【33】
船に帰り着いた途端、ルフィに「飯だ!」と抱きつかれたが、その腕を振り払ってとりあえずシャワーを浴び、スッキリしてからモノ言いたげなナミの視線を気付かないようにしながら夕食を作り始めた。
時間が無いのに微妙に凝った料理を作り出す。コレは一種の逃避行動だろうと自分でも思ったが、手早く簡単なモノを作る気にはならなかった。逃避しても仕方ない事ではあるのだが。
給仕している間、ナミの視線が痛いほど強く突き刺さっていた。コレが終わったら逃がさないからと言いたげな視線が。
そんな視線に顔を引きつらせつつ、今日だけは夕食の時間が永遠に続いて欲しいと願ったりしたのだが、そんな事が起こるわけもなく。夕食の時間は、いつもよりほんの少し長い程度で終わってしまった。
往生際悪くいつもよりゆっくりと食器を洗ったりしていたのだが、焼け石に水と言うものだろう。
ナミはその場から立ち去る気配を見せない。ナミどころか、全員が。ルフィは外に出たがっていたが、ナミにこの場に残れと言い渡され、渋々と席についている。いつもだったら、誰に何を言われようとも外に出て行きたかったら出て行くルフィではあるが、出て行ったら一週間飯抜きと言われてしまえば、従わざるをえないのだろう。
ウソップとチョッパーは、何がなにやら分からないといった顔をしている。ロビンはなんとも思っていないのか、それともナミの態度から何かを察したのか、いつもと変わらぬ涼やかな表情で食後に出したコーヒーを静かに飲んでいる。
「居たたまれねぇ……」
深々と息を吐き出した。
出来ることなら死ぬまで秘密にしておきたかった事柄を、こんな形で暴露しなければならないとは。もの凄く気が重い。
自分が二人を産んだ事を話すのは良い。男が子供を産むなんて事は非常識な事だから、知られないで居られるにこしたことはないと思っていたが、産んだことを後悔してはいないどころか、産んで良かったと本気で思っているので、その事を話すのに抵抗はさしてない。
だから二人を産んだ事を認めるのは良いのだが、それに付随する事柄に話したくないことがあるのだ。クルー達の前では、絶対に。
そう強く思っていたので、こういう場面に遭遇したときに話す嘘話は考えておいてはいる。どういう状況でどういう風に追求されても話に穴を作らないようにと、子供を産もうと決めたときから、緻密に。その話を脳内で復習しながら黙々と皿を洗っていると、セイが傍らに歩み寄ってきた。
「――――母さん。お茶、配り終わったよ」
ナミとゾロの前で盛大に絶叫したからもう誤魔化す必要はないと判断したのか、船に戻った後、セイもリョクも今まで口止めしていた呼び方で呼びかけてきている。
とは言え、この事態を招いたのが自分のせいだと言う自覚があるから、多少は遠慮しているのだろう。呼ぶときには声を潜めている。
そんなセイに疲れた顔で微笑み返し、背後の戸棚を指さした。
「ストックしてある茶菓子を全部出しちまえ。今日は大放出だ」
「はーい」
サンジの気分を少しでも上向けようとしているのか、セイは明るい可愛らしい口調で返事をよこし、軽やかな足取りで菓子が仕舞われている扉へと駆け寄っていった。そんな我が子の背中を苦笑を浮かべながら見送ったサンジは、視線を手元に戻し、最後の一枚をキッチリと洗い上げた。
いつまでも逃げては居られない。仕事も一通り片づいた。腹を括ってクルー達と対面しよう。
小さく息を吐き出し、どんな話の流れになっても冷静に対処していこうと、自分に言い聞かせる。相手につられて怒鳴ろうとも、頭の中だけは、冷静にと。
濡れた手をタオルで拭った。そして、今までで一番恐ろしいと思う戦場へと足を向ける。
