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8月7日(火) 今治 → 広島

 

 にぎやかな街並みになってきたなと思ったら、まもなく今治インターチェンジに到着。14時半に通行料2050円を払って瀬戸内しまなみ街道へ。5キロほど走った来島海峡サービスエリアで休憩。ここまでの走行距離947.6km。
 外に出ると信じられない暑さ。今までに経験したことがないんじゃないかと思われるほどに暑い。急いで建物のほうに行くと、この暑さのなかで建物の外に郵便局の移動販売所が出ている。さすがに貯金は扱ってなかったが、記念切手を売っていたので、敬意をあらわして、しまなみ街道のシートと絵葉書を購入。
 サービスエリアの建物の中は、外の暑さが信じられないほどの冷房。かなりの寒さ。でも外から入ってくる一瞬が最高に気持ちがいい。ここの一角にしまなみ街道に関するいろいろな展示がしてあり、また外に出ると来島海峡大橋が一望のもとに見渡せる。じっとりと吹き出てくる汗を気にしながらも、その雄大な姿にしばらくみとれていた。
 かき氷を買ってから車に戻る。ここから再び妻に運転を交代し、私は助手席へ。

 15時10分ごろサービスエリアを出て、いよいよしまなみ街道のメインともいうべき瀬戸内海を渡る橋にさしかかる。まずは、来島海峡第三大橋から第一大橋へ。
 道路は対面通行だったのが、橋にさしかかると片側2車線となる。妻は運転がゆっくりなので左側の道を走らせたが、すぐ後ろを走っていた車も追い越しをせずにゆっくりとついて来た。もしかして同類の観光客かもしれない。
 長い橋を渡りきると程なく大島南インターチェンジで、高速道はここで一旦終わっている。来島海峡サービスエリアからわずか7kmで、今治インターチェンジからでも12kmしか走っていないのに、これで2050円とは・・・。

 大島南インターチェンジ出口で妻は大騒ぎ。というのも、妻は高速道路の出入口のカーブを曲がって走るのが苦手だからである。義父も呆れ顔。しかたなく一般道に下りてから見つけた吉海郵便局で、54局めの旅行貯金をするときに運転を交代する。ゆっくりとマイペースで走るミニバイクのおばちゃんに悩まされたりしながら6kmほど走って、大島北インターチェンジに到着。通行券をとって再びしまなみ街道に入る。

 大島大橋を渡り伯方島、大三島から多々羅大橋を渡り生口島へと快適にしまなみ街道は続く。それにしても高速代が高いだけあってか眺めもよく、子供もめずらしそうに窓外の景色を見ている。
 しまなみ街道からは、瀬戸内海に浮かぶ大小の多くの島がみえる。小さな島にも集落が見えて人が住んでいるようであるが、道路がつながっているわけではないので、島への行き来は船ということになるのであろう。一日に何便の船が出ているかは知らないが、とっても想像できない生活である。別にそういう地を僻地とかいうつもりではないが、現在の自分の生活ではとっても耐えられないであろうということ。それが幸せなことのか不幸せなことなのかは判断できないが・・・。

 生口島にはいってしばらく走った生口島南インターチェンジで、また一般道へおりる。大島北からの高速料金は1750円。最初の通行料は12kmで2050円だったのに、今度は18kmで1750円。この違いは、橋を渡る長さの違い、つまり建設費の違いであろうか。
 インターチェンジは小高い丘の上だったが、道はだんだんと下がっていき、いつのまにか海岸線を走る。なかなか気持ちの良い道路。目の前に因島があらわれたところで生口島北インターチェンジがあらわれる。

 インターチェンジを入ってすぐに生口橋を渡り因島入り。時刻は16時。車内はこの島出身のポルノグラフィティのことで持ちきり。と思ったら、中学2年の甥が「ポルノグラフィティって何だ?」。これでまた車内は一層にぎやかに。
 5kmほどで因島を通り過ぎ、因島大橋を渡って向島に入る。すぐに本線上に料金所。めずらしく渋滞している。高速料金は1450円。

 このまま山陽自動車道に乗り入れて広島へ直行する予定であったが、標識の「広島」につられて走っていたら、いつのまにか道路はバイパスになっていて、そのうちに一般道になってしまった。あわてて地図を見たら、しまなみ街道は山陽自動車道とつながっていなくて、尾道バイパス経由で国道2号線に出てしまったらしい。
 車窓は夕暮れの瀬戸内海で、いかにも映画「転校生」というイメージ。このまま一般道で行こうかとも思ったが、道路が渋滞してきた。宿泊地は公共の宿で、食事の時間がある程度決まっていて、遅く入ったのでは食事をとれない恐れもある。また、せっかくの温泉でもあるので、早めに宿に着きたい。
 地図を見て、近くの山陽自動車道の三原久井インターチェンジへ抜ける道を探し、三原で国道2号線から別れる。この道が思った以上に勾配が急で、道が九十九折れ。崖っぷちを通る道に、怖がりの妻の悲鳴が車中に響き渡る。アクセルはベタ踏みでもスピードが出ず、ゆっくりと坂道を登る。なんとか峠を越して、三原久井インターチェンジから山陽自動車道へ入る。

 山陽自動車道は、車が多いもののスムーズに流れている。山間部ばかりを走り、アップダウンもかなりある。中国自動車道は山間部のイメージがあったが、山陽自動車道もここまで海と離れているとは・・・。それでも退屈しないで走れて楽ではあった。ただトンネルに入るたびに、猛烈な眠気に襲われるのには参る。距離感みたいなものがなくなってしまう様。
 追い越し車線を時速120キロキープで気持ちよく走り、17時ごろ広島インターチェンジを通過。義父に地図をみてもらい、さらに30km走って大野インターチェンジで降りる。高速料金は2650円也。
 今夜の宿泊は、宮浜温泉の国民宿舎「宮浜グリーンロッジ」。地図にも載っているので、国道2号線をしかるべき方向に走る。先ほどの尾道付近といい、国道2号線は海沿いを走り気分がいい。

 宿は、去年も予約しながら結局キャンセルをしたのでかなり期待していたのであるが、建物をみてガックリ。かなりボロボロ。ここに2泊する予定なのだが、こんなにぼろいならもう1泊は広島市内にすれば良かったとちょっと後悔。
 しかしこの後悔は良い方向に裏切られる。たしかに建物はぼろいが、食事といい従業員の接客といいかなり私のツボにはまった。浴室は3階にあり、浴槽は細長く横一列に入浴するようになっているが、目の前に宮島と瀬戸内海が見えてなかなかのもの。食事は食堂で食べるスタイル。和食ならば別料金を払うことにより個室での食事もできるのだが、今夜は洋食を予約してある。これで宿泊費こみ9000円もしないの?といった感じ。とにかく美味い。従業員も素朴でよし。
 部屋に戻って備え付けの書き込みノートを見たら、ほかの宿泊者もみんな同じようなことを思ったようで、「外観は悪いけど、中身はGood」みたいな言葉が書いてあった。

 

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