6.イスタンブール東奔西走





《AM 8:00》

途中、フェリーへ乗船し、1時間ほどで対岸のイスタンブールへ着岸。
しばらく、市街地を走った後、イスタンブール郊外のオトガルへ到着する。
隣の外国人バックパッカーに「ここが終点ですか?それにしては小さいですね」と聞かれたので、「多分そうだと思います・・・」と自信なく答える。
バスは更に奥へと進んでいき、屋内ヘ入る。すると巨大な屋内バスターミナルが出現。コンクリートむき出しだったが、さすがイスタンブールのオトガルだと関心する。同時に隣の外国人も、「大きなぁ」と関心していた。


バスを降りると、こんどは市街地へ行くための足を捜す。
地球の歩き方には、オトガルから市街地へは、30分くらいかかると書いてあったため、乗り継ぎのバスはないかと、キョロキョロしていると、スルタンアフメットへのミニバスがあるらしいと聞こえたのでので、他のバックパッカーと一緒に乗車する。


30分ほどミニバスで走り、ようやくスルタンアフメット地区へと着く。このエリアは、旧市街地と呼ばれ、有名なトプ・カプ宮殿、グランドバザールなど旅行者向けの地区である。新市街地に比べ、治安は若干悪いが、安宿が多いためこのエリアを選択した。
到着した場所が全くわからず、人に尋ねながら、何とか宿へ到着する。



《AM9:10》
チェックイン後休む間もなく、日本総領事館のある新市街地へと向かう。宿からのキョリはざっと7kmくらいだが、、新市街地は小高い丘の上にあるため、ずっと上り坂となる。
残金があまりなかったため、徒歩を選択することになるのだが、この選択があとで大きな間違いとなるとは・・・。


途中、道に迷いってしまい親切な老人に道を教えてもらうが、全く見当違いの方向へ出てしまう。次に、ツーリストポリスへ聞いてみるが、なかなか見つからない。
地図上でも、ほぼ間違いがないところまで来ているのに「なぜ見つからないー」と叫びたい気持ちを抑えつつ、懸命に探す。



《AM 11:30》
そして、ようやく日本総領事館を発見する。結局、移動に2時間以上もかけてしまった。
領事館というと、日本の国旗があるはずという固定観念があったのがそもそも間違いだった。
何と、領事館は改装中で、正規な入口は閉ざされ、路地に仮設の入口があるだけだったのだ。


領事館の仮設入口では外国人が、英語で「パスポートを見せて」というので、「パスポートを失くしたので、渡航書を発行してもらいに来たんだ」と伝え、ツーリストポリスの調書を見せると、ようやく中へ通してくれる。

館内では、まずカメラと携帯電話を取り出し、バッグを空港にあるような赤外線でチックされる。
次に、名簿に滞在先と訪問理由を書いて、更に奥の部屋と進む。

ブザーを鳴らすと中年の日本人女性がでてきたので、事情を説明すると、パスポートの再発行には1週間かかるが、帰国するだけの渡航書は1日あれば、発行できると教えてもらう。
「明日の飛行機で帰らなければならないため、すぐに発行して欲しい」と伝えると、渡航書発行には帰るための航空券が必要だという。
パスポートと一緒に航空券を失くしたのを知っているのに今更何を言うんだと思いながらも、話をす続ける。結局、渡航書を発行することにより、トルコ航空が航空券を再発行してくれることを確認できれば、渡航書を発行してくれるらしい。


確認だけであれば、領事館のスタッフが、トルコ航空へ電話してくれればいいものの、直接トルコ航空と話をしてくれと言われる。もともと、渡航書を取得後、トルコ航空へ再発行の手続きに行くつもりだったが、「卵が先か鶏が先か」という議論になったため、完全に呆れてしまう。

ただ、トルコ航空が帰りの航空券を発行できる確認さえ取れれば、翌朝には渡航書を発行できるという言葉を信じ、トルコ航空のオフィスへと向かう。



《PM12:20》
トルコ航空のオフィスでは、自身の英語力の無さを露呈。何とか、現状を伝え、自分の予約内容も確認できるが、向こう言っていることが分からない。
結局、トルコ航空メインオフィスのテレフォンナンバーをもらい、夕方もう一度来てくれと言われる。最後に、大阪のオフィスという言葉が聞こえたが、自分に大阪に電話して確認してくれと言っているのか、トルコ航空が大阪に確認をとってくれると言っているのかいまいち良く分からなかった。