途端に、八対の瞳が自分に突き刺さった。
ウソップとチョッパーの、戸惑いの色を浮かべる瞳が突き刺さる。ナミの様子から、クルー全員がこの場に残されているのは自分に関係がある事が理由なのだと判断したのだろう。とまどいの中に、救いを求めるような気配が見える。
助けて貰いたいのはこっちの方だが、そんな事を彼等に言ったところでどうにもして貰えない事は火を見るよりも明らかな事だ。
気付かれないように小さく息を吐き出した。
腹を括ったつもりだったのだが、括り切れていなかったようだ。今すぐこの場から逃げ出したくて仕方ない。
そんな挫けそうになる心に鞭を打って皆の元に歩み寄ったら、ナミはお誕生日席と呼ばれる場所を指さし、座れと瞳で告げてきた。
「うぅっ…………」
居たたまれ無さが増して小さくうめき声を上げてしまった。この場から逃げ出したい衝動に駆られたが、今更逃げられるわけがない。サンジは示されるまま、指し示された場所に座った。その左右に二人の子供が座り、痛ましげな瞳をよこしてくる。
その視線も痛いな、と思っていたら、ナミが静かな声で口火を切ってきた。
「――――どういう事か、説明して貰いましょうか」
微笑んではいるが瞳が笑っていないナミに、サンジはヘラリと笑って返すことしか出来なかった。
「説明もなにも……」
「言い逃れは許さないわよ、もう」
サンジの言葉を制するように、ナミがピシャリと言い放った。そして、テーブルの上に両肘を乗せて手のひらを組み、その組んだ手の上に顎を置いてサンジの顔を睨み付けてくる。
「その子達を産んだのは、サンジ君なのよね?」
ナミが放った言葉を耳にした途端、チョッパーとウソップがガコンと顎を外した。瞳はこれ以上ない程大きく見開かれている。
それはそうだろう。自分が彼等と同じ立場に居たら同じ反応を示していたと、自信を持って言える。自分だけではない。世の中の大半の人間が同じ反応を示すだろう。男が子供を産むなんて事、いくらグランドラインでも有り得ない事だろうから。
そんなウソップとチョッパーを尻目に、ルフィは新しい玩具を目の前にした子供のように瞳を輝かせながら言葉を寄越してくる。
「へぇ、そうなのか。凄いな、サンジっ!」
「あら、さすがグランドラインね。そんな事も起こるの」
嬉々としたルフィの言葉の後、ロビンがあっさりとした口調で言葉をかけてくる。驚いた様子は欠片もない。むしろなんだか嬉しそうだ。
ルフィとロビンからは一般的な反応は示されないだろうとは思っていたが、そんなにアッサリと信じられると無性に悲しくなってきた。
複雑な思いにとらわれながら口を閉ざしていたら、ナミの視線が突き刺さった。サンジが肯定の言葉を吐くのを待っているのだろう。
セイとリョクも見ている。ここでサンジが頷けば、心置きなくサンジの事を「母」と呼べるのだ。ほんの少し前に、三人で暮らしていた時のように。それを期待して見つめていることが痛い程よく分かる。
こんな事になるのなら、シェリーが冗談交じりに産んだ人間の事は母と呼べと教えていた時に、強硬に阻止して置けば良かった。こんなに早く皆に再会出来るとは思っていなかったから適当に流してしまった事を、今更ながら後悔する。
後悔先に立たずとはよく言ったモノだなとど、暢気な事を考えつつ、深く息を吐き出した。そして、小さく頷き返す。
「――――そうです。俺が産んだんです」
そう言いきった途端、狭い室内の空気がザワリと動いた。
サンジの答えなど分かっていただろうに、認められたら認められたで何か思うものがあるのか、ナミの顔は軽く引きつった。ルフィの表情は変わらないが、ロビンの笑みはより一層深くなり、ウソップとチョッパーは目玉が飛びださん勢いで目をむいた。
