5.災難到来



朝6時まだ、辺りも暗い中起床。悪いとは思いながら、オーナーを起こし、チェックアウト。
オトガルへ向かい、イズミール行きのバスの時刻を聞くと、「空港までなら8時発で十分間に合うよ」と言われたので、朝食をとりにセルチュクの街をうろつく。


まだ朝6時台ということもあり、開いているお店を探すのに手間がかかるが、何とか探し出し、朝食をとる。

そして、この後 この旅最悪の事態が起こる。

バスの出発の時間まであと1時間ほどあったので、セルチュクの街の写真をとりながら、歩いていく。そして、10分くらい歩いた後、Tシャツの下腰に巻いていた貴重品袋がなくなっていることに気付く。

朝食後、1度確認したのは覚えていたので、歩いているうちにズレて落ちたものと思われる。
それほど、歩いていないこともあり、慌ててもと来た道を戻る。

朝ということもあり、人はほとんどいないため、拾われてる確率は少ない。
必死になって探すが、全く見つからない。すると、道を掃除するおじさん達がたくさん見えてくる。ひょっとしてと思い、片っ端からそうじのおじさんに聞いてみる。
しかし、そんなものは見ていないとのこと。

貴重品袋は、肌の上に巻きつけるもののため、地味な色をしている。道に落ちていても、その中にパスポートや航空券(ついでに現金も)が入っているなどとは誰も思わないだろう。


次に警察に聞いてみようと思うが、どこに警察があるのかが分からない。仕方がないので、宿へ戻り、オーナーへ相談することにした。
オーナーは、まだ寝ていたが、無理をいい起きてもらい事情を説明すると、車で警察へいこうと行ってくれる。
しかし、警察署が閉まっていたため、ツーリストポリスのところへ行くこととなった。

オーナーが事情を説明してくれ、3人一緒になって先ほどたどった道を歩く。周りの人にも聞きながら歩くが見ていないとのこと。
結局、見つからなかったので、事情聴取を受け調書を書いてもらう。ツーリストポリスが英語をあまりしゃべられなかったため、オーナーが間に入って通訳をしてもらう。

調書が書き終わった後、ゲストハウスへ戻り、まずトルコ航空のオフィスに電話してもらう。ここで、確認したいのは航空券を再発行できるかということ。基本はパスポートがないと無理だが、日本領事館で相談して、オフィスへくれば再発行はできるかも知れないといわれる。

次に、イスタンブールの日本大使館へ電話。電話に出てきたトルコ人は、今日は日本の特別な日
で、休みだといわれる。まさか、今日は9月15日、秋分の日?。トルコに来て秋分の日を聞くとは思わなかった・・・。
唖然としながらも、やりとりをするが、日本語が話せないらしく、うまくやりとりができない。
「誰か日本語を話せる人はいないのか?」と聞くと、電話番号を教えてくれる。どうやら、この電話番号にかければ、日本語を話せる人がいるらしい。

早速、携帯電話に電話をかけると、日本人が出てくれる。事情を説明すると、帰国するための渡航書というものがあれば、帰国できると教えてくれる。
渡航書発行のためには、パスポート紛失の調書と写真が必要らしいので、写真をとりにお店へ向かう。


写真撮影後、1時間ほど時間があいたので、オトガルへ行き次の交通手段の確保を図る。
イスタンブールへ行くのは決まっているが、イスタンブール行きのバスは夜出発なので、まだまだ時間がある。
昼間のうちに行けるとこまで行って、夜間バスでイスタンブールへ入るつもりだったが、なかなか都合が良いバスが見つからなかったので、夜のイスタンブール行きのバスを手配する(25,000,000TL)こととなった。

結局夜まで、時間をつぶさなければならなくなったので、セルチュクから30分ほどで行けるリゾート地クシャダスへ行くことにする。
考えてみれば、この旅全く海を見ていなかったので、気分転換に海を見るのもいいだろう。


山を越えると、エーゲ海が広がってきてこれまでの町並みとはまた違うキレイな景色が広がってくる。
海を眺めながら、ビールを飲む。リゾート気分に浸りながら、ピザを食べる。



エーゲ海

ギュウェルジン岬(右端の島)

クシャダスの町並み


食事後は、ボルドム岬へ行きエーゲ海を望む。
あとは、クシャダスの町を見てまわる。さすが、ヨーロッパの人たちがリゾート地としているだけあって、料金表示はほとんどユーロ。おみやげを見てまわるが、相場が分からない。

15時過ぎ、クシャダスよりセルチュク行きのバスに乗る。
セルチュクに戻るが、まだ16時。バス出発の21時30分にはまだ5時間ほどある。
仕方がないので、セルチュク周辺を徒歩で歩いた後、晩飯をとりに食事へ。

食事を取っていると、お世話になったゲストハウスのオーナーが日本人の女性を2人連れてやってくる。どうやら、お店を教えに連れてきたようだ。すぐに、自分がいることに気づいたようで、言葉を交わす。
「今日の夜の便でイスタンブールに行くつもりだ」というと、「心配するな。必ず日本へ帰れるよ」と言葉をかけてくれた。

食事後は、インターネットカフェに行き、今日起こったことををメールで日本へ送信。

21時30分の夜行バスでイスタンブールへと向かう。