1,何かの役に立つかも知れないので取りに行く


大きく息を吐いて、呼吸を整える。支給された拳銃を引っぱり出す。役に立つとは思えないが、銃の重みが、安心感を与えてくれる。

遮蔽物となるような位置を見立ててから、ドロシィをしゃがみ込ませる。コクピットハッチを開けて、周囲を警戒しながら、ドロシィの手に乗り移ると、ドロシィはその腕をゆっくりと下ろしていく。

モニターからとでは、視点に微妙なズレがあるため、探すのに少々手間取ったが、カードが提出されている場所を見つけることが出来た。大きく息を吐く。

前に立ったら、ドカン。ハズレだ。

カードを引き抜いたら、ドカン。ハズレだ。

振り返ったら、バン。ハズレだ。

予想に反して、対人トラップは無かったようだ。着座姿勢のままのドロシィが目にはいる。ただ、座って、俺の帰りを待っているだけだと言うのに、全長18メートルの大きさから来る威圧感を実感する。この巨人に銃口を向けられたのに、あのバイオドールは平然としていた。なぜだ。

今は、ドロシィの元に帰ることを優先しよう。まだ最後に、離れたらドカン。と言う可能性もあるが…歩き始めた子供が、母親の方へ歩き出すような心境で、ドロシィの元へと一歩を踏み出す。爆発も衝撃もない。大きな掌から、胎内へと戻る。ハッチが閉まると、ようやく生きて戻れたという安堵感に浸り込む。

完全な解析は出来ませんが、公有のシステムキーではなく、個人のプライベートキーと思われます。
>この未登録カードをカードBとして登録します。

カードBを入手。記録シートに記入しておくこと

金庫の鍵・・・か。ここでの金庫はコンピューターだろうけどな。よからぬ研究データか、予算の横領か、そのうち答えは出るだろう。

1,この場を離れる。



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