2,持っていない。


ドロシィに着座姿勢を取らせ、アイリーンの手を引いて、降りる。手ぶらで降りる俺を、ジーンは、おやおやと言う顔でこちらを見ている。

「勇敢なるナイトも、姫を守るだけで、手一杯だったようだね。まぁ、その方が、幸せかも知れないな。」

「この戦い、どっちが勝ったんだ?」
「どっちでもないよ。この戦いには、勝敗も意味もない。我々は、最初から無駄と知りつつ戦いを始めてしまったんだよ」
外見からは、かけ離れた老成された自嘲的な笑みを浮かべ、ジーンは、皮肉な口調で答える。

「どういう事だ?。」

「我々は、踏み台に過ぎない。と言う事さ。真の戦闘歩兵たるべきバイオドールのね」
「ジェネラルオーガニック社のバイオドールの事か?」

「そう、多分、所長はジェネラル・オーガニックの草だったんだろうな。所長は、今日この日のために、ジェネラルオーガニックの命をうけ身を潜め、我々は、今日この日のために、道化となるべく生み出されたのさ」

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