メッセージ 316


 「ありがとうは光の言葉」


  往診中の車の中で・・・
  ORANGE RANGE の「花」を繰り返し聞いていました。
  「ありがとうございます」の言葉を唱えながら・・・

  それはふいにやってきました。
  突然目がかすみ・・・
  大粒の涙が・・・
  とめどもなく流れ・・・
  目を真っ赤にして・・・
  大泣きしながら・・・
  車を運転していました。

  心の奥底で氷のように冷たく固まっていた深い悲しみが・・・
  あたたかな歌のお陰で・・・
  ゆっくりと溶けて涙になったんだと思います。
  流れる涙に「ありがとう」と感謝している自分がいました。

  平成10年に・・・
  8歳の最愛の息子の宗一郎を小児ガンで亡くしました。
  深い悲しみの海の中でもがき悲しむ自分がいました。
  子供を亡くすという悲しみに打ちひしがれていました。
  生きる力も失って・・・
  毎日毎日・・・泣いていました。
  多くの涙を流しました。
  いつになったら・・・
  この悲しみが癒されるのか・・・
  本当に辛く悲しい日々でした。
  そんな自分を救ってくれたものが・・・
  「ありがとう」という言葉なんです。

  いつしか・・・
  「ありがとう」を口に出している自分がいました。
  気づいたら・・・「ありがとう」という言葉をカウントしていました。
  この言葉を繰り返すことによって・・・
  深い悲しみの海の中に光が灯りはじめました。
  悲しい出来事のひとつひとつが・・・
  だんだんとだんだんと悲しみではなく大切なことなんだと思える
  ようになりました。
  そして・・・
  宗一郎の最後の言葉・・・
  「人と人は、信じあって・助けあって・解りあって・・・そして分かち合って
  生きていくんだよ」
  「悲しいときや苦しいときほど笑うんだよ」
  「自分を責めることが一番いけないことなんだよ」
  そんな言葉たちが・・・
  私の心に深くしみ込むようになりました。

  そして・・・
  思い出しました。

  光の世界に帰る直前の宗一郎の最後の言葉をです。
  声にならない声で最後の力をふりしぼって言ってくれた言葉をです。
  それが・・・
  「ありがとう」だったことを・・・

  悲しみや苦しみの中で・・・
  自然に口ずさんでいた言葉「ありがとう」は・・・
  光の天使の宗一郎が私を救うために贈ってくれた言葉だということに
  気づきました。

  「ありがとう」を繰り返すうちに・・・
  悲しみがどんどん消えてゆき・・・
  幸せがどんどん舞い込むようになりました。
  素敵なことがたくさん降ってきました。

  いつしか・・・
  「ありがとう」が「ありがとうございます」へと変わり・・・
  今も毎日、車の中で唱えています。

  100万回、500万回、1000万回・・・
  どんどん唱えた数が増えれば増えるほど・・・
  外側にはなにも起こらなくなりました。
  平凡で普通の毎日を過ごせるようになりました。
  そのかわり・・・
  内側の心がどんどん幸せを感じ始めました。
  当たり前なことに幸せを感じる自分がいました。
  平凡で普通の奇跡にも気づくことができました。

  私たちは・・・
  実は・・・
  幸せの海の中に生きていることにも気づけるようになりました。

  深い悲しみは・・・
  いつしか・・・
  深い感謝に変わり始めていました。

  過去の全てに・・・
  「ありがとう」「ありがとうございます」を言えるようになり始めています。

  宗一郎がプレゼントしてくれた「ありがとう」という言葉。
  現在では2200万回を超えました。
  光の世界に帰るときまで・・・
  ず〜と「ありがとうございます」を唱えようと思っています。

  自分だけのためじゃなく・・・
  この世界に光として・・・
  「ありがとうございます」という言葉を投げかけてゆこうと思うんです。

  まだまだ・・・
  心の奥には・・・
  氷ったままの悲しみがあると思います。
  でも今日のように・・・
  突然の涙が・・・
  その氷ったままの悲しみを溶かしてくれると思います。
  そのたびにどんどん心が軽くなりあたたかくなってゆく。

  「ありがとう」という言葉。
  「ありがとうございます」という言葉。

  私にとっては・・・
  光の言葉なんです。

  この光の言葉を・・・
  この世界で深い悲しみに沈んでいる人々に届けたい。
  それが・・・
  宗一郎から託されたことなのかもしれませんね。

  人生は・・・
  本当に素晴らしいです!!!

  ルンルン・・・

  ありがとうございます。