「ななななななな、なにを言ってやがんだっ、サンジっ! お前、正気か?! てめぇは男だろうっ! 子供なんか産めるかっ!」
「も、もしかして、サンジ、女だったのか? そんなことに気付かなかったなんて、俺、医者失格だーーーーっ!」
「いや、ちゃんと男だから」
とりあえず、大事な船医の自信を喪失させるのは得策ではないので告げておく。
話はここで終わりにしてしまいたい。だが、さっさと先を話せと言わんばかりに睨み付けてくるナミの視線を無視する事など、出来るわけがない。
今日何度目か分からない溜め息を吐き出したサンジは、誰とも目を合わせないように気をつけながら一度閉じた口を再度開き、言葉を発した。
「八年くらい前だったかな。寄港した島で出会ったレディに、薬を貰ったんだ」
「――――薬?」
発した言葉に、ナミは軽く眉間に皺を寄せた。その顔には、この状況でいったい何の話をし始めたのだと言いたげな表情が浮かんでいる。
彼女からしてみたら、サンジが誤魔化しのためになんの関係も無い話をし始めたように思えるのかも知れない。だが、それが事の始まりなのだ。彼女に出会う事がなかったら、子供達は産まれていない。だから、眦を吊り上げながら口を開いたナミの言葉を遮るように言葉を続ける。
「その薬はどんな人でも1%未満の確率で子供を宿せる薬なんだって、彼女は言ってた。1%未満なんて無いに等しいけどよ、0ではないんだって。本当の事かどうかは分からねぇが、悪魔の実の成分を使って作られてるとか言ってたな。だから、普通の人には買えない程の高級品なんだってさ」
「――――なんで、そんなモノをサンジ君に?」
「話している間に意気投合してさ。別れるときに出会った記念にって。もう自分にはいらないものだからって。知らない人にやるよりも知ってる俺に渡した方が良いからって言われちまったら、いらないとは言えないだろ?」
事の成り行きを簡単に告げる。薬を貰うまでの経緯を語り出したら、一日では足りなくなるので。例え足りたとしても、全てを語る事はないだろうが。あまり突っ込んだ話をしたくない事情もある事だし。
だが、はしょりすぎた説明では納得して貰えなかったらしい。ナミは眉間に深い皺を刻み込んだ。
「――――いくら仲良くなったからって、なんでそんなモノを男のサンジ君に?」
「さぁ、それは俺にも」
理由は分かっているのだが、仲間達には語りたくない事なのでわからないと言いたげに肩を竦める。全く検討も付かないと、その仕草と表情から読み取れるように。態とらしくなりすぎないように細心の注意を払いながら。
ポーカーフェイスには自信があるのだが、それでもやはり内心では緊張しながら返したサンジの言葉を信じたのだろう。眦を吊り上げたままではあったが、ナミは誤魔化すなと怒鳴りつけてくることは無かった。
「――――で、それを飲んだら妊娠したわけ?」
しばしの沈黙の後、静かな声で問いかけてきたナミに、サンジは軽い仕草で頷き返した。
「あぁ。レディがくれたもんを、必要ないからって捨てる事は出来ねぇだろ? 俺にってくれたものを人にやるのも憚られるし。まぁ、確率的には無いようなもんみたいだし。飲んだところでなにがどうなるわけでもねぇと思って飲んでみたら、そんな薬を飲んだ事自体忘れた頃になって、なんか身体がだるいなーとか思い初めてさ。でもまぁ、気のせいだろうと思って放っておいたら、立ち寄った島で通りすがりの産婦人科医に妊娠してるって言われて。最初はなんの冗談だと思って取り合わなかったんだが、そいつが自分の命を賭けても良いとか言いやがるからさ。試しに検査してみたんだよ。そしたら、マジで妊娠してて。いやぁ、あの時はビックリしたぜ。心臓飛び出るかと思ったね」