意味がわからず、とにかくもらったメモの電話番号にかければ良いのかと思い、公衆電話で電話をしてみるが、英語のガイダンスが聞こえるだけで、よく分からない。
仕方ないので、途中に出会ったバス関係の男に事情を説明し、助けを求める。

すると、代わりに電話をかけてくれたが、いっそのことトルコ航空のメインオフィスへ行ったらどうだという。確かに、電話よりも直接話をした方が間違いないと思い、子供にバスを案内してもらう。

しかし、いっこうにバスが来ないので、あきらめてタクシーを拾う。てっきりオフィスは近いものだと思っていたが、結局空港まで行ってしまい、なけなしの180,000TL(約1800円)を支払う。



《PM14:00》
空港では、トルコ航空の女性スタッフと交渉するが英語でうまく会話ができず、インフォメーションカウンターでこのメモを見せるようにとトルコ語でメッセージを書いてくれる。
インフォメーションカウンターでそのメッセージを見せると、日本の航空会社はないと無愛想に言いながらも、女性スタッフは内線番号を書いて手渡してくれる。

何も分からないまま、カウンターにある電話でその番号をかけると日本航空の日本人スタッフへと繋がる。
事情を一通り説明すると、一緒にトルコ航空へ掛け合ってくれるということとなった。

結果的には、先ほど自分が行ったトルコ航空のオフィスから、日本のオフィスへ発券済航空券の内容を確認したいと依頼をしているらしいが、返事はないとのこと。
トルコと日本との時差が6時間あるため、日本は夜の21時でオフィスは閉まっているのが原因だという。
日本のオフィスに確認することができれば、同じ条件の航空券を$50(6000円)で再発行できるらしい。念のため、もういちど、メインオフィスから日本へ打診してくれたらしいが、日本が夜のため、翌朝まで待って欲しいと言われる。


これ以上は、自分ではどうしようもないため、日本航空の女性スタッフにお礼を言う。最後に、「領事館はあてにしない方がいいですよ」と言われる。やはり、評判は悪いらしい。
帰りは、安いからということで教えてもらった乗り合いバス7,000,000TL(約630円)を利用し新市街へと戻る。



《PM 16:00》
領事館へ向かい予約内容を打ち出したペーパーを渡し、事情を説明すると、渡航書を発行してくれるとのこと。明日の朝一番にトルコ航空のオフィスへ向かいたいので、もし今日中に発行できるのであれば、17時まで待たせてくれないかと無理を言ってみる。
領事が会議のため難しいが、掛け合ってくれるとのことだったので、待つことにする。渡航書発行には、$30必要だというので、最後の1万円札を両替するために一度外に出る。
銀行では、初めて日本の1万円札を見たらしく、両替に手間取ったものの何とか切り抜ける。


《17時10分》

両替に思ったよりも時間がかかり、17時過ぎに領事館に戻ると、入口で「もう終わりですから」と完全シャットアウト。
「荷物を中においたままだから」と言い、何とか中に入るが、結局領事が打合わせが終わらないため翌朝来て欲しいとのこと。
できれば今日中に、手に入れたかったが、やむを得ず、退館することに。

帰り際に、しつこく「時間が決まっているので、ルールは守ってください」ときつく言われる。
この対応に完全に領事館に対し愛想をつかしてしまう。いくら、民間企業ではないとは言え、あまりに対応が酷すぎる。



ガラタ塔

アタテュルク像

教会

帰りも、徒歩で歩いていく。下り坂のため、行きよりはかなり楽だった。途中、教会へ寄り、ようやくイスタンブールへ来たことを実感する。
ガラタ橋の袂では昼飯兼晩飯を食べる。値段が予想以上に高かったため、単品のみ頼み、ビールを飲む。ガラタ橋で有名らしい、鯖サンドはこのときは知らなかったため、残念ながら機会を逸してしまった。


宿に着いたのは、19時くらいだが、一日中イスタンブールを走り回り疲れていたこともあり、そのままベットへ倒れこむ。

果たして、明日は本当に日本へ帰れるのか?
不安を抱きつつ就寝する。