BOOK REVIEW

VOLUME 2

 

ローリング・ロンドン

友成 純一 (扶桑社文庫)

ロンドンが好きな理由に「何だか見知らぬ土地に来た気がしなかった」という印象を持ったという方が 意外に多いのではないか。
本書の著者もそうであり、私自身もそうであった。
この本では、ロンドンを四季別にその風景、出来事が分けて書かれている。

 

英国ありのまま

信吾 (中公文庫)

ロンドンで10年間過ごした経験から英国入国審査の話、英国料理への不満、英会話、泥棒、 気候などについてかなり辛口、ちょっと小言系に書いている。
特に気楽に何とかなるさ的に入国して就労しながら暮らそうなどと、考えている人にはキツイ現実 を知らされる。

 

イギリスは愉快だ

(文春文庫)

「イギリスはおいしい」に続く第二作。
前述の林信吾さんと並んでイギリス指南書の著者としては双璧か。
しかし内容は正反対で信吾―ジャーナリストらしく切り口ハード、に対し、望―イギリスをこよなく愛し、 受け入れソフトである。
本書は著者本人も語っているとおり、イギリスの単純な案内書としてではなく、それへの思い入れが ひしひしと伝わってくる。

 

こちらロンドン漱石記念館

恒松 郁生 (中公文庫)

著者はイギリスと夏目漱石が好きということで留学し、漱石記念館をロンドンに設立してしまった。
ここまで徹底している話は読み終わってもすっきりそう快である。
後半はロンドンでの生活を楽しむ方法、イギリス留学のすすめと留学後の英会話向上のひけつなど 実用的な話題という構成になっている。

 

漱石のロンドン風景

出口 保夫 (中公文庫)

漱石ものをもう一つ。
漱石が留学していた
1900 年のロンドンの風景を、今でいう名所旧跡 市民の暮らし、漱石が暮らしていた周辺の様子などを微に入り細に穿って描かれている。
写真・挿し絵(画アンドリュー・ワット)が豊富でこれらを見るのも楽しい。

 

イギリス観察学入門

三谷 康之 (丸善ライブラリー)

普通に観光していては、絶対気づかないイギリス独特のモノの紹介である。フット・パス や窓へのこだわり、玄関横にある靴の泥取りなど、歩いて文字どおり観察しなければ気づかない。時にはそんな余裕の旅もいいのでは。