アハハ、と出来る限り軽く笑い飛ばして見たが、ロビンとルフィ以外のクルーはなんともコメントのしようが無いと言いたげな、微妙な顔をしていた。
自業自得と言えば自業自得な出来事だ。普通だったらもっとよく考えて行動しろと、そんな薬など飲むなと怒鳴られて居たところだろう。
だが、この場にはその薬の効果で産まれてきた子供達がいるのだ。下手な言葉を発すると、その子供達を傷つけかねない。ソレを危惧して、クルー達は口を閉ざしているのだろう。
しばし沈黙が落ちる。重苦しい沈黙だ。その沈黙を破るように、ナミがボソリと、言葉を発した。
「――――だから、船を下りたのね?」
「あぁ。海賊船じゃあ、ちゃんと産める確率が減るって、その産婦人科医に言われたんでね。悪い」
「謝る事じゃないわよ。確かに、いつドンパチやり出すか分からない環境だったし、クルーの人数も少なかったし。あのまま船に乗っていたら、出産までこぎ着けられたかどうか、妖しいものがあったもの。その選択は正しいと思うわ。でも………」
そこで一旦言葉を止めたナミは、チラリと二人の子供達に視線を流した。続く言葉を発して良い物かどうか、迷っているのだろう。瞳か微かに揺れた。だが、聞かずには居られなかったようだ。意を決したようにサンジの顔を覗き込み、問いかけてくる。
「堕ろそうとは、思わなかったの?」
その問いに、サンジは晴れやかな笑顔を浮かべ、コクリと頷いた。
「まったく」
「なんで?」
「なんでって、堕ろす理由が無いだろ」
「理由って……男が妊娠しただけでも、結構な理由だと思うけど?」
「あぁ、そりゃそうかもな」
だが、ソレを理由に子供を堕ろそうと思うなら、そもそも薬なんか飲んだりしない。いくら確率が無いに等しい物であろうとも。男が妊娠するなんてこと、あるわけがないと思っていたとしても。
「まぁ、滅多に出来ない経験だし。薬をくれたレディにも悪いし。産めるもんは産んでおこうかと思ってね」
そんな風に、軽く答える。子供を産むと言う事が、たいした事ではないのだと。暗にそう告げるように。一連の出来事を重大な事と捕らえられたら、更なる突っ込みを受けるだろうから。
だが、突っ込んで欲しくない事は突っ込まれるものらしい。ロビンが軽い口調で問いかけてきた。
「それで、この子達の父親は誰なの?」
ロビンの言葉に、ラウンジの中には新たな緊張感が走った。
「ち………父親?」
ウソップが恐る恐るといった口調で問いかけてくる。そんなウソップの声を耳にして彼の方へとチラリと視線を走らせれば、彼は怯えの色を含む瞳でサンジの顔を見つめていた。何に怯えているのかは、考えないようにしておく。あまり楽しい事を考えていないのは、彼の表情から簡単に判断出来るので。
だから、それ以上ウソップに意識を向けないようにしながらロビンへと笑いかける。
「やだなぁ、ロビンちゃん。そんなもの居るわけねぇだろ」
「でも、精子と卵子がないと子供は出来ないじゃない? その薬が卵子の役割を果たしていたのだと考えると、受精するためには精子が必要だと思うのよ。それに、前にその子達が『母親は父親のことを愛していたから子供を産んだ』って言ってたし。そう考えると……」
その言葉にサッと頭から血の気が失せた。思わず傍らに座っている子供達の胸ぐらを掴みあげ、余計なこと言ってんじゃねーと怒鳴りつけたくなったが、そんな事をしたらウソを付いている事がバレバレだ。
なので、どうにかして誤魔化そうと言葉を発した。
「それは、ほら。性教育的に人間が単体で子供を産めるなんて事、教えるわけにはいかないから。これでも一応人の親だし、そこら辺は将来恥をかかないようにしないとなとか、思ってさ」
