5.マラッカへ



3月3日(3日目)

寝るのは遅かったが、周りが騒がしく、8時に目が覚める。
宿泊料$9(約540円)だったが、朝食付きだったので、周りに混じって食パンを食べる。
朝食が済むと、Jさんと約束した11時までまだ時間があるため、朝の散歩がてら、アラブストリートの方へと足を運ぶ。


初日のチャイナタウン、2日目のリトル・インディアといい、ちょっとエリアが変わると、全く別の国に来たような錯覚におちいる。
シンガポールは、原住民よりも移民が多いというのも納得することができた。

サルタンモスク
その後、Jさんと合流し、シンガポール最後の昼食をとりに、大きなホーカーズへ行き、昼食をとりながら午後からの予定をたてる。


これからマレーシアへ行くには鉄道とバスの2つの方法がある。
当初、旅の目的の1つとして、マレー鉄道を使って陸路で国境越えをする目標があったため鉄道にしたかったが、次の目的地のマラッカに行く場合、鉄道だと乗り換えて、更に駅からタクシーで1時間ほどかかるということなので、バスで直接マラッカに行くことを決める。


マラッカ行きのバス停を探すことに苦労しながらも、発車3分前に、すべり込み乗車。
マラッカへは、3時間半かかるが、運賃は$15くらい(約900円)だった。物価は、日本とそんなに変わらないが、その分交通機関等は安いように思えた。


しばらくすると、シンガポールとマレーシアの国境の橋、コーズウェイを通過。入出国審査を受け、初の陸路国境越えを体験する。この国境は歩いて渡ることもできるので、徒歩での国境越えも可能とのこと。



コーズウェイ
国境越えでは、まずバスを降り入出国審査を済ませ、再度バスに乗る。ここで、Jさんが入出国カードの半券が見つからず、通過に時間がかかったが、自分はあっさり通過することができた。
バスは、マレーシア側で待機しているので、再度乗り込み出発する。


しばらくすると、景色がシンガポールとは大きく変わっていくのがよくわかった。ずっと田舎道をすすんで行く。
途中のターミナルで休憩したが、シンガポールドルしか手元になかったため、これでいけるかと聞いたら、あまり良い顔はしなかったが飲み物を買うことはできた。シンガポールに近いほど、シンガポールドルは十分通用するようだ。
あとは、ひたすら田舎道を走り、午後7時前にマラッカに到着した。


あたりは暗くなっていたが、バスを降りると何人かに囲まれ、「今晩の宿は決まっているのか?」と声をかけられる。
辺りが暗く、宿の確保もこれからだったため、その中の1人に値段交渉し、クーラー付の2人部屋をRM40(1200円)で確保する。


シンガポールドルが、結構余っていたので停留所近くのお店で全額RM(リンギット)に両替し、宿に向かう。宿は、思った以上に広く、鍵もかかるので満足できるものだった。ただし、門限があり夜の10時までと釘をさされてしまう。


シャワーを浴び、衣類を洗濯した後、マラッカの街へ繰り出す。
なかなかお店が見つからなかったが、チャイニーズ系のお店を見つけ入ってみると日本人がいたので、一緒に晩飯を食べることに。


一緒に食事をした2人は学生で、残りの1人は40代の男性(Yさん)というアンマッチなグループだったが、自分と同じくシンガポールを発ち、駅からタクシーで乗り合わせてきたとのことだった。
学生の2人は、これからマレー鉄道でタイへ、YさんはJさんと同じくタイまで行きインドへ行く予定とのことだった。
食事後、学生2人とは別れ、残りの3人で更に夜の街へ繰り出す。途中モトサイに乗り、結局午前2時くらいまで、夜の街を徘徊。
結局、門限を過ぎてしまい、Yさんのホテルに泊まらせてもらうこととなった。



               
    

3月4日(4日目)

翌朝、Yさんも一緒にクアラルンプール(KL)に行こうということで約束し、ゲストハウスに戻る。
管理人さんは、2人が帰ってこなかったのでひどく心配していたらしい。悪いことをしてしまったと、ちょっと反省。


その後チェックアウトし、出発まで荷物をあずけ、再度中心街へ向かう。
マラッカは、マレーシアで一番訪れたい都市だったため、色々と見て歩く。まさに、マレーシアの京都といった感じだった。


マラッカの街の様子

セント・ポール教会跡

特に、セントポールの丘からの景色は素晴らしく、深夜特急で有名になった「マラッカの夕日」を是非見たかったが、クアラルンプールにいかねばならないため、残念ながら見ることは適わなかった。
また、Yさんと約束していた12時になったが、道に迷ってしまい約束の場所にいけず、30分過ぎてホテルへ電話したが、既に出発したということで、合流もできなかった。
また、縁があれば再開できるだろうということで、ゲストハウスに戻り、シャワーを浴び、バス停へと向かう。


バス停では、RM11(約330円)払いバスに乗ったが、途中バスがエンストしてしまい、別のバスに乗り換えるアクシデントがあったものの、3時間30分後の18時30分に無事KLに到着することができた。


Jさんと話あった結果、KLはパスし、タイに入国することにしたため、バスターミナルから直接KL駅へと移動。

途中で、道を尋ねるが尋ねる度に、皆違う方向を指差す。「マレーシア人っていい加減?」これが、マレーシアで最も印象に残ったことだった。


迷いながらも、無事駅に到着し寝台列車のダイヤを確認。

1時間後に深夜急行があったため、ようやく念願のマレー鉄道に乗ることができた。

代金は寝台車でRM43.5(約1,350円)。21時半に列車は出発し、国境を越えたタイのハジャイ(ハート・ヤイ)へと出発した。