平成15年2月6日(木)〜
続短断長 平成15年 | |
1 月 |
3:58 2003/01/28 きれいごと、か。 悪い場合ばかりではない。 例えば、結婚式。 新婦は、華やかであるべき十代に拒食症に苦しまれました。淵源は、ここに列席している実父による幼児期の性的虐待だったわけです。私の敬愛する、そして、普段はいたっておだやかな男である兄が、なぜ実の娘にそのようなことをしたのか、まことに、人とはおそろしい生き物、からだの震えを禁じ得ませんが、いっぽう、この震えの中身をよく自省しますと、同じ男としてあと襖一枚だったかもしれない叔父姪として私も同罪であったことだけは告白しておきたいのです。それほど、可愛らしかった。 新婦は、このような悲しい生い立ちを、男性たちとの金銭を介しました深い交情の積み重ねにより、しだいしだい克服され、ついにはひとつの覚悟にまでいたり、人としての新たな一歩を踏み出されるべくこの門出を迎えられました。 まことに生きるとは、苦難の連続。求めて苦しみの河にはまっていくごときものですし、性欲、金銭欲、名誉欲、その他数え切れない妄執のたぐい、自他の持つこれら凶獣を厳しく容赦なく調教しつつ歩まざるを得ないということを考えましても、新婦の前途は、以前にも増して険しいとおもんぱかるものです。 が、しかし、行くしかありません。引き留めたい気持ち、あと少し子供のままでいて欲しいという気持ちも、私にはあるのですが、自らの決断に責任をとるという杯を飲み干してしまったのですから、すでにやむをえないのです。 具体的には、若くて経験の浅い、見るからに怠け者の新郎の魂胆がみえすいているからでありますが、こいつのこれまでの行状はおおかたのみなさんがすでにご存じでしょうし、このあと反論があるということでもありますので、私はこれ以上は申しません。 がんばれ。清美ちゃん。 私のほうがずっと先に行っているだろうから、いつか、あの世で待っているよ。 拍手。 ・・・と、いくだろうか。 6:41 2003/01/24 旅館二階の見晴らしのよい場所でなつかしい面々と飲み会。 ふらっと階段まで行ってみると、女性陣や旅館の人が、私らのための熱燗数本をのせた盆を踏み段ひとつにひとつずつ置いてそれが十数もつらなっている。 この中央の盆の道を避けるようにして階段を降りる。 が、してはいけないとわかっていたのに、もつれ気味の足が盆をひとつ押し、全体が若干動き、まずいまずいと思いながらさらに押しており、ついに全体がなだれ落ちてしまう。 階段下は旅館の玄関広間で、転げ落ちた盆やプラスチック製のお銚子が玄関から前庭、車道へと散乱していくのが見える。旅館の人たちが総出でこれを回収しに走り回る騒ぎ。 私は「ごめんなさい、ごめんなさーい」とおらびながら階段を駆け下り、車道まで出て、お銚子を拾う。 が、一本だけ。中に四角い松ぼっくりのようなもの。 炬燵で寝ていた。 とんでもない夢だが、ちいちゃんと遊べた。 12:04 2003/01/20 鶯 という漢字。 ひかりのつかい、ということでしょうか。 姿のいいこと。 夏ならば、螢ですし。 13:22 2003/01/15 SID MEIER'S ALPHA CENTAURI (シド・マイヤーズ アルファ ケンタウリ 完全版) 昨夏以来(続短断長 7:01 2002/08/14 参照)のこのPCゲーム、事前知識なしに入手しましたが、大当たりでした。というか、おそろしいばかりに面白い。五ヶ月間、莫大な時間を費消させてくれて、かつ、悔いなし。 正編「アルファケンタウリ」の六レベル、続編「エイリアンクロスファイア」の六レベルすべてで、本日ようやく勝利できました。 当初の目論見で、ここまでできればクリアかと考えていましたが、たどりついてみればまだまだ甘いような。十四党派全部はプレイしていませんし、勝利条件も使っていない種類があります。それに、セーブしまくりで、ときには一動作ごとにセーブしてまでしのいで勝利につなげているわけで、アンフェアっぽいですしね。今後もやりこめる余地広大でしょう。 ひとことで言って、絶妙。 たとえれば、囲碁と将棋と麻雀のキモがそなわっている。 せっかくの「命」を、守るために、闘う。 手間ひまかけた「命」を、全うさせるために、闘いつづける。 勝っても負けても、次はどういう世界、状況、という興味が枯れない、惹かれる。 戦略好き、マシン好き、地図好き、育成好き、計画好き、そしてSF好き、こういう人たちなら涙流しそう。 人の世の似姿、ということがすべての創作物のひとつの理想であるなら、この作品は肉薄しています。 こういうものが、経験できるとは。 3:31 2003/01/11 作業場のような会場のような。OFF会というわけでもなく。私は同人誌の大量細断中。あちらにあの方がいらっしゃると人に教えられる。柱の向こうで老夫婦が書籍を積んで出店している。でむいて、ややおそるおそる頭を下げ「私が和香です」と切り出す。そして「どちらが・・」と尋ね顔で、はっきりしたらきちんと挨拶しようと思う。奥様が「二人がそうなんですけども」と。ご主人が「お前か。『平和の森』なんか書いた」といきなり非難がましく。むっときたけれど、なにか平和運動をちゃかすようなことを書いたかという気もする。うろおぼえ。書いたとしても短編のはず、この場で教えていただこうじゃないかと考え、「では今、持ってまいりますので」と下がって、本の山をひっくり返し、ダンボール箱をしゃがんで腑分けしと、確かあったはずの私の手作り作品集を捜す。しかし見つからず、時間ばかり過ぎて、目が覚める。 起床後、私のオリジナルデータの入った初号機全ドライブを「平和の森」で検索。三十分。見つからず。 8:04 2003/01/05 愛がぬけていますのでご注意ください。 知る人ぞ知るNHK囲碁講座の名せりふですが、今も言ってるんでしょうか。再三申し上げているように電波障害でほとんどTVと無縁に暮らしていますので、最近の事情に疎くて。 私は昔つまりTVをみているころは囲碁はほとんど分からなくて、でも少しは分かるようになりたいと願い、将棋講座そして将棋のNHK杯戦がおわってもそのまま消さないでおくと始まったこの囲碁講座のほうもしばしばみていました。 講座の終わりに詰め碁の問題が出題されます。音だけで観賞されている方々への配慮もあるのでしょう、司会兼アシスタント嬢の女流棋士が、淡々とでもすずやかに、石の配置を読みあげます。縦と横にアルファベットと数字が並んでおり「黒石、Aの3、Aの4、・・・」などと交点の目を言い表わしていきます。どちらが縦でどちらが横だったかはもう曖昧です。 全て読みあげてから最後に付け加えるのが冒頭に紹介したものでした。 種明かしをすれば、アルファベットの「I」が数字の「1」と紛らわしいので、符号は「ABCDEFGHJKL・・・」と並んでいる。「 I がぬけていますのでご注意ください」ということなんです。 聞こえているだれにでも分かるけれど、だれもことさらに触れないというような一瞬のふんわりした空気がよかったですね。 I は H のあと。 これは、今、私が思いつきました (笑) 14:06 2003/01/01 謹賀新年。(91KB) |
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