少しどころか結構厳しい言い訳だなと内心で思いながらもなに食わぬ表情を浮かべ、軽い仕草でフラリと手を振った瞬間。がたりと、イスを引く音がした。
その音に、皆が視線を向ける。
皆の視線の先には、テーブルに両手をついた状態でその場に立ち上がっているゾロの姿があった。彼がどういう表情を浮かべているのかは、分からない。テーブルにおいてある己の手の甲を見つめるように、俯いているので。だが、笑顔ではない事だけは分かる。彼の全身から、殺気のような気配が滲みだしているのだから。
ナミの眉間に深い皺が刻み込まれた。話に飽きてこの場から立ち去ろうとしていると判断したのかも知れない。不機嫌も露わな声を、立ち上がった状態で動きを止めているゾロへとかけた。
「なによ、ゾロ。まだ話は終わってないんだから、大人しく座ってて頂戴」
「――――うるせぇ」
かけられた言葉に、ゾロは地を揺るがすようなうめき声を発した。そしてギロリと、サンジの顔を睨み付けてくる。
バンダナを頭に巻いているわけではないのに、その眼差しはかなり本気モードだ。彼の凶悪顔と凶悪な殺気に慣れている自分でも、一瞬足を引きそうになるくらいだから、相当なものだ。
ゾロの本気を察したのか、ウソップは顔を真っ青にしてガタガタと震え、チョッパーは目に涙を溜め始める。ナミですら少し腰を引いた。
俯けていた顔が、スッと上がった。視線はピタリとサンジに当てられる。そしてドカドカと足音荒くサンジの背後へと歩み寄り、何事だとその動きを追っていたサンジの胸ぐらを遠慮無く掴みあげてきた。
「――――ウソついてんんじゃねーぞっ、このクソコック!」
「あぁ?!」
眉間に皺を刻み、犬歯を剥き出しにしながら怒鳴りつけてきたゾロに、サンジは条件反射で睨み返した。
「うるせえぇっ! てめーには関係ねーことだろうがっ! 突然しゃしゃり出てきてガタガタ騒いでんじゃねーっ!」
「関係ねーだと?!」
「ちょっと、ゾロっ! なにやってんのよ、あんたっ!」
「うるせぇっ!」
尋常じゃないゾロの様子にナミが慌てて止めに入ったが、そんなナミをゾロは一喝で退けた。
そして、視線だけで殺せそうな程鋭い眼差しでナミの顔を睨み付ける。
「部外者は引っ込んでろ」
それだけ告げると、ゾロは再度サンジへと向き直り、ナミを睨み付けていた時以上に鋭い眼差しで睨み付けてきた。
ゾロの剣幕に、「それはこっちの台詞よ!」と叫び返そうとしていたナミが口を噤む。ウソップとチョッパーは、恐怖のあまり気を失いそうになっていた。
ルフィは何が起こっているのか理解してないのか、キョトンと目を丸め、ロビンは面白そうに口元に笑みを浮かべながら傍観している。
そんな周りの状況になど目もくれず、ゾロはサンジの胸ぐらを掴みあげる手に力を込めてきた。
「俺が関係ねーわけねーだろうがっ。このっ、クソコックっ!」
「はぁ? なにわけのわかんねー事――――」
「お前がこいつらの母親だって言うなら…………」
訳の分からない事をほざきだしたゾロのことを、心の底から馬鹿にして発したサンジの言葉が終わる前に、ゾロが言葉を被せてきた。
その言葉の強さと真剣さに発しようとしていた言葉を飲み込み、ゾロの瞳を見つめれば、そこには怒りの色だけではなく、真摯な光が宿っていた。滅多に自分に向けられない類の光が。
向けられた瞳の強さに飲まれて口を噤む。
そんなサンジに、ゾロはゆっくりと言葉を繋いできた。
「てめーが、こいつ等を産んだって言うなら………」
そこで一旦言葉を切ったゾロは、小さく息を吸った。
そして、確信を持った声で言葉を放つ。
「父親は、俺だろうが」
BACK NEXT
《20080106》