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8月10日(金) 奈良 ⇒ 松阪

 

 緊張していたのか、ずいぶんと早くに目がさめた。窓から外をみると目の前に奈良駅の全景が見える。なんでもそう遠くないうちにこの駅舎が取り壊されて新しく建て替えられるとか。思っていたよりも大きくない駅舎を見下ろしながらぼんやりとしている。
 8時過ぎにフロント前にある部屋へ。朝食はコンチネンタル・ブレックファーストといってパンとコーヒーが飲み食べ放題。はじめ、パンとコーヒーだけなんてみすぼらしく考えていて、朝食は外で食べようと思っていた。しかし、何事も経験などとその部屋へ行ってみる。パンはおいしいし、コーヒーもなかなか。充分に満足できる内容であった。観光都市らしく、外国人の姿も多い。

 9時過ぎにホテルを出て、近くの奈良三条郵便局で58局めの旅行貯金。それからホテルの指定駐車場である三条都パーキングへ行き、車に荷物を積む。次の目的地は奈良公園なのだが、思ったより距離があるようなので車で行くことにしたのである。
 車で5分ほどの奈良県観光自動車駐車場に1000円支払って車をとめて奈良公園へ入る。有名な鹿が大量にいて壮観。観光客なれしているのか、そばに寄ってきてはエサのおねだり。鹿のフンも気持ちが悪いほどにころがっている。
 南大門をくぐって東大寺へ向かう。空は今にも雨が降り出しそうな気配で、湿度も目一杯高くてじめじめしている。せっかくだからと大仏を観光しようとしたが、拝観料が500円。ばからしくなり、大仏を見るのをやめて正倉院をめざす。大仏殿の横を歩いていたら小雨がぱらつき出した。と思うまもなく大粒の雨が降り出す。大仏殿の横の塀の庇下でしばらく雨宿り。
 この雨がなかなかやまず。しかたがないので小雨になったのを見計らって歩き出す。この雨がずっと強くなったり弱くなったりしてしばらく降り続いた。木立の下で雨宿りをしながら10時過ぎに正倉院へ。ここが宮内庁管轄だと立て札からわかる。それにしても思っていたより大きい。もちろん写真でしか見たことがなかったのだが、ふつうの家ぐらいの大きさを想像していた。ところが実物は体育館ぐらいの大きさ。今でも中に何か入れてあるのであろうか。
 正倉院と対したところに売店らしきものがあり、そこでスタンプを押させてもらう。はじめて寄付を求められたが、いくら払ったらいいかわからず。とりあえず100円支払う。そうしているうちに皆がやってきたので、正倉院前で記念撮影。掲示板の写真などを眺めていたら、いつのまにか皆がいなくなっていた。
 ひとり寂しく歩いていると、皇宮警察の派出所でみんな雨宿りをしている。そばに行くと、娘と姪がおなかをこわしてトイレを借りているとか。そろそろ疲れがたまってきた感じ。
 気分転換に東大寺前の池で鯉に1本100円のエサをやっていると雷まで鳴り出す。再び鹿にまとわりつかれながら駐車場へ戻る。続々と観光バスがやってきて次々と観光客を降ろしてゆく。

 つぎなる目的地は松阪。有名な松阪牛を食べたいという欲求。しかし松阪牛の高価なことは知っているので、和田金などという超高級店などに入ろうなどとは恐れ多くて思ってもいない。たしか松阪牛を使用した駅弁があるはずなので、それを目指そうということ。
 奈良市内からは地図にある主要地方道80号線に入っていけばいいのだが、あくまでも地図上に示してあるだけ。実際に80号線がわかるかどうかは不明。郵便局を探しながら、道路案内板にも目を配る。と、みごとに案内板に「80」という文字を発見。地図と同様に六角形の枠に入って表示してある。
 主要地方道80号線は思っていた通りに山の中の道。たぶん2度と訪れることはないであろう風景が展開する。茗荷郵便局、東山郵便局、波多野郵便局で旅行貯金。空は曇っていて、たまに雨の降るあいにくの天気だが、それが妙に風景を現実離れして見せてくれる。郵便局の外観だけでも記録に残しておきたい気分。だが、そんなことをしていたら自分のパソコンがパンクしてしまうのが見えているので実行には移せない。
 名張に近づいたところで、案内にしたがって右折しようとして安全確認に左をみたら、薦原簡易郵便局を発見。これが実に趣のある建物。簡単にいえば古いだけなのだが、まわりの家並みにマッチしていて、えもいわれぬいい味を出している。

 名張を過ぎて国道368号線に入る。最初のうちは国道らしかった道も、だんだんと険しくなってゆき、地方道80号線のほうが道は良かったのではないかと思えるような状態になってきた。国津郵便局、太郎生郵便局と旅行貯金の局数は増えるが、いったい自分は何をしているのかと考えさせられるような状況。
 なぜこんな辺鄙な場所に?と思わせられる「美杉」道の駅で休憩をしてさらに松阪をめざす。なぜこうまでして松阪へ行かねばならないのか・・・。
 険しい山道を越えてホッとしたところで飯南郵便局を発見。牛の絵入りのゴム印で、松阪に近づいたことを感じさせる。その後は大石郵便局、大河内郵便局を経て松阪市街へ。
 松阪松尾郵便局、松阪黒田町郵便局、松阪新町郵便局とたてづづけに発見し、郵便局のゴム印は増える。新町郵便局でははじめて冷え冷えシートを粗品でいただく。ティッシュしかもらったことがないので初の経験。そうしてすすんでいったところで前方に松坂駅を発見した。

 

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