1,集合写真を持っている。


「それに…俺もバイオドールかも知れないんだ。」
突拍子もない俺の告白に、イリスは、顔を上げ、涙で腫らした目を文字通り丸くする。だが、根拠のない話しではない。

「君もマーコス少佐の言葉を聞いただろう。マーコス班に、ソーンが配備されたように、俺のいたアレード班にも、配備されてたはずなんだ。俺の記憶が、自分のモノかどうかも、自信がなくなったよ。なにより、この作戦で、ただの人間が生き残る確率なんてゼロに等しい。俺も、いや、俺が最後のドールかも知れないんだ…」

ドールシークレットルームで手に入れた一枚の写真。いつ撮ったかさえ曖昧な、アレード班の集合写真。この中で生きているのは俺一人だ。何も知らなければ、こんなにも笑えたのに。いまでは、この写真こそが疑惑の種だ。

「人でない。と言う事は不安よね…それが、人間じゃないかも知れない。と言う疑惑の段階なら、なおのこと…」
ジェーンが、写真を取り上げる。

「みんな楽しそうね…ブライアンも、こんな素敵な笑顔をしてる…」
「ブライアン?、それがドールの名前か?」

それが、アレード班に配備されたドールの名前。名前からして男なのは間違いない。やはり、俺が…悲痛な表情の俺をジェーンがクスクスと笑う。罪のない笑い声。

1、ジェーンを見る。



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