1,実験区画を調べる。
北側の実験区画は、奇妙なベッドの列ぶ空間だった。
「医療と言う感じではないな。まるで作業台のようだ」
自分で呟いておきながら、背筋が冷たくなるのを抑えられない。ベッドと呼ぶにはおぞましい作業台を視界から追い払い、目的のコンピューターへ接触する。ローガーがいれば、直接操作してもっと有益なことが出来るのだろうが、俺には専門外だ。ドロシィのコンピューターを経由して、目的を果たすしかない。
>HELLOW DOROSY I'M SPROUT
無人MSを作ろうかという研究所のコンピューターが、AIの様な反応をするのは、当然と言えば当然なのかも知れないが、どうにも落ち着かない気分だ。ともあれ、メインコンピューターへの接触を試みる。アクセスさえ出来れば、緊急制御コードを流し込める。それで作戦は終了だ。
>当該コンピューターSPROUTより、メインコンピューターAZALEAには、アクセス不可能
まぁ、予測したとおりだ。こんなに簡単に終わるのならば、特務部隊がかり出されるわけがない。他に有益な情報がないか検索する。南側の実験区画では、MS用の新兵器を実験していたらしい。実用に耐えるモノもいくつかあるようだ。90oと100oマシンガン用の高速弾に、180oキャノンの榴散弾。
こんなものの企画申請書なんて、何回出したと思ってるんだ。特に、バレルの短い100oマシンガンは、弾の起きあがりもあって、弾の改良は急務だってのに。
こんなところで、大艦巨砲主義の連邦軍をののしっても仕方がない。こんな小さい実験ではなく、もっとこの施設の根幹にかかわる実験データがあるはずだ。バイオドールの見分け方や弱点が載っているかも知れない。
データの海の深奥に、隠れている様なデータを見つけた。データと言うほどのモノではなく、問題なく処理されたと言う確認報告の類だが、なにかが引っかかる。
GESSO
GENE 03-OCT-0075 CONFIRM-Z
TEST252:B TEST253:A CLEAR GGG7355
VERMILION
HUGE 10-AUG-0076 CONFIRM-Z
TEST252:A TEST253:A CLEAR GGG8432
SCARLET
IRIS 25-FEB-0077 CONFIRM-Z
TEST252:B TEST:B CLEAR GGG9864
CARMINE
SUPPLEMENTARY PROCESS-S
PSYCHOLGOCAL EFFECT N205.G,V,S
こんなモノを、何十ものウォールの奥底に入れ込む必要があるのだろうか?。作戦名と同じカーマインと言う言葉。偶然にしては出来過ぎているが、SPROUTにも、どんな実験だったのか記録すら残っていない。
これ以上は無駄。とSPROUTとのアクセスを遮断する。
>GOOD BYE DOROSY
>GOOD BYE SPROUT
>ターミナルよりカード提出、取得するか選択せよ。
カードと言っても、支給されたマスターカードの様な、データではなく、ほんもののカードキーの様だ。いかにMSのマニュピレーターが細かい作業が出来ると行っても、人間用につくられたカードキーを掴むには、すこし大きすぎる。カードキーを取りに行くには、MSから降りなくてはならない。
1,何かの役に立つかも知れないので取りに行く
2,危険なのでこの場を離れる
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