、福知山行き532列車が発車。車内で鉄道ファンらしき少年が車番をチェックしているのを見て、自分の乗っている車番を見る。オハ46398。自分は車両に詳しくはないのだが、とにかく何十年かぶりの旧型客車である。依然乗ったのは少年時代だったと思う。乗っていると、何か旧家へ来たかのようなホッとするものを感じる。

 列車は出雲市の次、直江でいきなり9分間停車し、出雲市を14時31分に発車した10D特急「いそかぜ」に道を譲る。次の荘原でも257Dと交換のため3分停車。さらにその次の宍道で1025D特急「おき5号」と交換。この宍道からは木次線が分岐しているのだが、山の中の小駅といった感じで、とても分岐駅とは思えない。
 しばらく走ると、左手に宍道湖がひろがる。そして、松江駅に15時20分着。松江駅に着く寸前、左手遠方に一畑電鉄の松江温泉駅らしき建物が見える。松江駅の停車時間は15分。改札口を抜けて駅前に出てみる。松江駅は高架でモダンな造り、というか面白味がない(左写真)。
 15時35分、松江駅発車。揖屋という駅で、特急「やくも」と交換。この旅はじめての電車特急である。

 16時11分、米子駅着。9分停車するので途中下車して駅前を見ようかと思っていたが、下校の高校生が多く乗りそれどころではなくなった。ここで、機関車が変わったようだ。隣りのボックスに女子高生2人が座るが、私のボックスには誰も座らない。そういえば、隣りのボックスの青年は出雲市から乗っていなかったか。
 ここから乗ってきた学生の中にもツッパリは多い。どうして田舎にはこの手のツッパリが多いのか。都会に住んでいるとそれほど気にならないが、旅に出ると特に気になる。都会の情報が誤って伝わるのか、それとも田舎は純粋であるはずだという偏見が私自身にあるからなのか。

 伯耆大山でまた高校生が大勢乗り、通路にまで立ち客が出る。私のいるボックスにも男子高校生が2人座る。淀江で、また高校生が多く乗るが、降りる人もけっこういて、デッキにだけ立ち客がいるという状態。名和では、私と同じボックスの男子高校生の内1人が降り、もう1人はほかのボックスに移っていった。
 乗客(といっても高校生がほとんどだが)は駅ごとに降りていき、米子から5駅めの御来屋で立ち客はいなくなった。ここで列車と交換。時刻表を見ると、大阪5時49分発の721列車。これは12系らしい青い車体に、50系らしい赤い車体がつながっている。19時08分に出雲市に着く、現在の最長距離鈍行である。
 下市16時54分着。6分停車の車内放送が流れ、トイレへいこうとホームへ降りる。駅事務室は「中山名物」(と書いてある)うどん・そばを売っている。菓子なども売っていて、高校生が下車して買っている。用をたして車内へ戻る途中で2両目以外はまだかなりの数の高校生が乗っていることに気がつく。この駅で米子行き快速3237Dと交換する。2両編成であった。1分遅れて発車。
 中山口17時04分。隣りのボックスから聞こえてきた女子高生の話し方が三田寛子そっくり。三田寛子はこのあたりの出身か?それともいまどきの女の子の特徴なのか? ちなみに彼女らの会話をじっと聞いていたわけではないので念のため。
 赤碕17時09分着。下り米子行き特急「まつかぜ3号」の通過待ち合わせ。残っていた高校生のうち約半分が降りる。そして浦安に17時19分着。貨物列車と交換で3分停車。山陰本線ではじめて出会う貨物列車である。

 倉吉17時39分着。この列車は2番線に着き、1番線には米子行きの527列車が入線している。527列車も旧型客車で6両編成。ちなみにこの列車は、明日最初に乗る列車が福知山で折り返してきたもの。この倉吉駅は本屋側が3番線で、1番2番ホームは島式になっている。ふつうの番線は、駅本屋側から1番、2番・・・となるのだから変わっている。
 倉吉を出るとトンネルに入る。今までになくディーゼル機関車の排ガスと熱風が入ってきた。次の松崎を出るとまたトンネルで、やはり排ガスと熱風がバンバン入ってくる。泊駅を出ると海であるが、すぐ内部に入ってしまう。次の青谷までにもトンネルがあるが、2つのトンネルが列車くさい。これは排ガスや熱風というわけではなく、何かなつかしいような匂いがする。通路には高校生が置いていった空き缶が行ったり来たりしている。

 青谷18時02分着。3239D快速米子行きと交換。急行型の4両編成。オヤッと時刻表を見ると、この列車は岡山〜鳥取間が急行「砂丘6号」なのであった。
 末恒18時22分着。4分停車。米子行き529列車と交換。駅を出てすぐの踏切で母子らしい3人連れのバイク3人乗りを見た。自分の小学校2年生時の交通事故を思い出してしまう。事故を起こさなければよいが・・・。
 湖山で高校生のかたまりなどを見ながら、18時37分鳥取駅1番ホームに到着。出口は右側。松江と同じような高架駅であるが、松江や米子よりも駅前だけは発達しているようだ。隣りのボックスの青年も降りたので駅前で話しかけてみる。彼は長野から来た大学生で、山陰旅行中とのこと。9月2日から学校が始まるので、明日の夜行で帰るそうだ。
 出雲市のデパートから電話予約した「ホテル太平」の前で彼と別れる。この日は最後のホテル泊まりなので、寿司屋へ入ったり、テレビで「突然ガバチョ」をみたりしながらすごした。

 

翌日(8月31日)へ

 

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