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5 x 8 同軸切替盤
< 5 x 8 Cox Switching Package >

トランシーバやアンテナが増えるにしたがい悩みの種となってくるのがアンテナの切替えです。電気的に一番よい方法は少々原始的ですが、トランシーバ背面で同軸ケーブルを必要の都度、手でつなぎかえることです。ケーブル途中のスイッチやコネクタ類の接続ケ所が少なくなる分、ロスやミスマッチの発生源が少なくなるからです。しかし必要の都度とはいっても、そのたびにトランシーバ背面でケーブルをつなぎかえるのは容易ではなく現実的ではありません。そこで電気的な特性を多少犠牲にしても同軸切替器を使用することになります。筆者はどのトランシーバからも、対応するすべてのアンテナに効率よく接続できる同軸切替盤を製作し快適な切替を実現しています。接続は下図のとおりです。FTDX-9000やFT-920には本体内にもアンテナ切替器を内臓しているため、これも利用します。SW-Aの1番端子にはダミーロードを接続しました。これにより運用中のアンテナ切替はもちろん、ダミーロード接続による送信機のチューニング時も、手でケーブルをつなぎかえる操作は一切なくなります。 SW-C、SW-D、SW-Eの1番端子は通常、同軸ケーブルは接続していません。理由は雷対策です。雷発生時には、これら3個のSWを1番端子に切替えるだけで、アンテナとトランシーバ間すべてが切り離し状態になり、トランシーバを保護することができます。とはいっても、これだけの機能のために端子を遊ばせておくのはもったいないので、1階サブシャックとして設置した IC-703 と C-8800 トランシーバを、使用時のみこの1番端子に接続し、サブシャックからもすべてのアンテナに接続可能となるようにしてあります。



写真左:
組みあがった5 x 8同軸切替盤。写真右:同軸ケーブルを接続した様子。1回路2接点同軸切替器(CX210A)3個と1回路3接点同軸切替器(CX310A)2個を 600 x 360mm の棚板に配置し固定します。ついでにLPFも取り付けちゃいました。組みあがった切替盤はリグ机の下部に水平置きにしてケーブルをつなぎ込みます。SW-Eは盤面スペース(将来なにかを取り付けられるかも・・・)を稼ぐため中央に配置しました。5 x 8(ファイブバイエイト)というのはアンテナ側5端子、トランシーバ側8端子が出るため、この名をつけました。ちなみに以前は2 x 3(ツーバイスリー)方式で切替をしていました。

参考:使用した同軸切替器の規格(メーカ資料より転載)

DIAMOND
CX210A
(3個使用)
 ・1回路2接点
 ・周波数範囲:DC〜1000MHz
 ・インピーダンス:50Ω
 ・コネクター:M形
 ・SWR:DC〜500MHz(1.05以下)、500〜1000MHz(1.1以下)
 ・挿入損失:DC〜500MHz(0.05dB以下)、500〜1000MHz(0.1dB以下)
 ・アイソレーション(終端時):DC〜200MHz(70dB以上)、200〜1000MHz(60dB以上)
 ・最大許容電力:1.5KW
 ・外形寸法:71W x 57D x 42H(mm)
 ・重量:440g

DIAMOND
CX310A
(2個使用)
 ・1回路3接点
 ・周波数範囲:DC〜800MHz
 ・インピーダンス:50Ω
 ・コネクター:M形
 ・VSWR:DC〜500MHz(1.1以下)、500〜800MHz(1.2以下)
 ・挿入損失:DC〜500MHz(0.1dB以下)、500〜800MH(0.15dB以下)
 ・アイソレーション:DC〜500MHz(60dB以上)、500〜800MHz(50dB以上)
 ・通過電力(SWR1.2以下時):DC〜30MHz(1.5KW)、30〜150MHz(1KW)、150〜800MHz(500W)
 ・外形寸法:84W x 95D x 42H(mm)
 ・重量:575g

◎ このコーナーで公開した自作品は、筆者の単なる個人的な趣味で製作したものです。
本機製作により発生したいかなる不具合もしくは損害について、筆者が責任を負うものではありません。