「う〜〜…………とは言え、なぁ……………」
もの凄く心配なのだ。彼の様子が尋常ではないだけに。
だが、出て行けと言っているモノを構ったら怒られるだけだろう。
一見気むずかしく無さそうな彼だが大変気むずかしいヤツなので、下手に刺激しない方が良い。それは、長い付き合いの間で分かっていることだ。
だからここは、言われたとおりに出て行った方が良いに決まっている。
何かして貰いたい事があったら口にする男だし。
そう考え、ビクトールは大きく頷いた。
「――――じゃぁ、オレは部屋に戻るから。なんかあったら、すぐ呼べよ?」
声をかけたが、返事は無い。
その反応に眉間に深い皺を刻み込んだ。
やはり、やせ我慢しているだけなのだろうかと。
だったらここは彼が言うとおりに部屋に戻らない方が良いのだろうか。
雷覚悟で看病したほうが良いのだろうか。
ビクトールは再度考え込んだ。









やっぱり残る】 【出て行く