1、カマをかける。


「オレが、いくら貰うかだって?。あんたには、世話になったから、せめて……わかったよ。一人当たり、ゴールドだ。あんたにも、準備金としてゴールドが支給される。どうだ、悪い話じゃないだろ?」

沈黙に耐えかねて、若きクロマク候補生の眉間の皺が深くなる。まだ、ウラがあるようだ。やはり、なかなかのやり手のようだ。
「わかった。わかったよ。全部話す…まったく、やりにくいったら無いぜ」

そう言って、タンブラーの中身を飲み干す。中身は、なにかのソーダのようだ。背伸びはしても、酒とタバコとドラッグには手を出さない。そんなところも気に入った理由だ。

「えーと…まぁ、だいぶ込み入った話になるんだけどサ、N◎VAにいかにもなお上りさんがいてさ。チンピラレッガーに絡まれていたのさ。音羽商事になる前なら、こんな事はなかったんだけどなぁ」

原色がけばけばしく配色された缶から、缶に負けない程の蛍光色の液体がタンブラーに注がれる。その毒々しい飲み物では、逆に喉を害しそうだが、若きクロマクは喉を鳴らして嚥下していく。

「そんでな、オレがチンピラをのして……そんな目で見るなよ、ファミリーの連中に言って、チンピラの気を引いて、その隙に助け出したって寸法さ。で、まぁ、ついでに色々と話しを聞いたら、N◎VAに腕利きを捜しに来たって言うだろ。そしたら、ホラ、クロマクのオレの出番さ」

「仲介料に、シルバー貰って、ここに来たって寸法さ。どうだい、美女の同伴で、ゴールド。いい話だろ」

コイツの悪い癖は、本当に大事なことを忘れることにある。

「え、何も言ってなかったっけ?。そのお上りさんってのは、女性で、結構な美人だったぜ。しかも、ウェット。いやまぁ、見た感じで確証はないけど。それで、ヤマタイにあるビーストシティで、調べたいことがあるからって、ボディガード捜しているって事らしいんだ」

ビーストシティ?聞いたことがないな。

「ああ、それでまぁ、色々と調べてみたワケよ。ウラを取るのもクロマクの仕事だろ。そしたら、なんと死国にあるらしいんだ。政府がハンター募集している見たいなんだ。バケモノ狩りのな」

何を狩るんだ。犯罪者か、それとも、サイコ野郎か?
「いんや、本物のバケモノらしい。ミュータント狩りって奴じゃないの?」

狩ってどうするんだ。もはや、見捨てた死国だろう?。住民の安全などきれい事も通用しない
「さぁ、オレに聞いても、しらねぇよ。研究材料とかにするんじゃねぇの。あの姉ちゃんも、VFEで、ミュータントにも人権を。とかだったりしてな。へへ、あんたの好奇心にも火がついたかな。で、どうする?」

1,引き受ける

2、断る